タルキール/Tarkir

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タルキール/Tarkirは、多元宇宙/Multiverseに存在する次元/Planeのひとつ。タルキール覇王譚ブロックタルキール:龍嵐録の舞台となった。プレインズウォーカー/Planeswalkerサルカン・ヴォル/Sarkhan Volナーセット/Narsetの故郷でもある。

中世アジア広範をモチーフとした次元であり、多様な文化を持つ氏族/Clanが覇権を競っている。

目次

[編集] ストーリー

[編集] タルキール覇王譚

タルキール次元にはかつてドラゴンの嵐/Dragonstormから生まれる龍/Dragonたちが繁栄し、それに敵対する五つの古代戦士氏族は龍から生き残るためにそれぞれの方法で戦いを模索していた。だが千年以上昔、突如嵐は止み、新たな龍は生まれなくなった。五つの氏族は空の獣たちを狩り尽くし、龍はタルキールから絶滅した。タルキール覇王譚の時代では、五つの氏族は旧い龍の力を崇めながら互いにその領土、あるいは全てを奪い合おうと争い続けている。

タルキール生まれのプレインズウォーカー、サルカン・ヴォルはゼンディカー/Zendikarエルドラージ/Eldraziが覚醒した後、彼を失敗させるための任務に送り込んだニコル・ボーラス/Nicol Bolasに失望し、彼がプレインズウォーカーに覚醒するより前から聞こえていた幻の声に導かれるように故郷を訪れる。

一方、ソリン・マルコフ/Sorin Markovもかつて共にエルドラージを封印した仲間であるウギン/Uginの消息を求めてタルキールを訪問していた。だが彼が発見したのはウギンの物言わぬ骸だけであった。

半ば狂気に陥りながらタルキールを放浪したサルカンは、ジェスカイ道/The Jeskai Wayカン/Khanナーセット/Narsetの導きを受け精霊龍の墓/Tomb of the Spirit Dragonへ辿り着く。その時、サルカンがゼンディカーのウギンの目/Eye of Uginから持ち出した面晶体/Hedronが反応し、彼を1280年前、タルキールの運命を決定した時代へと導いた。

[編集] 運命再編

まだ龍がタルキールの空を飛翔していた時代へと辿り着いたサルカンは、その時代のティムール境/The Temur Frontierのカン、ヤソヴァ/Yasovaからタルキールの運命を歪めたのはかつての主、ニコル・ボーラスだという真実を知らされる。彼はウギンを救うためウギンとボーラスの戦いに介入しようとするが、ボーラスによって唆されたヤソヴァの援護もあって一矢も報いることができずウギンは敗れてしまう。

死にゆくウギンを前にサルカンは導きを求めるが、それに答えたのはウギンではなく彼自身の内なる声であった。自らの為すべきことを決めたサルカンは面晶体を開放し、ウギンを癒す。次元の運命を再編した彼は時の力によって過去のタルキールから運び去られていった。

ウギンの死によって消え去るはずだったドラゴンの嵐はむしろ勢いを増した。氏族たちは生き残るために、各々の方法で龍へ恭順することを選んだ。

[編集] タルキール龍紀伝

タルキール覇王譚と同じ時代、しかし全く違う新たなタルキール。カンを長とした氏族は滅び、代わりに龍王/Dragonlordが頂点の新たな五つの氏族がタルキールの空位の玉座を巡り争っている。

[編集] タルキール:龍嵐録

ウギンが眠りから目覚め、タルキールを去ってから5年が経った。もはや彼の本質から力を受けることがなくなり、ドラゴンの嵐はようやく数を減らした。その後の新ファイレクシア/New Phyrexiaによる侵略は龍に多大な犠牲を出し、嵐の減少と相まって龍王の権力掌握を大いに弱めるに至った。人型種族の叛乱は勢いを増し、散発的な民兵やゲリラ活動から、古き氏族の名の旗を掲げた公然たる叛乱へと発展していった。

元プレインズウォーカーのナーセットは、タルキールを廃墟同然にしてしまう終わりなき消耗戦にしか見えないものを終わらせる方法を見つけたいと願っていた。人型種族と龍がこの次元でそれぞれの居場所を見つけ、同じ未来を目指さなければならない、そう彼女は信じていた。調査の過程で、彼女は嵐の絆の儀式/The Stormnexus Ritualを行うための呪文の巻物を発見した。擦り切れ色褪せてはいたが、そこには「タルキールの魂を呼び起こす」とされる呪文が記されているようだった。ナーセットはその潜在的な危険性から儀式の遂行を躊躇ったが、他の叛乱軍の指導者たちは、これこそがタルキールの統一を確実にする最善の方法なのだと彼女を説得した。

