起動型能力
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起動型能力/Activated Abilityは、決められたコストを支払うことで起動することができる能力。
Child of Thorns / 茨の子 (緑)
クリーチャー — スピリット(Spirit)
クリーチャー — スピリット(Spirit)
茨の子を生け贄に捧げる:クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+1/+1の修整を受ける。
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[編集] 解説
起動型能力は「コスト:効果」という形式で書かれている。書式には、必ずコロン(:)が含まれる。コロンの前に書かれたコストは起動コストと呼ばれる。また、ルール上の定義がこの形式で書かれるキーワード能力は、起動型能力である(下記の一覧も参照)。
- 起動コストはマナの支払いだけとは限らない。ライフの支払いやパーマネントのタップ、生け贄などの行動が含まれることもある。
- 複数種類の起動コストが求められる場合、カンマ( , )で区切られる。ジェイムデー秘本/Jayemdae Tomeの「(4),(T):カードを1枚引く。」の起動型能力ならば、不特定マナ4マナの支払いに加えこれをタップすることがコストである。
- 特に初心者プレイヤーが勘違いしやすいが、「(4)あるいは(T)のどちらかだけで支払える」というわけではない。
- 起動型能力はパーマネントだけが持つものとは限らない。手札のカード(サイクリングなど)、墓地のカード(組み直しの骸骨/Reassembling Skeletonなど)、スタック上の呪文(稲妻の嵐/Lightning Storm)、紋章(黒き誓約、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis of the Black Oath)など、パーマネントでないオブジェクトが有する起動型能力も多数存在する。
- 能力の中には、解決時にコストを支払わせるものもあるが、それらは起動型能力ではない(激情のゴブリン/Frenzied Goblinなど)。
[編集] ルール
起動型能力は呪文を唱えるのと同じような手順で起動されてスタックに乗る。ただし、マナ能力である起動型能力は、スタックに乗らずに即座に解決される。特に書かれていない限り、起動型能力はそのオブジェクトのコントローラー(戦場以外にあるときはオーナー)だけが、優先権を持っている時に起動できる。
- 一旦スタックへ能力が乗ってしまえば起動したパーマネントが戦場に存在しなくても解決される。
- 起動型能力は呪文ではない。よって、呪文を打ち消す呪文や能力(例えば対抗呪文/Counterspell)では打ち消せない。もみ消し/Stifleや押しつぶし/Squelchならば可能。
- 「起動はソーサリーとしてのみ行う。」と書かれている場合、これは起動できるタイミングを定めているだけである。ソーサリーとして扱われるわけではない。ソーサリー・タイミングの項も参照。
- クリーチャーの持つ起動型能力は、そのコストにタップ・シンボルまたはアンタップ・シンボルが含まれる場合、召喚酔いの制約を受ける。
- 起動回数に制約が設けられていない限り、1ターンに何度でも起動できる。
- 起動回数に制約のある起動型能力の場合、コントローラーが変わってもその制約はそのまま継続する。
- 「このターンに起動された/that was activated this turn」パーマネントを参照する効果が存在する(割込み/Cut Short)。これは、そのパーマネントがその起動型能力をまだ持っているか、その能力を起動したプレイヤーがまだゲームに残っているかを問わず、そのターンに起動された能力の発生源であったパーマネントのことを意味する。
[編集] 他のカードの起動型能力を得る
水銀の精霊/Quicksilver Elementalなど一部のカードは、他のカードの持つ起動型能力を得ることができる。
- この効果は種類別第6種の能力追加効果であり、第3種の文章変更効果ではない。常在型能力によって得る場合、他の能力を与える、失わせる効果に依存する。
- 得た起動型能力がその文章中で自身のカード名でそのカード自身を示していた場合、それは能力を得たカードのことを示すものとして扱われる(CR:201.5b)。
