苦しめる声/Tormenting Voice
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捨ててから引く、赤のルーター系ドロー呪文。色拘束が緩くなった野生の勘/Wild Guessであり、その上位互換。
ソーサリーであり、追加コストで捨てるためカウンターに弱いなど、ドローカードとしては小回りが効かないのが難点。とは言え、赤は本来ドローが苦手な色であるため、カードパワーとしては妥当なところ。墓地利用やマッドネスなどとの相性の良さも見逃せない。シンプルかつ使い勝手も悪くないため、赤の基本的なカードとしてゼンディカーの夜明けまで定期的に再録され、本流のセットにおける常連であった。時代が進んだ現在では追加効果などを持つ上位互換、あるいは実質上位互換カードが標準となっている(→#関連カード)。
タルキール覇王譚期のスタンダードでは、青に軽量ドローがないこともあり、プロツアー「タルキール覇王譚」のジェスカイの隆盛コンボで採用された。また、スフィンクスの後見/Sphinx's Tutelageやアルハマレットの書庫/Alhammarret's Archive、紅蓮術師のゴーグル/Pyromancer's Gogglesなどとのシナジーを買われてマグマの洞察力/Magmatic Insightと一緒に青赤後見に採用、イニストラードを覆う影ブロック参入後に登場したゴーグルでもほぼ4枚採用されていた。カラデシュ・ブロックでは手札を回転させたいデッキは安堵の再会/Cathartic Reunionを優先するため影が薄くなった。ラヴニカのギルド期のスタンダードではイゼット・フェニックスに採用される。より使いやすい航路の作成/Chart a Courseも存在する環境ではあるが、併用されることが多い。
モダンでは、任意のカードを捨てられるためグリセルシュートで採用されていた。また「カードを捨ててから引く」ためドレッジでも採用されていた。その後、安堵の再会/Cathartic Reunionや胸躍る可能性/Thrill of Possibilityをはじめとした上位互換が登場したことで、それらにスロットを譲る形で現役を退いた。
リミテッドでは、序盤の色事故や終盤のマナフラッドを緩和できるため便利。果敢や探査、マッドネス、不朽など様々なメカニズムとシナジーを形成する点も見逃せない。タルキール覇王譚や基本セット2019など、多色デッキになりがちな環境ならばより評価は上がる。
- 山頂をうろつくもの/Summit Prowlerや帰化/Naturalizeと共に、同一ブロックであるタルキール龍紀伝にも再録された。詳細は山頂をうろつくもの/Summit Prowlerおよびタルキール龍紀伝の項を参照。
- 覇王譚のイラストでは既に亡きウギン/Uginの囁きに苦しむサルカン・ヴォル/Sarkhan Volが描かれている。一方龍紀伝のイラストではサルカンによって命を救われたウギンがニコル・ボーラス/Nicol Bolasの嘲りに苦しんでいる様が描かれている。
- 基本セット2019の開発時、空民の助言/Counsel of the Soratamiが予言/Divinationとなったようにこのカードもより汎用的なフレーバーの同型再版へ差し替えることが検討されたが、ニコル・ボーラス/Nicol Bolasに関わるキャラクターがテーマのセットとしてタルキール覇王譚版のイラストがマッチしていたため、そのまま再録となった[1]。
関連カード
- 手札を引く/捨てる枚数だけ見れば、引いてから捨てる通常の手札交換呪文の中では青の目録/Catalogと同等。その類のカードはそちらの項を参照。とまた同じく青の先読み/See Beyondとは、手札の枚数が変わらない点とマナ総量が同じ。
- 赤のカードでは、捨て身の狂乱/Desperate Ravingsやゴブリンの知識/Goblin Loreとも使用後の手札の枚数が変わらない共通点がある。
主な亜種
手札を捨ててからドローするカード。特筆のない限りソーサリーで、1枚捨ててから2枚引く。太字は解決前に追加コストとして捨てる必要があるもの。履修は割愛。
- ラト=ナムの遺産/Lat-Nam's Legacy - 1Uのインスタント。1枚を捨てるのでなくライブラリーに戻して切り直す。2枚引くのは次のアップキープ。(アライアンス)
- 激浪計画の生き残り/Riptide Survivor - 変異1UUの表向きになったときの誘発型能力。2枚捨てて3枚引く。(スカージ)
- 安堵の再会/Cathartic Reunion - 1R。2枚捨てて3枚引く苦しめる声の上位種。(カラデシュ)
