待機

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(待機開始の常在型能力)
 
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{{Otheruses|[[キーワード能力]]|[[モダンホライゾン2]]初出の[[インスタント]]・[[カード]]|待機/Suspend|Suspendのその他の用法|サスペンド}}
 
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'''待機'''(たいき)/''Suspend''は、[[時のらせんブロック]]に登場した[[キーワード能力]]。待機を持つ[[カード]]が[[手札]]にある際に機能する[[常在型能力]]と、[[追放]][[領域]]に待機している際に機能する2つの[[誘発型能力]]からなる。
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'''待機'''(たいき)/''Suspend''[[キーワード能力]]の1つ。待機を持つ[[カード]]が[[手札]]にある際に機能する[[常在型能力]]と、[[追放]][[領域]]に待機している際に機能する2つの[[誘発型能力]]からなる。
  
{{#card:Errant Ephemeron}}
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==定義==
 
==定義==
 
'''待機''' N ― [コスト]/''Suspend'' N - [コスト]は以下の3つの[[能力]]からなる。
 
'''待機''' N ― [コスト]/''Suspend'' N - [コスト]は以下の3つの[[能力]]からなる。
*あなたがこのカードを手札から[[スタック]]に置くことで[[唱える|唱え]]始められる場合、あなたは[コスト]を[[支払う|支払って]]、このカードをN個の[[時間カウンター]]を置いた状態で追放してもよい。この処理はスタックを使わない。([[常在型能力]])
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*あなたがこのカードを手札から[[スタック]]に置くことで[[唱える|唱え]]始められる場合、あなたは[コスト]を[[支払う|支払って]]、このカードをN個の[[時間カウンター]]を置いた状態で追放してもよい。この処理は[[特別な処理]]であり、スタックを使わない。([[常在型能力]])
 
*あなたの[[アップキープ]]の開始時に、このカードが待機状態である場合、それの上から時間カウンターを1個取り除く。([[誘発型能力]])
 
*あなたの[[アップキープ]]の開始時に、このカードが待機状態である場合、それの上から時間カウンターを1個取り除く。([[誘発型能力]])
*このカードから最後の時間カウンターが取り除かれたとき、それが追放領域にある場合、可能ならそれを[[マナ・コストを支払うことなく唱える]]。そうできない場合、それは追放領域に残る。これによりそれを唱え、なおかつそれが[[クリーチャー]]である場合、それはあなたがその呪文またはその呪文がなった[[パーマネント]]の[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]を失うまで[[速攻]]を持つ。([[誘発型能力]])
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*このカードから最後の時間カウンターが取り除かれたとき、それが追放領域にある場合、それを[[マナ・コストを支払うことなく唱える|マナ・コストを支払うことなくプレイしてもよい]]。そうしない場合、それは追放領域に残る。これによりそれを唱え、なおかつそれが[[クリーチャー]]である場合、それはあなたがその呪文またはその呪文がなった[[パーマネント]]の[[コントロール]]を失うまで[[速攻]]を持つ。([[誘発型能力]])
  
 
==解説==
 
==解説==
[[呪文]][[唱える]]までに時間がかかってしまうが、代わりに本来の[[マナ・コスト]]より低い[[コスト]]で使えたり、なんらかのボーナスを得られたりできる能力である。
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[[呪文]]の提示と、それを実際に[[唱える]]までの間に時間のずれが発生する[[メカニズム]]。[[時のらせん]]で初登場し、[[時のらせんブロック]]、[[モダンホライゾン]]、[[統率者2021]]、[[モダンホライゾン2]]、[[ニューカペナの街角統率者デッキ]]、[[統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い統率者デッキ]]、[[指輪物語:中つ国の伝承統率者デッキ]]、[[ドクター・フー統率者デッキ]]、[[カルロフ邸殺人事件統率者デッキ]]、[[ダスクモーン:戦慄の館統率者デッキ]]で再登場した。
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唱えるまでに時間がかかってしまうが、代わりに本来の[[マナ・コスト]]より低い[[コスト]]で使えたり、待機状態である間に何らかのボーナスをもたらしたり、[[解決]]に際してもう一度待機状態に戻る呪文などが登場した。一部には[[マナ・コスト]]がなく待機を経由してしか唱えられないものもある。[[マナ・コストの無いカード]]の記事を参照。
  
