バーン
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− | + | 火力を中心とするため、[[クリーチャー]]などと違い対応策が少ないことが最大の利点である。クリーチャーは[[ブロック (ルール用語)|ブロック]]や[[攻撃制限]]、[[除去]]など対応策が豊富であるが、火力は軽減、[[打ち消す|打ち消し]]、[[手札破壊]]や[[土地破壊]]などによる[[唱える]]ことの阻害以外では対応がしにくい。なお、この火力の対応策はクリーチャーにも使えるため、それだけ火力の“通りやすさ”がわかると思われる。 | |
− | + | また、[[召喚酔い]]がないことや、同[[コスト]]のクリーチャーの[[パワー]]よりダメージが大きいことによるスピードも大きな利点である。そのため、クリーチャーでも[[ボール・ライトニング/Ball Lightning]]のような、いわゆる[[歩く火力]]は使われる場合もある。 | |
− | + | ただし、一点突破主義的なデッキのためにいろいろな対策カード1枚であっさり完封されてしまうなどといった欠点も併せ持つ。また序盤を凌がれると息切れしやすいため、何らかの[[アドバンテージ]]源を搭載することもしばしば。 | |
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+ | 様々な欠点を持つが、[[メタる|メタら]]れなければそれなりに強い。黎明期より存在しており、[[白ウィニー]]などと同じく愛好者は多い。 | ||
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+ | *ある程度バーン要素が強めの[[ビートダウン (デッキ)|ビートダウンデッキ]]であってもバーンの一種とみなされる場合もある。区別のために、歩く火力以外のクリーチャーを使用しない特化したバーンデッキを[[フルバーン]]と呼ぶ場合もある。 | ||
==デッキ構築== | ==デッキ構築== | ||
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ただし、デッキ[[構築]]や[[プレイング]]は相当難しい。ただ「[[土地]]と火力でデッキを組んで全部[[対戦相手]]に撃ち込めばいい」というものではない。そんなことをしていたら、よほど優秀な火力がないかぎり、相手の[[ライフ]]を削り切る前に[[クリーチャー]]に[[殴る|殴り]]殺されてしまう。かといって火力で正直にクリーチャーを1体1体[[除去]]していたら、[[対戦相手]]に撃つ分が足りなくなって息切れしてしまう。無視すべきか[[焼く|焼き]]落とすか、その判断を常に計算しなければならないが、クリーチャー同士の殴り合いと違い、目に見える状況は相手だけなので、読み切る力の難しさは[[パーミッション]]をも遥かにしのぐ。 | ただし、デッキ[[構築]]や[[プレイング]]は相当難しい。ただ「[[土地]]と火力でデッキを組んで全部[[対戦相手]]に撃ち込めばいい」というものではない。そんなことをしていたら、よほど優秀な火力がないかぎり、相手の[[ライフ]]を削り切る前に[[クリーチャー]]に[[殴る|殴り]]殺されてしまう。かといって火力で正直にクリーチャーを1体1体[[除去]]していたら、[[対戦相手]]に撃つ分が足りなくなって息切れしてしまう。無視すべきか[[焼く|焼き]]落とすか、その判断を常に計算しなければならないが、クリーチャー同士の殴り合いと違い、目に見える状況は相手だけなので、読み切る力の難しさは[[パーミッション]]をも遥かにしのぐ。 | ||
− | さらに、単純に焼けばいいという話ではなく、1ターンにどれだけ大きなダメージを与えられるか、ということを数ターンを見越して考えなくてはならない。[[ | + | さらに、単純に焼けばいいという話ではなく、1ターンにどれだけ大きなダメージを与えられるか、ということを数ターンを見越して考えなくてはならない。[[コンボデッキ]]ほどではなくとも結構頭を使うデッキタイプである。 |
===火力=== | ===火力=== | ||
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効率良くカードを使っていくために、火力以外の補助カード([[等時の王笏/Isochron Scepter]]や[[吠えたける鉱山/Howling Mine]]など)も入れる必要がある。それらの補助カードが手札に来なければ無意味なので、相応の枚数は必要だが、入れすぎると肝心の火力が減ってしまって本末転倒になるというもどかしさがある。 | 効率良くカードを使っていくために、火力以外の補助カード([[等時の王笏/Isochron Scepter]]や[[吠えたける鉱山/Howling Mine]]など)も入れる必要がある。それらの補助カードが手札に来なければ無意味なので、相応の枚数は必要だが、入れすぎると肝心の火力が減ってしまって本末転倒になるというもどかしさがある。 | ||
