クリスティナ/Kristina

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クリスティナ/Kristinaはアメコミ初出のキャラクター。コミック版アイスエイジホームランドに登場した他、Wayfarerシリーズではメイン・ヒロインの大役を果たし、更にPCゲームBattlemageではプレイヤー用キャラの1人として活躍した。インベイジョン・ブロックのストーリーに再登場した際はナイン・タイタンズ/Nine Titansに参加している。

目次

[編集] 解説

ドミナリア/Dominariaコロンドール/Corondor出身の人間/Human女性のプレインズウォーカー/Planeswalker。コロンドールの北西部にあるクリスティナの森/Kristina's Woodsに住み、人々からは「森のクリスティナ/Kristina of the Woods」と呼ばれる。-5000AR~0AR誕生、4205AR没。

[編集] 性格

情に厚く、大地の様に逞しく、賢明な人物。自然と一体の存在とも不老ともいわれ、全ての生命を慈しみ卑劣な敵と戦う。あるいは、無駄な争いを避け、平和的解決法を常に模索する理知的な面もあり、虚月の頂上会議ミノラッドへのラヴィデル襲撃では率先してリーダーシップを発揮し、周囲に短慮を戒め協同を呼びかけている。

[編集] 容姿

クリスティナは自然に生きるドルイドシャーマン魔道士、賢者・巫女、あるいは森の貴婦人といった風格をもつ女性。

髪は黒または薄く青味がかった黒で緩やかなウェーブがかかって背中まで伸び、耳の前辺りで一房か二房だけ細く編んでいる。瞳は黒または水色、温和な表情の端正な顔立ちで、頬のそばかすが印象的。濃緑色や若草色の丈の長いドレスを好む。襟口や袖などは山吹色や茶色の場合もあるが、ドレスは総じて簡素なもの。胸元に宝石付きの装飾品をあしらっていることも。両足とも裸足で、右足首には細い紐あるいは帯を輪にして巻いている。

Battlemageのイラストでは髪が明るい茶色で描かれているものもある。

インベイジョン・ブロック登場時に外見は一新、真っ黒に日焼けした肌で、長い茶色の髪をビーズでまとめている(ただし、同じくデザイン変更されたフレイアリーズ、テヴェシュ・ザットとは異なり、カードのイラストには登場していない)。

[編集] 恋人

クリスティナはとても魅力的な女性で恋愛絡みの逸話が多い。彼女に心を奪われた男性には以下の3人がいて、いずれも強大な力を有するプレインズウォーカーである。

テイザー
テイザー/Taysirラバイア/Rabiah出身の賢者。プレインズウォーカーの中でも最強の一人。
氷河期にはクリスティナはテイザーとコンビを組んで行動。クリスティナのマナ加速からテイザーの呪文へ繋ぐ、など息の合った連係を見せる。
クリスティナのテイザーに対する愛情に比べ、テイザーのそれは激しく盲目的。更に、故郷から追放されたテイザーを帰還させる能力もつ唯一の人物がクリスティナであることも加わり、テイザーの愛情は偏執的な色合いを帯びていく。
クリスティナは別離後もテイザーを賢い方、賢人と尊敬している。テイザーの思い出を振り返るクリスティナはどこか悲しげである。
4205ARに再会したときには、二人とも落ち着いて昔を懐かしむ親友同士といった関係である。
サンドルー
サンドルー/Sandruuウルグローサ/Ulgrotha出身のミノタウルス/Minotaurのプレインズウォーカー。気高く、決して諦めない男性。
ジャレッド
ジャレッド・カルサリオン/Jared Carthalionはクリスティナの弟子の若者。後にプレインズウォーカーとなる。

[編集] 仲間

クリスティナに友好的な者はコロンドールの様々な動物や人(クリスティナの森の動物やその近くに住む者、ミノラッドの賢人、クウィリーオン・エルフ/Quirion Elvesなど)を初め、プレインズウォーカーにもいる。

ダリア
テイザーの養女ダリア/Dariaはクリスティナにとっても大切な存在である。クリスティナとテイザー親子、一緒に並んだ三人はまるで本当の家族のように見える。
フレイアリーズ
フレイアリーズ/Freyaliseは友人。フレイアリーズの世界呪文/Freyalise's World Spellに協力した他、ファイレクシア侵攻戦争ではときに一緒に行動してもいる。
ミノラッドの後援者
ミノラッドを後援するプレインズウォーカーたちは仲間。しかし、ラヴィデルの襲撃以来その関係は変化している。Liana(リオナ)やGrenfell(グレンフェル)からは憎まれているが、Altair(アルテア)はラヴィデル打倒に力を貸した。