 
コストの「先払い」ができることから、他のカードと合わせて1ターンに複数枚のカードを唱えやすくなる。その点で、[[打ち消す|打ち消し]]呪文全般には効果的な能力ともいえる。また、唱えた呪文の回数を数える能力(例えば[[ストーム]]など)との相性もよい。
 
コストの「先払い」ができることから、他のカードと合わせて1ターンに複数枚のカードを唱えやすくなる。その点で、[[打ち消す|打ち消し]]呪文全般には効果的な能力ともいえる。また、唱えた呪文の回数を数える能力(例えば[[ストーム]]など)との相性もよい。
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時のらせんブロックでは全[[色]]と[[アーティファクト]]に存在し、ほぼ全てが[[単色]]で、[[高位の秘儀術師、イス/Ith, High Arcanist]]のみ唯一の[[多色]]の(および唯一の[[伝説の]])カード。
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ドクター・フー統率者デッキでは[[タイミーワイミー/Timey-Wimey]]([[青赤白]])にテーマの1つとして採用され、[[タイムトラベル]]と共に待機を持つカードや待機を与えるカードが数多く登場した。
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自身に待機を与えるカードとして[[時代寄生機/Epochrasite]]と[[ローリー・ウィリアムズ/Rory Williams]]が存在する。自身以外に待機を与えるカードには[[遅延/Delay]]、[[ギトゥのジョイラ/Jhoira of the Ghitu]]、[[悪意あるコンシェルジュ/Sinister Concierge]]、[[Gandalf of the Secret Fire]]、[[リヴァー・ソングの結婚式/The Wedding of River Song]]、[[わかれ道/The Parting of the Ways]]、[[神秘的な預言者/Sibylline Soothsayer]]、[[11代目ドクター/The Eleventh Doctor]]、[[10代目ドクター/The Tenth Doctor]]に加え、[[次元|次元カード]]として[[鉤爪の門/Talon Gates (次元カード)|鉤爪の門/Talon Gates]]と[[エイミーの家/Amy's Home]]が存在する。
  
