テゼレット/Tezzeret

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テゼレット/Tezzeretアラーラの断片ブロック初出のキャラクター。カードとしてはアラーラの断片求道者テゼレット/Tezzeret the Seekerが初出。

目次

解説

アラーラ/Alara断片/Shardの一つであるエスパー/Esper出身の工匠/Artificerプレインズウォーカー/Planeswalker。男性。イラスト

恵まれない出自のためか野心が強く、自分のおかれている立場に常に満足せず更なる力を求める。策略に長けているが、己の実力を過大評価して失敗することも。自他の失敗に耐えられず、他罰的な傾向にある。非常に激しい気性を持つが、状況によっては忍耐強い面も見せる。

エーテリウム/Etherium

エスパーの魔道師たちは霊気を封じ込めた神秘の金属であるエーテリウム/Etheriumを体に埋め込み、より高次な存在になろうという思想を持っている。テゼレットはエーテリウム製の右腕を持っており、それによって常人よりも高い膂力や耐久力を持ち、マナの乏しい環境でも彼の魔法を補強する。小説にはエーテリウムの腕を失ったテゼレットがマナを集めるのに苦労する描写がある。

アーティファクト/Artifact

テゼレットは工匠であり、様々なアーティファクトを製作した。その中には、他者の脳の一部を制御する装置や、神経中枢に作用して魔法を使うと気が狂いそうになるほどの激痛を与える装置など、他魔道士の支配を目的としたものも多い。カードとしての能力もアーティファクト関連のものばかりである。

無限連合/Infinite Consortium

テゼレットはかつて、無限連合/Infinite Consortiumと呼ばれる陰謀団をボーラスより詐取した。主にラヴニカ/Ravnica支部にて率いており、多次元間の物騒な商業活動に従事していた。その支配は冷酷なものであり、彼の不興を買ったものは、まだ彼にとって役に立つ者と判断された場合は厳しく罰され、そうでない場合は容赦なく粛清された。しかしそれはボーラスの介入によって彼に対抗する事となった新加入者ジェイス・ベレレン/Jace belerenの手によって終わった。

  • 当時のクリエイティブ・チームのディレクターであったBrady Dommermuthによると、彼は「ある意味、ジェイスが全ての選択を誤り道を踏み外した末路の可能性の体現」である。[2]

経歴

Test of Metal(1)

テゼレットはエスパーはヴェクティス市/Vectis Cityの貧民街、潮の虚ろ/Tidehollowで、潰し屋/Scrapper(動物や人間の死体からエーテリウムを回収して再利用する不可触民)の父と売春婦の母の下に生まれる。この生まれのため名字はない。アカデミーの教師などは便宜上「潮の虚ろのテゼレット」と呼んでいる。「テゼレット」という名前も潮の虚ろの言葉で「小刀」を意味する単語で、親に名付けられた名前ではない。

ある日、彼の人生を大きく動かす悲劇が訪れる…。

求道者の転落/The Seeker's Fall

求道者アカデミーの学生となったテゼレットは、求道者になってエスパーのエーテリウム不足を解決するという理想を持っていたが、あまり良くない成績と被差別地区の潰し屋の父を持つという出自から退学させられそうになっていた。彼はアカデミーに留まるために退学勧告をした教師を殺害したが、発覚することはなかった。数年後にはカルモット求道団/Seekers of Carmotに潜り込むものの、そこでもアカデミーの同窓生であった俊才サイラス・レン/Silas Rennの後塵を拝することとなった。

求道団への不満を募らせていたテゼレットはついに求道団の聖域に侵入し、エーテリウム生産の秘儀が記されているというエーテリウム写本/Codex Etheriumを手に入れようとする。しかし、そこには何も無かった。求道団の真実を知った[3]テゼレットは駆けつけた護衛に攻撃されて重傷を負う。その生命の危機をきっかけに彼のプレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Sparkは点り、グリクシス/Grixisへとプレインズウォークする。そこで彼はニコル・ボーラスと出会い、従属を求められる。