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Ravidel
Ravidel(ラヴィデル)は仇敵である。Summit of the Null Moon(虚月の頂上会談)で殺害されたラヴィデルを慈悲の心から蘇生/Resurrectionしたのはクリスティナだが、人生に絶望したラヴィデルはそれを逆恨みし、クリスティナへの復讐を企てるようになった。例えば、ミノラッドの平和を乱し、クリスティナを森に閉じ込め恋人サンドルーを奪いPlaneswalker War(プレインズウォーカー戦争)を仕組んでいる
戦争勃発直前、クリスティナはラヴィデルから、自分はテイザーの弟子であり全て師の計画によるもの、と明かされる。実際のテイザーの関与の度合いは不明だが、クリスティナの心は揺れる。
テヴェシュ・ザット
テヴェシュ・ザット/Tevesh Szatは宿敵。氷河期やプレインズウォーカー戦争で敵同士になるが、ナイン・タイタンズの仲間となったため一時休戦。だが、ファイレクシア/Phyrexia第二球層において、クリスティナは誤射を装ったザットの攻撃で殺されてしまう。
レシュラック
レシュラック/Leshracとは氷河期に戦っていて、クリスティナはレシュラックが使役する、ルエル/Rhuell兄弟の命を奪っている。その1世紀後の頂上会議でも戦うが、クリスティナはテイザーとのコンビで倒している。プレインズウォーカー戦争でも敵対関係となる。

[編集] 実力

その力は世界中の緑と同じくらい広大で、プレインズウォーカー同士の決闘で敗北することはまれであり、最強と称された絶頂期のテイザーですら目を見張る強大なパワーを秘めている。

実際、卑怯な不意打ち攻撃を受けて体勢を崩すことは度々あったが、そのまま打ち負かされることはなく逆転勝利を収めるのが常である(対レシュラック戦、グレンフェル戦千本足の巨大ヤスデ戦)。しかし、ラヴィデルにテイザーとの思い出の品を見せられた時だけは、動揺した隙を突かれて立ち上がることも次元移動(planeswalk)することもできないほどの深手を負ってしまう。この時ばかりは仲間の助けがなければ敗北必至だった。

実力者とはいえ攻撃的ではない性格も災いしてか、上述のように敵に先制されることが多く、専用タイタン・エンジンが破壊された時やクリスティナ自身の最期の時も、その原因は思いがけない不意の攻撃によってである。

[編集] 魔法能力

森と関係の深いクリスティナはの魔術に長けている。

クリスティナの嵐の運び手/Storm Seekerは必殺の威力だが、平和的な解決を好む彼女はむしろ、Subdueで相手を無力化したり、マナ生産を阻害するRitual of Subdualで時間稼ぎを行って問題解決の道を探ることを選ぶ。

その他、平穏/Tranquilityエンチャント破壊蘇生/Resurrectionで死者復活を行っている。燃える森林に雨を降らして火事を防ぎ、津波/Tsunamiのプレインズウォーカーの力を削ぐ、など水を操作。Mist of Aboria(アボリアの霧)[1]に呼びかけて味方を守ったり、敵の姿を宙に映し出したりも可能。魚の肝の油/Fishliver Oilの瓶も携えている。

[編集] タイタン・エンジン

タイタン・スーツ/Titan suitsとも呼ばれるタイタン・エンジン/Titan Engineはナイン・タイタンズが搭乗するロボット兵器。操縦者の特性を反映した造りで、9機とも違った形態をしている。

クリスティナ専用機は力の強い重量級タイプで跳躍力もある。クリスティナは爪先パーツを呪文で鋭利に変形して突き刺し、腕部の指や全体の装甲・パワーも強化すると、ファイレクシアの巨大ヤスデを真っ二つに切断する。この機体はファイレクシア第二球層の戦闘で破壊されている。

[編集] 経歴

クリスティナは伝説の時代(-5000AR~0AR)[2]に誕生した(正確な年代は不明)。サーペイディア五帝国の没落を嘆き、暗黒時代には勇敢に立ち向かった。

[編集] アイスエイジ

シャード/The Shardがドミナリアと他の11次元を完全に隔離する少し前(600AR以前)、クリスティナはコロンドールで旅行者テイザーと出会う。学者風のこのラバイア人に気に入られ、故郷へと招待される。しかし、二人がラバイアへ出発しようとした時にはすでにシャードが完成した後、二人はシャード12次元の囚われ人になり、氷河期が終わるまでコンビを組むことにするのだった。

