対抗呪文/Counterspell
提供:MTG Wiki
アルファ・ベータ時代から打ち消しという概念を生みだしたカード。パーミッションという青の最も代表的な戦術の中核を成し、青いカードの代表格として多くのエキスパンションに収録された。
どんな強力な呪文が唱えられようとも、たったの(青)(青)でそれを相殺してしまう。そのため、アンタップ状態の島2枚と手札1枚があるだけでブラフが成立した。
またその強力なカードが既に戦場にパーマネントとして出てしまっている場合であっても、これまた青の基本戦術であるバウンスで手札に戻して、再展開されたところを打ち消すというテクニックもある。カード・アドバンテージは失ってしまうが、対戦相手からすれば「一度通しても安心できない」というプレッシャーとして機能する。
スタンダード現役時代は大部分の青デッキにフル投入される等、極めて高い採用率を誇った。
第8版で再録されずスタンダード落ち。再録されなかったことを嘆く人は多く、特に当時「青好き」として知られていた日本人にはそのようなプレイヤーが多かったとか。また同時に、これを手放しで喜んだプレイヤーが多かったことも事実である。
その後第10版には、このカードの後継者としてデザインされた取り消し/Cancelが収録された。これにより、今後再録される可能性の低いカードとみなされており、現在はエターナルでしか使えなくなっている。様々な人に好かれ嫌われ、そして見送られた、本当に恵まれたカードである。
現在のところ、ヴィンテージでは、Force of WillとMana Drainの2大カウンター呪文の後塵を拝するといった立ち位置だが、レガシーではランドスティルをはじめとする低速デッキを中心として依然活躍を見せている。また、青単がトップメタの一角を占めるPauperでは「まずは対抗呪文4枚」というデッキ構築が今でも見られる。
唯一の弱点は、2マナのダブルシンボルという色拘束の強さ。ウルザランドで色マナが圧迫されるウルザトロンなどではマナ漏出/Mana Leakを優先することも多い。
- 略称は「カンスペ」など。
- その強さと歴史の長さにより、多くのイラストレーターの手によって様々なイラストが描かれた。プロモーション・カードやそのプレミアム・カードまで登場しているところを見るに、いかに人気が高かったかをも証明している。
- 「最強カード」候補にもよく挙げられる。
- 第4版まではアンコモンだったが、需要の多さのためか第5版でコモンに格下げされた。スターターやMasters Edition 2ではアンコモンであったが、Masters Edition 4ではコモンとなっている。
- カウンター呪文の父とも言える存在で、後の多くのカウンター呪文のコスト設定は、だいたいこのカードを基礎としている(→コラム「対抗注文」)。
- かつてスタンダードに対抗呪文が存在していた頃は、青使いのブラフの練習用として島60枚だけのデッキ「マグロブルー」があったと言われている。唱えたら島をタップする仕草をしたり、長時間考えるフリをしたりして、相手の精神を追い込ませた。当然ながら、大会ルールではこの行為は故意の遅延行為とみなされて失格処分となる可能性があるので注意。(高橋優太の「このデッキを使え!」 第28回参照)
関連カード
主な亜種
上記の通り、ほぼすべての打ち消し系カードはたどっていけばこれの亜種と言える。ここではキーワード能力やメカニズム関連で青単色の確定カウンターであるものを挙げる。いずれもダブルシンボルである。
- Mana Drain - 次の自分のメイン・フェイズに一定のマナを得る。マナバーン廃止により上位互換となった。(レジェンド)
- Force of Will - 手札の青のカード1枚追放と1点ライフの代替コストを持つピッチスペル。5マナ。(アライアンス)
- 雲散霧消/Dissipate - 打ち消した呪文を追放する。3マナ。(ミラージュ)
- 権威の確立/Assert Authority - 親和(アーティファクト)付きの雲散霧消。7マナ。(ミラディン)
- 放逐/Dismiss - キャントリップ付き。4マナ。(テンペスト)
- 禁止/Forbid - カードを2枚捨てるバイバック付き。3マナ。(エクソダス)
- 巻き直し/Rewind - フリースペル版。4マナ。(ウルザズ・サーガ)
- 妨害/Thwart - 島3つを手札に戻す代替コストを持つピッチスペル。4マナ。(メルカディアン・マスクス)
- 撃退/Foil - 島ともう1枚カードを捨てる代替コストを持つピッチスペル。4マナ。(プロフェシー)
- 全面否定/Fervent Denial - フラッシュバック(5)(青)(青)付き。5マナ。(オデッセイ)
- 最後の言葉/Last Word - 打ち消されない対抗呪文。4マナ。(ダークスティール)
- 水面院の翻弄/Minamo's Meddling - 打ち消した後で、連繋されたカードをすべて捨てさせる。4マナ。(神河謀叛)
- 妄想の誘導/Induce Paranoia - (黒)が支払われていると、打ち消した呪文の点数で見たマナ・コスト分ライブラリーを削る向上呪文。4マナ。(ラヴニカ:ギルドの都)
- 論駁/Controvert - 復活(2)(青)(青)付き。4マナ。(コールドスナップ)
- 取り消し/Cancel - 1マナ重い調整版。(時のらせん)
- 使い魔の策略/Familiar's Ruse - 追加コストとしてクリーチャーを戻す。2マナ。(ローウィン)
- 衝撃的な幻視/Traumatic Visions - 基本土地サイクリング(1)(青)付き。5マナ。(コンフラックス)
- 剥奪/Deprive - 追加コストとして土地を戻す。2マナ。(エルドラージ覚醒)
- 冷静な反論/Stoic Rebuttal - 金属術で対抗呪文と同じ2マナになる。3マナ。(ミラディンの傷跡)
- 目的のための燃料/Fuel for the Cause - 増殖を行う。4マナ。(ミラディン包囲戦)
- 解消/Dissolve - 占術1を行う。3マナ。(テーロス)
- Spell Counter - ゴチ付き。4マナ。(アンヒンジド)
参考
- Counterspell Conundrum(Wizards社;英語)
- 確定カウンターカード
- カード個別評価:メルカディアン・マスクス - コモン
- カード個別評価:テンペスト - コモン
- カード個別評価:アイスエイジ - コモン
- カード個別評価:第7版 - コモン
- カード個別評価:第6版 - コモン
- カード個別評価:第5版 - コモン
- カード個別評価:第4版 - アンコモン
- カード個別評価:リバイズド - アンコモン
- カード個別評価:アンリミテッド - アンコモン
- カード個別評価:スターター - アンコモン
- カード個別評価:Vintage Masters - コモン
- カード個別評価:Masters Edition 4 - コモン
- カード個別評価:Masters Edition 2 - アンコモン