− | 手札と土地、自分のライフのみ[[リソース]]とする([[パーマネント]]を[[展開]]しない)ことから、息切れを防ぐためにカード[[引く|ドロー]] | + | 手札と土地、自分のライフのみ[[リソース]]とする([[パーマネント]]を[[展開]]しない)ことから、息切れを防ぐためにカード[[引く|ドロー]]も重要。[[赤単色デッキ|赤単色]]では[[怒鳴りつけ/Browbeat]]や[[生体融合帽/Grafted Skullcap]]が一般的だが、他の[[色]]を混ぜて[[嘘か真か/Fact or Fiction]]や[[夜の囁き/Night's Whisper]]、[[闇の腹心/Dark Confidant]]などを採用するケースも見られる。 |
また、火力だけではクリーチャーへの対応が厳しい場合は、他の[[パーマネント]][[除去]]などを採用する場合もある。 | また、火力だけではクリーチャーへの対応が厳しい場合は、他の[[パーマネント]][[除去]]などを採用する場合もある。 | ||
===マナカーブ=== | ===マナカーブ=== | ||
− | [[マナカーブ]] | + | [[マナカーブ]]も非常に重視される。基本的に1~3マナ圏のカードのみにしたいが、[[スタンダード]]程度の[[カード・プール]]ではそうは言ってられず、決め手となるカードを入れなければならない。その決め手となるカードの[[マナ・コスト]]にも悩まされる。扱いの非常に難しいデッキである。 |
==アラーラの断片ブロック+ゼンディカー・ブロック期== | ==アラーラの断片ブロック+ゼンディカー・ブロック期== | ||
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[[稲妻/Lightning Bolt]]を筆頭とする優秀な[[火力]]に恵まれた[[環境]]であり、実戦レベルのバーンも[[構築]]可能となった。 | [[稲妻/Lightning Bolt]]を筆頭とする優秀な[[火力]]に恵まれた[[環境]]であり、実戦レベルのバーンも[[構築]]可能となった。 | ||
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==時のらせんブロック+ローウィン=シャドウムーア・ブロック期== | ==時のらせんブロック+ローウィン=シャドウムーア・ブロック期== | ||
− | [[火葬/Incinerate]]・[[裂け目の稲妻/Rift Bolt]]をはじめとした優良[[火力]][[呪文]]と、[[モグの狂信者/Mogg Fanatic]]などの高性能な[[歩く火力]]の存在、それに[[ミシュラランド]]が加わったことで[[ | + | [[火葬/Incinerate]]・[[裂け目の稲妻/Rift Bolt]]をはじめとした優良[[火力]][[呪文]]と、[[モグの狂信者/Mogg Fanatic]]などの高性能な[[歩く火力]]の存在、それに[[ミシュラランド]]が加わったことで[[赤単色デッキ|赤単]]バーンが復権を果たす。 |
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だが、[[シャドウムーア]]、[[イーブンタイド]]では[[復讐の亜神/Demigod of Revenge]]などのビートダウン向け[[カード]]が増え、赤単[[デッキ]]は[[スライ#時のらせんブロック+ローウィン=シャドウムーア・ブロック期|スライ]]のほうが主流になった。 | だが、[[シャドウムーア]]、[[イーブンタイド]]では[[復讐の亜神/Demigod of Revenge]]などのビートダウン向け[[カード]]が増え、赤単[[デッキ]]は[[スライ#時のらせんブロック+ローウィン=シャドウムーア・ブロック期|スライ]]のほうが主流になった。 | ||
− | *同時期にはバーンと[[背骨岩の小山/Spinerock Knoll]]の相性を生かしたバーン系[[ストーム (デッキ)|ストーム]]・[[ | + | *同時期にはバーンと[[背骨岩の小山/Spinerock Knoll]]の相性を生かしたバーン系[[ストーム (デッキ)|ストーム]]・[[コンボデッキ]]も存在した。(→[[ドラゴンストーム#時のらせんブロック+ローウィン=シャドウムーア・ブロック期|ドラゴンストーム]]、[[刈り痕ストーム#時のらせんブロック+ローウィン=シャドウムーア・ブロック期|刈り痕ストーム]]) |
===サンプルレシピ=== | ===サンプルレシピ=== | ||
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*備考 | *備考 | ||
