セラの天使/Serra Angel

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2016年11月26日 (土) 04:05時点におけるStaunton (トーク | 投稿記録)による版
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Serra Angel / セラの天使 (3)(白)(白)
クリーチャー — 天使(Angel)

飛行、警戒

4/4

飛行警戒を持った大型クリーチャーマジック:ザ・ギャザリング初の天使であり、マジックを象徴する顔となるカードの1つ。

回避能力の飛行を備え、警戒を生かすのに十分な4/4というサイズがあるため、攻防に活躍できる。アルファ時代から同期であり、飛行のである大気の精霊/Air Elementalと比べて、明らかに優れている。

利用

マジック初期には白のフィニッシャーとしてもてはやされ、グッドスタッフ的なThe Deckセラマゲドン戦略などで結果を残した。アンコモンであり比較的集めやすかったのも魅力の1つだった。

第4版を最後に一時基本セットから退場するが第7版からレアとして復活。ただし、そのころにはさらにコスト・パフォーマンスが良いクリーチャーが生まれており、採用される頻度は減っていた。第7版期には火炎舌のカヴー/Flametongue Kavuがいたことも悪条件であった。その後も、賛美されし天使/Exalted Angel正義の命令/Decree of Justiceの登場により、白コントロールなどのフィニッシャーとしてもほとんど使われなかった。

基本セット2010では、よりカードパワーの上回る悪斬の天使/Baneslayer Angelが同時収録され、それ以降の再録時にも周囲には使い勝手の良いパワーカードがひしめいており、構築での出番はほぼ失っている。一方、稀少度が元のアンコモンに戻ったので、リミテッドにおいてはトップ・アンコモンの一枚として活躍した(→Defusing Bombs参照)。これらはデザイン・チームの考えによる調整であった(→Magic 2010, the New Player, and You参照)。しかし基本セット2015マジック・オリジンでは番外カードとしての収録に留まり、リミテッドでの活躍の機会を失った。代わりに、白のアンコモンにはその基本セットにおけるテーマに沿った天使である衆生の熾天使/Seraph of the Masses(基本セット2015)や勇者の守護神/Patron of the Valiant(マジック・オリジン)が収録されている。

開発秘話

セラの天使開発にはいくつかの逸話がある。

女性の戦天使
セラの天使が女性の姿なのには訳がある。聖書における天使は性別がないとされるものの男性名がつけられていることから、典型的な戦天使は男性イメージであった。しかし、リチャード・ガーフィールドは既成イメージと異なる女性的な戦う天使を望んだため、マジック初のセットであるアルファにセラの天使が誕生することになった。北欧神話のヴァルキリーのような女性戦士の影響もあったとされる。(→Que Serra, Serra参照)
プレイテストカード
開発初期は単に「Angel」と名付けられ、テストカードではコミック「Xメン」のスーパーヒーローの1人、エンジェルのイラスト切抜きを代用した。この時点ですでにマナ・コストが3WW、サイズは4/4、空を飛び、攻撃時にタップしない(not tapped on the attack)能力を備えていた(→テストカード画像のある記事。マナ・コストに5WWと記載されているがこれは製品版の3WWと同じ意味を持つ)。
「セラ」という名前
リチャード・ガーフィールドは当初、タフな女戦士のイメージを強めるため、イラストでは「serrated sword(鋸状の、ギザギザの剣)」を持たせることを思い描いた。カード名に含まれる「セラ/Serra」とは、この"serrated"に由来する命名である。この名前の由来は、雑誌や公式サイトなどで繰り返し語られている有名な話である。
製品版では「ギザギザの剣」を持っていないが、Douglas ShulerDuelist誌14号の記事Serra Angelにおいて、イラストを指定されたときには単に「Angel」と呼ばれていただけで「ギザギザの剣」に関する部分は後から聞かされたと語っている。
また、セラの天使を「セラ」と略して呼ぶことは定着している。ホームランドでセラがプレインズウォーカー/Planeswalkerの名前と設定された後でも使い分けられており、基本セット2010現在の公式記事でも「Serra = セラの天使」は珍しくはない。

基本セット収録とカードパワー、人気

セラの天使はアルファから第4版まで基本セットの常連であった。高いカードパワーも相まって人気が高いキャラクターであり、マジックを象徴するカードとしてイラストを用いた関連商品やフィギュアが発売されたり、公式記事でも話題が取り上げられ、Rebecca Guayのイラストによるコミック版セラの天使の発刊を始めとして、掌編などにも度々登場した。ホームランドでは、この天使の創造主であるセラ/Serraが設定された。

しかし人気があったものの、第5版ではカードパワーが問題として取り上げられることになり、「白の能力としてはあまりにも低コスト」「深刻なデザイン上の制約とプレイバランスの問題を発生させる」という理由で収録されなかった(Taming the Flames(Duelist誌17号の記事))。第5版のカードリストを発表した際には、ウィザーズ社に対して猛烈な反発の声が寄せられ、多くのプレイヤーがセラの天使不在を受け入れられなかったという(→Que Serra, Serra参照)。

Duelist誌25号では、第5版でセラの天使たちに何が起きたのか、と質問され、彼女たちは今でもどこかで悪党を懲らしめていると回答があった。ウルザ・ブロックでは、設定上のセラの天使が複数カード化あるいはイラストに登場し、故郷であるセラの領土/Serra's Realmが物語の舞台のひとつとして大きくクローズアップされた。

セラの天使の退場を惜しいと考えていたマジックのブランド部門は、第7版開発時にR&Dに対して復活を強く要望した。R&Dは初めは躊躇したものの、その頃の環境の見直しを行った上で、カードパワーの問題はすでにないとして再録を決定。基本セット常連に再び返り咲いた。(→Que Serra, Serra参照)

第7版の広告では新規イラストに「彼女が帰ってくる。」のキャッチコピーが打たれ大きく宣伝された。この件について朱鷺田祐介デュエリスト・ジャパンVol.14に『帰還せし「彼女」~天使の伝説』を寄稿して解説を行っている(ただし、解説には「セラは地名」など誤情報が含まれる)。

その後、最後の基本セットとなるマジック・オリジンまで一度も欠ける事なく収録され続けた事により15もの基本セットに収録されたことになり、皆勤賞最長記録の大蜘蛛/Giant Spider(14回収録)を抜き去って、基本セット最多収録カードとなった。オリジンを最後に基本セットは廃止となったが、ウェルカム・デッキ限定カードに収録されたことにより、精神腐敗/Mind Rotと並び、基本土地を除いて最も長くスタンダードに現存しているカードとなっている。

2009年の日本においては、スクウェア・エニックスのATCG(アーケードトレーディングカードゲーム)『ロードオブヴァーミリオンII』に使い魔カードとしてゲスト参戦した。特殊技名は天使の慈悲

関連カード

ストーリー

詳細はセラの天使/Serra Angel (ストーリー)を参照。

その他

参考

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