ドレッジ
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ドレッジ(Dredge)はエターナルに存在するリアニメイト系コンボ・ビートダウンデッキ。発掘の登場したスタンダードではフリゴリッドと呼ばれていたものの、エターナルにおいてはドレッジの呼称で通っている。
目次 |
概要
手札から捨てた発掘を持つカードを利用してライブラリーを墓地送りにしつつ、墓地から何度でもよみがえるイチョリッド/Ichoridでビートダウンをする。
イチョリッドと強いシナジーを持つ黄泉からの橋/Bridge from Below、発掘と強いシナジーを持つナルコメーバ/Narcomoebaは重要なパーツ。さらに戦慄の復活/Dread Returnや陰謀団式療法/Cabal Therapyのようなクリーチャーの生け贄をコストとするフラッシュバックカードを利用して、イチョリッドと合わせてクロックを上昇させている。墓地に落ちる事を前提としているため、フラッシュバックやスレッショルドを活かすことができる。
回った時のスピードは通常のビートダウン以上であり、多少のパーマネント破壊や打ち消しでは早々止まらないが、墓地対策に滅法弱い。それゆえ、1本目は対策されにくく勝利しやすいが、2本目以降は非常に厳しく、如何に対戦相手の墓地対策を潜り抜けるかに掛かっている。
モダン
モダンではイチョリッド/Ichoridや戦慄の復活/Dread Returnが使用できないため、恐血鬼/Bloodghastと復讐蔦/Vengevineをメインアタッカーに据えたもの(ドレッジ・ヴァイン)が主流であったが、恐血鬼と復讐蔦とでは墓地から戦場に出すための条件が異なるため、やや扱いにくい面もあった。
扱いやすさを求めてアタッカーを恐血鬼に絞ると攻撃力が不足しがちであったが、イニストラードを覆う影にて登場した傲慢な新生子/Insolent Neonateや秘蔵の縫合体/Prized Amalgamにより発掘デッキ自体が大きく強化されたことで、十分な攻撃力が出せるようになっている。
その後カラデシュで安堵の再会/Cathartic Reunionを手に入れた結果更に強化、「先攻を取られたら2ターン目安らかなる眠り/Rest in Peaceでも間に合わないことがある」とまで言われるほどにメイン戦で強力になりすぎ、サイドボード戦を推し進めると判断されゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Trollは再び禁止されてしまった。
墓トロール禁止後は代わりにゴルガリの凶漢/Golgari Thugなどを入れたタイプが結果を残している。
サンプルレシピ
- 備考
- グランプリダラスフォートワース16 ベスト8 (参考)
- 使用者:Brian Braun-Duin
- フォーマット
レガシー
手札を墓地に落とす手段として、朽ちゆくインプ/Putrid Impや入念な研究/Careful Studyに加え、打開/Breakthroughやライオンの瞳のダイアモンド/Lion's Eye Diamondがよく使用される。
特にライオンの瞳のダイアモンドが強力で、打開の前に手札を捨てたり、そこから綿密な分析/Deep Analysisやセファリッドの円形競技場/Cephalid Coliseumに繋げたりする事で、最序盤から発掘モードに入ることが可能となっている。戦慄の復活/Dread Returnでセファリッドの賢者/Cephalid Sageが出てくるともう止まらない。
炎の血族の盲信者/Flame-Kin Zealotを採用している場合には、戦慄の復活で釣り上げて一気に勝利することができる。元はビートダウンでありながら、陰謀団式療法/Cabal Therapyをはさんでも1ターンキルさえ可能なコンボデッキへと仕上がってしまっている。
後に、イチョリッドやライオンの瞳のダイアモンド等を抜き、恐血鬼/Bloodghast、ダクムーアの回収場/Dakmor Salvage、納墓/Entombを搭載するタイプも登場した。
土地は青マナと黒マナを生み出せるものが採用されるが、墓地対策への対策として自然の要求/Nature's Claimなどをサイドボードにとっているために宝石鉱山/Gemstone Mineや真鍮の都/City of Brassといった5色地形を組み込むデッキも存在する。この場合、基本でない土地を多く利用するため、墓地対策以外に不毛の大地/Wastelandをはじめとする基本でない土地対策も弱点となる。
特殊なタイプとして、マナ基盤を排したマナレスドレッジ(Manaless Dredge)と呼ばれるものも存在する。ヴィンテージでもBazaar of Baghdadを利用したものが同じ名前で呼ばれるが、そちらとは大きく動きが異なる(→#ヴィンテージ)。
