シヴ山の隕石/Shivan Meteor
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ソーサリー
クリーチャー1体を対象とする。シヴ山の隕石はそれに13点のダメージを与える。
待機2 ― (1)(赤)(赤)(このカードをあなたの手札から唱えるのではなく、(1)(赤)(赤)を支払うとともにそれを時間(time)カウンターが2個置かれた状態で追放する。あなたのアップキープの開始時に、時間カウンターを1個取り除く。最後の1個を取り除いたとき、それをそのマナ・コストを支払うことなく唱える。)
5マナで13点、待機で使えば時間は掛かるが3マナ13点と、ずば抜けたコスト・パフォーマンスを持つ火力。大抵のクリーチャーを消し炭にしてしまえる値である。もうここまで来ると、プレイヤーに撃てない点を含め、黒に多い単純破壊タイプの除去に近いといえる。
X火力の基本である猛火/Blazeで同じダメージを出す場合、実に14マナが必要となる。約3分の1のマナで同じダメージをたたき出すのだから、このダメージでこのコストは異常なまでに軽い。とは言え、ここまでして単体のクリーチャーを狙い撃ちで仕留めたい状況が出てくるかどうか。オーバーキル感が強く漂っているのは否めない。
単体除去としてみた場合、待機するよりも即座に唱えたいことが多いため、5マナのソーサリーとして評価することになるだろう。地割れ/Fissureと比較すると、待機が付いたかわりに柔軟性に劣り、単体除去として登場時期が近い恐怖/Terrorや破壊の宴/Wrecking Ballなどと比べると、「重いし、汎用性もさほど高くない」という評価に落ち着くのでは無いだろうか。赤単色のソーサリーと言えば猛烈に食うもの/Magnivoreや燃え立つ願い/Burning Wishとのシナジーが連想されるが、所詮それだけである。隣の多色推奨であるラヴニカ・ブロックにはショックランドや印鑑で他の色を加えることは容易であり、ローウィン=シャドウムーア・ブロックの方にも多くの多色推奨カードがある。大抵は黒をタッチする方がより良い解決となるだろう。
もちろん、リミテッドでは貴重な除去であり、赤いデッキを組むなら問題なく投入できる。
- ぬいぐるみ人形/Stuffy Dollやモグの偏執狂/Mogg Maniac、反動/Repercussion、ボロスの反攻者/Boros Reckonerなど、クリーチャー専用の火力をプレイヤーにも向けられるカードとは、コンボと言えるレベルのシナジーを形成する。中でもぬいぐるみ人形は同一ブロックのカードであるため、特に注目を集めていた。(下記のコラムを参照。)
- 逆に、相手に名誉の道行き/Honorable Passageで返されると目も当てられない。むやみに待機をすると狙われやすいので注意。
- 死者の王、ドラルヌ/Dralnu, Lich Lordと友情コンボが成立する。運よく出会った時は、ぜひぶち込んであげて欲しい。
- 焼尽の風/Searing Windをも上回る前例のない確定大火力だけあって、巨大な隕石が直撃しようとしているイラストはド迫力。こちらで高品質なイラストも見ることができる。こんなのが当たったら確かに13点ぐらいは受けそうである。
- 統率者2013現在、素のタフネスで13を超えるタフネス(=能力なしに耐えられる)を持つものは、Xや銀枠を除くと土着のワーム/Autochthon Wurmと世界棘のワーム/Worldspine Wurm、引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Tornの3体のみ(エムラクールはそもそもプロテクションにより対象に出来ないが)。
開発秘話
初期デザインは20点火力であったが、10点と20点の間にすることが決定され、20点火力は別の機会に置かれることとなった。Card of the Dayの担当は、13点なのはデベロップチームの誰かが土着のワームが好きだったのかもね、と推測している。(→Card of the Day 2007/02/22(邦訳)参照)
- 13という数字は後のイニストラード・ブロックで大きく取り上げられ、13点のダメージを与える火力としては地獄の口の中/Into the Maw of Hellと冒涜の行動/Blasphemous Actが登場している。
参考
- Threadbare/ぼろぼろの人形 (Daily MTG、Uncharted Realms、文:Jenna Helland、訳:若月繭子)
- シヴ/Shiv(背景世界/ストーリー用語)
- カード個別評価:次元の混乱 - アンコモン