統率者戦

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統率者戦特有の[[コンボデッキ]]有利を是正しようと[[Adam Styborski]]が“[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/sf/180 Two Cards To Bring Them All (And In Fairness Bind Them)]”で提唱した選択ルール。<!-- 日本でも「'''ヌルEDH'''」として議論となった。 -->
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統率者戦特有の[[コンボデッキ]]有利を是正しようと[[Adam Styborski]]が“[http://magic.wizards.com/en/articles/archive/serious-fun/two-cards-bring-them-all-and-fairness-bind-them-2012-01-31 Two Cards To Bring Them All (And In Fairness Bind Them)]”で提唱した選択ルール。<!-- 日本でも「'''ヌルEDH'''」として議論となった。 -->
  
 
[[統率]][[領域]]に[[締め付け/Stranglehold]]と[[墓掘りの檻/Grafdigger's Cage]]がおかれた状態でプレイする。これらを唱える必要はなく、統率者領域から効果を発揮している状態で戦う。
 
[[統率]][[領域]]に[[締め付け/Stranglehold]]と[[墓掘りの檻/Grafdigger's Cage]]がおかれた状態でプレイする。これらを唱える必要はなく、統率者領域から効果を発揮している状態で戦う。

2016年11月12日 (土) 18:52時点における版

統率者戦/Commanderはカジュアル変種ルールの1つ。「エルダー・ドラゴン・ハイランダー/Elder Dragon Highlander」「EDH」「司令官戦」と称されていたが、統率者セットの発表とともに、現在の名称に変更された。

目次

解説

統率者と呼ばれるカードをキーとするフォーマットである。統率者はデッキを決定し、ゲームのルール上でも優遇された非常に重要な存在である。

ハイランダーのルールに準拠するため、サーチカードの重要性が高い。そのため、結界師ズアー/Zur the Enchanterなどのサーチ能力を持ったカードを統率者とすると非常に有効に働く。故にコンボデッキが優勢になりやすい。また、単色の統率者を選ぶと使用できるカードが狭まりデッキのカードパワーが下がる恐れがあり、一方で多色の統率者を選ぶと多色地形を1枚ずつしか入れられないためにデッキの安定性を損なう可能性もある。統率者とデッキの方向性は密接に関係しているため、熟慮して選ぶ必要がある。

ルール

構築ルール

まず、伝説のクリーチャーカード、もしくは統率者として利用できるプレインズウォーカー・カードを1枚選ぶ。これを統率者と呼ぶ。統率者の固有色マナ・コストルール文章に含まれるマナ・シンボルの色と、色指標特性定義能力によって定義された色)は、デッキ内に入れられるカードの固有色を指定し、統率者の固有色に含まれない固有色を持ったカードをデッキに入れることはできない。

デッキ内には、通常のハイランダーと同様、基本土地カード以外は同じカード名のカードを1枚ずつしか入れることができない。枚数は、統率者と合わせてちょうど100枚である。

使用カード

ヴィンテージで認められている全てのカードを使用でき、禁止カード制限カードも基本的にそれに準拠する。ただし、以下の特例が存在する。

  • 以前はヴィンテージで禁止されているShahrazadが特例として使用を許可されていたが、2011年9月20日よりこれは撤廃され、禁止されている。
  • パワー9が全て名を連ねている錯覚を受けるが、Timetwisterは使用可能である。誤解している人が多いので注意。
  • マジック大会規定に記述されているフォーマットではないため、禁止カードも公式な規定ではなく、あくまで「禁止カードとすることが推奨されている」という扱いである。
  • かつては「統率者に指定できないカード」が存在していたが、2014年9月12日のルール変更により禁止カードリストに統合された。

ゲームルール

ゲームを開始する前に、各プレイヤーは自分のデッキの統率者を宣言し、それを統率領域に置く。統率者であることは特性ではなくそのカードの持つ性質である。「統率者であること」はコピーされず、継続的効果によって上書きされず、コントロール変更効果により失われない。

