ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought
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12/12でトランプルを持つ非常に巨大なアーティファクト・クリーチャー。マナ・コストは1マナと非常に軽いが相当数のクリーチャーを引き換えとするので普通の手段では使いにくい。大抵はコンボで利用される。(→#利用と実績、#主な活用手段・デッキ参照)
- Magic Onlineでのミラージュのリリースに伴う2005年9月のオラクル更新でドレッドノートのクリーチャー・タイプを獲得した。アヴァシンの帰還現在、これ専用のクリーチャー・タイプである。
- レギオンでクローサの雲掻き獣/Krosan Cloudscraperが出るまでは、登場以来長らく、マジックで最大のパワーとタフネスを誇るクリーチャーだった。
利用と実績
戦場に出しても膨大な生け贄を捧げない限り墓地へと直行してしまうため、通常の戦闘要員としてはまず扱えない(それだけのクリーチャーがいるのであれば、それらで殴れば済む)。苦労して戦場に残らせても除去耐性を持たないのがネックで制圧力は初見の印象ほど高くはない。登場当初は見かけ倒しのカスレア的存在とされていた。
しかし、エクソダスで伏魔殿/Pandemoniumが登場したことにより評価が一変。他のクリーチャーを生け贄に捧げなくてもとりあえず「戦場に出る」ことで伏魔殿の誘発が可能であるため、わずか1マナで12点火力を飛ばすコンボが成立する。これを軸にしたパンデモノートというデッキが生まれ、アジア太平洋選手権98で準優勝を果たすまでに至った。その強さゆえにエラッタが出され、2007年7月に撤回されるまでの長い間このコンボは封じられていた(詳しくは#エラッタ参照)。
第6版ルール施行後には、これが戦場に出た後幻視の魔除け/Vision Charmなどでフェイズ・アウトさせるというコンボも生まれた。フェイズ・アウトしてしまえば、これ自身を生け贄に捧げることを無視できるためである。また、もみ消し/StifleなどでCIP能力を打ち消してもよい。これらの方法でCIP能力を踏み倒すデッキはスタイフルノートと呼ばれている。これらのコンボも、前述のエラッタにより長い間封じられていた。
その他の利用法としては、強化呪文や歩く火力などの一時的なパワー増大を生け贄にする、自然の反乱/Nature's Revoltでクリーチャー化した土地を生け贄にする、などが挙げられる。後者の方法で、ペンドレルリボルトにおいて、相手がロックから抜け出す前に決着をつけるフィニッシャーとなった実績がある。
主な活用手段・デッキ
- 伏魔殿/Pandemoniumで対戦相手にダメージ。→パンデモノート
- もみ消し/StifleでCIP能力打ち消し。または幻視の魔除け/Vision Charmでフェイズ・アウト。→スタイフルノート・ドレッドスティル
- Illusionary Maskで裏向きにして戦場に出す。→マスク・ドレッド
- 墓地送りにし、高パワーを活かして縫合グール/Sutured Ghoulのエサに。
- 苔汁の橋/Mosswort Bridgeの条件を容易に満たす。→Show and Tell
エラッタ
前述のように、パンデモノートのコンボがあまりにも簡単に決まってしまうことから1999年7月にエラッタが適用され、戦場に出る前に生け贄に捧げるようになった。その時のルール文章は以下の通り。
旧オラクル
ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought (1)アーティファクト クリーチャー
トランプル
ファイレクシアン・ドレッドノートが場に出るとき、代わりにパワーの合計が12以上になるような、任意の数のクリーチャーを生け贄に捧げる。生け贄に捧げた場合、ファイレクシアン・ドレッドノートを場に出す。生け贄に捧げなかった場合、ファイレクシアン・ドレッドノートをそのオーナーの墓地に置く。
このテキストであっても、Illusionary Maskを使って戦場に出す場合はクリーチャーを生け贄に捧げる必要が無い。そのため、レガシーでIllusionary Maskは禁止カードに指定され、ヴィンテージにおいては、このシナジーを前提として使用され続けていた実績がある(→マスク・ドレッド)。
その後、2007年7月のオラクル更新により、元々のテキストに戻った。これによりパンデモノートコンボが再び可能になった。
イラスト
イラストではほとんど判別がつかないが、ファイレクシアン・ドレッドノートに立ち向かう人物が右下に描かれている。これがどれだけでかいのかがよく分かる(→拡大されたイラスト)。
- しかしB.F.M.と比べたらイモ虫同然である(B.F.M.のイラストでは右角に引っかかっている)。上には上がいる。
Duelist誌13号の記事によると、ファイレクシア風の外見が好みだというピート・ヴェンタースは、「ファイレクシアの化け物はねじくれた非人間的な美的感覚の産物で、それはH.R.ギーガーの生化学的作風を思わせるものだが、錆付いた歯車やギア、ピストンのおかげでスチームパンクの雰囲気も漂わせている。だからファイレクシア生物は奇怪な部分の集合体だ。」とした上で、ドレッドノートは大半を普通とあべこべの向きに描くようにしたと語る。また、右下隅の人物は巨大感を示すために加えたもので、その正体はプレインズウォーカー/Planeswalkerのテイザー/Taysirである。彼はドレッドノートを近寄らせまいとしている。
ストーリー
ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnoughtは途轍もなく巨大でムカデのように長いファイレクシア/Phyrexiaの機械生物(イラスト)。上述の通り、カードイラストの右下隅の人物はプレインズウォーカー/Planeswalkerのテイザー/Taysirである。
4205AR、ファイレクシアに攻め込んだテイザーらナイン・タイタンズは第二球層においてこのドレッドノートに遭遇している。また、同第二球層でクリスティナ/Kristinaを襲ったthe thousand-legged giant millipede(千本足の巨大ヤスデ)の描写はドレッドノートによく似ている。
登場作品
- Planeshift(小説)
参考
- Art Close-Up: Phyrexian Dreadnought (拡大されたイラスト。WotC, 英語)
- ファイレクシア/Phyrexia(背景世界/ストーリー用語)
- 再録禁止カード一覧(再録禁止カード)
- カード個別評価:ミラージュ - レア