青白コントロール
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青白コントロール(Blue-White Control)は、白青の2色で構成されるコントロールデッキ。青のパーミッション力が重要で青重視となることが多いため、色の順序通りの白青コントロール(White-Blue Control)ではなく、こちらの呼称で呼ばれることが多い。
概要
従来青はパーマネントの処理が非常に苦手であったため、それを白の優秀な除去呪文などで補ったデッキである。デッキタイプとしては基本的にパーミッションの構成を取る。
白のコントロールカードや青のカウンターで対戦相手を止め、大型フィニッシャーで勝負を決める。赤緑のステロイドと同じく、最もオーソドックスなアーキタイプの1つである。
カウンターなどの基本的なコントロール向きのカードがあれば簡単に作れるので、現在の色の役割が変更にならない限り、このアーキタイプが消えることはないだろう。
- どちらの色もダブルシンボルのカードを使うため、土地配分には気を配る必要がある。
- 往々にしてレアカード満載になり費用がかかるデッキタイプである。だが、デッキの中心となる高額カード(神の怒り/Wrath of Godやアダーカー荒原/Adarkar Wastesなど)が基本セットを中心としているので、初期投資を惜しまなければ、同じカードの使いまわしで長く楽しめるデッキタイプであるという見方もできる。
イニストラード・ブロック構築
アヴァシンの帰還参入後、奇跡呪文を中心とした奇跡コントロール(Miracle Control)が登場。
全体除去の終末/Terminus・壊滅的大潮/Devastation Tide、ブロッカー兼フィニッシャーの天使への願い/Entreat the Angelsといった盤面を一変させる奇跡呪文を大量に採用。戦慄の感覚/Feeling of Dreadなどで時間を稼ぎ、これらのトップデッキを待つか、もしくは土地を伸ばして素撃ちする。あまり高速ではないイニストラード・ブロック構築の環境では5マナ6マナのリセットでも間に合うケースは多く、初手ないし最序盤で引いた奇跡呪文も比較的腐りにくい。
熟慮/Think Twiceや思考掃き/Thought Scourによって対戦相手のターンにもドローすることで、奇跡の発生確率を高めている。また時間稼ぎ手段の1つでもあり、リセットや時間の熟達/Temporal Masteryとの相性も良い月の賢者タミヨウ/Tamiyo, the Moon Sageも重要なパーツ。
赤をタッチして忌むべき者のかがり火/Bonfire of the Damnedなどを用いるタイプも存在する。
サンプルレシピ
- 備考
- プロツアー「アヴァシンの帰還」 優勝 (参考/参考)
- 使用者:Alexander Hayne
- フォーマット
UW Miracle Control [1] | |||||||||||
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- アグレッシブ・サイドボーディングを搭載したタイプ。聖トラフトの霊/Geist of Saint Traftは相手のトラフトとの対消滅要員としても機能する。
ゼンディカー・ブロック+ミラディンの傷跡ブロック期
ローテーションで忘却の輪/Oblivion Ringなどを失うが、精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptorを始めとした主要なパーツは健在。パーミッション型のまま引き続き活躍している。
動き方も大きな変化はなく、除去やカウンターで序盤を凌ぎ、中盤以降プレインズウォーカー達のカードパワーによってゲーム主導権を得た後、フィニッシャーで止めを刺す、といった流れとなる。
コントロールやヴァラクートにはカウンターが、ビートダウンには除去が有効だが、片方を多くすると片方に弱くなるジレンマを抱えている。そのため定業/Preordainを採用し、必要に応じたパーツを手に入れやすくしているのが特徴である。
フィニッシャー枠の選択肢は非常に豊富。悪斬の天使/Baneslayer Angel、太陽のタイタン/Sun Titan、光輝王の昇天/Luminarch Ascensionなど。
戦隊の鷹/Squadron Hawkを採用し、クロック・パーミッションに近い動きをするものはCaw-Goと呼ばれる。ミラディン包囲戦後はCaw-Bladeに進化したそちらのタイプが主流となるものの、純正のコントロールタイプも少数ながら存在しており、特に精神を刻む者、ジェイスと石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mysticが禁止カードに指定されて以降は数を増やしつつある。→*1
初期型
- 備考
- 世界選手権10 ベスト8
- 使用者:Jonathan Randle
- フォーマット
青白コントロール [2] | |||||||||||||||||||||
