関連している能力

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==解説==
 
==解説==
===実例===
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カードの中には、何かをする能力と、その能力によって起きた物事を参照する能力のふたつがセットで印刷されているものがある。それらの能力が後述する[[#定義]]を満たしているなら、その2つの能力は「'''関連している能力'''」と呼ばれ、後者の能力は前者の能力によって行われた物事だけを参照し、他のものを参照することはない。
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;例1
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:{{#card:Nightveil Specter}}
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:{{#card:Kaldra Compleat}}
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:[[カルドラの完成体/Kaldra Compleat]]を[[装備]]した[[夜帷の死霊/Nightveil Specter]]が、カルドラの完成体によって得ている「この[[クリーチャー]]がクリーチャー1体に[[戦闘ダメージ]]を与えるたび、そのクリーチャーを[[追放]]する。」能力でクリーチャーを追放したとする。しかし、そのクリーチャーを夜帷の死霊の能力で追放領域から[[唱える]]ことはできない。夜帷の死霊の3番目の能力は、夜帷の死霊が最初から持っている2番目の能力によって追放したカードだけを参照し、他のものは参照しない。
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;例2
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:{{#card:Soul Foundry}}
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:{{#card:Chrome Mox}}
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:[[魂の鋳造所/Soul Foundry]]を戦場に出し、手札から[[灰色熊/Grizzly Bears]]を[[刻印]]した。この魂の鋳造所を[[トゥルー・ポリモーフ/True Polymorph]]で、[[金属モックス/Chrome Mox]]の[[コピー]]にしたとする。このとき、金属モックスになった魂の鋳造所の[[マナ能力]]を[[起動]]しても、何のマナも出すことはできない。金属モックスのマナ能力は、金属モックスの1番目の能力によって追放されたカードだけを参照し、魂の鋳造所の能力によって追放したカードは参照しない。(同じ「刻印」能力でも関係ない。)
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;例3(関連している能力ではない例)
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:{{#card:Mairsil, the Pretender}}
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:[[偽善者、メアシル/Mairsil, the Pretender]]の能力は関連している能力ではない。メアシルが参照しているのは 「偽善者、メアシルによって(=これ自身によって) 追放されているカード」ではないため、定義を満たさない。一度戦場を離れてからまた戦場に出たり、2枚目を出した場合、それは以前に追放して檻カウンターが置かれているカードを参照できる。
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==定義==
 
{{#card:Oblivion Ring}}
 
{{#card:Oblivion Ring}}
 
{{#card:Archangel of Strife}}
 
{{#card:Archangel of Strife}}
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ある[[オブジェクト]]に、次のような[[能力]]が印刷されている場合、それらは関連している。
 