プレイヤーの開始時のライフの総量‎は40点である。

統率者によってプレイヤーに与えられた戦闘ダメージ統率者ダメージと呼ぶ。いずれかのプレイヤーが同一の統率者から21点以上の統率者ダメージを与えられた場合、そのプレイヤーはゲームに敗北する。これは状況起因処理である。詳細は統率者ダメージを参照。

統率者が統率領域にある限り、そのオーナーは統率者を唱えることができる。ただし、この方法でそれまでに統率者を唱えた回数1回につき、追加コストとして(2)支払う必要がある。

  • Phelddagrifならば、1回目は(1)(緑)(白)(青)、2回目は(3)(緑)(白)(青)、3回目は(5)(緑)(白)(青)と増えていく。
  • 手札など、統率領域以外の領域から統率者を唱える場合はこれにカウントされず、通常の呪文コストで唱える。

統率者がいずれかの領域から墓地手札ライブラリー追放領域のいずれかに置かれる場合、そのオーナーは代わりに統率者を統率領域に置くことを選んでもよい。これは置換効果である。カードがいずれかの領域から裏向きで追放領域に置かれる場合、その追放されたカードを見ることができるプレイヤーはすぐにそれを見なければいけない。それが他のプレイヤーがオーナーの統率者ならば、その統率者のオーナーはそのカードを見て、表向きにして統率領域に置く。

  • 初期のルールではいずれかの領域から墓地に置かれる場合のみ統率領域に置くことを選択できたが、統率者を追放して永久的に取り除く手段を封じるために、2011年6月17日の総合ルール更新でルールが改訂された。そして2015年3月23日の更新では、同じ理由で、統率者がいずれかの領域から手札ライブラリーに置かれる場合にもこのルールが適用されるようになった。
  • 両面カードである統率者が第2面の状態で統率領域に置かれる場合、第1面の状態で統率領域に置く。
  • 統率者に指定したカードが組み合わされた、合体したパーマネントが戦場を離れる場合、統率者に指定したカードのみ(第1面の状態で)統率領域に置く。それ以外のカードが該当する領域に置かれる。

統率者はレジェンド・ルールプレインズウォーカーの唯一性ルールの影響を受け、コントロール奪取などで同じカード名伝説のクリーチャー(もしくは同じプレインズウォーカー・タイプを持つプレインズウォーカー)をコントロールしているとどちらか一方が墓地に置かれる。

  • 以前は選択したルールによっては墓地に置かれない場合もあった。詳細は#その他の「オープンルール」参照。

1対1でゲームを行ってもよいが、多人数戦で行うのが一般的である。

選択ルール

Partial Paris Mulligan

現在のマリガン(バンクーバー・マリガン)が採用されている以前、個々のカードを引ける確率を上げることなく土地事故を和らげるため、特殊なマリガンルールとしてPartial Paris Mulliganが設けられていた。

ゲームを始めるときに各プレイヤーが手札を引いた後、通常のマリガンの代わりに以下の手順を行う。

  1. 各プレイヤーは先攻プレイヤーからターン順に自分の手札にあるカードを望む枚数だけ裏向き追放してもよい。
  2. 全プレイヤーが追放するかどうか選んだ後、カードを追放したプレイヤーはその追放したカードの枚数に1を引いた枚数のカードを引く。
  3. 少なくとも1枚のカードを追放したプレイヤーは、1に戻ってこの手順を繰り返してもよい。
  4. どのプレイヤーも追放しないことを選んだ場合、各プレイヤーは追放したカードを自分のライブラリーに戻して切り直す

EDH Sideboards(デッキ入れ替え枠)

この選択ルールを採用する場合、各プレイヤーは1枚の統率者と99枚のカードの他に10枚のカード用意することができる。

統率者が選ばれた後、各プレイヤーはデッキのカードと1対1で入れ替えるための3分が与えられる。

  • デッキに入らなかったカードは願いなどで回収できる。

Victory Points(代替勝利条件)

