金属モックス/Chrome Mox
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アーティファクト
刻印 ― 金属モックスが戦場に出たとき、あなたの手札にあるアーティファクトでも土地でもないカードを1枚、追放してもよい。
(T):その追放されたカードと共通する好きな色のマナ1点を加える。
WHISPERのテキストには誤りがあります。「その追放されたカードと共通する好きな色のマナ」は「その追放されているカードの色1色のマナ」と読み替えて下さい。
Moxの名を冠する0マナのマナ・アーティファクト。アーティファクトでないカードを刻印することで、カード・アドバンテージを代償にマナ加速をする。ミラディンを代表する人気レアの1枚であり、シングルカード価格も高額。
モックス・ダイアモンド/Mox Diamondの修正版として作られたカードではあるが、それに負けず劣らず強力。そちらと異なり土地を失うことがないので、投入される土地の枚数が少ない速攻型デッキにとってはむしろこちらの方が重宝する。また、多色化に貢献したそちらと異なり、こちらはどちらかというと単色デッキ向けという点でも噛み合っている。
メリットもデメリットも大きいため、手放しで使える様なカードではない。デッキタイプを問わず様々なデッキに採用されていたが、何枚採用するかはプレイヤーの好みやメタゲームによって大きく異なる。特に超高速の環境ならばスピードアップのために採用されることが多い。例えば、極悪コンボが荒れ狂ったプロツアーニューオーリンズ03では、環境の高速化に合わせコントロールデッキにまで採用されていた(例:横須賀智裕のセプターサイカ)。基本的に言えば、ゴブヴァンテージのように失ったアドバンテージをマナ加速によりすぐに回復できるデッキや、ストンピィなど序盤から強力な2~3マナ域のパーマネントを出すことの意義が大きいデッキに向いている。
ミラディン・ブロック当時はビッグ・レッドやゴブリン召集、スライといった赤系デッキによく採用された。例えば炎歩スリス/Slith Firewalkerを1ターン目に唱えられるなど、序盤の爆発力を重視する赤の戦略に噛み合っていたためであろう。なお当時速攻デッキの花形であった親和デッキは有色の呪文が少なく、ブルード親和では利用されたものの、電結親和型ではほとんど使われなかったようだ。
レガシーにおいては、ドラゴン・ストンピィやその後継の赤単プリズンなどの各種ストンピィデッキで採用され、虚空の杯/Chalice of the Voidや三なる宝球/Trinisphereを設置して出足を遅らせつつ、相手が立ち直る前に強力なクロックで決着をつけるという黄金パターンに貢献している。また、The Spyは全ての土地が色を持つスペルランドという性質上、追放するカードに困りにくく、マナ加速の選択肢として選ばれる場合がある。
- Chrome(クロム)とは、金属の一種。他の元素と混ぜ合わせることでさまざまな色の合金を作り出すことができることで有名。
- 2009年度のグランプリの本戦参加者全員に新規イラストのプロモーション・カードが配布された。またエターナルマスターズにはさらに新規のイラストで収録、その際に稀少度が神話レアに格上げされた。
- 霊気走破のスペシャルゲストでは、発明博覧会/Inventors' Fairの展示品が一般流通するようになったというフレイバーで再録された(イラスト)。
- 実際にKaladesh Inventionsにも収録されているが、スペシャルゲスト版とはデザインが異なる(Kaladesh Inventions版イラスト)。
発明博覧会で受賞したフェーレン・ジブラル氏の逸品が、今では一般人が利用できるようになった。(出典:霊気走破スペシャルゲスト版)
[編集] ルール
- カードを刻印しなかった(できなかった)場合、マナを出すことはできない。
- 「〜してもよい」なので、戦場に出した際に何も刻印しない事を選ぶのも適正である。マナ基盤としての意味はなさなくなるが、爆片破/Shrapnel Blastの餌にしたり、親和やストームを稼いだりといった利用法がある。
- 有色アーティファクトやドライアドの東屋/Dryad Arborは色を持つが、アーティファクトや土地であるため刻印できない。
- アーティファクトでも土地でもない無色のカードを刻印することができるが、マナは出せない。出るのは「好きな"色"のマナ」であって「好きな"タイプ"のマナ」ではないからである。
- 刻印したカードが追放領域を離れてしまった場合、マナを出すことはできない。
- 刻印した霧虚ろのグリフィン/Misthollow Griffinを唱える場合、唱え始めた時点でスタックに移動するので、コスト支払いの段階で既にマナを出せない。金属モックスからマナを出してその支払いに充てたいのなら、先に青マナを出してから唱え始める必要がある。
[編集] 禁止指定
2004年1月1日より、タイプ1(現ヴィンテージ)で制限カードに指定され、それに伴いタイプ1.5で禁止カードに指定された。タイプ1における高速マナ加速は他フォーマットに比べ強力であったことが理由。[1]。しかし、2004年9月20日よりタイプ1.5から移行したレガシーでは禁止カードに指定されていない[2]。古えの墳墓/Ancient Tombやモックス・ダイアモンド/Mox Diamondを禁止しなかった理由として「アグレッシブなクリーチャーデッキやコンボデッキがコントロールデッキに対抗する手段を提供するため」と説明している[3]ことから、これに準ずる理由と思われる。
2008年9月20日より、ヴィンテージで制限が解除された[4]。同時に制限解除されたモックス・ダイアモンド/Mox Diamondと同様、マナ加速のために追加の手札を消費することが大きな欠点であると見なされたため[5]。
モダンでは、2011年5月19日のフォーマット制定当初より禁止カードに指定されている。エクステンデッドでの活躍から、ゲームスピードを過剰に加速させ、初期手札の重要性を高めすぎる危険性が感じられたため[6]。
MTGアリーナでは霊気走破のスペシャルゲストとして実装されたが、フェアなフォーマットを崩す危険があることから、ヒストリックでは実装段階から禁止されている[7]。
統率者戦では2025年2月11日のブラケット制導入に伴いゲームチェンジャー・カードに指定された。極めて強力なマナ加速手段であり、ゲーム展開を加速させてしまうため[8]。
[編集] 脚注
- ↑ December 2003 DCI Banned/Restricted Announcement(Internet Archive)(DCI 2003年12月1日)
- ↑ September 2004 DCI Banned and Restricted List Announcement -- Magic: the Gathering(Internet Archive)(DCI 2004年9月1日)
- ↑ September B&R List Update(Internet Archive)(Latest Developments 2004年9月3日 Aaron Forsythe著)
- ↑ September 1 2008 DCI Banned and Restricted List Announcement(Daily MTG 2008年9月1日)
- ↑ Behind the September 2008 B&R Changes(Latest Developments 2008年9月5日 Bill Stark)
- ↑ A Modern Proposal(Internet Archive)(Latest Developments 2011年5月27日 Tom LaPille著)
- ↑ MTG Arena Announcements – February 3, 2025(Daily MTG 2025年2月3日 Clayton Kroh、Jubilee Finnegan著 )
- ↑ Introducing Commander Brackets Beta/「統率者戦ブラケット(ベータ版)」導入のお知らせ(Daily MTG 2025年2月11日 Gavin Verhey著)