ある[[オブジェクト]]に、次のような[[能力]]が印刷されている場合、それらは関連している。
  
*[[カード]]を[[追放]]する[[起動型能力]]や[[誘発型能力]]と、「その追放されたカード」や「[このオブジェクト]によって追放されたカード」と書かれた能力。後者の能力は、前者の能力の結果追放されたカードで、[[追放|追放領域]]に存在するものだけを参照する。[[両面カード]]の[[第1面]]と[[第2面]]に分かれていても機能する。
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#[[カード]]を[[追放]]する[[起動型能力]]や[[誘発型能力]]と、「その追放されたカード/the exiled cards」や「[このオブジェクト]によって追放されたカード/cards exiled with [this object]」と書かれた能力。後者の能力は、前者の能力の結果追放されたカードで、[[追放|追放領域]]に存在するものだけを参照する。
**例:[[忘却の輪/Oblivion Ring]]の1つめの能力と2つ目の能力、[[不敬の行進/Profane Procession]]の起動型能力と薄暮薔薇の墓所/Tomb of the Dusk Roseの起動型能力。
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#*例:[[忘却の輪/Oblivion Ring]]の1つめの能力と2つ目の能力。
*カードを追放する[[置換効果]]を生成する能力と、「その追放されたカード」や「[このオブジェクト]によって追放されたカード」と書かれた能力。後者の能力は、前者の能力による置換効果の結果追放されたカードで、追放領域に存在するものだけを参照する。
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#カードを追放する[[置換効果]]を生成する能力と、「その追放されたカード/the exiled cards」や「[このオブジェクト]によって追放されたカード/cards exiled with [this object]」と書かれた能力。後者の能力は、前者の能力による置換効果の結果追放されたカードで、追放領域に存在するものだけを参照する。
**例:[[虚空の大口/Void Maw]]の2つ目の能力と3つ目の能力。
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#*例:[[虚空の大口/Void Maw]]の2つ目の能力と3つ目の能力。
*オブジェクトを[[戦場に出す]]起動型能力や誘発型能力と、「[このオブジェクト]によって戦場に出た」オブジェクトを参照する能力。後者の能力は、前者の能力の結果戦場に出たオブジェクトだけを参照する。
+
#オブジェクトを[[戦場に出す]]起動型能力や誘発型能力と、「[このオブジェクト]によって戦場に出た/put onto the battlefield with [this object]」あるいは「[このオブジェクト]によって生成された/created with [this object]」オブジェクトを参照する能力。後者の能力は、前者の能力の結果戦場に出たオブジェクトだけを参照する。
**例:[[あまたの舞い/Dance of Many]]の1つ目の能力と、2つ目や3つ目の能力。
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#*例:[[あまたの舞い/Dance of Many]]の1つ目の能力と、2つ目や3つ目の能力。
*「[値]を選ぶ」や「[[カード名]]を1つ指定する」ことをプレイヤーに求める能力と、「選ばれた[値]」(または「最後に選ばれた[値]」)あるいは「指定されたカード」を参照する能力。後者の能力は、前者の能力の結果行われた選択だけを参照する。
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#「[値]を選ぶ」や「[[カード名]]を1つ指定する」ことをプレイヤーに求める能力と、「選ばれた[値]」(または「最後に選ばれた[値]」)あるいは「指定されたカード」を参照する能力。後者の能力は、前者の能力の結果行われた選択だけを参照する。
**例:[[多相の戦士/Shapeshifter]]の1つ目あるいは2つ目の能力と、3つ目の能力。
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#*例:[[多相の戦士/Shapeshifter]]の1つ目あるいは2つ目の能力と、3つ目の能力。
*いずれかのプレイヤーに2つまたはそれ以上の数のルール上特定の意味を持たない単語から選択させる能力と、それらの単語の内1つ以上のものを含む選択内容を参照する能力。後者の能力は、前者の能力の結果行なわれた選択だけを参照する。
+
#何らかの情報を記録する能力と、記録した情報を参照する能力。後者の能力は、前者の能力の結果として記録された情報だけを参照する。
**例:[[敵対の大天使/Archangel of Strife]]の2つ目の能力と、3つ目や4つ目の能力。
+
#*例:[[シガルダの輝き/Sigarda's Splendor]]の1つ目の能力と2つ目の能力。
*[[戦場に出る]]に際していずれかのプレイヤーに[[コスト]]を支払わせる能力と、そのオブジェクトが戦場に出るに際して支払われたコストを参照する能力。この2つめの能力は、1つめの能力の結果支払われたコストだけを参照する。
+
#いずれかのプレイヤーに2つまたはそれ以上の数のルール上特定の意味を持たない単語から選択させる能力と、それらの単語の内1つ以上のものを含む選択内容を参照する能力。後者の能力は、前者の能力の結果行なわれた選択だけを参照する。
**例:[[ファイレクシアの処理装置/Phyrexian Processor]]の1つ目の能力と2つ目の能力。
+
#*例:[[敵対の大天使/Archangel of Strife]]の2つ目の能力と、3つ目や4つ目の能力。
*単一の段落内に存在する、[[常在型能力]]と誘発型能力。この誘発型能力は、常在型能力の結果の行動だけを参照する。
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#[[戦場に出る]]に際していずれかのプレイヤーに[[コスト]]を支払わせる能力と、そのオブジェクトが戦場に出るに際して支払われたコストを参照する能力。この2つめの能力は、1つめの能力の結果支払われたコストだけを参照する。
**例:[[二度目の収穫/Rowen]]の持つ能力。
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#*例:[[ファイレクシアの処理装置/Phyrexian Processor]]の1つ目の能力と2つ目の能力。
*[[キッカー]]能力と、キッカーしているかどうかを参照する他の能力。後者の能力は、そのオブジェクトを[[呪文]]として[[唱える]]際に前者の能力に記載されているキッカー・コストを支払ったかどうかだけを参照する。[[キッカー]]も参照。
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#単一の段落内に存在する、[[常在型能力]]と誘発型能力。この誘発型能力は、常在型能力の結果の行動だけを参照する。
*[[唱える]]に際して可変の[[追加コスト]]を支払うという能力と、そのオブジェクトを唱えるに際して支払われたコストを参照する能力。この2つめの能力は、1つめの能力の結果支払われたコストだけを参照する。
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#*例:[[二度目の収穫/Rowen]]や[[なりすましの壁/Wall of Stolen Identity]]、[[突風歩き/Gust Walker]]の持つ能力。[[奇跡]]能力。
*[[覇権]]の[[キーワード能力]]によって表される2つの能力。[[覇権]]も参照。
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#[[キッカー]]能力と、キッカーしているかどうかを参照する他の能力。後者の能力は、そのオブジェクトを[[呪文]]として[[唱える]]際に前者の能力に記載されているキッカー・コストを支払ったかどうかだけを参照する。[[キッカー]]も参照。
*[[固定語]]を選ばせる能力と、固定語が先に記されている能力。
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#[[唱える]]に際して可変の[[追加コスト]]を支払うという能力と、そのオブジェクトを唱えるに際して支払われたコストを参照する能力。この2つめの能力は、1つめの能力の結果支払われたコストだけを参照する。
**[[城塞の包囲/Citadel Siege]]の1つ目の能力と、2つ目と3つ目の能力。
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#*例:[[墓甲羅、ゴーレックス/Gorex, the Tombshell]]の1つ目の能力と3つ目の能力。
*ゲーム開始時のデッキを切り直す前にカードを追放する常在型能力と、「あなたが[カード名]という名前のカードによって追放した」と書かれた能力。後者の能力は、ゲーム開始前にそのカード名を持っていたすべてのオブジェクトが持つ前者の能力から参照される。
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#[[覇権]]の[[キーワード能力]]によって表される2つの能力。[[覇権]]も参照。
**例:[[秘儀の学者/Arcane Savant]]の1つめの能力と2つ目の能力
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#[[固定語]]を選ばせる能力と、固定語が先に記されている能力。
*ゲーム開始前に選択を行なわせる常在型能力と、それと同一の段落に印刷されている特性定義能力。後者の能力は、前者の能力による選択の結果のみを参照する。また、そのゲームの間そのオブジェクトが領域を移動してもその選択を参照し続ける。
+
#*[[城塞の包囲/Citadel Siege]]の1つ目の能力と、2つ目と3つ目の能力。
**例:[[虹色の笛吹き/The Prismatic Piper]]の1つ目の能力
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#ゲーム開始時のデッキを切り直す前にカードを追放する常在型能力と、「あなたが[カード名]という名前のカードによって追放した」と書かれた能力。後者の能力は、ゲーム開始前にそのカード名を持っていたすべてのオブジェクトが持つ前者の能力から参照される。
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#*例:[[秘儀の学者/Arcane Savant]]の1つめの能力と2つ目の能力。
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#ゲーム開始前に選択を行なわせる常在型能力と、それと同一の段落に印刷されている特性定義能力。後者の能力は、前者の能力による選択の結果のみを参照する。また、そのゲームの間そのオブジェクトが領域を移動してもその選択を参照し続ける。
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#*例:[[虹色の笛吹き/The Prismatic Piper]]の1つ目の能力。
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#[[パーマネント呪文]]に記されている、それを唱えるためのコストを支払う間にカードを追放する能力と、そのパーマネント呪文がなる[[パーマネント]]が持つ、「[このオブジェクト]によって追放されている」カードを参照する能力。後者の能力は、そのパーマネントになった呪文のコストを支払うために追放されたカードだけを参照する。
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#*例:[[天上の餌あさり/Ethereal Forager]]の1つ目の能力と3つ目の能力。
  