 
==ルール==
 
==ルール==
 
====待機開始の常在型能力====
 
====待機開始の常在型能力====
*待機にはコストと数字が指定されている。
 
**コストや数字が指定されていない待機能力がカードに与えられることがあるが、その場合追放する効果や時間カウンターを置く効果も同時に含まれている。
 
 
*待機コストを支払って追放領域に待機させる行為は[[特別な処理]]であり、[[スタック]]を用いない。
 
*待機コストを支払って追放領域に待機させる行為は[[特別な処理]]であり、[[スタック]]を用いない。
*「あなたがこのカードを手札からスタックに置くことで唱え始められる場合」とは、その呪文の[[カード・タイプ]]による通常の制限、および[[瞬速]]や[[歴伝]]・[[翻弄する魔道士/Meddling Mage]]などの効果の影響を加味する(CR601.3)。
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*「あなたがこのカードを手札からスタックに置くことで唱え始められる場合」とは、その呪文の[[カード・タイプ]]による通常の制限、および[[瞬速]]や[[歴伝]]・[[翻弄する魔道士/Meddling Mage]]などの効果の影響を加味する({{CR|601.3}})。
**例えば、それが[[クリーチャー]]・カードであるならば、いわゆる[[ソーサリー・タイミング]](あなたの[[メイン・フェイズ]]であり、あなたが[[優先権]]を持ち、かつスタックが空である場合)のみ待機させることができる。しかし瞬速を持つクリーチャー・カードであるならば、いわゆる[[インスタント・タイミング]]で待機させることができる。
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**例えば、それが[[クリーチャー]]・カードであるならば、いわゆる[[ソーサリー・タイミング]](あなたの[[メイン・フェイズ]]であり、あなたが[[優先権]]を持ち、かつスタックが空である場合)のみ待機させることができる。しかし[[ヴィダルケンの宇宙儀/Vedalken Orrery]]の影響下であれば瞬速を持つかのように唱えられるため、同様に[[インスタント・タイミング]]で待機させることができる。
**これは「実際に唱えることができるか」とは異なる。例えば[[遍歴のカゲロウ獣/Errant Ephemeron]]を待機させたい場合、待機コストの2マナさえ用意できていればよく、通常の[[マナ・コスト]]の7マナが出せる状況である必要はない。
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**唱える手順を'''完了'''できる状態である必要はない。[[唱える#1.呪文をスタックに置く]]が可能ならば手順2以降が不可能でも待機することはできる。
*待機を開始する時点では、[[対象]]などを選ぶ必要はない。それらは実際に唱える際に選ぶ。
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***例1:[[遍歴のカゲロウ獣/Errant Ephemeron]]を待機させたい場合、通常の[[マナ・コスト]]の7マナが出せる状況である必要はない。
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***例2:[[戦場]]に[[対象]]として適正なクリーチャーが存在しなくても[[循環進化/Cyclical Evolution]]を待機することはできる。
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*待機を開始する時点では、対象や[[モード]]などを選ぶ必要はない。それらは実際に唱える際に選ぶ。
  
 
====待機状態====
 
====待機状態====
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====待機終了の誘発型能力====
 
====待機終了の誘発型能力====
*最後の時間カウンターを取り除いたとき、唱えることを許可する誘発型能力が[[誘発]]する。
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*最後の時間カウンターを取り除いたとき、プレイすることを許可する誘発型能力が[[誘発]]する。
**能力が[[解決]]中に唱えるよう指示している({{CR|608.2f}})ため、優先権や[[カード・タイプ]]による制約とは関係なく唱える事ができる。また、この能力が[[マナ・コストを支払うことなく唱える]]という[[代替コスト]]を定義しているため、[[マナ・コストの無いカード]]も唱えることができる。
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**能力が[[解決中に呪文を唱える]]よう指示している({{CR|608.2g}})ため、通常の唱えるタイミングとは関係なく唱える事ができる。また、この能力が[[マナ・コストを支払うことなく唱える|マナ・コストを支払うことなくプレイする]]という[[代替コスト]]を定義しているため、[[マナ・コストの無いカード]]もプレイすることができる。
**通常、待機した呪文はあなたのアップキープに唱えることになるが、[[憤怒の魔除け/Fury Charm]]などを用いれば異なるタイミングで誘発させることも可能。
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**通常、待機した呪文はあなたのアップキープにプレイすることになるが、[[憤怒の魔除け/Fury Charm]]などを用いれば異なるタイミングで誘発させることも可能。
**この誘発型能力を[[打ち消す]]ことで、唱えることを防ぐことができる。時間カウンターがすでに乗っていないため、待機状態ではなく単純に追放領域に置かれていることになる。
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**この誘発型能力を[[打ち消す]]ことで、プレイすることを防ぐことができる。時間カウンターがすでに乗っていないため、待機状態ではなく単純に追放領域に置かれていることになる。
*呪文を唱えるのは強制である。[[追加コスト]]を支払えない、適正な対象が存在しない、および翻弄する魔道士によって唱えることを禁止されているなど、不可能な場合を除き、必ず唱えなければならない。
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*カードをプレイするのは任意である。プレイしなかった場合、それは追放領域に置かれたままになるが待機状態ではなくなる。
**何らかの効果で追加コストにマナが要求されている場合、その分のマナが[[マナ・プール]]にあるならそれを支払わなくてはならない。しかし[[マナ能力]]の起動は強制されないため、マナ・プールに必要量のマナが無いなら「追加コストを支払えない」としてもよい。もちろん、唱えたいのなら土地などからマナを出して追加コストに充ててもよい。
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*必然的に、追放領域からプレイすることになるし、またマナ・コストを支払わずにプレイすることになる。一部の呪文や能力との[[シナジー|相性]]に注意。
*必然的に、追放領域から唱えることになるし、またマナ・コストを支払わずに唱えることになる。一部の呪文や能力との[[シナジー|相性]]に注意。
+
*[[注釈文]]では「マナ・コストを支払うことなく'''唱えてもよい'''([[カルロフ邸殺人事件]]以前のカードは'''唱える''')」となっているが、実際のルールは[[#定義]]の通り「マナ・コストを支払うことなく'''プレイしてもよい'''」である。後述のルール変更によるプレイの任意化(→[[#旧ルール]])のほか、「唱える」と「プレイする」とでは一部のカードの挙動が異なる点に注意。
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**例えば[[遅延/Delay]]によって[[絡みつく花面晶体/Tangled Florahedron]]が待機を得た場合、最後の時間カウンターが取り除かれた時に、[[土地]]である[[第2面]]の[[絡み谷/Tangled Vale]]としてプレイすることもできる(もしこれが「マナ・コストを支払うことなく唱えてもよい」だと、絡み谷としてプレイすることはできない)。
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*唱えたのがクリーチャーである場合、それは'''あなたが[[コントロール]]を失うまで'''速攻を持つ。注釈文では「それは速攻を持つ」とだけ書かれているが、実際のルールは[[#定義]]の通りである点に注意。
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**コントロールを失わない限りを速攻を持ち続けるため、[[胆力の道/Path of Mettle]]など速攻を参照するカードに影響があることに注意。
  
