リアニメイト
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リアニメイト(Reanimater / Reanimation)は、墓地からクリーチャー(まれに、他のパーマネント)を直接戦場に出すこと。または、そのような呪文や能力、デッキの総称。アニメイト、リアニ、リアニメイターとも呼ばれる。語源は英語の「Re(再び)」「Animate(魂を吹き込む)」から。再活性/Reanimateというそのまんまなカードもある。
- なお、この直接戦場に出すことを釣るという。
概要
リアニメイトの魅力は、クリーチャーのマナ・コストと色を完全に無視しながら比較的早い段階で戦場に出せることにある。普通「出れば強いけど重くて使えない」と見向きもされないクリーチャーを使えるというわけである。
古えの動く死体/Animate Deadしか無かった頃から存在するデッキタイプだが、実戦的なデッキへと仕上がっていったのは、ウェザーライトにて生き埋め/Buried Aliveが出てきてから。弱点の多いデッキだが、早いターンから大型クリーチャーで殴れる快感に取り憑かれた者は多い。
(色が合わないなどで)手札から唱えることが不可能なクリーチャーが使われることも多いので、バウンスに非常に弱い。逆に墓地に落ちてもリアニメイト手段が残っていれば何度でも戦場に出すことができるので、カウンターや除去には若干耐性がある。
リアニメイト防止
一部の強力なカードは、リアニメイトによって容易に戦場に出すことを防ぐために、墓地にカードを残さないようにする能力を備えている場合がある。そのような能力を、俗にリアニメイト防止策(anti-reanimation clause)と呼ぶ。
リアニメイト防止策は、主に以下の2パターンがある。
- 誘発型能力によるリアニメイト防止
- 元いた領域を問わず墓地に置かれることで誘発し、その解決時に効果としてライブラリーに戻すパターン。真実の解体者、コジレック/Kozilek, Butcher of Truthなど、自身だけでなく墓地のカードすべてを戻すものもある。
- このパターンの場合、もみ消し/Stifleなどで能力を打ち消したり、イクスリッドの看守/Yixlid Jailerで能力を失わせたりすることによって墓地に残せるほか、その能力がスタックに置かれている間は墓地にあるため、インスタント・タイミングのリアニメイト呪文・能力があればリアニメイトが可能である。
- 常在型能力によるリアニメイト防止
- 「墓地に置かれる」ことを「そのカードを公開し、ライブラリーに加えて切り直す」に置き換える置換効果を生成するパターン。
- 誘発型能力ではなく、また墓地に存在する期間が存在しないので、もみ消しなどで打ち消すことはできず、インスタント・タイミングでのリアニメイトも不可能である。墓地に置かれる前に能力を失わせることで墓地に残すことはできるが、エルドラージ覚醒現在、戦場・墓地以外の領域にあるカードの能力を失わせるカードは存在せず、墓地に置くには一度戦場を経由する必要があるため、リアニメイトに利用するのは非常に難しい。
- イクスリッドの看守/Yixlid Jailerではこの能力を妨害することはできない。置換効果は、それが置換するべきイベントが起こる直前の段階で有効かどうかを見るからである。つまり、墓地に置かれるというイベントの直前=まだ以前の領域にある段階で能力を失わせないと意味が無い。
- 虚空の力線/Leyline of the Voidなどの「墓地に置かれる場合、代わりに追放する」の置換効果の影響下でこの能力を持つカードが戦場やスタックから墓地に置かれる場合、そのカードのコントローラーがライブラリーに戻すか追放するかを選択することができる。戦場・スタック以外から墓地に置かれる場合はオーナーが選ぶ。置換効果の項目を参照。
- これを持つカード
- レガシーの兵器/Legacy Weapon、ダークスティールの巨像/Darksteel Colossus、大祖始/Progenitus
- セラのアバター/Serra Avatarも一時期はこちらの能力を持っていた。
どの領域からもライブラリーに戻る性質から、リアニメイト防止策を持つカードはライブラリーアウト防止として用いられる場合もある(キメラ、対ライブラリー破壊など)。また、ライブラリーから直接出すタイプのデッキ(Pro Bantなど)にとってはメリットにもなり得る。
主なデッキ
このジャンルの主なデッキには以下のタイプが存在する。
- 通常のファッティを呼ぶタイプ : ゴジラ、ニコル・シュート、ベンツォなど