===その他のルール===
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==補足==
単一の[[効果]]の一部として一組の関連した能力を得た場合、それらは新しいオブジェクトに印刷されているわけではないが、元の能力と同様に関連した能力となる。そのオブジェクトが現在、あるいは過去にどのような能力を持っていようとも、他の能力と関連することはない。
+
*1つの能力が、複数の「関連している能力の組」に属することもありうる。
*例:[[水銀の精霊/Quicksilver Elemental]]の起動型能力によって[[弧炎撒き/Arc-Slogger]][[石の死の姉妹/Sisters of Stone Death]]の起動型能力を得たとする。弧炎撒きの起動型能力(能力Aとする)と、石の死の姉妹の2つ目の起動型能力(能力S2とする)をそれぞれ[[起動]]した後、石の死の姉妹の3つ目の起動型能力(能力S3とする)を起動した場合、能力S2によって追放した[[クリーチャー]]・カードを[[戦場]][[戻す]]ことはできるが、能力Aによって追放したクリーチャー・カードは戦場に戻すことができない。なぜなら、能力S2とS3は関連しているが、能力AとS3は関連していないためである。
+
**例:[[極楽の羽飾り/Paradise Plume]]は3つの能力を持つが、1つ目の能力と2つ目の能力は関連している能力であり、1つ目の能力と3つ目の能力も関連している能力である。
*例:[[戦場に出る]]に際して適当なカード名(Nとする)を指定した[[翻弄する魔道士/Meddling Mage]]が、[[鏡編み/Mirrorweave]]により[[虚空石のガーゴイル/Voidstone Gargoyle]][[コピー]]となった。このとき、[[名前]]がNである呪文を唱えることもNの持つ起動型能力を起動することもできる。なぜなら、翻弄する魔道士の1つ目の能力と、虚空石のガーゴイルの3つ目や4つ目の能力は関連していないためである。
+
*能力が、その能力自身と関連することもありうる。
 +
**例:[[知識槽/Knowledge Pool]]の1つ目の能力と2つ目の能力は関連している能力であり、2つ目の能力は2つ目の能力それ自身と関連している能力である。
 +
*オブジェクトに印刷されている能力によってそのオブジェクト自身に能力が与えられる場合、その与えられる能力はそのオブジェクトに印刷されているものとして扱う。
 +
**例:[[ローグ・クラス/Rogue Class]]のレベル1の能力とレベル3の能力は関連している。
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*[[変身する両面カード]]のどちらかの面に印刷されている能力は、(関連している能力の文脈においては)どちらの面がオモテになっていてもそのカードに印刷されているものとして扱う。
 +
**例:[[不敬の行進/Profane Procession]]の第1面の能力と、第2面の2番目の能力は関連している。
 +
*[[トークン]][[紋章]]に印刷されている能力と、そのトークンや紋章を生成した能力の発生源であったオブジェクトに印刷されている能力は、それらが別々のオブジェクトに印刷されているという点を除いて上記の関連している能力の条件に当てはまるなら、関連している能力である。
 +
**例:[[霊鍛冶のホフリ/Hofri Ghostforge]]の2番目の能力は、この能力が生成するトークンに与えられる能力と関連している。このトークンに与えられる能力は、このトークンを生成した能力によって追放されたカードだけを参照する。
 +
**例:[[星界の騙し屋、ティボルト/Tibalt, Cosmic Impostor]]に印刷されている3つの[[忠誠度能力]]は、そのティボルトが持つ[[常在型能力]]により得られる紋章が持つ能力と関連している。この紋章が持つ能力は、その紋章を生成したティボルトが持つ忠誠度能力によって追放されたカードだけを参照する。
  
