ウルザトロン
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ウルザトロン(Urzatron)は、3種類のウルザランドとよばれるウルザの鉱山/Urza's Mine、ウルザの魔力炉/Urza's Power Plant、ウルザの塔/Urza's Towerからの大量の無色マナを背景に、重いカードをふんだんに使用するデッキの総称。
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概要
第8版でウルザランドが復活し、ミラディンの参入でトーナメントレベルにまで成長したコンボ寄りのコントロール型が活躍の始まり。特にミラディン・ブロックを含むスタンダードでは、親和とともに常に一大勢力を誇った。
デッキとしてはウルザランドが出た頃から存在したが、実戦レベルになったのはミラディン・ブロックになってから。これはミラディン・ブロックで森の占術/Sylvan Scryingと刈り取りと種まき/Reap and Sowというどんな土地でもサーチできるカードが登場したためである。
また、ミラディン・ブロック後期からはキャントリップなど青のドローカードでウルザランドを揃えるバージョンも登場。特にミラディン退場後はこちらが主流となった。この時期から活躍できるようになった要因としては、ハルマゲドン/Armageddonの退場も大きいだろう。
- ちなみに、「トロン(tron)」というのは英語の接尾辞で「真空管」や「粒子操作装置」を意味する用語である。これが転じて現在では「実験装置・実験室」といった意味でも使われるようになっており(Phytotron/植物育成実験室、Zootron/動物生理学用環境制御室など)、このことから、ウルザの塔/Urza's Tower、ウルザの魔力炉/Urza's Power Plant、ウルザの鉱山/Urza's Mineの3つのウルザランドはウルザの実験室になぞらえて俗に「Urzatron」と呼ばれている。
ラヴニカ・ブロック+時のらせんブロック期
ラヴニカ・ブロック+時のらせんブロック期のスタンダードでは、神河ブロック退場で曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirrorなどの強力なフィニッシャーを失ったが、新たにボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkiteなどを得たためイゼットロンは健在。
また、新たに白青というカラーパターンを採用する青白トロンも登場した。
次元の混乱参入後はさらにデッキの幅が広まり、塩水の精霊/Brine Elementalを組み込んだピクルス、緑青のセル、滅び/Damnationを活用する青黒トロンなども登場した。
神河ブロック+ラヴニカ・ブロック期
神河ブロック+ラヴニカ・ブロック期のスタンダードにおいて、第9版でもウルザランドは再録され、ローテーションによる解体の危機は脱する。だが、ミラディン・ブロックが退場したことによって、土地サーチや占術呪文などデッキのエンジン部分に加え、重アーティファクト群や歯と爪/Tooth and Nailといった巨大パワーカードをも失い、勢力は一時大きく衰退した。
しかしそんな状況でもなお青単トロンに赤を混ぜた服部半蔵トロンが世界選手権05において好成績を残し、青赤という新たなカラーベースでの復活を遂げた。
ギルドパクト後はイゼットロンとなり、よりデッキとしての安定性を増した。またディセンションでシミックの空呑み/Simic Sky Swallowerが登場すると、緑を足したシゼットロンも見られるようになった。詳しくは服部半蔵トロン、イゼットロン、シゼットロンそれぞれを参照。
ラヴニカ・ブロックでの隆盛はショックランドと印鑑の存在が大きい。特に印鑑によって色マナ2つを確保できるため、ウルザランドと抜群の相性を誇り、土地サーチがなくても安定した運用ができるようになった。
ミラディン・ブロック+神河ブロック期
#オンスロート・ブロック+ミラディン・ブロック期から引き続き歯と爪トロンが活躍した。特に神河物語で鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breakerや師範の占い独楽/Sensei's Divining Topを得たことにより、更なる爆発力とコントロール力を得たのは大きかった。
また同じウルザランドを使用したデッキでも、土地サーチは使用せず、青のドローによりウルザランドを揃えた上で重量級アーティファクトで戦場を制圧する青単トロンも登場した。
こちらも緑型に負けず劣らず、日本選手権05等で大きな戦果を挙げている。これと区別するため、「ウルザトロン」とだけ言うと緑入りのものを指す場合が増えた模様。詳しくは青単トロン#ミラディン・ブロック+神河ブロック期の項目を参照。
オンスロート・ブロック+ミラディン・ブロック期
オンスロート・ブロック+ミラディン・ブロック期のスタンダードでは、ミラディン当初は赤緑の構成が多く、火の玉/Fireballや十二の瞳/One Dozen Eyesなどの重い呪文をふんだんに使い、物量で対戦相手を圧倒する大味なデッキであった(→サンプルレシピ参照)。
だが、12postの活躍で歯と爪/Tooth and Nailの爆発力が知られるようになると、歯と爪/Tooth and Nailを最速で唱えることを目的とした歯と爪型が主流になった(→歯と爪トロン参照)。
当時は電結親和全盛の頃であったため、アーティファクト破壊を入れやすい緑の人気が高まり、また神の怒り/Wrath of Godなどの大量除去を入れるため白緑のものが多かった。
サンプルレシピ
- 備考
- The Finals03 スタンダード部門 5-0
- 使用者:
- フォーマット
- 初期型。
- サイドボードは不明。
エクステンデッド
インベイジョン・ブロック以降のエクステンデッドでも活躍している。天敵の不毛の大地/Wastelandやハルマゲドン/Armageddonがローテーションで消え去ったことも大きい。