===その他===
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===旧ルール===
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*[[カルロフ邸殺人事件]]で総合ルールが更新される以前は、待機の誘発型能力でプレイすることは強制であった。
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**[[追加コスト]]を支払えない、適正な対象が存在しない、および[[翻弄する魔道士/Meddling Mage]]によって唱えることを禁止されているなど、不可能な場合を除き、必ずプレイしなければならなかった。
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***何らかの効果で追加コストにマナが要求されている場合、その分のマナが[[マナ・プール]]にあるならそれを支払わなくてはならなかった。しかし[[マナ能力]]の起動は強制されないため、マナ・プールに必要量のマナが無いなら「追加コストを支払えない」としてもよい。もちろん、唱えたいのなら土地などからマナを出して追加コストに充ててもよい。
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**変更理由としては、呪文を「必ず唱えなければならない」という指示がルール上複雑であること(上記のマナの支払いなど)、特殊な事例において止められない[[無限ループ]]を引き起こしかねないこと、それらの存在が待機を[[デジタルゲーム]]で実装するうえで問題になることの3点が挙げられている<ref>[https://twitter.com/dunkatog/status/1751093082144252222?s=43 @Dunkatog](X/Twitter [[2024年]]1月27日 [[Jess Dunks]]による一連のスレッド)</ref>。
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***2つ目のループの例としては、戦場のクリーチャーがあなたの[[弾けるドレイク/Crackling Drake]]のみであり、追放領域にあるあなたのカードがインスタント3枚と何らかの効果で待機状態になった[[刃による払拭/Blade Banish]]1枚のみである場合が挙げられている。旧ルールの場合、刃による払拭の最後の時間カウンターが取り除かれると、それがスタックに移動することで弾けるドレイクのパワーが3になり、唯一の対象が[[対象不適正]]になったことで[[巻き戻し]]が起こる。しかし強制効果ゆえにまた刃による払拭を唱えようとするので、ルールに厳密に則ると選択肢のない無限ループとなる。
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==その他==
 
