黒緑ビートダウン
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黒緑ビートダウン(Black-Green Beatdown)は、黒緑2色で構成されるビートダウンデッキ。
概要
緑のクリーチャーに黒の除去や手札破壊などのコントロール要素を織り交ぜた、ビート・コントロールの形態をとる場合が多い。
緑のマナサポートによりマナ基盤の不安はそれほどない。緑の苦手な除去を黒が補い、黒単色では対処不可能なアーティファクトを緑で対応できるなど、柔軟性に富む。反面、青入りのビートダウンデッキ(緑青のクロック・パーミッションなど)と異なり、呪文全般に対し無防備になりやすいという弱点もあるため、手札破壊のサポートが重要になる。
また、緑のマナ加速から黒のアドバンテージクリーチャーを展開するスタイルのものも存在する。→Vipies
イニストラード:真夜中の狩り〜サンダー・ジャンクションの無法者期
エルドレインの森で強力な黒緑のカードである苔森の戦慄騎士/Mosswood Dreadknightと眠らずの小屋/Restless Cottageを入手したことで、ゴルガリ・ミッドレンジ(Golgari Midrange)が環境に姿を現した。
苔森の戦慄騎士/Mosswood Dreadknightやグリッサ・サンスレイヤー/Glissa Sunslayerなどの優秀なクリーチャーを黒の除去でバックアップしながら攻め込む構成を取る。
何度でも復活してアドバンテージを稼ぐ戦慄騎士や、除去でありながら後々エンドカードにもなる執念の徳目/Virtue of Persistence、強力なミシュラランドである眠らずの小屋/Restless Cottageとそれを使い回せる開花の亀/Blossoming Tortoiseと、長期戦におけるリソース勝負に強いカードが多く採用されている。
イクサラン:失われし洞窟では大洞窟のコウモリ/Deep-Cavern Bat、名もなき都市の歩哨/Sentinel of the Nameless City、分派の説教者/Preacher of the Schismといったカードを獲得しさらに強化された。
サンダー・ジャンクションの無法者では腐食の荒馬/Caustic Broncoや敵意ある調査員/Hostile Investigatorといったハンド・アドバンテージを稼ぎやすいクリーチャーを手に入れ、ますます持久能力に磨きがかかった。同時期のメタゲームで存在感を見せるアゾリウス・コントロールに対抗するため、魂の洞窟/Cavern of Soulsを採用している場合も多い。
- リソース勝負に強いだけでなく、除去の多さとクリーチャーの質から赤単アグロに対しても強い。一方、ドメイン・ランプのような「打ち消せなければほぼ負け」になるカードを持つデッキ相手では相性が悪い。太陽降下/Sunfallを有するコントロールデッキもやや苦手。
サンプルレシピ
- 備考
- 世界選手権23 4位(参考)
- 使用者:Anthony Lee
- フォーマット
サンプルレシピ(イクサラン:失われし洞窟後)
ゴルガリ・ミッドレンジ [2] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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サンプルレシピ(サンダー・ジャンクションの無法者後)
- 備考
- フォーマット
Golgari Midrange(OTJ) [3] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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イクサラン・ブロック~基本セット2020期
ラヴニカの献身参入後は青を足したスゥルタイ・ミッドレンジが主流となったが、灯争大戦の参入後、マジック・プロリーグ19で日本勢3名が黒緑2色のタイプを使用(参考)。再び環境の一角に返り咲いた。
探検クリーチャーと野茂み歩き/Wildgrowth Walkerで序盤を凌ぎ、殺戮の暴君/Carnage Tyrantや各種プレインズウォーカーで勝負を決める基本戦略は前々環境と同じ。
大きな違いは土地破壊に特化している点で、新たに獲得した戦争の犠牲/Casualties of Warに加え、暗殺者の戦利品/Assassin's Trophyや廃墟の地/Field of Ruinが採用されている。性質上、基本土地の少ないデッキに対して強い。
サンプルレシピ
初期型
- 備考
- StarCityGames.com Standard Classic Louisville 第9位(参考)
- 使用者:Cody Napier
- フォーマット
Golgari Midrange [4] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 灯争大戦参入後の初期型。
基本セット2020後