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- ミラディンの傷跡参入後の初期型のデッキで、フィニッシャー枠は悪斬の天使/Baneslayer Angelが務めている。
後期型
- 備考
- フランス選手権11 ベスト8(参考)
- 使用者:Damien Mace
- フォーマット
ゼンディカー=エルドラージ覚醒・ブロック構築
ゼンディカー=エルドラージ覚醒・ブロック構築でもメタの中心として活躍している。
精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptorとギデオン・ジュラ/Gideon Juraの環境の2大プレインズウォーカーを擁し、そのデッキパワーは環境随一。プロツアーサンファン10でも使用者数トップを誇ったが、ターボランド型の青赤緑コントロールや、エルドラージの高速召喚に特化したエルドラージ・ランプには相性が悪く、ベスト8には残れなかった。
サンプルレシピ
- 備考
- ブロック構築選手権10 準優勝(参考)
- 使用者:Michael Bernat
- フォーマット
UW Control [4] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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アラーラの断片ブロック+ゼンディカー・ブロック期
ワールドウェイク参入により超強力カードの精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptorを獲得。その後もエルドラージ覚醒や基本セット2011でも優良パーツが増え続け、メタゲームの一角を担うようになった。
忘却の輪/Oblivion Ringや審判の日/Day of Judgmentでボードコントロールを行い、精神を刻む者、ジェイスや思考の泉/Mind Springによって手札を補充、フィニッシャーで勝負を決める。
プロツアーサンディエゴ10で先に登場した(→参考)のは取り消し/Cancel等のカウンターを採用した古典的なパーミッション型だが、その後カウンターをほとんど採用しない「タップアウトコントロール/Tap out Control」と称されるタイプが主流となった。
タップアウトの名前は、カウンターを使わないため自分のターンに土地をタップアウトしても問題なく、その分ソーサリー・タイミングでしか使えないパワーカードを多く採用しているところから来ている。前述の精神を刻む者、ジェイスに加えて、遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errantやギデオン・ジュラ/Gideon Juraなどのプレインズウォーカーと、全力で撃たれる思考の泉や軍部政変/Martial CoupなどのX呪文がその代表例である。
フィニッシャーは制圧力の高い悪斬の天使/Baneslayer Angelであることが多い。除去耐性がない点はミシュラランドの天界の列柱/Celestial Colonnadeやプレインズウォーカーといった追加の勝ち手段がカバーする。
また、前兆の壁/Wall of Omensにより序盤の穴が埋まり、広がりゆく海/Spreading Seasを4枚採用することでメタの中心にあるジャンドにも有利に戦えるようになったことから、エルドラージ覚醒参入後のグランプリワシントンDC10でも見事優勝を飾った。(→*1)その他復讐のアジャニ/Ajani Vengeantなどのために赤をタッチしたトリコロールカラーのプレインズウォーカー・コントロールも登場した。
基本セット2011では待望の優良カウンターマナ漏出/Mana Leakを獲得、これによりパーミッション型が復権し、メタの中心を占めるに至った。→*2
タップアウト型
- 備考
- グランプリワシントンDC10 優勝 (参考)
- 使用者:Brad Nelson
- フォーマット
青白タップアウト [5] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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パーミッション型
- 備考
- フランス選手権10 優勝(参考)
- 使用者:Julien Parez
- フォーマット
UW Control [6] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ローウィン=シャドウムーア・ブロック+アラーラの断片ブロック期
ローウィン=シャドウムーア・ブロック+アラーラの断片ブロック期のスタンダードでは、原霧の境界石/Fieldmist Borderpostと白蘭の騎士/Knight of the White Orchidのシナジーを用いたヒバリデッキが存在する。