*待機より前に登場した[[アーテイのおせっかい/Ertai's Meddling]]は、スタック上の呪文を擬似的な待機状態にする。
 
*待機より前に登場した[[アーテイのおせっかい/Ertai's Meddling]]は、スタック上の呪文を擬似的な待機状態にする。
*唱えるために数ターンを要する「伝説の呪文」を表現するために[[神河救済]]で用意されていたメカニズムであったが、実際の「伝説の呪文」には[[歴伝]]が割り当てられることとなり、待機は時のらせんまで保留となった(→[http://www.wizards.com/magic/magazine/Article.aspx?x=mtgcom/daily/af144 Time Spiral Q&A]参照)。
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*[[時のらせんブロック]]の待機を持つカードでは[[絵|イラスト]]に水色の「時間の波」が描かれており<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/27-things-you-might-not-have-known-about-time-spiral-block-2021-03-08 27 Things You Might Not Have Known About Time Spiral Block]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0034841/ 『時のらせん』ブロックについて諸君が知らない27のこと]([[Making Magic]] [[2021年]]3月8日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>、また多くのものでは「境界を越える」ことをイメージさせる描写がなされている。
*当初は待機によって唱えられたクリーチャーが速攻を持つ機能はなかったが、プレイテストの結果[[プレイヤー]]は長い時間をかけてようやく手に入れたクリーチャーですぐに[[攻撃]]したくなるものだということが分かったという。この本性に逆らうべく様々な手法が試みられたが、最終的には全ての待機クリーチャーに速攻を与えることでプレイヤーが望むように行動できるようにした([http://magic.wizards.com/en/node/1025391 参考]/[http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0017003/ 翻訳])。
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**「青緑色の[[霊気/Aether]]のゼリーに閉じ込められていた別時間の呪文やクリーチャーが現在に出現する」というコンセプトであり、アメリカ合衆国で放映されていたSFテレビドラマ「[[wikipedia:ja:トワイライト・ゾーン_(1985年)|トワイライト・ゾーン]]」の[[wikipedia:en:A_Matter_of_Minutes|1エピソード]]から着想を得ている<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/act-two-three-2007-02-15 Act Two of Three]/[https://web.archive.org/web/20070312041010/http://mtg.takaratomy.co.jp:80/others/column/yonemura/20070301/index.html 三部作第2部 マジックの風味(Internet Archive)](Feature [[2007年]]2月15日 [[Jeremy Jarvis]]著)</ref>。
*待機を持つカードの多くには、[[絵|イラスト]]に「境界を越える」ことをイメージさせる描写がなされている。
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*[[注釈文]]が非常に長い。ルール的にも複雑であり、そのため[[ストーム値]]も高くなっている。
*[[基本セット2012]]現在、最も[[注釈文]]の長い[[キーワード能力]]。
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*[[モダンホライゾン2]]では同名のカードが登場した(→[[待機/Suspend]])。
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*待機状態を参照する[[キーワード処理]]として[[タイムトラベル]]がある。
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==開発秘話==
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*唱えるために数ターンを要する「伝説の呪文」を表現するために[[神河救済]]で用意されていたメカニズムであったが、実際の「伝説の呪文」には[[歴伝]]が割り当てられることとなり、待機は時のらせんまで保留となった<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/latest-developments/time-spiral-qa-2006-11-10 Time Spiral Q&A](Latest Developments [[2006年]]11月10日)</ref>
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**「伝説の呪文」はのちの[[ドミナリア]]で[[伝説のソーサリー]]として実装されることとなった。
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*開発当初は待機によって唱えられたクリーチャーが速攻を持つ機能はなかったが、プレイテストの結果[[プレイヤー]]は長い時間をかけてようやく手に入れたクリーチャーですぐに[[攻撃]]したくなるものだということが分かったという。この本性に逆らうべく様々な手法が試みられたが、最終的には全ての待機クリーチャーに速攻を与えることでプレイヤーが望むように行動できるようにした<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/twenty-years-twenty-lessons-part-1-2016-05-30 Twenty Years, Twenty Lessons—Part 1 ]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0017003/ 20の年、20の教訓 その1]([[Making Magic]] [[2016年]]5月30日)</ref>
  
 
==参考==
 
==参考==
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<references />
 
*{{WHISPER検索/カードテキスト|待機}}
 
*{{WHISPER検索/カードテキスト|待機}}
 
*[[キーワード能力]]
 
*[[キーワード能力]]
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__NOTOC__
 
 
[[Category:キーワード能力|たいき]]
 
