ドライアドの東屋/Dryad Arbor
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〔緑〕 土地 クリーチャー — 森(Forest) ドライアド(Dryad)
(ドライアドの東屋は呪文ではなく、召喚酔いの影響を受け、「(T):(緑)を加える。」を持つ。)
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解説
土地であるため打ち消されることはないが、クリーチャーでもあるため戦場に出したターンは召喚酔いが適用されてしまいマナが出せない。マナ基盤としてはタップインの土地と同等と考えてよい。0マナ1/1と聞くとビートダウンデッキに向くように思えるが、実際は序盤の展開が遅れてしまうカードである。この点、緑マナが出せる1/1クリーチャーとしてラノワールのエルフ/Llanowar Elvesと比較されることもあるが、性質が全く違うことがわかるだろう。
土地兼クリーチャーというとミシュラランドも連想されるが、常時クリーチャーである点が大きく異なる。相手のソーサリー除去を回避できないだけでなく、自分が紅蓮地獄/Pyroclasmのような全体除去を使うと巻き添えになるのがネックである。もちろん土地のスロットでクリーチャーが確保できるのはデッキ構築のうえで便利ではあるのだが、同じ未来予知内に変異でクリーチャーになれる生けるものの洞窟/Zoetic Cavernがいるうえ、周辺の第10版やモーニングタイドに優秀なミシュラランドが収録されているため、その用途で採用されることは少ない。
このカードの強みはなんと言っても、戦場以外でも「森」でも「緑のクリーチャー」でもある、ということ。森をサーチするカード(特にフェッチランド)でお手軽に戦場や手札にクリーチャーを供給できるので、緑クリーチャー・カードが必要なコンボデッキでサーチしやすいパーツとして採用されたり、また逆に霊気の薬瓶/Aether Vialや緑の太陽の頂点/Green Sun's Zenithなどのクリーチャーを戦場に出すカードで土地を出せるので、それらを採用したデッキのマナ加速要員として採用されたりする。
シナジーやコンボによって強くなるため、カードプールの広いフォーマットでこそ活躍できるカード。逆に言えば狭いフォーマットではいまいちであり、事実スタンダードではほとんど活躍しないままローテーションで退場した。ごく稀にセレズニア対立でヤヴィマヤのドライアド/Yavimaya Dryadなどでサーチすることを前提に採用されることがあったが、マナ基盤の安定を第一とするデッキとは少々噛み合わず、主流にはならなかった。
ヴィンテージやレガシーでは、自然の秩序/Natural Orderの餌役や緑の太陽の頂点でのマナ加速役としてよく採用される。またドレッジでも、マナを必要とせず虚空の杯/Chalice of the Voidなどにも妨害されずに戦場に出せるため戦慄の復活/Dread Returnのフラッシュバック・コストにしやすく、また墓地に落ちたなら壌土からの生命/Life from the Loamで回収するもよし灰燼のグール/Ashen Ghoulや冥界の影/Nether Shadowのために墓地に残るもよしで使い道が多く、相性が非常に良い。
モダンにおいても緑の太陽の頂点が禁止カードに指定される以前はよくセットで採用されていた。禁止以降も、対布告除去用の避雷針として緑白呪禁に採用されるなど、独自の活躍を続けている。
- 複数の珍しい記録の所持者。初の「土地・クリーチャー」であり、初の「最初から色が付いている土地」であり、また初の「パワーが1以上ある0マナのクリーチャー」でもある。
- なお、パワーが1以上ある0マナのクリーチャーは、後にメムナイト/Memniteも登場している。
- 「召喚酔い」はルール用語でなく俗語であるが、ウルザズ・レガシー以来久々にカードの文章欄(注釈文)に印刷されることとなった。
- クウィリーオン・レインジャー/Quirion Rangerと組み合わせれば半永久的にチャンプブロックが可能。また墓地に落ちやすい基本でない土地の例に漏れず、世界のるつぼ/Crucible of Worldsや壌土からの生命/Life from the Loamで使い回せる。
- このカードを戦場に出したとき、机の上で土地の列に置くかクリーチャーの列に置くか迷いそうなところである。後述の通りウィザーズ社としては、クリーチャーの列に置くほうが望ましいと判断しているようである。
- 破綻/Bustなどが唱えられたとき、クリーチャーの列に置いていたがためにこれを破壊するのを忘れないように。逆に土地の列に置いていて滅び/Damnationなどが唱えられた場合も同様。