ヒバリデッキは時のらせんブロックの退場によって、一瞬の瞬き/Momentary Blink等の多くのパーツを失い、大きく弱体化してしまった。それゆえアラーラ再誕参入前はファンデッキ扱いであったが、アラーラ再誕参入により、原霧の境界石や翻弄する魔道士/Meddling Mageを得て、トーナメントシーンでも多少見受けられるようになった。
サンプルレシピ
- 備考
- グランプリサンパウロ09 ベスト4 (参考)
- 使用者:Wendell Santini
- フォーマット
UW Reveillark [7] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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時のらせんブロック+ローウィン=シャドウムーア・ブロック期
時のらせんブロック+ローウィン=シャドウムーア・ブロック期のスタンダードでは、モーニングタイドの参入で目覚ましヒバリ/Reveillarkを獲得し、一瞬の瞬き/Momentary Blinkを使用したブリンクが復活を果たす。
詳細はヒバリブリンクを参照のこと。
ラヴニカ・ブロック+時のらせんブロック期
ラヴニカ・ブロック+時のらせんブロック期のスタンダードでは、青単トロンからの流れを汲むウルザトロン系コントロールデッキが、白青という新たなカラーパターンで青白トロンとして登場。世界選手権06などで活躍した。
トリスケラバス/Triskelavusを使うトリスケトロンや砂の殉教者/Martyr of Sandsを使用した殉教者トロンなど、いくつかのバリエーションがある。
後期には一瞬の瞬き/Momentary BlinkによるCIP能力使いまわしエンジンを搭載したブリンクも活躍した。
神河ブロック+ラヴニカ・ブロック+コールドスナップ期
神河ブロック+ラヴニカ・ブロック+コールドスナップ期のスタンダードでは、白青のギルド、アゾリウス評議会/The Azorius Senateはラヴニカ・ブロックの最後ディセンションにて登場したため、世に出てくるのは大分遅かったといえる。ディセンション参入により、宮廷の軽騎兵/Court Hussar、糾弾/Condemn、呪文嵌め/Spell Snareなどが登場し、トーナメントレベルとなった。
コールドスナップ参入後は占術の岩床/Scrying Sheetsや相殺/Counterbalanceが師範の占い独楽/Sensei's Divining Topと共に用いられた。青白氷雪コントロールのページも参照。
ミラディン・ブロック+神河ブロック期
ミラディン・ブロック+神河ブロック期のスタンダードでは、親和全盛の時代に清純な天使/Pristine Angelと崇拝/Worshipで半ロックするコントロールデッキが存在した。
オンスロート・ブロック+ミラディン・ブロック期
オンスロート・ブロック+ミラディン・ブロック期のスタンダードでは、青のカウンターやドローの質がかなり落ちていて、従来のパーミッション+リセットという形をとるのが困難になってきたが、一方で白は強力なフィニッシャーが多く存在し、リセット呪文も環境によく合っていたため、白コントロールをベースにカウンターを散らしたタイプのデッキが作られた。
オンスロート・ブロックの誇る3大フィニッシャー(賛美されし天使/Exalted Angel、正義の命令/Decree of Justice、永遠のドラゴン/Eternal Dragon)をフル投入する他の時代とは違うタイプが主流である。デッキリストはWorld Championship Decks 2004を参照のこと。
メタの中心にある親和に対抗するため機械の行進/March of the Machinesを採用したものも存在した(→機械の行進)。
また、ミラディン参入直後にはヤソコンと呼ばれるシルバーバレット戦略を重視したものも存在した。
マスクス・ブロック+インベイジョン・ブロック期
マスクス・ブロック+インベイジョン・ブロック期のスタンダードでは、カウンターレベルとミルストーリー、またまばゆい天使/Blinding Angelなどをフィニッシャーにしたタイプに分かれていた。
カウンターレベルは、リクルート能力を持つレベルを、序盤のブロッカー、終盤のフィニッシャーとして使用する。そのリクルート能力によりパーミッションに強い。
ファイアーズに対して優位に戦うことができたため、元々のデッキパワー+環境最大勢力に対するアンチデッキとしてメタの2番手に食い込んだ。
ミルストーリーはフィニッシャーとなるクリーチャーは存在せず、石臼/Millstoneによるライブラリーアウトを狙う。多色の環境ではあったが、物語の円/Story Circleが神の怒りとの相性もよく、クリーチャー主体のデッキへの対策として広く使用された。
アポカリプス以降は対抗色ペインランドの登場により、3色のデッキを組むことが容易となったため、青白コントロールはGo-Marやトレンチなどへ変化していく。
サンプルレシピ
- 備考
- アジア太平洋選手権01 (参考)
- 使用者:Pater Chao
- フォーマット