龍王の支配に終止符を打つべく、ナーセットと叛乱軍の指導者たちは精霊龍のるつぼ/Crucible of the Spirit Dragonの跡地に集まった。儀式を始めた時点では、その呪文の真の結末を予測できた者は一人もいなかった。魔法は巨大なドラゴンの嵐を呼び起こし、その渦巻くエネルギーの中に五体の龍の姿が現れた。当てのない剥き出しの力を溢れさせる、何の束縛も受けていない精霊たちだ。ナーセットが最初に行動を起こした――彼女は宙に跳び上がって一体の精霊の背中に着地すると、意志の力で龍の最終的な性質を形作り、半実体の姿に融合させた、他の叛乱軍の指導者たちも、それぞれのやり方で彼女に続いた。一瞬の力の中、龍の精霊たちと、後に新たな氏族の指導者となる者たちは結びついた――良くも悪くも。

儀式が執り行われると、龍王たちと生き残りの龍の群れは、叛乱軍の計画を阻止しようとした。龍王たちと新たに形を得た精霊龍たちの間で恐ろしい戦いが繰り広げられ、周囲には嵐が吹き荒れた。最終的に龍王たちは敗北し、巨大な嵐に飲み込まれたようだった。

戦いの後、この呪文はドラゴンの嵐を強化し、新たな種類の強力な野生の龍を生んでいることが明らかになった。出現した龍の一握りは精霊龍たちの呼びかけに耳を傾けたものの、ほとんどの野生の龍は如何なる権威も拒絶した。また、嵐はタルキールの各地を居住不能にし、その規模は次元じゅうに環境の変化を引き起こすほどだった。これらの新たな脅威にもかかわらず、タルキールの民は粘り強く適応し、各氏族は繁栄のためにそれぞれの戦略を展開した。

龍王の圧政から解き放たれたことで、各氏族もまた新たな、かつての姿に生まれ変わった。以前の姿から、あるいは反旗を翻した龍の群れから伝統や理想を引き継いでいるものの、今日のタルキールの各氏族は新しく、はっきりと異なったものとなっている。外交上の取り決めと微妙なパワーバランスによって維持される脆弱な平和が氏族間にある一方で、イデオロギーの不一致が氏族間の全面的な紛争に発展することも珍しくない。それに加えて、タルキールの環境は過酷で頑固になり得る――ドラゴンの嵐の増加とともに、氏族間で領土と資源をめぐる戦いが起こることもしばしばだ。

[編集] 現象

[編集] ドラゴンの嵐/Dragonstorm

タルキールの龍たちはドラゴンの嵐/Dragonstormから成体の姿で生まれる。嵐の強さや発生頻度はウギンの在否に依存しており、それがそのままタルキールにおける龍の栄枯盛衰に直結している。

詳細はドラゴンの嵐/Dragonstorm (ストーリー)を参照。

[編集] 氏族/Clan

タルキールの文明は古代から続く五つの氏族が担っている。氏族ごとにそれぞれ龍の性質の異なった相を取り入れ、独自の文化を築いている。

運命が再編されたタルキールでは、龍を頂点とした新たな氏族が誕生した。

[編集] クリーチャー

タルキールには多彩な種族のクリーチャーが存在しているが、他の次元にあるような種族間の対立は見られない。ただし氏族が異なれば、同じ種族であっても敵同士となる。

異なる種族であっても、氏族が同じであれば仲間として受け入れられ、氏族内で実力にふさわしい地位・役職を得る。異なる種族同士で家族の縁を結ぶ例もあるが、逆に同種族であっても氏族に仇なすことがあれば追放される。