- そのカード自身を示していない場合は読み替えない。例えば、鏡狂の幻/Mirror-Mad Phantasmの起動型能力を得たクリーチャーがその能力を起動した場合、そのクリーチャーがライブラリーに切り戻されるが、ライブラリーから見つけるのは「鏡狂の幻」というカード名のカードである。
- 石の死の姉妹/Sisters of Stone Deathのような一組みの関連している起動型能力を得た場合、それらは元の能力と同様に関連した能力となる。そのオブジェクトが現在、あるいは過去にどのような能力を持っていようとも、他の能力と関連することはない(CR:607.5)。
- 例1:マイアの溶接工/Myr Welderが自身の能力で試作品の扉/Prototype Portalを追放した。マイアの溶接工が試作品の扉の起動型能力を起動しても、マイアの溶接工自身の能力で追放したカードのコピーが生成されることはない。
- 例2:水銀の精霊/Quicksilver Elementalが破滅小径の仲介人/Bane Alley Brokerの1つ目の起動型能力を使いカードを追放した場合、アンタップ手段があれば、その2つ目の起動型能力でカードを手札に加えることができる。しかし、次のターンに同じ破滅小径の仲介人から起動型能力を得たとしても、前のターンで追放したカードを2つ目の起動型能力で手札に加えることはできない。
- キーワード能力であっても、それが起動型能力であるならばその能力を持つ。
- プレインズウォーカーの忠誠度能力を得ても、1ターンに複数回起動することはできない。複数のプレインズウォーカーから忠誠度能力を得ていたとしても、1つのパーマネントが起動できる忠誠度能力は1ターンに1回だけである。
- 2009年9月の総合ルール更新で忠誠度能力が定義されるまでは、1ターンに1回の制限はプレインズウォーカーに課されるルールで能力に制限はなかった。そのため、プレインズウォーカー以外のパーマネントは際限なく起動することができた。
- レオニンのボーラ/Leonin Bolaのような「自身をはずすこと」を起動コストとする起動型能力を得た場合、その能力を、その装備品をはずすことにより起動できる。はずすことができるのは能力を与えている装備品だけであり、同名の別の装備品をはずすことはできない。
- 詐欺の壁/Wall of Deceitのような「裏向きになる」起動型能力を得ると裏向きにできるが、それ自身が変異・大変異を持っていない限り通常は表向きに戻れない。
- 一部の反転カードの「反転する」起動型能力を得ると反転することはできるが、それ自身が反転カードでない限り位相が変化する以外の意味は特にない。
- 一部の変身する両面カードの「変身する」起動型能力を得ることはできるが、それ自身が変身する両面カードでない限り変身できない。
- サイコロを振り結果テーブルに従って処理をする能力は、結果テーブルも含めて1つの能力として得る。
[編集] その他
- 起動型能力を打ち消すカードの一覧はもみ消し/Stifle#関連カードを参照。
- 音波の炸裂/Sonic Burstなど、昔のインスタントやソーサリーの中には「〜:……」の形式で書かれているものがある(カード画像)が、これは起動型能力というわけではなく「追加コスト:効果」の意味である。コストを何度も支払ってその分の効果を得ることはできない。これらのカードはオラクルで修正されている。
- 現在のオラクルでインスタントやソーサリーが「〜:……」の形式で書かれたテキストを持つ場合、それは定義通り起動型能力である。予見、ボガーダンの鎚/Hammer of Bogardan、稲妻の嵐/Lightning Stormなど。
[編集] 起動型能力を含むキーワード能力、能力語
[編集] 参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 6 呪文、能力、効果
- 602 起動型能力の起動
- 602.1 起動型能力は、コストと効果を持ち、「[[[コスト]]]:[[[効果]]。][(あるなら)起動指示。]/[Cost]: [Effect.] [Activation instructions (if any).]」という書式で書かれている。
- 602.1a コロン(:)の前に書かれているものすべてが起動コストである。能力を起動するプレイヤーは、その起動コストを支払わなければならない。
- 602.1b 起動型能力のコロンの後に続く文章が、その能力を起動するときに従わなければならない説明を含んでいる場合がある。そのような文章は、誰が能力を起動できるかを指定したり、いつ能力を起動できるかを制限したり、起動コストの一部を定義したりしている。これらの文章は能力の効果の一部ではない。これは常に機能している。起動型能力の起動指示は、能力の効果の後、一番最後に書かれる。