Agents of Artifice

テゼレットはボーラスより無限連合を詐取しその首領となっていた。テゼレットは、ボーラスと同じく稀少な精神感応者でありながらラヴニカにて無為な日々を送っていたジェイス・ベレレンを組織へと勧誘した。テゼレットはジェイスを己の野望とボーラスに対抗するための手駒とするべく訓練し、多くの知識を与え、工作員としての様々な任務を課した。当初、ジェイスは自衛以外で他者を傷つける事を嫌っており、かつて過ってを死に追いやったトラウマもあって己の真の才能である精神操作術を使うことを拒絶していたが、テゼレットは暴力と畏怖によってジェイスを屈服させた。

テゼレットの期待と莫大な投資を裏切って連合より脱走したジェイスに賞金をかけて追跡させるものの、彼の刺客が暗殺したのはジェイスではなくその親友にして相棒のKallist Rhokaであった。報復としてテゼレットが最も素晴らしい支部と考えていたラヴニカ支部をジェイスに襲撃され、破壊される。テゼレットはその報復として、リリアナ・ヴェス/Liliana Vessが密告した情報に基づいてジェイスの友人たちを暗殺させた。

ボーラスによる介入もあって、二人のプレインズウォーカーは対峙する。最終的に、テゼレットは神河/Kamigawaにてジェイスにエーテリウムの腕を切り落とされて、その精神をほぼ全て破壊された。

その抜け殻となった体はボーラスによって回収された。

Enter the Eldrazi

テゼレットの体はボーラスの瞑想領土/Bolas's Meditation Planeにて再生されており、ボーラスの手による復活を予告された。

Test of Metal(2)

ボーラスの手によって修復され復活したテゼレットは、復讐とエーテリウム探求の旅に出る。

Dark Discoveries

かつては工作員を派遣する側だったテゼレットは、今度は自らがボーラスの工作員としてミラディン/Mirrodin新ファイレクシア/New Phyrexia陣営に潜入し、ミラディンにおける戦争を観察しつつもファイレクシアが主導権を握らないように監視する命を受ける。水銀海/Quicksilver Sea知識槽/Knowledge Poolの更に底に奥深く、ミラディンの核/Mirrodin's Coreにてジン=ギタクシアス/Jin-Gitaxiasと出会ったテゼレットは機械の始祖/Father of Machinesとして祀り上げられているカーン/Karnに引見する。

Scars of Mirrodin: The Quest for Karn

テゼレットはファイレクシアの階級の中で己の地位を固めながら、力を得る機会を伺っていた。ついにはボーラスの特使として、ゲス/Gethグリッサ/Glissaと共にカーンの相談役を務めるまでに至ったが、一方でファイレクシアに抵抗するコス/Koth一行にメリーラ/Meliraを引き渡したりなど、抵抗勢力に協力するような素振りも見せていた。抵抗勢力がカーンを解放しようとした時、テゼレットは始祖の座を奪おうとグリッサに戦いを挑む。だが、その決着がどうなったかは定かではない。

失われし告白/The Lost Confession

エルズペス・ティレル/Elspeth Tirelの書簡形式の記事「The Lost Confession/失われし告白」によると、カーンが去った後の新ファイレクシアでは法務官/Praetor同士で支配権を巡って争いが起こり、余所者であるテゼレットは疎まれ始めていたという。新たな機械の始祖を決める場において、法務官達は彼を処刑するだろうと彼女は考えていた。その真下の小部屋でコス/Kothが呪文爆弾を起動した後のテゼレットの運命は、次元渡りによってテーロス/Therosへと退避した彼女には知る由もなかった。

Checking in on the Planeswalkers/プレインズウォーカー達の現状」によるとテゼレットは死んではおらず、ボーラスに呼び戻されて別の世界の別の任務へと送り出されている。

カラデシュ・ブロック

ボーラスの命令を受けてカラデシュ/Kaladeshに侵入し、発明博覧会/Inventors' Fairの審判長の地位に就く。その地位を利用して発明品を押収し、発明家たちを拘束する。ラシュミ/Rashmiの発明した霊気/Aetherを利用する物体転送装置に目を付け、ラシュミに命じて次元橋/Planar Bridgeを作成させる。最終的に改革派/Renegadeとゲートウォッチ/The Gatewatchにより次元橋は破壊されてしまうが、テゼレットは死んでおらず、次元橋の核と一体化し、別の次元へと逃げることに成功している。

  • なお、「マジック・デュエルズ:オリジン」のストーリーモードでは最初に戦場に出ている次元橋/Planar Bridgeをテゼレットが生け贄に捧げ、プレイヤーがコントロールするギデオン・ジュラ/Gideon Juraを破壊しようとすることがあったが、2017年4月26日付で「不具合」として修正されている。この際の公式パッチノートの記述は「いくらテゼレットでも、これはやり過ぎです (That's excessive, even for him.)」であった(参考)。