クリスティナとテイザーは何世紀も12の次元を探検。協力して困難に立ち向かい、敵性プレインズウォーカーを退け、シャードを破壊する糸口を探す傍ら、氷河期を生き残ろうともがく諸文明に援助を行っている。そうして次第に二人は偉大な英雄と認められていった。

2934AR、二人はFaralyn(ファラリン)の呼びかけに応え、Summit of the Null Moon(虚月の頂上会談)に出席する。クリスティナはシャード破壊には呪文の組み合わせが重要と提案し、それが世界呪文を編み出すヒントになる。会議場で出席者同士の戦いが始まると、二人は協力してレシュラックを倒す。ファラリンの真意を看破したクリスティナだがシャンダラー/Shandalarへと追跡するよりも、会議の犠牲となったラヴィデルを生き返らせることを選んだ。

その29日後、世界呪文の儀式の場に立会い、氷河期の終わりを見届ける。

シャードが崩壊後、クリスティナはテイザーから結婚の申し入れをされ、求婚の鏡を贈られる。だが、クリスティナはラバイアへ着いたが最後、二度と帰れぬ片道旅と知ってためらい、テイザーの伴侶として残りの人生をラバイアで暮らす決心はつかなかった。傷心のテイザーはクリスティナの前から姿を消し、二人の仲は破局を迎えた。

[編集] ミノラッド

氷河期が終焉を迎え、理想国家建設を志すドミナリア各地の賢人がコロンドールに結集した。その都市がミノラッド/Minoradであり、クリスティナはその後援プレインズウォーカーの一人に数えられた。

輝かしい新時代の幕開け第一年目となるはずだった日[3]。ラヴィデルがこの都市を襲い、氷河期の元凶Sylex of Argive(アルガイヴの酒杯)を盾に要求を突きつけてくる。この緊急事態にクリスティナは代表として交渉を行い、ラヴィデルとの相互不干渉の和平協定を結ぶ。賢人たちの平和は守られたが、その代償にクリスティナは自分の森に隠れて暮らすことになった。

[編集] ホームランド

ウルグローサ/Ulgrothaの暦で第19~20世代期(3560~3580AR頃)、何世紀も森で隠遁生活を送るクリスティナは別次元の来訪者サンドルーと出会い恋に落ちる。ラヴィデルはそれをテイザーに告げ口し、嫉妬に狂ったテイザーによってサンドルーは遥か彼方の次元へ追放されてしまう。このサンドルー失踪の真相をクリスティナは知らないが、多元宇宙のどこかで無事でいることを願っている。

  • 後年、クリスティナは自分の森に住むライオンに恋人サンドルーの名を付けていて、時にそのライオン相手に胸の内を独りごちている。

[編集] A Need for Monsters

それから数世紀が経ったミノラッド賢人暦1281年晩冬(年の初め)、Hamath(ハマス)の町でひと悶着起こしていたジャレッド・カルサリオン/Jared CarthalionSubdueの呪文で屈服させ、森へ連れ帰る。その際にハマスの指導者Kadesha(カデシャ)やその客人Élan D'Avenant(エラン・ダヴナント)の心証を害してしまい、クリスティナとジャレッドはエランに追われることになった。クリスティナはジャレッドを弟子に迎え入れ、魔法の手解きをすると同時に、若者のプレインズウォーカーとしての潜在能力を試すこととする。

[編集] Forces of Nature

同年春、56年振りに訪れたWhite Woods of Casindral(カシンドラルの白き森)の中心部でジャレッドを修行中、クウィリーオン・エルフの対立する派閥の争いに遭遇。そこには、森を荒廃させる戦いをじっとのぞき見る、偉大なる森の精大地の怒り/Force of Natureの姿もあった。派閥の一派Calthynの客となったクリスティナとジャレッドは三日後、大地の怒りの荒ぶる心を鎮め、ラヴィデル生存の情報を授かる。大地の怒りが言うには、ラヴィデルは完全復活に必要な、リオナのモックス/Moxを狙っているのだ。ジャレッドは友人の危機を救い、仇敵と決着をつけるためミノラッドへ急ぐ。