- 602.1c 起動型能力だけが起動されうる能力である。能力の種類の特定なく「能力を起動する/activating an ability」ことについてオブジェクトやルールが参照していた場合、それは起動型能力のことを示す。
- 602.1d かつて、起動型能力を使うことを、その能力を「プレイする/playing」と表記していた。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正され、能力を「起動する/activating」となっている。
- 602.2 能力を起動するとは、やがて解決されてその効果が発生するよう、能力をスタックに積み、コストを支払うことである。特に示されていない限り、そのオブジェクトのコントローラー(コントローラーがいない場合にはオーナー)だけがそのオブジェクトの起動型能力を起動できる。能力を起動することは、以下の手順を踏む。能力を起動する途中のどこかの時点でプレイヤーが手順を完了できなくなったら、その能力の起動は不正である。ゲームは能力を起動し始める前まで巻き戻される(rule 728〔不正な処理の扱い〕参照)。一旦なされた宣言や支払いを変更することはできない。
- 602.2a プレイヤーは、能力を起動することを宣言する。非公開領域から能力が起動された場合、その能力を持つカードを公開する。能力がカードでないオブジェクトとしてスタックに生成され、スタックの一番上にあるオブジェクトとなる。これはそれを生成した能力の文章を持ち、他の特性を持たない。そのコントローラーは、その能力を起動したプレイヤーである。能力は、打ち消されるか解決されるか、他の効果によって他の領域に動かされるまでスタックにとどまる。
- 602.2b これ以降の手順は、呪文を唱える手順として rule 601.2b-i に記されていたのと同じである。これらのルールは、呪文を唱えることに適用されたのと同じように能力を起動することに適用される。起動型能力の、(rule 601.2f で参照されている)呪文で言うマナ・コストにあたるものは、起動コストである。
- 602.3 能力の中には、起動するときに通常そのコントローラーが行うこと、つまりモードや対象の選択などを、そのコントローラーの対戦相手に行うように指定するものがある。こういった場合、対戦相手はその能力のコントローラーが通常行うのと同じタイミングでその選択を行う。
- 602.4 コストを変える能力を起動しても、既にスタックにある呪文や能力には影響しない。
- 602.5 プレイヤーは、起動が禁止されている能力を起動し始めることはできない。
- 602.5a 起動コストにタップ・シンボル({T})またはアンタップ・シンボル({Q})を含む、クリーチャーの起動型能力は、そのコントローラーが自分のターン開始時から続けてそのクリーチャーをコントロールしていない限り起動できない。速攻を持つクリーチャーはこのルールを無視する(rule 702.10 参照)。
- 602.5b 起動型能力の使用に限定がある(例えば、「各ターンに1回しか起動できない。」)場合、その限定はたとえコントローラーが変化しても適用され続ける。
- 602.5c オブジェクトが他のオブジェクトから使用に限定のある起動型能力を得た場合、その限定はそのオブジェクトから得た能力だけに適用され、他の同一の能力には適用されない。
- 602.5d 「起動はソーサリーとしてのみ行う/Activate only as a sorcery」と書かれている起動型能力は、それを起動するに際してソーサリー・呪文を唱えるのと同じタイミングのルールに従う、というだけであり、その能力がソーサリーであるということではない。また、そのプレイヤーが実際にソーサリー・カードを持っている必要はない。
- 602.5e 「起動はインスタントとしてのみ行う/Activate only as an instant」と書かれている起動型能力は、それを起動するに際してインスタント・呪文を唱えるのと同じタイミングのルールに従う、というだけであり、その能力がインスタントであるということではない。また、そのプレイヤーが実際にインスタント・カードを持っている必要はない。
- 602.1 起動型能力は、コストと効果を持ち、「[[[コスト]]]:[[[効果]]。][(あるなら)起動指示。]/[Cost]: [Effect.] [Activation instructions (if any).]」という書式で書かれている。
- 602 起動型能力の起動