**[[グランプリ静岡08]] 初日全勝 ([http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Events.aspx?x=mtgevent/gpshi08/welcome-ja 参考]) | **[[グランプリ静岡08]] 初日全勝 ([http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Events.aspx?x=mtgevent/gpshi08/welcome-ja 参考]) | ||
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==神河ブロック+ラヴニカ・ブロック期== | ==神河ブロック+ラヴニカ・ブロック期== | ||
− | 同時期にバーンの天敵[[梅澤の十手/Umezawa's Jitte]]が存在する逆境の時代。そんな中、[[ラヴニカ・ブロック]]の[[多色]]推奨の流れに沿い他の[[色]]を加えて生き残りを図るデッキが存在した。 | + | 同時期にバーンの天敵[[梅澤の十手/Umezawa's Jitte]]が存在する逆境の時代。そんな中、[[ラヴニカ・ブロック]]の[[多色デッキ|多色]]推奨の流れに沿い他の[[色]]を加えて生き残りを図るデッキが存在した。 |
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==ミラディン・ブロック期== | ==ミラディン・ブロック期== | ||
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− | もとは[[ミラディン・ブロック構築]]で[[親和 (デッキ)|親和]]対策の[[アーティファクト]][[破壊]]を投入しやすい赤に注目が集まったのが始まり。[[デッキパワー]]が高く、同時期の[[スタンダード]]でも活躍している。 | + | もとは[[ミラディン・ブロック構築]]で[[親和 (デッキ)#ミラディン・ブロック期|親和]]対策の[[アーティファクト]][[破壊]]を投入しやすい赤に注目が集まったのが始まり。[[デッキパワー]]が高く、同時期の[[スタンダード]]でも活躍している。 |
[[弧炎撒き/Arc-Slogger]]や[[溶鉱炉の脈動/Pulse of the Forge]]など単体の[[カードパワー]]が高いのも特徴。 | [[弧炎撒き/Arc-Slogger]]や[[溶鉱炉の脈動/Pulse of the Forge]]など単体の[[カードパワー]]が高いのも特徴。 | ||
==ウルザ・ブロック+マスクス・ブロック期== | ==ウルザ・ブロック+マスクス・ブロック期== | ||
− | + | 超強力な[[テンペスト・ブロック]]が抜け、[[火力]]では対処のしづらい[[マスティコア/Masticore]]などが跋扈する逆境の時代。しかし、[[メタゲーム]]の中心にある[[トリニティ]]系[[デッキ]]に対抗するべく火力を搭載したバーンデッキが存在した。 | |
− | 超強力な[[テンペスト・ブロック]]が抜け、[[火力]]では対処のしづらい[[マスティコア/Masticore]]などが跋扈する逆境の時代。しかし、[[メタゲーム]]の中心にある[[トリニティ]]系[[デッキ]] | + | |
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===サンプルレシピ=== | ===サンプルレシピ=== | ||
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*備考 | *備考 | ||
**[[アジア太平洋選手権00]] 第11位 ([http://www.wizards.com/sideboard/article.asp?x=APAC00/welcome 参考]) | **[[アジア太平洋選手権00]] 第11位 ([http://www.wizards.com/sideboard/article.asp?x=APAC00/welcome 参考]) | ||
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==ミラージュ・ブロック+テンペスト・ブロック期== | ==ミラージュ・ブロック+テンペスト・ブロック期== | ||
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優秀な[[赤]]の[[カード]]がこの時期に結集し、バーンは黄金期を迎える。 | 優秀な[[赤]]の[[カード]]がこの時期に結集し、バーンは黄金期を迎える。 | ||
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==黎明期== | ==黎明期== | ||
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[[稲妻/Lightning Bolt]]・[[火の玉/Fireball]]・[[火葬/Incinerate]]の[[火力]]三枚看板を擁し、バーンは黎明期から人気が高かった。 | [[稲妻/Lightning Bolt]]・[[火の玉/Fireball]]・[[火葬/Incinerate]]の[[火力]]三枚看板を擁し、バーンは黎明期から人気が高かった。 | ||