- 備考
- フォーマット
Golgari Land Destruction [5] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 基本セット2020参入後のリスト。トップメタの4色ケシスを意識したデッキであり、モックス・アンバー/Mox Amber対策となる大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creatorも採用されている。
イクサラン・ブロック+ドミナリア+基本セット2019+ラヴニカのギルド期
ラヴニカのギルドから採取+最終/Find+Finalityなどを獲得したことで、ゴルガリ・ミッドレンジ(Golgari Midrange)と呼ばれるミッドレンジデッキがトップメタになった。
探検クリーチャーや貪欲なチュパカブラ/Ravenous ChupacabraなどのETB能力持ちを採取/Findで使い回してアドバンテージを稼ぎ、殺戮の暴君/Carnage Tyrantなどの高マナ域クリーチャー、ビビアン・リード/Vivien Reidなどのプレインズウォーカー、あるいは最終/Finalityに繋げて勝負を決める。
ビートダウンデッキに対しては各種除去と野茂み歩き/Wildgrowth Walkerのライフ回復で粘ることができ、コントロールデッキに対しても殺戮の暴君や真夜中の死神/Midnight Reaperといった除去耐性持ち、サイドボードの手札破壊で有利に事を運びやすく、様々なデッキへの対応力の高さが特徴。
グランプリ静岡18スタンダードではトップ8進出者中4人が使用する実績を残した。
サンプルリスト
- 備考
- グランプリ静岡18スタンダード 優勝 (参考/参考)
- 使用者:中島篤史
- フォーマット
Golgari Midrange [6] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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戦乱のゼンディカー・ブロック+イニストラードを覆う影ブロック+カラデシュ・ブロック期
同環境の黒緑昂揚(BG Delirium)の一種として、アグロ型のものが存在する。
詳細は黒緑昂揚を参照。
霊気紛争参入後は、巻きつき蛇/Winding Constrictorと各種カウンターを中心とする黒緑巻きつき蛇(BG Constrictor)が登場した。
詳細は黒緑巻きつき蛇を参照。
ラヴニカへの回帰ブロック+テーロス・ブロック期
墓地利用を中心としたビートダウンデッキが存在する。発掘デッキに動きが似ていることから、ゴルガリドレッジ(Golgari Dredge)、黒緑ドレッジ(BG Dredge)などの名で呼ばれる。
マナ・クリーチャーからマナ加速して忌まわしい回収/Grisly Salvageや神々との融和/Commune with the Godsで墓地を肥やし、夜の咆哮獣/Nighthowler、定命の者の宿敵/Nemesis of Mortals、ゴルガリの死者の王、ジャラド/Jarad, Golgari Lich Lordといった墓地のクリーチャー数に応じて強くなるクリーチャーに繋げる。
神々の軍勢からサテュロスの道探し/Satyr Wayfinderや責め苦の伝令/Herald of Tormentを獲得したことで強化され、環境に姿を現すようになった。
基本セット2015参入後は、世界を目覚めさせる者、ニッサ/Nissa, Worldwakerなどを中心とした一般的なミッドレンジタイプのものも登場した。
構成は同環境のジャンドプレインズウォーカーズに近く、そこから赤を抜いて安定性を高めたものと見ることができる。プレインズウォーカーが減った分、冒涜の悪魔/Desecration Demonなどの強力なクリーチャーの比率が増している。
ドレッジ型
- 備考
- グランプリブエノスアイレス14 第11位 (参考)
- 使用者:Matias Chilperico
- フォーマット
Golgari Dredge [7] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ミッドレンジ型
- 備考
- ワールド・マジック・カップ14大阪予選 ベスト8 (参考)
- 使用者:山本賢太郎
- フォーマット
BG [8] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ローウィン=シャドウムーア・ブロック期
強力な緑のクリーチャーに黒のサポートを織り交ぜたグッドスタッフ系ビート・コントロール。
いわゆるグッドスタッフの例に漏れず、このデッキもローウィン=シャドウムーア・ブロック前後の高額レアを山積みにしたようなデッキであり、時に「札束」などと皮肉を込めて呼ばれることもある。