[[Category:キーワード能力|たいき]]

2024年9月16日 (月) 22:34時点における最新版

待機/Suspend
種別 常在型能力誘発型能力
登場セット 多数
CR CR:702.62

待機(たいき)/Suspendキーワード能力の1つ。待機を持つカード手札にある際に機能する常在型能力と、追放領域に待機している際に機能する2つの誘発型能力からなる。


Durkwood Baloth / ダークウッドのベイロス (4)(緑)(緑)
クリーチャー — ビースト(Beast)

待機5 ― (緑)(このカードをあなたの手札から唱えるのではなく、(緑)を支払うとともにそれを時間(time)カウンターが5個置かれた状態で追放する。あなたのアップキープの開始時に、時間カウンターを1個取り除く。最後の1個を取り除いたとき、それをそのマナ・コストを支払うことなく唱える。それは速攻を持つ。)

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目次

[編集] 定義

待機 N ― [コスト]/Suspend N - [コスト]は以下の3つの能力からなる。

[編集] 解説

呪文の提示と、それを実際に唱えるまでの間に時間のずれが発生するメカニズム時のらせんで初登場し、時のらせんブロックモダンホライゾン統率者2021モダンホライゾン2ニューカペナの街角統率者デッキ統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い統率者デッキ指輪物語:中つ国の伝承統率者デッキドクター・フー統率者デッキカルロフ邸殺人事件統率者デッキダスクモーン:戦慄の館統率者デッキで再登場した。

唱えるまでに時間がかかってしまうが、代わりに本来のマナ・コストより低いコストで使えたり、待機状態である間に何らかのボーナスをもたらしたり、解決に際してもう一度待機状態に戻る呪文などが登場した。一部にはマナ・コストがなく待機を経由してしか唱えられないものもある。マナ・コストの無いカードの記事を参照。

コストの「先払い」ができることから、他のカードと合わせて1ターンに複数枚のカードを唱えやすくなる。その点で、打ち消し呪文全般には効果的な能力ともいえる。また、唱えた呪文の回数を数える能力(例えばストームなど)との相性もよい。

時のらせんブロックでは全アーティファクトに存在し、ほぼ全てが単色で、高位の秘儀術師、イス/Ith, High Arcanistのみ唯一の多色の(および唯一の伝説の)カード。

ドクター・フー統率者デッキではタイミーワイミー/Timey-Wimey(青赤白)にテーマの1つとして採用され、タイムトラベルと共に待機を持つカードや待機を与えるカードが数多く登場した。

自身に待機を与えるカードとして時代寄生機/Epochrasiteローリー・ウィリアムズ/Rory Williamsが存在する。自身以外に待機を与えるカードには遅延/Delayギトゥのジョイラ/Jhoira of the Ghitu悪意あるコンシェルジュ/Sinister ConciergeGandalf of the Secret Fireリヴァー・ソングの結婚式/The Wedding of River Songわかれ道/The Parting of the Ways神秘的な預言者/Sibylline Soothsayer11代目ドクター/The Eleventh Doctor10代目ドクター/The Tenth Doctorに加え、次元カードとして鉤爪の門/Talon Gatesエイミーの家/Amy's Homeが存在する。

[編集] ルール

[編集] 待機開始の常在型能力

[編集] 待機状態

  • あるカードが「待機状態/suspended」であるとは、それが追放領域にあり、待機を持ち、時間カウンターが1個以上乗っている状態を意味する。
    • 待機を持っているが時間カウンターがない状態、あるいは時間カウンターはあるが待機を持っていない状態は、待機状態ではない。
  • 追放領域にある、待機状態ではない待機呪文に時間カウンターが乗せられれば、そのカードは待機状態となる。