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==エクステンデッド(デュアルランド期)== | ==エクステンデッド(デュアルランド期)== | ||
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初期の[[エクステンデッド]]では、[[ネクロ]]や[[シュナイダーポックス|Pox]]に対抗しやすい[[フルバーン]][[デッキ]]が存在した。 | 初期の[[エクステンデッド]]では、[[ネクロ]]や[[シュナイダーポックス|Pox]]に対抗しやすい[[フルバーン]][[デッキ]]が存在した。 | ||
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==レガシー== | ==レガシー== | ||
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過去の優良[[火力]]が自由に使える[[レガシー]]ではそれなりの勢力を誇る。主力火力に[[禁止カード|禁止]]や[[制限カード|制限]]がかけられていないのも重要。 | 過去の優良[[火力]]が自由に使える[[レガシー]]ではそれなりの勢力を誇る。主力火力に[[禁止カード|禁止]]や[[制限カード|制限]]がかけられていないのも重要。 | ||
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===サンプルレシピ=== | ===サンプルレシピ=== | ||
*備考 | *備考 | ||
− | **[[レガシー選手権10]] | + | **[[レガシー選手権10]] ベスト8 ([http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/feature/104 参考]) |
**使用者:[[Peter Franke]] | **使用者:[[Peter Franke]] | ||
*[[フォーマット]] | *[[フォーマット]] | ||
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==参考== | ==参考== | ||
*[[Premium Deck Series: Fire & Lightning]] | *[[Premium Deck Series: Fire & Lightning]] | ||
+ | *[http://archive.mtg-jp.com/reading/010092/ デッキタイムトラベル!:赤単編](文:[[浅原晃]]) | ||
+ | *[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/rc/217 開幕三点!](ReConstructed、文:[[Gavin Verhey]]) | ||
*[[フルバーン]] | *[[フルバーン]] | ||
*[[デッキ集]] | *[[デッキ集]] | ||
− | + | [[Category:赤単色デッキ|*]] | |
− | + | [[Category:バーンデッキ|*]] | |
− | + | [[Category:スタンダードデッキ|はあん]] | |
+ | [[Category:エクステンデッドデッキ|はあん]] | ||
+ | [[Category:レガシーデッキ|はあん]] | ||
+ | [[Category:Pauperデッキ|はあん]] |
2013年5月11日 (土) 01:28時点における版
バーン(Burn)とは、赤の直接ダメージ呪文(火力)を主体に構成されたデッキ。クリーチャーをいっさい投入しないノンクリーチャー・タイプも珍しくない。
目次 |
概要
ソーサリー
この呪文を唱えるためのコストは、2つ目以降の対象1つにつき(1)多くなる。
クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち望む数を対象とする。火の玉はそれらにそれぞれ、X点を端数を切り捨てて均等に割った点数のダメージを与える。
ライフ20点を削りきることを基準としているため赤の防御円/Circle of Protection: Redなどの軽減やライフ回復に非常に弱いが、一度突っ走ると圧倒的な攻撃力を発揮する魅力的なデッキである。山2枚から10点ダメージが飛び出したり、1ターン目からライフをそこそこ削ることができたりする。
火力を中心とするため、クリーチャーなどと違い対応策が少ないことが最大の利点である。クリーチャーはブロックや攻撃制限、除去など対応策が豊富であるが、火力は軽減、打ち消し、手札破壊や土地破壊などによる唱えることの阻害以外では対応がしにくい。なお、この火力の対応策はクリーチャーにも使えるため、それだけ火力の“通りやすさ”がわかると思われる。
また、召喚酔いがないことや、同コストのクリーチャーのパワーよりダメージが大きいことによるスピードも大きな利点である。そのため、クリーチャーでもボール・ライトニング/Ball Lightningのような、いわゆる歩く火力は使われる場合もある。