  • /Dragon - タルキールの生態系の頂点。エレメンタルの嵐とウギンの龍魔法が融合したドラゴンの嵐から成体の姿で生まれる。その外見は、祖となる親龍の外見に基づく。
  • 人間/Human - ほとんどの氏族の主要な構成種族
  • エイヴン/Aven - 鳥人の種族。翼を持つことから龍に次いで賞賛されることも多い。
  • アイノク/Ainok - 犬人の種族。砂漠や雪山での生活に適応している。
  • ジン/Djinn - 青白い肌の人型種族。ジェスカイ道と後身のオジュタイ氏族に属する。
  • イフリート/Efreet - 精霊の火を持つ人型種族。ジェスカイ道に属していたが、タルキール龍紀伝の時代には龍による寒冷化が進んだことからオジュタイ氏族には属していない。代わりに温暖化が進んだカル・シスマ山脈/The Qal Sisma mountainsを擁するアタルカ氏族にその身を置いている。
  • ナーガ/Naga - 蛇人の種族。タルキール覇王譚の時代にはスゥルタイ群の支配者層だったが、シルムガル氏族においては最低限の権力しか有していない。
  • ラクシャーサ/Rakshasa - 三つ眼の鬼神のようなデーモン。スゥルタイ群と後身のシルムガル氏族に属するが、常に不穏な奸謀を巡らせている。
  • シディークー/Sidikur - デーモン。彼らを召喚する方法はラクシャーサからもたらされたが、ラクシャーサは考えなしにシディークーを召喚し手に負えなくなった魔道士をカモにできるよう、肝心の束縛呪文を伝えなかった。
  • オーク/Orc - 人間より屈強な体型を持つ人型種族。主にマルドゥ族と後身のコラガン氏族に属する。
  • オーガ/Ogre - 大型の人型種族。好戦的だが知性は低く、氏族によっては戦闘用の獣として利用したり食料として狩猟対象とする。
  • ゴブリン/Goblin - 小型の人型種族。主にマルドゥ族と後身のコラガン氏族に属する。
  • ロクソドン/Loxodon - 象人の種族。分厚い皮膚と体毛により雪山での生活に適応している。
  • /Bear - ティムール境と密接な関係にある動物。戦闘車を引いてもらう代わりに、彼らは熊に食物を贈り、感謝の儀式を行う。直立すれば肩の高さは10フィート(約3m)、重さは1tにもなる。タルキール龍紀伝の時代ではアタルカ氏族による狩猟の対象となっており、稀少。
  • クルショク/Krushok - サイに似た猛獣。物資運搬や騎乗用に飼い慣らされることもある。
  • 麒麟/Kirin - に似た姿をした謎の動物。麒麟の出現は重要な人物の到来を告げるとされる。
  • ラマスー/Lammasu - 翼を持つ謎の動物。歴史の転換点を告げるとされる。
  • マンモス/Mammoth - カル・シスマ山脈に生息する大型の獣。歴史改変後のタルキールでは、アタルカ氏族によって狩り尽され絶滅した。

[編集] キャラクター

プレインズウォーカー/Planeswalker
タルキールの住民
  • 人型種族(現在)
    • アナフェンザ/Anafenza - 人間の女性。タルキール覇王譚の時代のアブザン家のカン/Khan。タルキール龍紀伝の時代ではドロモカ氏族に属していたが、禁じられた族樹/Kin treeと祖先の霊への崇拝を行っていたため処刑された。
    • シディシ/Sidisi - ナーガの女性。タルキール覇王譚の時代のスゥルタイ群のカン。タルキール龍紀伝の時代ではゾンビとなってシルムガルに仕えている。
    • ズルゴ/Zurgo - オークの男性。タルキール覇王譚の時代のマルドゥ族のカン。タルキール龍紀伝の時代ではコラガン氏族で鐘突きの役割に甘んじている。
    • スーラク/Surrak - 人間の男性。タルキール覇王譚の時代のティムール境のカン。タルキール龍紀伝の時代ではアタルカに捧げる肉を狩る狩猟の統率者/Hunt Callerを務める。
    • ガヴァール・バーズィール/Gvar Barzeel - オークの男性。クルーマの司令官。
    • イーシャイ/Ishai - エイヴンの女性。オジュタイの伝令である龍語りを務める。
    • テイガム/Taigam - 人間の男性。タルキール覇王譚の時代ではジェスカイ道を裏切りスゥルタイ群へ下っていたが、タルキール龍紀伝の時代ではオジュタイ氏族の師の座についている。
    • 薬瓶砕き/Vial Smasher - ゴブリンの女性。マルドゥ族の時代では亡くなっていたが、コラガン氏族の時代では生存。
    • カディーナ/Kadena - ナーガの女性。シルムガル氏族。
    • ハムザ/Hamza - ロクソドンの男性。アブザン家のクルーマで、アラシン市の守備隊長。
    • トゥーヤ/Tuya - 人間の女性。アタルカ氏族の熊乗り。
  • その他(現在)
  • 人型種族(1280年前)
    • ダガタール/Daghatar - 人間の男性。運命再編の時代のアブザン家のカン。氏族を守るため、アブザンの名を捨てる決断を下した。
    • レイハン/Reyhan - 人間の女性。アブザンのカンを名乗り、龍への抵抗勢力を率いた。
    • シュー・ユン/Shu Yun - 非常に長命な人間の男性。運命再編の時代のジェスカイ道のカン。氏族を守るためその身を捧げた。
    • タシグル/Tasigur - 人間の男性。運命再編の時代のスゥルタイ群のカン。若く残虐。
    • アリーシャ/Alesha - 人間。身体的には男性だが、性自認は女性。運命再編の時代のマルドゥ族のカン。
    • ヤソヴァ/Yasova - 人間の女性。運命再編の時代のティムール境のカン。人間の時代を作るためボーラスに手を貸したが、サルカンの介入により失敗した後はカンの伝承を密かに未来へと伝えた。
    • イクラ・シディーキ/Ikra Shidiqi - ナーガの女性。スゥルタイ群を去り、シルムガルへと下った。
  • タルキールのその他のキャラクター - カード化されていないキャラクターはこちらを参照。

[編集] 読み物

タルキール覇王譚ブロック
基本セット2019
機械兵団の進軍

[編集] その他

[編集] 参考

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