- From the Vault:Realmsに通常の新枠、新規イラストで収録。
- 「ドライアドの東屋は緑である。」は色指標に、注釈文やフレイバー・テキストは省かれ、非常にシンプルなデザインとなった。しかしシンプルすぎて一見普通の森/Forestとほとんど差がないため、見間違いにはくれぐれも注意したい。
- 実際にグランプリリヨン18ではGabriel Nassifが存在に気付かず、攻撃に出した炎刃の達人/Flameblade Adeptがブロックされてしまいラウンドを落としている[1]。
- イラスト内でも、ただの森だと思いこんでドライアドの目に気づかず密会をするカップルが描かれている。中央やや右側に注目。
- もっとも、Arborは「木陰(の休憩所)」が原義であり、ドライアドが見守ってくれるから安心して密会できる場所として描かれている可能性もある。
- 「ドライアドの東屋は緑である。」は色指標に、注釈文やフレイバー・テキストは省かれ、非常にシンプルなデザインとなった。しかしシンプルすぎて一見普通の森/Forestとほとんど差がないため、見間違いにはくれぐれも注意したい。
ルール
- このカードは土地としてプレイする。注釈文にもある通り、クリーチャー・呪文として唱えることはできない(CR:305.9)。
- 例えばこのカードがライブラリーの一番上にあるとき、ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Dayaの能力でプレイすることはできるが、ガラクの大軍/Garruk's Hordeではプレイする(唱える)ことはできない。
- ただし唱える以外の方法でクリーチャーとして戦場に出すことはできる。例えばドルイドの誓い/Oath of Druidsや変身/Polymorphで公開されれば、クリーチャー・カードであるため条件を満たすので、戦場に出すことになる。
- 封じ込める僧侶/Containment Priestが出ている場合や神聖なる月光/Hallowed Moonlightの効果が適用される場合、たとえメイン・フェイズにこのカードをプレイしたとしても、唱えずにクリーチャーを戦場に出したため、追放される。
- 注釈文にある「(T):(緑)を加える。」という能力は、CR:305.6の「基本土地タイプを持つオブジェクトは対応するマナ能力を持つ」によるものである。
- ドライアドの東屋はバニラクリーチャーでないことにも注意。
- 即時換装/Swift Reconfigurationなどで土地のカード・タイプを失った場合、従属するサブタイプである土地タイプ(森)を失うため(CR:205.3d)、「(T):(緑)を加える。」という能力も失われる。
- 血染めの月/Blood Moonの影響を受ける場合、土地タイプ(森)は上書きされるが、クリーチャー・タイプ(ドライアド)やカード・タイプ(土地・クリーチャー)や色指標は変化しない。ドライアドの東屋は緑の1/1の「土地・クリーチャー ― 山・ドライアド」になり、マナ能力は緑マナでなく赤マナを生む。
- ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfirなどでドライアドの東屋が瞬速を得た場合、それはスタックが空でない時にもプレイできるが、土地のプレイに関する制限は無視できない。各ターンにプレイできる枚数以上はプレイできないし(CR:305.2b)、自分のターン以外にはプレイできない(CR:305.3)。
- これはマナ・コストの無いカードである。存在しないマナ・コストは支払えない。
- マナ・コストのないカードに対して他のコストがマナ・コストと同じ値に設定される場合、そのコストは存在しないため、支払うことができない。
- 墓地のこれが死の波のアラウミ/Araumi of the Dead Tideで再演を得ても、再演コストが存在せず支払えないため、再演を起動できない。
- ルール適用度が競技またはプロで行われているゲームにおいては、クリーチャーでも土地でもあるパーマネントは、土地でないカードを置くエリアに置かなければならない(MTR 4.7)。
関連カード
- 森林の目覚め/Awaken the Woods(兄弟戦争)
- ティタニアの杖/Staff of Titania(兄弟戦争統率者デッキ)
- モアグの古き者、ジョティ/Jyoti, Moag Ancient(モダンホライゾン3統率者デッキ)
脚注
- ↑ Grand Prix Lyon 2018 (Modern) Round 6 - Twitch 戦闘は14分15秒付近から