マナをほとんど生み出せない都合上、能動的にカードを捨てる手段が限られるため、クリンナップ・ステップにカードを捨てるところからスタートする。そのために基本的に後攻を選択する。初動の遅れを補うために、通りの悪霊/Street Wraithやギタクシア派の調査/Gitaxian Probeのようなカードを引く手段が追加されやすい。
重要な役割を果たすのが変幻影魔/Phantasmagorianであり、これを墓地に置くことができれば一気に手札を3枚もしくは6枚も捨てることができる。初手に発掘カードが多い場合は、発掘カードを捨てるよりも変幻影魔を捨てた方が効率的になる。
土地を完全に排除し、欄干のスパイ/Balustrade Spyを採用することで爆発力を確保した形も存在する(→The Spy)。
弱点はマナ基盤を排したことによる行動の選択肢の少なさ。また、クリンナップ・ステップにカードを捨てることから行動開始となるため、1度でもマリガンをすると初動が非常に大きく遅れる。そのため、良い初手が揃わないと他デッキ以上に厳しくなる。(特に2本目以降で顕著)
サンプルレシピ1
メインデッキ (60) | |
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クリーチャー (25) | |
1 | セファリッドの賢者/Cephalid Sage |
1 | 炎の血族の盲信者/Flame-Kin Zealot |
4 | ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll |
3 | ゴルガリの凶漢/Golgari Thug |
4 | イチョリッド/Ichorid |
4 | ナルコメーバ/Narcomoeba |
4 | 朽ちゆくインプ/Putrid Imp |
4 | 臭い草のインプ/Stinkweed Imp |
呪文 (22) | |
4 | 打開/Breakthrough |
4 | 陰謀団式療法/Cabal Therapy |
3 | 綿密な分析/Deep Analysis |
3 | 戦慄の復活/Dread Return |
4 | 黄泉からの橋/Bridge from Below |
4 | ライオンの瞳のダイアモンド/Lion's Eye Diamond |
土地 (13) | |
4 | セファリッドの円形競技場/Cephalid Coliseum |
1 | 地底の大河/Underground River |
4 | Underground Sea |
4 | 湿った墓/Watery Grave |
サイドボード | |
1 | 怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath |
4 | 蒸気の連鎖/Chain of Vapor |
2 | 虚空の杯/Chalice of the Void |
4 | 虚空の力線/Leyline of the Void |
4 | 真髄の針/Pithing Needle |
サンプルレシピ2
- 備考
- グランプリワシントンDC13 ベスト4 (参考)
- 使用者:Drew Tunison
- フォーマット
Dredge(Legacy) [2] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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サンプルレシピ3
- 備考
- StarCityGames.com Legacy Open on 6/1/2014 ベスト8 (参考)
- 使用者:Geo Thornton
- フォーマット
Manaless Dredge(Legacy) [3] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- マナレスドレッジタイプ。ドライアドの東屋/Dryad Arborは、メインデッキでは生け贄コスト用にしか用いない。
- サイドボードも、自然の要求/Nature's Claim以外はマナなしに使えるものが選択されている。
ヴィンテージ
ヴィンテージでも組まれている。カードを墓地に落とす手段として、レガシーでは禁止カードとなったBazaar of Baghdadを使用できるのが最大の特徴である。