[編集] Patterns in Chaos

同年晩夏、途中で仲間にシヴのドラゴン/Shivan Dragonを加えた二人は、ラヴィデルの手で崩壊したミノラッドに到着。一方的な協定破棄を知ったクリスティナは、それまで使用を控えていたプレインズウォーカー能力の禁を解き、一気にラヴィデルとリオナの決闘場へと次元移動する。旧友リオナに加勢して打開案を探るも、アルガイヴの酒杯を握るラヴィデルには迂闊に手を出せない。リオナは二人にモックスを託すと、自らの命を犠牲にしてラヴィデルを足止めするのだった。

[編集] Lovers & Comrades

同年秋、ジャレッド16歳の誕生日、クリスティナ一行はアルガイヴの酒杯を破壊する手段を求めて、コロンドール本島とIsle of Corundis(コランディス島)を結ぶTelemar, the Bridge City(橋の都テレマー)にやって来る(ドラゴンはここで離脱)。その都には、ジャレッドの祖父であり、クリスティナのかつての同志でもあったグレンフェルが、娘を失った悲しみに沈んだまま暮らしていた。グレンフェルは非協力的で、二人の命を脅かしすらしたが、クリスティナに打ち負かされる。一方、ジャレッドは海底での魔力を秘めた剣を入手。その夜二人は床を共にし、弟子はクリスティナの新しい恋人になった。

[編集] Dark Eminence

同年初冬、新たにアルテアとその主人、夢魔/NightmareCaliphear(カリフィアー)が合流した一行は、Khone Keep(コーン砦)でコーン家当主に協力を仰ぐ。交渉は徒労に終わりDueling Chasm of Golthonor(ゴルソノア決闘峡谷)に次元移動する一行。クリスティナは一旦自分の森に戻るが、その間に峡谷では仲間たちとラヴィデルとの決戦が始まってしまう。遅れてクリスティナが参戦するも嵐の運び手をラヴィデルの鏡で反射されて自爆、モックスはラヴィデルの手に落ち、Mox Beaconとなって光が放たれた。

  • こうして、Mox Beaconに引き寄せられてきたプレインズウォーカー同士の戦争「プレインズウォーカー戦争」が開戦となるがコミックスは未出版に終わったため、公式にそのストーリーの詳細は公開されてはいない。

[編集] インベイジョン

4205AR、フレイアリーズの推薦によりParcher(パーチャー)に代わってナイン・タイタンズに参入する。そこには旧知の仲のテイザー親子や因縁のあるテヴェシュ・ザットの姿があった。

仲間のタイタンたちと専用のタイタン・エンジンに搭乗してコイロス/Koilosで戦った後、クリスティナとフレイアリーズは鉄葉戦士の代表者(the head of the Steel Leef warriors)ラノワール/Llanowarの諸問題を話し合う。

[編集] プレーンシフト

9人のタイタンはファイレクシア内部に直接攻撃を仕掛ける。

クリスティナは、第二球層でthe thousand-legged giant millipede(千本足の巨大ヤスデ)と格闘戦を行い、真っ二つに引き裂く。だが、巨大ヤスデはすぐさま切断面を新たな口へと再生させて噛みつき、クリスティナのタイタン・エンジンをスクラップに変える。操縦席から次元移動で脱出したクリスティナはヤスデの半身を生身のまま瞬殺するが、そこにテヴェシュ・ザットのブレス攻撃。クリスティナの肉体は一瞬の内に塵一つ残さず燃え尽きた。不死身に近いプレインズウォーカーと言えども、力の源である思考能力を完全に破壊されてしまっては、新たな肉体での復活は不可能。これがクリスティナの最期である。

どさくさに紛れて仇敵を始末したテヴェシュ・ザットは、詰め寄るテイザーに対して攻撃の射線上に出てくるのが悪いと開き直る。そして、この悪魔は次の狙いをテイザーの娘ダリアに定めるのだった。

[編集] 登場

[編集] イラストに登場

団結のドミナリア
ウルザ、タイタンズを組織する/Urza Assembles the Titans(左から3番目)

[編集] 登場作品

[編集] 脚注

  1. 攻撃を抑制する効果から「Aboria」は「アルボリア/Arboria」の誤記の可能性がある
  2. The Story of the Battlemage Ravidelで「a time of legends」と記載され、The Art of Magic: the Gathering Dominariaにおいてこの時代が正史で定義された
  3. Lovers & Comradesより。この表現は必ずしもミノラッド賢人歴元年とは言い切れない

[編集] 参考

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