時のらせんブロックの獣群の呼び声/Call of the Herd・タルモゴイフ/Tarmogoyfや、ローウィンの野生語りのガラク/Garruk Wildspeakerを主力とし、手札破壊の思考囲い/Thoughtseizeなどでサポートするのが基本。
世界選手権07では優勝したUri Pelegを含めベスト8中5人を占めた。さらに「ノーマル型」に加え、「ドラン型」、「エルフ型」に分類される。
その他の部分はメタや製作者の好みにより変化し、世界選手権07では3タイプに細分化されているようにグッドスタッフならではのデッキバリエーションに富む。クリーチャー除去の叫び大口/Shriekmaw、エンドカードに不敬の命令/Profane Commandあたりが一般的なチョイスである。
リリアナ・ヴェス/Liliana Vessの存在によりサイド後シルバーバレット戦略を取ることも可能なので、サイドボードのスペースを広く取れるのも強みである。
サンプルレシピ
メインデッキ (60) | |
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クリーチャー (19) | |
2 | 極楽鳥/Birds of Paradise |
4 | ラノワールのエルフ/Llanowar Elves |
2 | 仮面の称賛者/Masked Admirers |
4 | オーランのバイパー/Ohran Viper |
3 | 叫び大口/Shriekmaw |
4 | タルモゴイフ/Tarmogoyf |
呪文 (18) | |
1 | 眼腐りの終焉/Eyeblight's Ending |
3 | 野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker |
3 | リリアナ・ヴェス/Liliana Vess |
1 | ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer |
3 | 名も無き転置/Nameless Inversion |
3 | 不敬の命令/Profane Command |
4 | 思考囲い/Thoughtseize |
土地 (23) | |
5 | 森/Forest |
4 | 光り葉の宮殿/Gilt-Leaf Palace |
1 | 地平線の梢/Horizon Canopy |
4 | ラノワールの荒原/Llanowar Wastes |
1 | ペンデルヘイヴン/Pendelhaven |
3 | 冠雪の沼/Snow-Covered Swamp |
4 | 樹上の村/Treetop Village |
1 | ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth |
サイドボード | |
1 | 滅び/Damnation |
1 | 根絶/Extirpate |
4 | 猛牛の目/Eyes of the Wisent |
2 | 墓生まれの詩神/Graveborn Muse |
1 | 名も無き転置/Nameless Inversion |
1 | 真髄の針/Pithing Needle |
1 | 裂け目掃き/Riftsweeper |
1 | 叫び大口/Shriekmaw |
3 | ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman |
ラヴニカ・ブロック+時のらせんブロック期
時のらせんブロック期のスタンダードでは、未来予知で強力アタッカーのタルモゴイフ/Tarmogoyfが登場したことでメガハンデスが誕生。同年の日本選手権07を制した。
詳細はメガハンデス参照のこと。
サンプルレシピ
メインデッキ (60) | |
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クリーチャー (21) | |
4 | 極楽鳥/Birds of Paradise |
3 | 木彫りの女人像/Carven Caryatid |
1 | 墓掘り甲のスカラベ/Grave-Shell Scarab |
4 | 惑乱の死霊/Hypnotic Specter |
3 | 貪欲なるネズミ/Ravenous Rats |
3 | 骸骨の吸血鬼/Skeletal Vampire |
3 | タルモゴイフ/Tarmogoyf |
呪文 (16) | |
4 | 酷評/Castigate |
3 | 罪+罰/Crime+Punishment |
4 | 葬送の魔除け/Funeral Charm |
2 | ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer |
1 | 屈辱/Mortify |
2 | 化膿/Putrefy |
土地 (23) | |
4 | 森/Forest |
2 | 神無き祭殿/Godless Shrine |
3 | ラノワールの荒原/Llanowar Wastes |
4 | 草むした墓/Overgrown Tomb |
5 | 沼/Swamp |