UW Control [8] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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マスクス・ブロック構築
マスクス・ブロック構築では、獅子将マギータ/Mageta the Lionをカウンターで守るカウンターマギータが登場した。獅子将マギータの手札消費が激しいが、青の島を戻すピッチスペルがうまく補っていた。
他、まばゆい天使/Blinding Angelも除去されなければ単体で勝てるカードとして優秀。
アイスエイジ・ブロック期
アイスエイジ・ブロック期のスタンダードでは、カウンターポストと呼ばれる型が注目を集めた。Kjeldoran Outpostは、序盤のブロッカーを供給しつつ、神の怒り/Wrath of God後のフィニッシャーにもなるということで、デッキタイプによく合ったカードであった。
黎明期
黎明期には、マジック史上初のコントロールデッキとも呼ばれる、The Deckが存在した。
Mana Drainや剣を鍬に/Swords to Plowsharesで序盤をしのぎ、パワー9をはじめ破裂の王笏/Disrupting Scepter・ジェイムデー秘本/Jayemdae Tomeでアドバンテージを積み重ね、最終的にセラの天使/Serra Angelで勝利する。
さらに、スタンダードが成立した最初のプロツアー・プロツアーニューヨーク96を白青のコントロールが制している。デッキリストはProTour NewYork Decks 1996を参照のこと。
エクステンデッド(ローウィン期)
ローウィン期のエクステンデッドにも、青白コントロールは存在する。
台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finksなどの優秀なクリーチャーや謎めいた命令/Cryptic Commandなどの打ち消し呪文・流刑への道/Path to Exile等の除去で序盤を凌ぎ、ブレインズウォーカーの精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptorで戦場を制圧、フィニッシャーで勝利する伝統的な構成である。
上記のブロッカーや全体除去、そして悪斬の天使/Baneslayer Angelの存在により対ビートダウンに優位に立つことができる。また台所の嫌がらせ屋やヴェンディリオン三人衆/Vendilion Cliqueにより序盤からクロックをかけることもでき、能動的な立ち回りができるのも利点である。
ミラディン包囲戦で饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famineが登場してからは石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mysticを加えた青白石鍛冶が主流となったが、石鍛冶の神秘家は2011年10月1日よりエクステンデッドの禁止カードに指定されてしまった。
サンプルレシピ
- 備考
- グランプリアトランタ11 ベスト4(参考)
- 使用者:Jody Keith
- フォーマット
UW Control [9] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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エクステンデッド(ローテーション導入後)
エクステンデッドにローテーションが導入された後、デュアルランドや剣を鍬に/Swords to Plowsharesなどを失い、青白コントロールは一時鳴りを潜めていた。その後、ミラディンで等時の王笏/Isochron Scepterを獲得し、オアリムの詠唱/Orim's Chantとのコンボを核としたセプターチャントとしてメタゲームに復帰する。
また、ディセンションでのアゾリウス・ギルド参入によるマナ基盤安定後は、青単トロンの流れを汲むウルザトロン系デッキ・青白トロンも登場した。
エクステンデッド(デュアルランド期)
デュアルランド時代のエクステンデッドでもよく見られたデッキタイプである。Force of Will、剣を鍬に/Swords to Plowsharesなどの定番カードがその骨格を支える。
初期にはアイスエイジ期のスタンダードと同様カウンターポストが活躍。
不毛の大地/Wastelandの台頭でカウンターポストが衰退した後は、フィニッシャーなどのために緑を加えるタイプが主流になった(→ワラミーズ)。
ただ、オデッセイ以降、パーミッションとしては別に強力な青黒コントロールのサイカトグが登場し、このデッキは活躍の場を奪われてしまった。
エターナル
エターナル環境では、行き詰まり/Standstillをドロー手段に、ミシュラランドのダメージクロックをフィニッシャーに据えたランドスティルと呼ばれるタイプが主流。
詳細はランドスティルを参照のこと。