関連した能力の片方が「その追放されたカード」や「[このオブジェクト]によって追放されたカード」あるいは似たような言葉でカードを参照しており、もう片方の能力によって複数のカードが追放されている場合、([[ストリオン共鳴体/Strionic Resonator]]によって片方の能力がコピーされた場合)能力は追放された各カードを参照する。能力が追放されたカードの情報を参照する場合、それらは追放された各カードの情報の総和が使用される。能力が「その」追放されたカードに何かしようとする場合、それは追放された各カードに対して行われる。能力が追放されたカード「1枚」に何かしようとする場合、その能力のコントローラーがどのカードが影響を受けるのかを選択する。
+
==関連している能力に関するルール==
 +
あるオブジェクトが、単一の[[効果]]によって一組の関連した能力を得た場合、それらはそのオブジェクトに印刷されているわけではないが、元の能力と同様に関連した能力となる。そのオブジェクトが現在、あるいは過去にどのような能力を持っていようとも、他の能力と関連することはない。
 +
*例:[[水銀の精霊/Quicksilver Elemental]]の起動型能力によって[[弧炎撒き/Arc-Slogger]]と[[石の死の姉妹/Sisters of Stone Death]]の起動型能力を得たとする。弧炎撒きの起動型能力(能力Aとする)と、石の死の姉妹の2つ目の起動型能力(能力S2とする)をそれぞれ[[起動]]した後、石の死の姉妹の3つ目の起動型能力(能力S3とする)を起動した場合、能力S2によって追放した[[クリーチャー]]・カードを[[戦場]]に[[戻す]]ことはできるが、能力Aによって追放したクリーチャー・カードは戦場に戻すことができない。なぜなら、能力S2とS3は関連しているが、能力AとS3は関連していないためである。
 +
*例:[[戦場に出る]]に際して適当なカード名(Nとする)を指定した[[翻弄する魔道士/Meddling Mage]]が、[[鏡編み/Mirrorweave]]により[[虚空石のガーゴイル/Voidstone Gargoyle]]の[[コピー]]となった。このとき、[[名前]]がNである呪文を唱えたりNの能力を起動することは禁止されない。なぜなら、翻弄する魔道士の1つ目の能力と、虚空石のガーゴイルの3つ目や4つ目の能力は関連していないためである。
  
