青白コントロール

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青白コントロール(Blue-White Control)は、白青の2で構成されるコントロールデッキパーミッション力が重要で青重視となることが多いため、色の順序通りの白青コントロール(White-Blue Control)ではなく、こちらの呼称で呼ばれることが多い。

目次

[編集] 概要

伝統的にパーマネントの処理が苦手であるため、それをの優秀な除去呪文などで補ったデッキである。白は唯一クリーチャーエンチャントアーティファクト全ての除去が得意な色であり、2色でも十分な対応力を確保できる。デッキタイプとしては基本的にパーミッションの構成を取る。赤緑ステロイドと同じく、最もオーソドックスなアーキタイプの1つである。

序盤は白のコントロールカードや青のカウンター対戦相手を止め、中盤以降は青のドローカードや白の全体除去アドバンテージを積み重ね、終盤はカウンターを構えながら大型フィニッシャーを展開して勝負を決める。これが定番の勝利パターンである。他の友好色2色デッキと比較して、共通する対抗色(である系の)デッキに強いのも特徴で、態勢が整っていない序盤を凌げるか否かで勝敗が分かれることも多い。

一般的なパーミッションと比較して特筆すべきは、ビートダウンデッキとの相性だろう。白の除去が加わったことで、展開が遅く、テンポ・アドバンテージボード・アドバンテージを得やすいミッドレンジビッグ・マナ系のビートダウンデッキには圧倒的に強くなっている。一方、ウィニーを筆頭とした展開の早いビートダウンデッキに対する相性は一概にはいえない。全体除去により膨大なボード・アドバンテージを得ることはできるが、それでも展開の速度差があまりに大きいと、こちらのコントロールが確立する前に押し切られる場合もある。サイドボードからライフゲインや白の優秀な小型クリーチャー、エンチャント・アーティファクト除去等を投入できるため、サイド後はより幅広いデッキに対抗できる。その時代のカードプールメタによるところも大きいが、青単色のパーミッションに比べ柔軟性が大きく増していると言える。

カウンターによりコンボデッキに強い点、クロック・パーミッション手札破壊に弱いところは一般的なパーミッションと同様である。一方、カウンターのスロットを除去等で圧迫しているので、これらの除去が腐りやすい純粋なコントロールデッキ相手には、メガ・パーミッションなどよりも分が悪くなっている。

カウンターなどの基本的なコントロール向きのカードがあれば簡単に作れるので、現在の色の役割が変更にならない限り、このアーキタイプが消えることはないだろう。

  • どちらのダブルシンボルのカードを使うため、土地配分には気を配る必要がある。
  • 全体除去や優秀なフィニッシャーは高い稀少度に設定されるため、往々にしてレアカード満載になり費用がかかるデッキタイプである。だが、デッキの中心となる高額カード(神の怒り/Wrath of Godアダーカー荒原/Adarkar Wastesなど)が基本セットを中心としているので、初期投資を惜しまなければ、同じカードの使いまわしで長く楽しめるデッキタイプであった。
    • ただし基本セット2010以降はこの手の「定番カード」が稀になり、ストーリーに合わせた調整版が使われるようになったこともあり、カジュアルプレイ以外だと同じカードで長く楽しめるとは一概にはいえなくなっている。

[編集] スタンダード

下記の時期のスタンダードにおいても、活躍を見せる。

[編集] ブロック構築

下記の時期のブロック構築においても、活躍を見せる。

[編集] ヒストリック

ヒストリック環境にも存在する。


各種除去カウンターでしのぎ、ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominariaサメ台風/Shark Typhoonへとつなぐ。

[編集] サンプルリスト


[編集] エクステンデッド(ローウィン期)

ローウィン期のエクステンデッドにも、青白コントロールは存在する。



台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finksなどの優秀なクリーチャー謎めいた命令/Cryptic Commandなどの打ち消し呪文流刑への道/Path to Exile等の除去で序盤を凌ぎ、プレインズウォーカー精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor戦場を制圧、フィニッシャーで勝利する伝統的な構成である。

上記のブロッカー全体除去、そして悪斬の天使/Baneslayer Angelの存在によりビートダウンに優位に立つことができる。また台所の嫌がらせ屋やヴェンディリオン三人衆/Vendilion Cliqueにより序盤からクロックをかけることもでき、能動的な立ち回りができるのも利点である。