いわゆる「最後まで残っていたプレイヤー」という勝利条件の代わりに、追加または代替の勝利方法を用意する選択ルール。

統率者戦公式サイトでは「1ターンに最大の戦闘ダメージを与えたプレイヤー」「マナ・プールに最も多くのマナを貯めたプレイヤー」「統率者ダメージによる勝利」「統率者に最も多くのマナを費やしたプレイヤー」といった勝利方法が挙げられている。

Democratic Victory(民主的勝利)

勝利と社交的プレイングのバランスがとれたプレイヤーに報奨を与える手段として用意された選択ルール。

ゲームが終了したとき、各プレイヤーは最も楽しませた対戦相手1人に投票する。プレイヤーは最後まで残っていた場合は2点、1票につき1点を獲得し、その点数に対して賞品を提供する。

The League Rule(リーグルール)

デッキ構築に制限を加える選択ルール。複数のプレイヤーが同じ統率者を選ぶことができず、他のプレイヤーが統率者として選んだカードをデッキに入れることができない。

Stranglehold Cage Commander

統率者戦特有のコンボデッキ有利を是正しようとAdam Styborskiが“Two Cards To Bring Them All (And In Fairness Bind Them)”で提唱した選択ルール。

統率領域締め付け/Stranglehold墓掘りの檻/Grafdigger's Cageがおかれた状態でプレイする。これらを唱える必要はなく、統率者領域から効果を発揮している状態で戦う。

Magic Online

Magic Onlineでも認定フォーマットとしてCommanderの名称で実装されている。

ルールは実際の統率者戦とほぼ同様であるが、マリガンはPartial Paris Mulliganではなく、最初の1回だけ枚数を減らさずに引き直せる方式が採用されている。

制定当初はルール文章のマナ・シンボルによる構築制限は設けられていない(例えば、メムナーク/Memnarch無色の統率者として使用できた)点が異なっていたが、2011年6月28日のMagic Onlineのアップデートで固有色を用いるように変更された(参考)。

統率者に指定不可なカードや禁止カードは実際の統率者戦に則する。以前はMagic Online独自のリスト(内容は司令官戦を参照)で管理されていたが、先述のアップデートに際し、実際と共通のリストを用いるように変更された。

旧ルール

  • 以前は統率者戦に関する規定として「リーグルール」と「オープンルール」の2種類がありどちらかを選ぶ必要があったが、2009年9月20日のルール改正で選択制は廃止され、標準のルールではいずれも適用されないようになった(リーグルールに関しては#The League Rule(リーグルール)を参照)。
    • オープンルールでは、リーグルールのようなデッキ構築段階での制限はない代わりに、「統率者はいわゆるレジェンド・ルールの影響を受けなくなる」という特殊ルールが追加されていた。基本セット2014より前のレジェンド・ルールで、同伝説のクリーチャー戦場にある場合、統率者でないもののみが墓地に置かれ、統率者ならば墓地には置かれない。双方が統率者ならばどちらも戦場に残る。
  • 2009年9月20日のルール改正で変更されるまでは、統率者を置く領域統率領域の代わりに追放ゲーム外)領域を用いていた。
  • 2009年9月20日のルール改正で、マリガンの手順が通常の多人数戦用マリガンからPartial Paris Mulliganに変更された。そして2016年1月18日のルール変更では、現行の公式マリガンルール(バンクーバー・マリガン)に変更された。
  • 2016年1月18日のルール改正で変更されるまでは、「デッキ内のカードはそのマナしか生み出せず、不適正な色マナを生み出す場合は代わりに無色マナを生み出す」という追加ルールが存在していた。現在はルール文章の通りに定められた色マナを生み出す。

その他

参考

引用:総合ルール 20231117.0

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