- 身震いする発見/Thrilling Discovery - WR。2点回復の付いた安堵の再会。(ストリクスヘイヴン:魔法学院)
- 野生の勘/Wild Guess - RR。色拘束が濃い下位互換。(基本セット2013)
- マグマの洞察力/Magmatic Insight - R。追加コストが土地カードに限定されている。(マジック・オリジン)
- 傲慢な新生子/Insolent Neonate - R。1/1威迫クリーチャーの起動型能力。1枚捨てて1枚引く。これ自身も生け贄に捧げる。(イニストラードを覆う影)
- ファルケンラスの闘技士/Falkenrath Pit Fighter - 2/1になり起動に1Rとこのターンの対戦相手のライフロスを要求するが、2枚引ける傲慢な新生子。生け贄はこれ以外の吸血鬼でも可。(イニストラード:真夜中の狩り)
- 海賊の略奪/Pirate's Pillage - 3R。宝物・トークンを2つ生成する。(イクサランの相克)
- 戦利品奪取/Seize the Spoils - 2R。宝物が1つになった海賊の略奪の下位種。(カルドハイム)
- 予想外の授かり物/Unexpected Windfall - 2RR。インスタントになって色拘束が強まった海賊の略奪。(フォーゴトン・レルム探訪)
- 大勝ち/Big Score -3Rインスタントになった、海賊の略奪と予想外の授かり物の上位互換。(ニューカペナの街角)
- エルガモンへの侵攻/Invasion of Ergamon - RG。守備値5の包囲戦バトルのETB能力。1枚捨てて1枚引いて宝物が1つ。(機械兵団の進軍)
- 王神への敬意/Honor the God-Pharaoh - 2R。ゾンビ動員1を行う。(灯争大戦)
- 反目の終わり/Quarrel's End - 2R。白の1/1の人間・兵士トークンを生成する。(指輪物語:中つ国の伝承)
- その他、187クリーチャーとの抱き合わせにしている形のものはマーフォークの交易商人/Merfolk Tradersの項を参照。
- 胸躍る可能性/Thrill of Possibility - 1Rのインスタント。苦しめる声のさらに上位互換。(エルドレインの王権)
- 谷の商人/Merchant of the Vale - Rの出来事インスタント。1枚捨てて1枚引く。(エルドレインの王権)
- 火の予言/Fire Prophecy - 1Rのインスタント。まず対象クリーチャーへ3点ダメージを与え、1枚を捨てるのではなくライブラリーの一番下へ戻してから1枚引く。(イコリア:巨獣の棲処)
- 火山の悪意/Volcanic Spite - 火の予言がプレインズウォーカーとバトルも対象に出来る様になった上位互換。(機械兵団の進軍)
- ポイ捨て/Take Out the Trash - アライグマをコントロールしていないとルーティングできないが、ライブラリーに戻すのでなく墓地に捨てる火の予言。プレインズウォーカーも対象にできる。(ブルームバロウ)
- 焦熱の再演/Fiery Encore - 4R。1枚捨てて1枚引き、対象のクリーチャーかプレインズウォーカーに捨てたカードのマナ総量分ダメージ。ストーム付き。(統率者2021)
- 炎投げのソナタ/Flamethrower Sonata - 1R。ストームがない上にインスタントかソーサリーのマナ総量しか参照できない焦熱の再演。モードを持つ両面カードの第2面。(ストリクスヘイヴン:魔法学院)
- 疾走/Fast - 2R。分割カードの半分であるインスタント。(モダンホライゾン2)
- 信仰無き回収/Faithless Salvaging - 1R。インスタント。1枚捨てて1枚引く。反復付き。(モダンホライゾン2)
- 電撃の啓示/Electric Revelation - 2R。インスタント。フラッシュバック3R付き。(イニストラード:真夜中の狩り)
- 苦々しい再会/Bitter Reunion - 1R。エンチャントのETB能力。起動コスト1で生け贄に捧げて各クリーチャーに速攻を付与。(兄弟戦争)
- メルカディアへの侵攻/Invasion of Mercadia - 1R。守備値4の包囲戦バトルのETB能力。(機械兵団の進軍)
- 魔女の印/Witch's Mark - 1R。さらにひねくれ者の役割トークンを生成する。(エルドレインの森)
- サヒーリの格子/Saheeli's Lattice - 1R。作製アーティファクトのETB能力。(イクサラン:失われし洞窟)
- 答えの要求/Demand Answers - 1Rのインスタント。捨てる代わりにアーティファクトを生け贄にしてもよい、胸躍る可能性のさらに上位互換。(カルロフ邸殺人事件)