- 大量のクリーチャーを一気に呼び出すタイプ : 波動機リアニメイト、ゴブリン召集など
- コントロールデッキ : Animate Mix、ナチュラルデス、ナイトメア・サバイバル、太陽拳など
- 瞬殺コンボタイプ : アングリーハーミット2、セファリッド・ブレックファースト、ワールドゴージャーなど
- クリーチャーではなく、エンチャントやアーティファクトをリアニメイトするタイプ : 補充、スタックス
- ビートダウン : ベリード・アライブ、フリゴリッド
詳細はデッキ集の項目を参照のこと。
アラーラの断片ブロック+ゼンディカー・ブロック期
エルドラージ覚醒で自己再生能力を持つ復讐蔦/Vengevineが登場、これを利用したビートダウンがいくつか生まれた。
特に基本セット2011で相性抜群の獣相のシャーマン/Fauna Shamanが加わったことが大きい。バントアグロやナヤビートダウンにこのギミックが採用されたほか、面晶体のカニ/Hedron Crabなどにより墓地利用に特化したドレッジ・ヴァインなどのデッキも存在する。
時のらせんブロック+ローウィン=シャドウムーア・ブロック期
強力なフィニッシャーとリアニメイトカードの追加されたローウィン後のスタンダードにおいて、The Finals07で優勝し復活を果たす。使用者は藤田修で、ほぼ同じデッキを使用した黒田正城もベスト8に入った。
主にマーフォークの物あさり/Merfolk Looterなどのルーターで手札を回転させ、戦慄の復活/Dread Returnなどで釣るのが基本。怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath・ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite辺りがリアニメイト対象になる。
その場しのぎの人形/Makeshift Mannequinでボガーダンのヘルカイトを使いまわすシナジーが採用されており、マネキンコントロール同様想起持ちクリーチャー再利用エンジンも搭載される。
また、共鳴者であるウーナのうろつく者/Oona's Prowlerや難問のスフィンクス/Vexing Sphinxからのダメージクロックにより序盤からプレッシャーをかけることも可能であるため非常にビートダウン要素が抜きん出ている。
サイドボード後は思考囲い/Thoughtseizeで墓地対策カードやカウンターに対処する。
- The Finals07の段階ではメタ外だったため墓地対策がほとんど存在せず、さらにファッティを高速召喚する性質から当時メタゲームの中心にあった黒緑ビートダウンに有利であることも追い風となった。
- これ以外にも同大会には高橋純也製作の新型ナルコブリッジが登場し、こちらもベスト8進出者を一名輩出している。
- リアニメイトの性質上バウンスに弱い。モーニングタイド参入後はヒバリブリンク隆盛により裂け目翼の雲間を泳ぐもの/Riftwing Cloudskateが幅を利かせるようになり衰退した。
サンプルレシピ
ラヴニカ・ブロック+時のらせんブロック期
ラヴニカ・ブロック+時のらせんブロック期のスタンダードでは、神河ブロックの退場で伝説のドラゴンを失ったが、時のらせんで怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrathが再録されたため太陽拳は健在。小悪疫/Smallpoxを使用するソーラーポックスも登場する。
また、時のらせんでの蘇生/Resurrectionの再録を受けて、黒を使用しない構成も可能となった。ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkiteを使用したトリコロールタイプのデッキ、昇竜拳が代表的。
未来予知参入後は発掘デッキにナルコメーバ/Narcomoebaなどを入れたナルコブリッジが活躍した。
神河ブロック+ラヴニカ・ブロック期
スタンダードではしばらくなりを潜めていたリアニメイトデッキだが、神河ブロックで墓地に落ちたときに能力が誘発する伝説のドラゴン、ギルドパクトで強力なCIP能力を持つ絶望の天使/Angel of Despairなどを得、これらを債務者の弔鐘/Debtors' Knellで立ち上げ戦場を制圧する白黒コントロール・誰がために鐘は鳴るが登場。
墓地に素早くファッティを送る手段に乏しく、ゾンビ化/Zombifyは殆ど使われない。
これに青のドロー兼墓地増強を加え、債務者の弔鐘/Debtors' Knellに替わってゾンビ化/Zombifyによる高速リアニメイトを実現したものがヤマコン(特に太陽拳)である。