関連している能力であるかどうか判断する場合において、[[紋章]]に印刷されている能力は、その紋章を生成した能力の発生源であった[[プレインズウォーカー (カード・タイプ)|プレインズウォーカー]]に印刷されているものとして扱う。また、プレインズウォーカーと紋章が組となる関連する能力を持つ場合、それらは異なるオブジェクトであるが、それらの間でも関連する能力に関するルールが適用される。
+
「カードを追放する能力と、追放されているカードを参照する能力」からなる関連している能力(上記[[#定義]]における1.のパターン)において、前者の能力が複数のカードを追放している場合、後者の能力はそれらの追放されているカードすべてを参照する。その能力が追放されたカードの情報を参照する場合、追放された各カードの情報の総和が使用される。その能力が「'''その'''/''the''」追放されたカードに何かしようとする場合、それは追放されたカードそれぞれに対して行われる。その能力が「その/the」カードのコピーである[[トークン]]を生成する場合、その追放されているカードそれぞれにつき、そのカードのコピーであるトークンを生成する。その能力が追放された「'''1枚の'''/''a''」カードに何かしようとする場合、その能力のコントローラーがどのカードが影響を受けるのかを選択する。
*例:[[星界の騙し屋、ティボルト/Tibalt, Cosmic Impostor]]に印刷されている3つの[[忠誠度能力]]は、そのティボルトが持つ[[ETB]]能力により得られる紋章が持つ能力と関連している。この紋章が持つ能力は、その紋章を生成したティボルトが持つ忠誠度能力によって追放されたカードだけを参照する。
+
*[[ストリオン共鳴体/Strionic Resonator]]によって片方の能力がコピーされた場合や、[[パンハモニコン/Panharmonicon]]によって複数回誘発した場合に起こる。
  
===補足===
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===旧ルール===
 
*[[ギルド門侵犯]]で[[総合ルール]]が改定されるまでは、関連している能力の定義に「プレイヤー」とは入っていなかった。プレイヤーはオブジェクトではないため、プレイヤーを参照したりプレイヤーに何かをしたりする能力は、関連している能力ではなかった。
 