- 真紅の鼓動の事件/Case of the Crimson Pulse - 2R。事件エンチャントのETB能力。(カルロフ邸殺人事件)
- 街道筋の強奪/Highway Robbery - 1R。計画1R。捨てる代わりに土地を生け贄にしてもよい。苦しめる声のさらに上位互換。(サンダー・ジャンクションの無法者)
- ラルと暗黙の迷路/Ral and the Implicit Maze - 3RR。英雄譚エンチャントの第II章能力。ドローでなく2枚の衝動的ドロー。使用期限は次のあなたのターン終了時まで。(モダンホライゾン3)
- サザキャップの醸造/Sazacap's Brew - 1Rのインスタント。対戦相手に2枚引かせる事も可。1/1の魚を贈呈すればあなたの対象クリーチャーに+2/+0修整。(ブルームバロウ)
捨てたカードの枚数に比例して引くカード数が変わるタイプには以下のものが存在する。現在の手札を全て捨てる必要があるものはトレイリアの風/Tolarian Windsの項を、全プレイヤーが手札交換をするものはWheel of Fortuneの項をそれぞれ参照。
- 忘却/Forget - UU。2枚捨てて同枚数引く。対戦相手も対象に出来る。(ホームランド)
- 引き換え券/Credit Voucher - 2マナのアーティファクトのタップ能力。2マナとこれの生け贄が起動コスト。捨てるのではなく好きな枚数ライブラリーに戻して切り直し、同数引く。(メルカディアン・マスクス)
- 雲遊+萍寄/Leave+Chance - 3R。白赤の余波分割カードの赤側の下半分。捨てる枚数は自由で同数引く。(破滅の刻)
- 戦慄衆の勇者、ネヘブ/Neheb, Dreadhorde Champion - 2RR。5/4トランプルクリーチャーのサボタージュ能力。捨てる枚数は自由で同数引き、さらにその枚数だけ赤マナを加える。(灯争大戦)
- 交感の力/Channeled Force - 2URのインスタント。捨てる枚数は自由で同数引き、さらに対象のクリーチャーかプレインズウォーカーにその枚数分ダメージ。(イコリア:巨獣の棲処)
- ヴァラクートの覚醒/Valakut Awakening - 2Rのインスタント。捨てるのではなくライブラリーの一番下へ好きな枚数戻してから1枚多く引く。第2面が土地であるモードを持つ両面カード。(ゼンディカーの夜明け)
- 歴史解明学/Illuminate History - 2RRの講義。捨てる枚数は自由で同数引き、その結果墓地が7枚以上なら3/2トークンを生成。(ストリクスヘイヴン:魔法学院)
- 夜へ/Into the Night - 3R。捨てる枚数は自由で、1枚多く引く。さらに夜になる。(イニストラード:真紅の契り)
- 鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker - 2R。英雄譚エンチャントの第II章能力。最大2枚まで捨てて同枚数引く。(神河:輝ける世界)
- 巨竜戦争/The Elder Dragon War - 2RR。英雄譚エンチャントの第II章能力。捨てる枚数は自由で同枚数引く。(団結のドミナリア)
- ミシュラの命令/Mishra's Command - XR。命令ソーサリーのモードの1つ。X枚捨ててX枚引く。(兄弟戦争)
- 鉄面提督のトンネル掘削機/Brass's Tunnel-Grinder - 2R。伝説のアーティファクトのETB能力。捨てる枚数は自由で、1枚多く引く。第2面が伝説の土地である変身する両面カード。(イクサラン:失われし洞窟)
- タミヨウ、物語の会を開く/Tamiyo Meets the Story Circle - 1U。英雄譚エンチャントの第II章能力。捨てる枚数は自由で、その倍の回数調査を行う。(モダンホライゾン3)
脚注
- ↑ @EthanFleischer(Ethan FleischerのTwitter 2018年7月9日)
参考
- カード個別評価:ゼンディカーの夜明け - コモン
- カード個別評価:アモンケット - コモン
- カード個別評価:イニストラードを覆う影 - コモン
- カード個別評価:タルキール龍紀伝 - コモン
- カード個別評価:タルキール覇王譚 - コモン
- カード個別評価:基本セット2019 - コモン
- カード個別評価:ジャンプスタート2022 - コモン
- カード個別評価:コンスピラシー:王位争奪 - コモン
- カード個別評価:アイコニックマスターズ - コモン
- カード個別評価:アモンケットリマスター - コモン
- カード個別評価:Jumpstart: Historic Horizons - コモン
- カード個別評価:イニストラードを覆う影リマスター - コモン