ミラディン包囲戦饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famineが登場してからは石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mysticを加えた青白石鍛冶が主流となったが、石鍛冶の神秘家は2011年10月1日よりエクステンデッドの禁止カードに指定されてしまった。


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[編集] エクステンデッド(ローテーション導入後)

エクステンデッドローテーションが導入された後、デュアルランド剣を鍬に/Swords to Plowsharesなどを失い、青白コントロールは一時鳴りを潜めていた。その後、ミラディン等時の王笏/Isochron Scepterを獲得し、オアリムの詠唱/Orim's Chantとのコンボを核としたセプターチャントとしてメタゲームに復帰する。



また、ディセンションでのアゾリウスギルド参入によるマナ基盤安定後は、青単トロンの流れを汲むウルザトロンデッキ青白トロンも登場した。



[編集] エクステンデッド(デュアルランド期)

デュアルランド時代のエクステンデッドでもよく見られたデッキタイプである。意志の力/Force of Will剣を鍬に/Swords to Plowsharesなどの定番カードがその骨格を支える。

初期にはアイスエイジ期のスタンダードと同様カウンターポストが活躍。


不毛の大地/Wastelandの台頭でカウンターポストが衰退した後は、フィニッシャーなどのためにを加えるタイプが主流になった(→ワラミーズ)。


ただ、オデッセイ以降、パーミッションとしては別に強力な青黒コントロールサイカトグが登場し、このデッキは活躍の場を奪われてしまった。

[編集] パイオニア

パイオニアでもメタの一角となっている。



吸収/Absorb検閲/Censorなどの打ち消しアゾリウスの魔除け/Azorius Charm時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Ravelerなどのバウンスで時間を稼ぎ、クリーチャーが並んだら至高の評決/Supreme Verdictリセットする。フィニッシャードミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun's Championなど。

プレイヤーズツアーブリュッセル20では使用率3位[1]プレイヤーズツアー名古屋20では使用率4位タイとなった[2]


2021年2月25日に時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler禁止カードに指定されたが、以降も記憶の氾濫/Memory Delugeなどの相性の良い新カードを得てメタゲームに留まっている。特に神河:輝ける世界で登場した放浪皇/The Wandering Emperorインスタント・タイミングで動け除去にもフィニッシャーにもなる性質からほぼ確実に採用される。

[編集] サンプルリスト

[編集] テーロス還魂記期


[編集] 機械兵団の進軍:決戦の後に期


[編集] ヨーリオン型

[編集] モダン

モダンでは環境初期にCaw-Bladeが少数存在し、アヴァシンの帰還参入後にはその流れを汲むNo-Cawメタの一角を担うまでになった。やがて主流はを足した青白赤コントロールに移ったが、青白2コントロールないしミッドレンジ系のデッキも少数ながら存在し続けている。



デッキカラーを2に抑える利点として、幽霊街/Ghost Quarterなどの色マナを生み出さない土地を採用しやすいという点が挙げられる。



精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptorが解禁され、ドミナリアドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominariaを獲得すると、メタゲームの中心に食い込んでいる。終末/Terminusと精神を刻む者、ジェイスのシナジーが採用され、青白奇跡コントロールのような動きも見せる。

[編集] サンプルリスト

[編集] 初期型


[編集] ドミナリア参入後


[編集] エターナル

エターナル環境では、行き詰まり/Standstillドロー手段に、ミシュラランドダメージクロックフィニッシャーに据えたランドスティルと呼ばれるタイプが主流。



詳細はランドスティルを参照のこと。

また主にレガシーにおいて、奇跡呪文を軸に据えたタイプも活躍している。


詳細は青白奇跡コントロールを参照。

[編集] パウパー

パウパーにはカウンターこそあるものの、神の怒り/Wrath of Godのような全体除去はないため、なかなか成立しないアーキタイプではあるが、ブリンク現実の酸といったデッキが存在する。



詳細は各ページを参照のこと。

[編集] 脚注

  1. Players Tour Brussels Day 1 Pioneer Metagame(Competitive Gaming 2020年1月31日 Tobi Henke著)
  2. プレイヤーズツアー・名古屋2020 1日目メタゲームブレイクダウン ~開拓者たちの選択~(EVENT COVERAGE 2020年2月1日 小山和志著)

[編集] 参考

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