[編集] 待機終了の誘発型能力

  • 最後の時間カウンターを取り除いたとき、プレイすることを許可する誘発型能力が誘発する。
  • カードをプレイするのは任意である。プレイしなかった場合、それは追放領域に置かれたままになるが待機状態ではなくなる。
  • 必然的に、追放領域からプレイすることになるし、またマナ・コストを支払わずにプレイすることになる。一部の呪文や能力との相性に注意。
  • 注釈文では「マナ・コストを支払うことなく唱えてもよいカルロフ邸殺人事件以前のカードは唱える)」となっているが、実際のルールは#定義の通り「マナ・コストを支払うことなくプレイしてもよい」である。後述のルール変更によるプレイの任意化(→#旧ルール)のほか、「唱える」と「プレイする」とでは一部のカードの挙動が異なる点に注意。
  • 唱えたのがクリーチャーである場合、それはあなたがコントロールを失うまで速攻を持つ。注釈文では「それは速攻を持つ」とだけ書かれているが、実際のルールは#定義の通りである点に注意。
    • コントロールを失わない限りを速攻を持ち続けるため、胆力の道/Path of Mettleなど速攻を参照するカードに影響があることに注意。

[編集] 旧ルール

  • カルロフ邸殺人事件で総合ルールが更新される以前は、待機の誘発型能力でプレイすることは強制であった。
    • 追加コストを支払えない、適正な対象が存在しない、および翻弄する魔道士/Meddling Mageによって唱えることを禁止されているなど、不可能な場合を除き、必ずプレイしなければならなかった。
      • 何らかの効果で追加コストにマナが要求されている場合、その分のマナがマナ・プールにあるならそれを支払わなくてはならなかった。しかしマナ能力の起動は強制されないため、マナ・プールに必要量のマナが無いなら「追加コストを支払えない」としてもよい。もちろん、唱えたいのなら土地などからマナを出して追加コストに充ててもよい。
    • 変更理由としては、呪文を「必ず唱えなければならない」という指示がルール上複雑であること(上記のマナの支払いなど)、特殊な事例において止められない無限ループを引き起こしかねないこと、それらの存在が待機をデジタルゲームで実装するうえで問題になることの3点が挙げられている[1]
      • 2つ目のループの例としては、戦場のクリーチャーがあなたの弾けるドレイク/Crackling Drakeのみであり、追放領域にあるあなたのカードがインスタント3枚と何らかの効果で待機状態になった刃による払拭/Blade Banish1枚のみである場合が挙げられている。旧ルールの場合、刃による払拭の最後の時間カウンターが取り除かれると、それがスタックに移動することで弾けるドレイクのパワーが3になり、唯一の対象が対象不適正になったことで巻き戻しが起こる。しかし強制効果ゆえにまた刃による払拭を唱えようとするので、ルールに厳密に則ると選択肢のない無限ループとなる。

[編集] その他

[編集] 開発秘話

  • 唱えるために数ターンを要する「伝説の呪文」を表現するために神河救済で用意されていたメカニズムであったが、実際の「伝説の呪文」には歴伝が割り当てられることとなり、待機は時のらせんまで保留となった[4]
  • 開発当初は待機によって唱えられたクリーチャーが速攻を持つ機能はなかったが、プレイテストの結果プレイヤーは長い時間をかけてようやく手に入れたクリーチャーですぐに攻撃したくなるものだということが分かったという。この本性に逆らうべく様々な手法が試みられたが、最終的には全ての待機クリーチャーに速攻を与えることでプレイヤーが望むように行動できるようにした[5]

[編集] 参考

  1. @Dunkatog(X/Twitter 2024年1月27日 Jess Dunksによる一連のスレッド)
  2. 27 Things You Might Not Have Known About Time Spiral Block/『時のらせん』ブロックについて諸君が知らない27のこと(Making Magic 2021年3月8日 Mark Rosewater著)
  3. Act Two of Three/三部作第2部 マジックの風味(Internet Archive)(Feature 2007年2月15日 Jeremy Jarvis著)
  4. Time Spiral Q&A(Latest Developments 2006年11月10日)
  5. Twenty Years, Twenty Lessons—Part 1 /20の年、20の教訓 その1(Making Magic 2016年5月30日)

引用:総合ルール 20231117.0

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