Bazaar of Baghdadで手札の発掘カードを捨て、ドロー能力により発掘を使用してライブラリーを高速で掘り進めていく。自己再生するクリーチャーにはイチョリッド/Ichoridの他、かつては灰燼のグール/Ashen Ghoulや冥界の影/Nether Shadowも採用されていたが、現在はナルコブリッジのナルコメーバ/Narcomoebaや黄泉からの橋/Bridge from Belowを筆頭に、恐血鬼/Bloodghastなどのデッキに合致したクリーチャーが増えたことで採用されなくなった。
戦場と墓地に必要な数のクリーチャーが溜まったら、戦慄の復活/Dread Returnをフラッシュバックで唱えてフィニッシャー(縫合グール/Sutured Ghoulや炎の血族の盲信者/Flame-Kin Zealot)を釣り上げて対戦相手を瞬殺する。
構造上マナをほとんど必要としない構成になっているため、Bazaar of Baghdadを除けば土地は6枚程度しか入れないのが普通である。そのため、マナを全く使わないタイプを「Manaless Ichorid」、真鍮の都/City of Brassや宝石鉱山/Gemstone Mineを入れたタイプを「Mana Ichorid」と区別して呼ぶことも多い。ただアラーラの断片で、蘇生を持ちBazzar of Baghdadをアンタップできる命運縫い/Fatestitcherが登場したことから、Mana Ichridが主流になりつつある。→*1
弱点はBazzar of Baghdadに頼り切った、その構成そのものである。基本でない土地への対策の餌食になるし、墓地対策にももちろん弱い。
- 土地は単純なマナ源である他、恐血鬼を墓地から釣る役割も担う。そのためMoxをはじめとしたパワー9も軒並み使用しない。ヴィンテージにおけるメタの中にありながらパワー9を使わない珍しいデッキである。
- そのためヴィンテージのメタの渦中にある貧乏デッキという側面もある。Bazzar of Baghdad4枚が安価かと言われると疑問だが、少なくとも他のヴィンテージのデッキよりは安く作れるだろう。
- Bazaar of Baghdadが手札に無いとほとんど回らないデッキなので、マリガン用に血清の粉末/Serum Powderもよく採用されている。
サンプルレシピ1
- 備考
- ヴィンテージ選手権07 ベスト8 (参考)
- 使用者:Nick Calcaterra
- フォーマット
メインデッキ (60) | |
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クリーチャー (24) | |
2 | セファリッドの賢者/Cephalid Sage |
2 | 炎の血族の盲信者/Flame-Kin Zealot |
4 | ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll |
4 | ゴルガリの凶漢/Golgari Thug |
4 | イチョリッド/Ichorid |
4 | ナルコメーバ/Narcomoeba |
4 | 臭い草のインプ/Stinkweed Imp |
呪文 (28) | |
4 | 陰謀団式療法/Cabal Therapy |
4 | 戦慄の復活/Dread Return |
4 | 暴露/Unmask |
4 | 黄泉からの橋/Bridge from Below |
4 | 虚空の杯/Chalice of the Void |
4 | 虚空の力線/Leyline of the Void |
4 | 血清の粉末/Serum Powder |
土地 (8) | |
4 | Bazaar of Baghdad |
4 | ドライアドの東屋/Dryad Arbor |
サイドボード | |
2 | 古えの遺恨/Ancient Grudge |
4 | Contagion |
3 | エメラルドの魔除け/Emerald Charm |
4 | 恭しき沈黙/Reverent Silence |
2 | Taiga |
- 血清の粉末/Serum Powderやドライアドの東屋/Dryad Arborは入っているが、これらのマナ能力があてにされることは(少なくともメインデッキでは)なく、実質的にはManaless Ichoridのようなもの。血清の粉末はマリガン用、ドライアドの東屋は陰謀団式療法/Cabal Therapyや戦慄の復活のコスト扱いである。
サンプルレシピ2
- 備考
- ヴィンテージ選手権11 優勝(参考)
- 使用者:Mark Hornung
- フォーマット
Sun Titan Dredge [4] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- こちらはMana Ichorid型。
- フィニッシャーとして太陽のタイタン/Sun Titanが追加されている。