*[[ギルド門侵犯]]で[[総合ルール]]が改定されるまでは、関連している能力の定義に「プレイヤー」とは入っていなかった。プレイヤーはオブジェクトではないため、プレイヤーを参照したりプレイヤーに何かをしたりする能力は、関連している能力ではなかった。
  

2023年11月11日 (土) 13:11時点における最新版

あるオブジェクトが、何らかの行動をしたり任意のオブジェクトやプレイヤーに影響したりする能力と、その行動やそのオブジェクトやプレイヤーを直接参照する能力を印刷された状態で持っている場合、それらの能力は「関連している能力/Linked Abilities」と呼ばれ、その関係を「関連している/Linked」と呼ぶ。

後者の能力は、前者の能力による行動や影響を受けたオブジェクトやプレイヤーのみを参照し、その他の能力によるものと関連づけられることはない。

目次

[編集] 解説

カードの中には、何かをする能力と、その能力によって起きた物事を参照する能力のふたつがセットで印刷されているものがある。それらの能力が後述する#定義を満たしているなら、その2つの能力は「関連している能力」と呼ばれ、後者の能力は前者の能力によって行われた物事だけを参照し、他のものを参照することはない。

例1

Nightveil Specter / 夜帷の死霊 (青/黒)(青/黒)(青/黒)
クリーチャー — スペクター(Specter)

飛行
夜帷の死霊がプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーは自分のライブラリーの一番上のカードを追放する。
あなたは夜帷の死霊によって追放されたカードの中から、土地をプレイしても呪文を唱えてもよい。

2/3


Kaldra Compleat / カルドラの完成体 (7)
伝説のアーティファクト — 装備品(Equipment)

生体武器
破壊不能
装備しているクリーチャーは+5/+5の修整を受け、先制攻撃とトランプルと破壊不能と速攻と「このクリーチャーがクリーチャー1体に戦闘ダメージを与えるたび、そのクリーチャーを追放する。」を持つ。
装備(7)


カルドラの完成体/Kaldra Compleat装備した夜帷の死霊/Nightveil Specterが、カルドラの完成体によって得ている「このクリーチャーがクリーチャー1体に戦闘ダメージを与えるたび、そのクリーチャーを追放する。」能力でクリーチャーを追放したとする。しかし、そのクリーチャーを夜帷の死霊の能力で追放領域から唱えることはできない。夜帷の死霊の3番目の能力は、夜帷の死霊が最初から持っている2番目の能力によって追放したカードだけを参照し、他のものは参照しない。
例2

Soul Foundry / 魂の鋳造所 (4)
アーティファクト

刻印 ― 魂の鋳造所が戦場に出たとき、あなたの手札のクリーチャー・カード1枚を追放してもよい。
(X),(T):その追放されたカードのコピーであるトークン1体を生成する。Xはそのカードのマナ総量である。


魂の鋳造所/Soul Foundryを戦場に出し、手札から灰色熊/Grizzly Bears刻印した。この魂の鋳造所をトゥルー・ポリモーフ/True Polymorphで、金属モックス/Chrome Moxコピーにしたとする。このとき、金属モックスになった魂の鋳造所のマナ能力起動しても、何のマナも出すことはできない。金属モックスのマナ能力は、金属モックスの1番目の能力によって追放されたカードだけを参照し、魂の鋳造所の能力によって追放したカードは参照しない。(同じ「刻印」能力でも関係ない。)
例3(関連している能力ではない例)

Mairsil, the Pretender / 偽善者、メアシル (1)(青)(黒)(赤)
伝説のクリーチャー — 人間(Human) ウィザード(Wizard)

偽善者、メアシルが戦場に出たとき、あなたはあなたの手札やあなたの墓地からアーティファクトかクリーチャーであるカード1枚を追放し、それの上に檻(cage)カウンターを1個置いてもよい。
偽善者、メアシルは、追放領域にあってあなたがオーナーである、檻カウンターが置かれているすべてのカードのすべての起動型能力を持つ。あなたはそれらの各能力をそれぞれ、毎ターン1回のみ起動してもよい。