3 | 寺院の庭/Temple Garden |
2 | 樹上の村/Treetop Village |
サイドボード | |
3 | 糾弾/Condemn |
2 | 根絶/Extirpate |
4 | ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch |
3 | トーモッドの墓所/Tormod's Crypt |
3 | 萎縮した卑劣漢/Withered Wretch |
- タッチ白のタイプ。
- メガハンデスよりややコントロール色は弱く、ロクソドン・ヒエラルキーなどに近い形のデッキになっている。
神河ブロック+ラヴニカ・ブロック+コールドスナップ期
ラヴニカ:ギルドの都参入初期のスタンダードでは、ゴルガリ・ギルドを主力にしたビート・コントロールデッキが活躍。
その後しばらくは鳴りを潜めていたが、コールドスナップで緑の知恵の蛇/Ophidianことオーランのバイパー/Ohran Viperが登場したことにより、これと惑乱の死霊/Hypnotic Specterを緑のマナ・クリーチャーから高速展開するVipiesが生まれた。
詳細はVipiesの項を参照のこと。
サンプルレシピ
メインデッキ (60) | |
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クリーチャー (26) | |
3 | 空を引き裂くもの、閼螺示/Arashi, the Sky Asunder |
4 | 極楽鳥/Birds of Paradise |
3 | ラノワールのエルフ/Llanowar Elves |
4 | ウッド・エルフ/Wood Elves |
4 | 惑乱の死霊/Hypnotic Specter |
3 | ネクラタル/Nekrataal |
3 | 墓掘り甲のスカラベ/Grave-Shell Scarab |
2 | 鬼の下僕、墨目/Ink-Eyes, Servant of Oni |
呪文 (12) | |
4 | 最後の喘ぎ/Last Gasp |
4 | 化膿/Putrefy |
4 | 梅澤の十手/Umezawa's Jitte |
土地 (22) | |
6 | 沼/Swamp |
6 | 森/Forest |
4 | 草むした墓/Overgrown Tomb |
4 | ラノワールの荒原/Llanowar Wastes |
1 | 烏羅未の墳墓/Tomb of Urami |
1 | 先祖の院、翁神社/Okina, Temple to the Grandfathers |
サイドボード | |
2 | 頭蓋の摘出/Cranial Extraction |
4 | 鼠の墓荒らし/Nezumi Graverobber |
4 | 帰化/Naturalize |
2 | 真髄の針/Pithing Needle |
1 | 空を引き裂くもの、閼螺示/Arashi, the Sky Asunder |
1 | ネクラタル/Nekrataal |
1 | 迫害/Persecute |
- マナ・クリーチャーから惑乱の死霊/Hypnotic Specterなどのアドバンテージクリーチャーへと繋ぐのが基本である。同様の動きはのちのVipiesや青をタッチした8ヒッピーなどへと受け継がれた。
- 浅原晃によるコラム記事も参照。
ミラディン・ブロック+神河ブロック期
神河ブロック期のスタンダードでは、親和消滅後、以前から存在したネズミデッキに緑をタッチしたヴィリジアン・ラッツが現れた。
黒が苦手とするアーティファクト破壊をヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shamanで補う。第9版で復活した対抗色ペインランドのラノワールの荒原/Llanowar Wastesの存在も大きい。
詳細はヴィリジアン・ラッツの項目を参照のこと。
オデッセイ・ブロック期
オデッセイ・ブロック期のスタンダードでは、トーメントで登場したマッドネスを利用した黒緑マッドネスが登場。
詳細は黒緑マッドネスを参照。
マスクス・ブロック構築
マスクス・ブロック構築では、強力なブラストダーム/Blastodermの攻撃を殺し/Snuff Outなどの除去で通すスナフ・オ・ダームが登場。
その色構成からスイカと呼ばれたデッキの走りとなった。詳細はスナフ・オ・ダームを参照のこと。
エクステンデッド
エクステンデッドのThe Rockから発展したビートダウンデッキ、京都迷宮案内が存在する。
緑のクリーチャーを黒の手札破壊や除去でサポートするデッキで、汎用性は極めて高い。
また、時のらせん参入後は、赤をタッチし基本でない土地への対策の破壊的な流動/Destructive Flowを搭載した亜種、Flow Rockも登場した。
レガシー
壌土からの生命/Life from the Loamを核としたビートダウンデッキのアグロロームが存在する。
また、タルモゴイフ/Tarmogoyfや墓忍び/Tombstalkerを活かしたEva Greenも活躍している。