向上呪文

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向上呪文(Enhanced Spell)とは、唱える際に特定の種類のマナ支払う効果が増すカードの総称[1]。それがクリーチャー呪文の場合は「向上クリーチャー」「強化クリーチャー」とも呼ばれる。

ラヴニカ・ブロックで初登場し、シャドウムーア・ブロック以降複数のカード・セットで再登場している(→#該当カード)。


Vigor Mortis / 死後剛直 (2)(黒)(黒)
ソーサリー

あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とし、それを戦場に出す。この呪文を唱えるために(緑)が支払われていたなら、そのクリーチャーはその上に追加の+1/+1カウンターが1個置かれた状態で戦場に出る。



Firespout / 炎渦竜巻 (2)(赤/緑)
ソーサリー

この呪文を唱えるために(赤)が支払われていたなら、炎渦竜巻は飛行を持たない各クリーチャーに3点のダメージを与える。この呪文を唱えるために(緑)が支払われていたなら、炎渦竜巻は飛行を持つ各クリーチャーに3点のダメージを与える。((赤)(緑)が支払われていたなら、両方を行う。)



Graven Lore / 彫像の伝承 (3)(青)(青)
氷雪インスタント

占術Xを行う。Xは、この呪文を唱えるために支払われた(氷)の点数に等しい。その後、カード3枚を引く。((氷)は氷雪である発生源からのマナを意味する。)


目次

ルール

  • キッカーのように追加コストとして余分にマナを支払うのではない。唱えるためのコスト、すなわちマナ・コストを含めた総コストの支払いに、特定のマナを使って唱えていれば条件を満たす。要求されているのが色マナであれば、(通常ならば)マナ・コスト内の不特定マナ・コスト混成マナ・シンボルの部分でそのマナを支払えばよい。氷雪マナや、「特定の発生源からのマナ」など、より自由度の高い形式のものも存在する。
    • 例:死後剛直/Vigor Mortisならば、(2)(黒)(黒)のマナ・コストのうち、どこかを(緑)で支払うことで+1/+1カウンターを得られる。()(緑)(黒)(黒)や(青)(緑)(黒)(黒)などで支払えばよい。(2)(黒)(黒)(緑)のように支払うわけではない(コスト増加カードの影響を受けていない限りそれは不可能である)。
  • コスト減少カードによって総コストから不特定マナ・コストがなくなってしまうと、特定のマナを支払う余地がなくなり条件を満たせないことがある。
  • 総コストは、追加コストコスト増加カードによって増加したコストも含めたものである。マナ・コスト部分で特定のマナを支払っていなくても、追加コストや増加したコストの部分に特定のマナを支払っていれば条件を満たす。
    • 例:上記のブリキ通りの悪党と覚醒の兜の例において、議事会の合唱者/Chorus of the Conclaveによる追加コスト(緑)(緑)(緑)を支払って唱えた。追加コストも唱えるための総コストの一部であるため、この場合でも「(緑)を支払っている」という条件を満たす。
  • 「唱える」手順を経ていない場合、支払ったコストは存在しないため、条件を満たすことはない。
    • 例1:(白)と(青)を支払った侵入の追い返し/Repel Intrudersコピーした場合、コピーの方では白の効果も青の効果も得られない。コストにどのマナを支払ったかという情報はコピー可能な値ではない。
      • このとき、コピーした手段が(青)を支払って唱えた双つ術/Twincastだったとしても、コピー分に青の効果が発揮されることはない。コピーを作ることは唱えることではない。
    • 例2:金切り声の混種/Shrieking Grotesqueリアニメイト戦場に出した場合、(黒)を支払っていないのでETB能力で手札破壊をすることはできない。
      • このとき、リアニメイトした手段が(黒)を支払って唱えたゾンビ化/Zombifyだったとしても、(黒)を支払った扱いにはならない。その黒マナはゾンビ化に支払ったものであり、金切り声の混種のマナ・コストを支払ったわけではない。
  • 「唱える」手順を経ているのであれば、特殊な支払い方をしていたとしても、それに支払ったコストを参照する。
  • ルール・テキストで定められていない限り、追加効果は使うか使わないかを任意に選べるものではない。特定のマナを支払った場合、追加効果の発揮は強制である。
  • ルール・テキストで定められていない限り、特定のマナを複数支払ったとしても、追加効果が増すことはない。
    • 例えば死後剛直/Vigor Mortisに(緑)(緑)(黒)(黒)を支払ったとしても、乗る+1/+1カウンターは1個である。2個に増えたりすることはない。
  • 対象をとる効果があり、それが再帰誘発型能力でない場合、その色のマナを支払ったかどうかに関係なく対象はとる。
  • カードそのものが単色であっても、ルール文章中に別の色のマナ・シンボルを含むものは固有色が多色になる。

該当カード

ラヴニカ:ギルドの都

インスタントソーサリーのみ。ゴルガリのみアンコモン2枚、他はコモン・アンコモン1枚ずつ。対応するマナを支払うと効果が追加される。

ギルドパクト

クリーチャーのみ。オルゾフのみコモン・アンコモン1枚ずつ、他はコモン2枚。対応する色のマナを支払ったときにのみ誘発するETB能力を持つ。

ディセンション

クリーチャーのみ。全てアンコモン。対応する色のマナを支払わないと戦場に残れず、生け贄に捧げられる。また、そのすべてがそれとは別にETB能力を持っている。「向上させればクリーチャーがオマケについてくる」というスタイル。のちのETB能力持ち想起エレメンタルに近い。

シャドウムーア

インスタントかソーサリーのみ。全てアンコモンの友好2色混成カード。払った色マナによって効果が違い、両方の色マナを支払ったときにのみ両方の効果が発揮される。

イーブンタイド

インスタントかソーサリーのみ。全てアンコモンの対抗2色混成カード。払った色マナによって効果が違い、両方の色マナを支払ったときにのみ両方の効果が発揮される。

イコリア:巨獣の棲処

のみインスタントで他はソーサリー。全て単色のレアで、対抗2色のマナを支払うと強化される。不特定マナが(2)に統一されているため、条件を満たすためには全てのマナ・コストを指定された色で支払うことになる。

カルドハイム

カルドハイムレア氷雪呪文サイクル氷雪インスタント氷雪ソーサリーで、唱えるために支払われた氷雪マナの点数に応じて効果が大きくなる向上呪文

兄弟戦争

どちらも神話レアで、Xマナ含む無色アーティファクト・クリーチャー。払った色マナによって効果が違うETB能力を持ち、払ったマナ数に比例して効果が増えていく。

その他

烈日収斂はこのメカニズムの5色版とも言える。また、エルドレインの王権では逆に単色版と言える一徹が、モダンホライゾン3では無色マナ版となるウンパスの逸脱者/Wumpus Aberration真実を溺れさせるもの/Drowner of Truthが登場した。色マナや氷雪マナ以外を参照するものとしては洞窟版のコウモリの群棲/Bat Colony砂漠版の激変の試掘/Cataclysmic Prospectingがある。

脚注

  1. ラヴニカ:ギルドの都のリリースノートから使われ、ラヴニカ・ブロックに関する記事などでも使用される。(Dissension’s EnhancementsLatest Developments 2006年4月21日 Aaron Forsythe著))

参考

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