4/4

偽善者、メアシル/Mairsil, the Pretenderの能力は関連している能力ではない。メアシルが参照しているのは 「偽善者、メアシルによって(=これ自身によって) 追放されているカード」ではないため、定義を満たさない。一度戦場を離れてからまた戦場に出たり、2枚目を出した場合、それは以前に追放して檻カウンターが置かれているカードを参照できる。

[編集] 定義


Oblivion Ring / 忘却の輪 (2)(白)
エンチャント

忘却の輪が戦場に出たとき、他の土地でないパーマネント1つを対象とし、それを追放する。
忘却の輪が戦場を離れたとき、その追放されたカードをオーナーのコントロール下で戦場に戻す。



Archangel of Strife / 敵対の大天使 (5)(白)(白)
クリーチャー — 天使(Angel)

飛行
敵対の大天使が戦場に出るに際し、各プレイヤーは「戦争」か「平和」を選ぶ。
「戦争」を選んだプレイヤーがコントロールするクリーチャーは+3/+0の修整を受ける。
「平和」を選んだプレイヤーがコントロールするクリーチャーは+0/+3の修整を受ける。

6/6

あるオブジェクトに、次のような能力が印刷されている場合、それらは関連している。

  1. カード追放する起動型能力誘発型能力と、「その追放されたカード/the exiled cards」や「[このオブジェクト]によって追放されたカード/cards exiled with [this object]」と書かれた能力。後者の能力は、前者の能力の結果追放されたカードで、追放領域に存在するものだけを参照する。
  2. カードを追放する置換効果を生成する能力と、「その追放されたカード/the exiled cards」や「[このオブジェクト]によって追放されたカード/cards exiled with [this object]」と書かれた能力。後者の能力は、前者の能力による置換効果の結果追放されたカードで、追放領域に存在するものだけを参照する。
  3. オブジェクトを戦場に出す起動型能力や誘発型能力と、「[このオブジェクト]によって戦場に出た/put onto the battlefield with [this object]」あるいは「[このオブジェクト]によって生成された/created with [this object]」オブジェクトを参照する能力。後者の能力は、前者の能力の結果戦場に出たオブジェクトだけを参照する。
  4. 「[値]を選ぶ」や「カード名を1つ指定する」ことをプレイヤーに求める能力と、「選ばれた[値]」(または「最後に選ばれた[値]」)あるいは「指定されたカード」を参照する能力。後者の能力は、前者の能力の結果行われた選択だけを参照する。
  5. 何らかの情報を記録する能力と、記録した情報を参照する能力。後者の能力は、前者の能力の結果として記録された情報だけを参照する。
  6. いずれかのプレイヤーに2つまたはそれ以上の数のルール上特定の意味を持たない単語から選択させる能力と、それらの単語の内1つ以上のものを含む選択内容を参照する能力。後者の能力は、前者の能力の結果行なわれた選択だけを参照する。
  7. 戦場に出るに際していずれかのプレイヤーにコストを支払わせる能力と、そのオブジェクトが戦場に出るに際して支払われたコストを参照する能力。この2つめの能力は、1つめの能力の結果支払われたコストだけを参照する。
  8. 単一の段落内に存在する、常在型能力と誘発型能力。この誘発型能力は、常在型能力の結果の行動だけを参照する。
  9. キッカー能力と、キッカーしているかどうかを参照する他の能力。後者の能力は、そのオブジェクトを呪文として唱える際に前者の能力に記載されているキッカー・コストを支払ったかどうかだけを参照する。キッカーも参照。
  10. 唱えるに際して可変の追加コストを支払うという能力と、そのオブジェクトを唱えるに際して支払われたコストを参照する能力。この2つめの能力は、1つめの能力の結果支払われたコストだけを参照する。
  11. 覇権キーワード能力によって表される2つの能力。覇権も参照。
  12. 固定語を選ばせる能力と、固定語が先に記されている能力。
  13. ゲーム開始時のデッキを切り直す前にカードを追放する常在型能力と、「あなたが[カード名]という名前のカードによって追放した」と書かれた能力。後者の能力は、ゲーム開始前にそのカード名を持っていたすべてのオブジェクトが持つ前者の能力から参照される。
  14. ゲーム開始前に選択を行なわせる常在型能力と、それと同一の段落に印刷されている特性定義能力。後者の能力は、前者の能力による選択の結果のみを参照する。また、そのゲームの間そのオブジェクトが領域を移動してもその選択を参照し続ける。
  15. パーマネント呪文に記されている、それを唱えるためのコストを支払う間にカードを追放する能力と、そのパーマネント呪文がなるパーマネントが持つ、「[このオブジェクト]によって追放されている」カードを参照する能力。後者の能力は、そのパーマネントになった呪文のコストを支払うために追放されたカードだけを参照する。