灯争大戦

ボーラスはプレインズウォーカーをラヴニカに集め、彼らのプレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Sparkを収穫する計画を実行に移した。侵略に用いる永遠衆/Eternalはテゼレットの持つ次元橋によって送り込まれた。

登場

登場カード

カード名に登場

新たなるファイレクシア
テゼレットの計略/Tezzeret's Gambit
カラデシュ
テゼレットの野望/Tezzeret's Ambition
霊気紛争
テゼレットの手法/Tezzeret's Touch
霊気紛争 プレインズウォーカーデッキ
テゼレットの企み/Tezzeret's Betrayalテゼレットの代人/Tezzeret's Simulacrum
基本セット2019 プレインズウォーカーデッキ
テゼレットの門破り/Tezzeret's Gatebreakerテゼレットの徘徊者/Tezzeret's Strider

フレイバー・テキストに登場

アラーラの断片
輝く根本原理/Brilliant Ultimatum塔のガーゴイル/Tower Gargoyle
コンフラックス
軽蔑するエーテリッチ/Scornful Aether-Lich
アラーラ再誕
飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry
ミラディン包囲戦
水銀の噴出/Quicksilver Geyser
新たなるファイレクシア
心理の障壁/Psychic Barrier脊柱の飛行機械/Spined Thopter倦怠の宝珠/Torpor Orb
統率者2013
惰性の呪い/Curse of Inertia
カラデシュ
領事府による拘禁/Captured by the Consulate霊気装置の展示/Servo Exhibition慮外な押収/Confiscation Coupテゼレットの野望/Tezzeret's Ambition宿命の決着/Fateful Showdown気宇壮大/Larger Than Life電招の塔/Dynavolt Tower
霊気紛争
金属の叱責/Metallic Rebuke橋上の戦い/Battle at the Bridgeギラプールの希望/Hope of Ghirapurパラドックス装置/Paradox Engine次元橋/Planar Bridge
霊気紛争 プレインズウォーカーデッキ
鼓舞する咆哮/Inspiring Roarテゼレットの企み/Tezzeret's Betrayalテゼレットの代人/Tezzeret's Simulacrum
基本セット2019
機械と共に/One with the Machine
基本セット2019 プレインズウォーカーデッキ
テゼレットの徘徊者/Tezzeret's Strider
神河:輝ける世界
知識の渇望/Thirst for Knowledge

イラストに登場

From the Vault:Exiled
修繕/Tinker
エルズペスvsテゼレット
知識の渇望/Thirst for Knowledge
アラーラの断片
輝く根本原理/Brilliant Ultimatum
新たなるファイレクシア
テゼレットの計略/Tezzeret's Gambit
カラデシュ
機械医学的召喚/Metallurgic Summoningsテゼレットの野望/Tezzeret's Ambition宿命の決着/Fateful Showdown
霊気紛争
金属の叱責/Metallic Rebuke橋上の戦い/Battle at the Bridgeテゼレットの手法/Tezzeret's Touch
霊気紛争 プレインズウォーカーデッキ
テゼレットの企み/Tezzeret's Betrayal
基本セット2019
機械と共に/One with the Machine
基本セット2019 プレインズウォーカーデッキ
テゼレットの徘徊者/Tezzeret's Strider
神河:輝ける世界
知識の渇望/Thirst for Knowledge魁渡の追跡/Kaito's Pursuit

登場デッキ

デュエルデッキ
プレインズウォーカーデッキ

登場作品

プレインズウォーカー・シリーズ
ミラディンの傷跡ブロック
ラヴニカへの回帰ブロック
テーロス・ブロック
カラデシュ・ブロック
アモンケット・ブロック
イクサラン・ブロック
Magic: The Gathering (BOOM!)
神河:輝ける世界

登場記事

脚注

  1. Lithwalkers: Interview With Magic Artist Aleksi Briclot(StarCityGames.comによるAleksi Briclotへのインタビュー)
  2. Wizards Asks: 4/6/2010(Daily Activity 2010年4月10日 Brady Dommermuth著)
  3. Card of the Day - 2010年3月10日

参考

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