また日本選手権06ではよりリアニメイトに特化したリアルジャパニメイションというタイプも登場した。
オンスロート・ブロック期
オンスロートで強化された部族デッキに総帥の召集/Patriarch's Biddingを組み込んだものが登場。
ゴブリンを使うゴブリン召集やゾンビを利用するゾンビ召集などが当時のスタンダードやオンスロート・ブロック構築で活躍した。
オデッセイ・ブロック期
墓地をテーマにしたオデッセイ・ブロックの登場で日の目を見る。
納墓/Entombや生き埋め/Buried Aliveでファッティを墓地に送りゾンビ化/Zombifyで釣る典型的な構成である。
この時期の代表的なデッキリストはWorld Championship Decks 2003を参照。また、エンドレスリアニメイトなどのバリエーションもある。
ウルザ・ブロック+マスクス・ブロック期
この時期のリアニメイトはかなり特殊であり、通常のクリーチャーではなくエンチャントをリアニメイトする補充デッキが登場する。
特にパララクス・エンチャントと組み合わされたパララクス補充は当時のスタンダードを席巻するほどの力を誇った。
テンペスト・ブロック期
テンペスト・ブロックで強力なリアニメイトカードが数多く登場したため注目を集める。この時期は、ファッティをマナ・コストを踏み倒して高速召喚するタイプではなく、大量蘇生の生ける屍/Living Deathや使い回せる繰り返す悪夢/Recurring Nightmareで187クリーチャーにより戦場をコントロールするタイプが登場した(→リビングデス、ナイトメア・サバイバル)。
それ以外にも、再活性/Reanimateを使った通常の高速型(ゴジラ、ミニオンシュートなど)や生ける屍/Living Deathを利用した瞬殺コンボデッキ(ターボリビングデスや波動機リアニメイト)も登場した。
ミラージュ・ブロック期
ミラージュ・ブロック期には主に2種類のデッキが存在する。
1つは、生き埋め/Buried Aliveと自力で墓地から復活できる灰燼のグール/Ashen Ghoul、冥界の影/Nether Shadowを何度も再利用するベリード・アライブ。
もう1つは、ニコル・ボーラス/Nicol Bolasを葬送の魔除け/Funeral Charmと浅すぎる墓穴/Shallow Graveで1ターン目に対戦相手に撃ち込む、ニコル・シュートという名の凶悪なコンボ・デッキ。
アイスエイジ・ブロック期
アイスエイジ・ブロック期では、当時サイズが最大のクリーチャーだったPolar Krakenを用いたクラーケンバーンが登場。Polar Krakenは累加アップキープにより維持が大変なため、1〜2回殴った後でBurnt Offeringでマナに換えて火の玉/FireballなどのX火力を唱えて勝負を決める。
理論上3ターンキルが可能という魅力があり、リアニメイトの人気と認知度を高めるのに一役買った。
黎明期
初期のリアニメイトは動く死体/Animate Deadが主に使われる。トリスケリオン/Triskelionの使い回しによるアドバンテージを軸にしたコントロールデッキが主流だった。
Animate Mixと呼ばれる白黒のデッキが中心で、釣るためにトリスケリオンの3発目で、それを自爆させるようなプレイングがあった。
またタッチ黒のバーンで、使用済みボール・ライトニング/Ball Lightningを釣り、動く死体を5点の本体火力として使うデッキも存在した。このデッキにもトリスケリオンが搭載される事が多い。
またシンプルに巨大クリーチャーを釣るタイプも存在し、先攻ドローありだった時代は、ドローしてそのままターンを終わらせ余剰カードを捨てた後、次のターン釣り上げるといったことも行われた。先攻ドローなしになってからは、自ら後攻を選ぶことで同様のことをしていた。
エクステンデッド(ラヴニカ:ギルドの都後)
エクステンデッドでは、ローテーションで再活性/Reanimateや死体発掘/Exhumeなどの主力リアニメイトカードを失い、一時期勢力は急激に衰退。
しかしラヴニカ:ギルドの都の新メカニズム・発掘に自力でリアニメイトできるイチョリッド/Ichoridを組み合わせたフリゴリッドが登場、メタの中心を担うことになる。
また一部では、再活性/Reanimateなどを生+死/Life+Deathで代用する古典的なリアニメイトデッキも使用されている。
エクステンデッド(オデッセイ後)
リアニメイトはオデッセイ参入以降、エクステンデッドでも強力なアーキタイプとして君臨することとなった。