[編集] 補足

  • 1つの能力が、複数の「関連している能力の組」に属することもありうる。
    • 例:極楽の羽飾り/Paradise Plumeは3つの能力を持つが、1つ目の能力と2つ目の能力は関連している能力であり、1つ目の能力と3つ目の能力も関連している能力である。
  • 能力が、その能力自身と関連することもありうる。
    • 例:知識槽/Knowledge Poolの1つ目の能力と2つ目の能力は関連している能力であり、2つ目の能力は2つ目の能力それ自身と関連している能力である。
  • オブジェクトに印刷されている能力によってそのオブジェクト自身に能力が与えられる場合、その与えられる能力はそのオブジェクトに印刷されているものとして扱う。
  • 変身する両面カードのどちらかの面に印刷されている能力は、(関連している能力の文脈においては)どちらの面がオモテになっていてもそのカードに印刷されているものとして扱う。
  • トークン紋章に印刷されている能力と、そのトークンや紋章を生成した能力の発生源であったオブジェクトに印刷されている能力は、それらが別々のオブジェクトに印刷されているという点を除いて上記の関連している能力の条件に当てはまるなら、関連している能力である。
    • 例:霊鍛冶のホフリ/Hofri Ghostforgeの2番目の能力は、この能力が生成するトークンに与えられる能力と関連している。このトークンに与えられる能力は、このトークンを生成した能力によって追放されたカードだけを参照する。
    • 例:星界の騙し屋、ティボルト/Tibalt, Cosmic Impostorに印刷されている3つの忠誠度能力は、そのティボルトが持つ常在型能力により得られる紋章が持つ能力と関連している。この紋章が持つ能力は、その紋章を生成したティボルトが持つ忠誠度能力によって追放されたカードだけを参照する。

[編集] 関連している能力に関するルール

あるオブジェクトが、単一の効果によって一組の関連した能力を得た場合、それらはそのオブジェクトに印刷されているわけではないが、元の能力と同様に関連した能力となる。そのオブジェクトが現在、あるいは過去にどのような能力を持っていようとも、他の能力と関連することはない。

「カードを追放する能力と、追放されているカードを参照する能力」からなる関連している能力(上記#定義における1.のパターン)において、前者の能力が複数のカードを追放している場合、後者の能力はそれらの追放されているカードすべてを参照する。その能力が追放されたカードの情報を参照する場合、追放された各カードの情報の総和が使用される。その能力が「その/the」追放されたカードに何かしようとする場合、それは追放されたカードそれぞれに対して行われる。その能力が「その/the」カードのコピーであるトークンを生成する場合、その追放されているカードそれぞれにつき、そのカードのコピーであるトークンを生成する。その能力が追放された「1枚の/a」カードに何かしようとする場合、その能力のコントローラーがどのカードが影響を受けるのかを選択する。

[編集] 旧ルール

  • ギルド門侵犯総合ルールが改定されるまでは、関連している能力の定義に「プレイヤー」とは入っていなかった。プレイヤーはオブジェクトではないため、プレイヤーを参照したりプレイヤーに何かをしたりする能力は、関連している能力ではなかった。

[編集] 参考

引用:総合ルール 20231117.0

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