初期にはミラディン・ブロック以来の歯と爪トロンが活躍。また、ディセンションで白青のアゾリウス・ギルドが登場して以降は、青単トロンの流れを組む青白トロンも登場した。
モダン
フォーマット制定当初はよく似た構造の12postに押され活躍しにくかったが、雲上の座/Cloudpostの禁止後に環境に登場。最初に活躍したのは、旧エクステンデッドの流れを汲む、青系の青白トロンであった。
その後、緑系のランプ型トロンも登場した。森の占術/Sylvan Scryingや探検の地図/Expedition Mapでウルザランドを揃え、大量マナに物を言わせて解放された者、カーン/Karn Liberatedやエルドラージなどの重い分強力な呪文で圧殺する、豪快なデッキである。紅蓮地獄/Pyroclasmなどの火力のために赤をタッチした赤緑で主に組まれていた。
戦乱のゼンディカー・ブロック参入とウギンの目/Eye of Uginの禁止後にエルドラージ・トロンが登場した。また集団的蛮行/Collective Brutalityや致命的な一押し/Fatal Pushといった黒の優良除去が登場したことにより黒緑カラーのトロンが登場し、赤緑に代わってこの2つのタイプが主流となっている。
廃墟の地/Field of Ruin登場以降は、基本土地を多く採用できる緑単トロンの構成が主流となった。除去は歩行バリスタ/Walking Ballistaで補う。
それ以外にも青単トロンや青黒トロン、蔵の開放トロンなどが存在する。
サンプルリスト
赤緑白
- 備考
- グランプリコロンバス12 ベスト8(参考)
- 使用者:Caleb Estrada
- フォーマット
- 赤に加えて白の除去をタッチしたタイプ。
赤緑
- 備考
- グランプリポルトアレグレ15 ベスト8(参考)
- 使用者:Diego Marquez
- フォーマット
Gr Tron(Modern) [2] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 運命再編後のレシピ。強力な制圧力を持つ精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragonが採用される。
黒緑
- 備考
- グランプリサンパウロ17 ベスト4(参考)
- 使用者:Rafael Costa Zaghi
- フォーマット
BG Tron(Modern) [3] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 霊気紛争後の黒をタッチしたタイプ。
パウパー
モダンの赤緑トロンはウルザランドを集めるパーツの大部分がコモンであるため、それをそっくりそのまま持ってきたかのようなデッキがパウパー環境にも存在する。こちらも活躍し始めたのは雲上の座/Cloudpostの禁止後である。
モダンの赤緑トロンと比較してウルザランドを集めるパーツで使用不可なのは森の占術/Sylvan Scryingくらいなので、モダンのバージョンと遜色ないレベルでウルザランドを揃える事が可能だった。
フィニッシャーの部分はモダン版の解放された者、カーン/Karn Liberatedのような強力な支配力を持つカードがコモンにはないため、3色目に青を加え、大量のカード・アドバンテージで圧力をかけていくことで補っている。フィニッシャー枠にはパウパーでは定番の大型クリーチャーのウラモグの破壊者/Ulamog's Crusherと、X火力のとどろく雷鳴/Rolling Thunderに加え、キャントリップつきのマナフィルターアーティファクトと相性のいいファングレンの匪賊/Fangren Marauderが採用されている。また、豊富なマナフィルターがあるためサイドボードに白や黒のカードを採用しやすいのも強み。ゲートウォッチの誓い以降は、ライフゲインをしつつ熟考漂い/Mulldrifterなどを回収するためにムラーサの胎動/Pulse of Murasaが採用されることも多い。統率者レジェンズ以降は、大渦の巨人/Maelstrom Colossusなどの続唱を持つ大型クリーチャーが採用されることがある。
大型クリーチャー型以外にも、コントロールに寄せた形として青白トロンや、青赤コントロールに近い青赤のタイプも存在する。このタイプにおいても、ゲートウォッチの誓い以降はムラーサの胎動/Pulse of Murasa(及び、お互いに墓地から回収できる関係にある記憶の壁/Mnemonic Wall)が採用され、青赤タッチ緑となる場合が多い。
モダンマスターズ2017ではディンローヴァの恐怖/Dinrova Horrorを獲得。幽霊のゆらめき/Ghostly Flickerと記憶の壁/Mnemonic Wallでディンローヴァの恐怖を明滅し続ける青を中心としたフリッカー・トロン (Flicker Tron) ないしディンローヴァ・トロン (Dinrova Tron) が登場し、そちらが主流となった。
予言のプリズム/Prophetic Prismと眷者の装飾品/Bonder's Ornamentの禁止カード指定、探検の地図/Expedition Mapの禁止カード指定解除の後には、キャントリップ・アーティファクトを主体としたコンボデッキ、卵トロン (Egg Tron) が登場した。
また、Familiar Comboやドレイク・フリッカーといったフリースペルを用いるコンボデッキが、マナ加速のためにウルザランドを採用することもある。
サンプルリスト
緑赤青トロン
ウルザトロン [4] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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青赤トロン
UR Tron(Pauper) [5] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 青赤コントロールに近いタイプ。