まずは、納墓/Entomb→再活性/Reanimateの黄金パターンを有するベンツォが環境を席巻。
初期にはゾンビの横行/Zombie InfestationとKrovikan Horrorを合わせたゾンビ・トークン量産エンジンが搭載され、ワイルドゾンビやゾンビプリズンへと派生していった。
また縫合グール/Sutured Ghoul登場後は、隠遁ドルイド/Hermit Druidをパートナーに据えたアングリーハーミット2が驚異的な瞬殺力を見せつけた。
納墓/Entombや隠遁ドルイド/Hermit Druidが禁止カードになった後は、入念な研究/Careful Studyや実物提示教育/Show and Tellのために青を足した高速型(→*1)、また縫合グール/Sutured Ghoul型は生き埋め/Buried Aliveとクローサの雲掻き獣/Krosan Cloudscraperをパートナーに据えたアングリーグールなどが登場した。
また、ミラディンで超重量級のアーティファクトが数多く登場したため、それらをゴブリンの溶接工/Goblin Welderでリアニメイトするデッキもあらわれた(→ティンカースタックス、ウェルダー・リアニメイト)。
後期型
- 備考
- プロツアーコロンバス04 ベスト4(参考)
- 使用者:Gadiel Szleifer
- フォーマット
リアニメイト [2] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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中期型
- 備考
- プロツアーヒューストン02準優勝(参考)
- 使用者:Rob Dougherty
- フォーマット
リアニメイト [3] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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エクステンデッド(デュアルランド期)
デュアルランド時代のエクステンデッドにもいくつかのデッキが存在した。
ひとつは、適者生存/Survival of the Fittestと繰り返す悪夢/Recurring Nightmareのシナジーで187クリーチャーを使いまわすナイトメア・サバイバル。
動きはテンペスト・ブロック期のものと変わらないが、メルカディアン・マスクスで相性抜群のゴブリンの太守スクイー/Squee, Goblin Nabobを獲得、さらに凶悪化している。
もうひとつははじける子嚢/Saproling Burstと伏魔殿/Pandemoniumの2枚を補充/Replenishで揃える補充デッキの一種、パンデバースト。
しかし、これらはいずれもキーカード(適者生存/Survival of the Fittestと補充/Replenish)が禁止カードに指定されてしまい、エクステンデッドからの退場を余儀なくされた。
レガシー
また、2009年10月に納墓/Entombが禁止解除されたため、オーソドックスなファッティ高速召喚型もレガシーにおいても活躍するようになった。
基本的な動きは旧エクステンデッドのものとほぼ同じであるが、暗黒の儀式/Dark Ritualが使用可能なため、より高速にファッティをリアニメイトすることが可能である。
釣り上げる対象はエメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria、鋼の風のスフィンクス/Sphinx of the Steel Windなどである。
サンプルレシピ
- 備考
- グランプリマドリード10 優勝(参考)
- 使用者:Andreas Muller
- フォーマット
Reanimater [4] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ヴィンテージ
ヴィンテージにおいても、リアニメイトは有力なデッキの一角である。ドローとディスカードを両立させるBazaar of Baghdadの存在が大きい。
1つは、世界喰らいのドラゴン/Worldgorger Dragonのナイトメア能力を逆手に取った無限コンボデッキ、ワールドゴージャー。
もう1つは、ゴブリンの溶接工/Goblin Welderで強力なコントロール力を持つアーティファクトを使い回すコントロールデッキ、スタックスである。
これ以外にも様々なデッキが存在しており、ヴィンテージでは墓地対策は必須とされる。