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欠片の双子(Splinter Twin)は、欠片の双子/Splinter Twinをキーカードとする無限トークン系コンボ、又はこのコンボを組み込むコンボデッキの総称。青赤を中心に構成されることが多い。
概要
「CIPでクリーチャーをアンタップできるクリーチャー」に欠片の双子/Splinter Twinをエンチャントすることでコンボスタート。クリーチャーに与えられたタップ能力でトークンを戦場に出し、CIP能力で本体をアンタップ、そして再びトークンを生み出すことを繰り返す。これによって速攻を持った無限トークンを作れるので、一斉攻撃すれば勝利できる。
以前からやっかい児/Pestermiteとの組み合わせがエクステンデッドに少数存在したが、本格的に活躍を見せるようになるのは新たなるファイレクシアで詐欺師の総督/Deceiver Exarchが登場し、スタンダードでの成立が可能になってからである。
コンボパーツが2枚のみの手軽なコンボのため成立が容易であるのみならず、デッキに割くスロットも僅かであるため様々なデッキに組み込むことができるのも利点。そのため他のデッキとのハイブリッドデッキや、アグレッシブ・サイドボーディングとして採用されることも多々ある。
どちらも瞬速を持つため、対戦相手の終了ステップに唱え、返しの自分のターンに欠片の双子を唱えてコンボスタートという流れが可能となり、隙が少ない。したがって、コンボを阻害するならばインスタント・タイミングでの対策が必須となる。
スタンダード
「欠片の双子デッキ」の実質的な最初の登場は、新たなるファイレクシア参入後のスタンダード。詐欺師の総督/Deceiver Exarchを用いて組まれる。
コンボ成立に特化した純正の青赤タイプでは、主にドローとカウンターが脇を固める。思案/Ponderと定業/Preordainによる「8ポンダー」体制にギタクシア派の調査/Gitaxian Probeなどを加え、さらにこれらが貫く幻視の祭殿/Shrine of Piercing Visionを加速することで早急にコンボパーツを集めにいく。サイドボードに追加のフィニッシャーを用意することも多い(*1)。
派生形も豊富。特に高い実績を持つのはTwin Podと呼ばれる出産の殻とのハイブリッドデッキ(*2)。他にも純正タイプに黒をタッチして手札破壊などを足しただけのものから、青赤昇天や青赤緑ターボランドとのハイブリッドまで多岐に渡る。
四肢切断/Dismemberや自然の要求/Nature's Claimなどインスタント除去全般が対策になるが、呪文滑り/Spellskiteが併用されることが多いため、これに対象を曲げられない焼却/Combustや喉首狙い/Go for the Throatは特に確実性が高い(焼却は打ち消されない点も大きな強み)。欠片の双子を奪い取るために呪文滑りが対策に使われることもある。
青赤型
Twin Pod型
モダン
モダンにも存在する。コンボパーツに鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breakerとやっかい児/Pestermiteが追加され、選択肢が増えている。
選択肢が増えたことで翻弄する魔道士/Meddling Mageなどの対策カードをすり抜けやすくなったのが最大の利点。この点が多彩なコンボの登場した(=それに合わせた対策カードも複数取られた)環境に合致し、モダン開幕戦のプロツアーフィラデルフィア11でSamuele Estrattiが使用し見事優勝を飾った。
他デッキとの融合も他フォーマットに劣らず盛ん。当初から他の青赤コンボデッキのサイドボードに採用されたほか、やっかい児のクリーチャー・タイプがフェアリーであることを活かしてフェアリーデッキに組み込む場合もある。
さらに鏡割りのキキジキがクリーチャーであることを利用して、出産の殻/Birthing Podを採用するものもある。特に村の鐘鳴らし/Village Bell-Ringerや修復の天使/Restoration Angelの登場により、青なしでもコンボを狙えるようになった(RW Splinter Twin)(*1)。ただし修復の天使は欠片の双子/Splinter Twinとはコンボにならず、またコンボに特化するならばサポートに強い青の存在は大きい。基本はビートダウンデッキである出産の殻に、コンボも仕込む形で、鏡割りのキキジキとともに用いられる。
思案/Ponderと定業/Preordainが禁止カードに指定されたことで勢いを落としたが、代わりに手練/Sleight of Handと血清の幻視/Serum Visionsを用いることで生き残った。また、流刑への道/Path to Exileや前兆の壁/Wall of Omensなどを採用したコントロールデッキ寄りの青白赤型(UWR Twin)(*2)も登場しており、グランプリカンザスシティ13では青赤型と青白赤型がそれぞれベスト8入賞を果たした。
グランプリアントワープ13では、渋面の溶岩使い/Grim Lavamancerやヴェンディリオン三人衆/Vendilion Cliqueなどのクロックを増やしたTempo Twin(*3)が登場し、Patrick Dickmanが優勝した。このタイプでは、クリーチャーによる攻撃や瞬唱の魔道士/Snapcaster Mageによる稲妻/Lightning Boltの再利用などで対戦相手のライフを削れるようにすることで、コンボだけに依存しない構成になっている。そのため、タフネスの高さからコンボパーツとしての安定性が高い詐欺師の総督/Deceiver Exarchよりも、パワーが高いやっかい児が優先される。プロツアー「神々の軍勢」では、このクロックパーミッションの動きを強化するために緑を足してタルモゴイフ/Tarmogoyfや漁る軟泥/Scavenging Oozeなどのクリーチャーを追加したTarmo-Twin(*4)が登場し、Patrick Dickmannがベスト4に入賞した。
UR Twin型
UR Twin型(思案定業禁止後)
UWR Twin型
Tempo Twin型
RW Splinter Twin型
Tarmo Twin型
参考