ただし、一点突破主義的なデッキのためにいろいろな対策カード1枚であっさり完封されてしまうなどといった欠点も併せ持つ。また序盤を凌がれると息切れしやすいため、何らかのアドバンテージ源を搭載することもしばしば。
様々な欠点を持つが、メタられなければそれなりに強い。黎明期より存在しており、白ウィニーなどと同じく愛好者は多い。
デッキ構築
ショック/Shockなどに代表される優良な火力系呪文は、コモン・アンコモンに設定されていることが多く、初心者プレイヤーでも手を出しやすいデッキであり、それなりに強い。ミラージュ~テンペスト期のバーンの隆盛を考慮してか一時期火力の性能は著しく落ちたが、近年は再び質が向上しつつある。
ただし、デッキ構築やプレイングは相当難しい。ただ「土地と火力でデッキを組んで全部対戦相手に撃ち込めばいい」というものではない。そんなことをしていたら、よほど優秀な火力がないかぎり、相手のライフを削り切る前にクリーチャーに殴り殺されてしまう。かといって火力で正直にクリーチャーを1体1体除去していたら、対戦相手に撃つ分が足りなくなって息切れしてしまう。無視すべきか焼き落とすか、その判断を常に計算しなければならないが、クリーチャー同士の殴り合いと違い、目に見える状況は相手だけなので、読み切る力の難しさはパーミッションをも遥かにしのぐ。
さらに、単純に焼けばいいという話ではなく、1ターンにどれだけ大きなダメージを与えられるか、ということを数ターンを見越して考えなくてはならない。コンボデッキほどではなくとも結構頭を使うデッキタイプである。
火力
1・2マナの扱いやすいカードが主力だが、効率的なダメージを念頭に置くなら、火炎破/Fireblastや音波の炸裂/Sonic Burstのように使いどころが難しいが強力なカードを使う必要が出てくる。柔軟なプレイを考えるならば、インスタントとソーサリーの比率も考えなくてはならない。
呪われた巻物/Cursed Scrollなどの恒久火力も息切れを防いでくれる重要なカードである。
クリーチャー
いかに火力が優秀であるとしても、クリーチャーのダメージ効率の優秀さを捨て置くことはできない。
火力とクリーチャーのコンビネーションによる攻撃を突き詰めるとスライに分類されるデッキに近くなるが、バーン戦略でも採用されるクリーチャーという物は存在する。1つはボール・ライトニングに代表される歩く火力。次にモグの狂信者/Mogg Fanaticなどの火力内蔵クリーチャーである。前者は同じマナ域の呪文としてダメージ効率が高いことが多く、ソーサリーによる干渉が無い。後者は除去の損失を最低限に抑えつつ本体への直接ダメージ能力もあり、火力とクリーチャーの長所を併せ持つ。
特にアドバンテージを重視しつつ敵を焼ききるタイプのデッキでは、後者に加えてミシュラランドを投入することがある。
また、黎明期ではオーグ/Orggなどのデメリット持ちファッティも採用されている。
補助
効率良くカードを使っていくために、火力以外の補助カード(等時の王笏/Isochron Scepterや吠えたける鉱山/Howling Mineなど)も入れる必要がある。それらの補助カードが手札に来なければ無意味なので、相応の枚数は必要だが、入れすぎると肝心の火力が減ってしまって本末転倒になるというもどかしさがある。
手札と土地、自分のライフのみリソースとする(パーマネントを展開しない)ことから、息切れを防ぐためにカードドローも重要。赤単色では怒鳴りつけ/Browbeatや生体融合帽/Grafted Skullcapが一般的だが、他の色を混ぜて嘘か真か/Fact or Fictionや夜の囁き/Night's Whisper、闇の腹心/Dark Confidantなどを採用するケースも見られる。
また、火力だけではクリーチャーへの対応が厳しい場合は、他のパーマネント除去などを採用する場合もある。
マナカーブ
マナカーブも非常に重視される。基本的に1~3マナ圏のカードのみにしたいが、スタンダード程度のカード・プールではそうは言ってられず、決め手となるカードを入れなければならない。その決め手となるカードのマナ・コストにも悩まされる。扱いの非常に難しいデッキである。
アラーラの断片ブロック+ゼンディカー・ブロック期
稲妻/Lightning Boltを筆頭とする優秀な火力に恵まれた環境であり、実戦レベルのバーンも構築可能となった。
インスタント
プレイヤー1人かプレインズウォーカー1体と、そのプレイヤーかプレインズウォーカーのコントローラーがコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。焼尽の猛火はそのプレイヤーかプレインズウォーカーに1点、そのクリーチャーに1点のダメージを与える。
上陸 ― このターン、土地があなたのコントロール下で戦場に出ているなら、代わりに焼尽の猛火はそのプレイヤーかプレインズウォーカーに3点、そのクリーチャーに3点のダメージを与える。
クリーチャー — エレメンタル(Elemental)
トランプル(攻撃しているこのクリーチャーは余剰の戦闘ダメージを、それが攻撃しているプレイヤーかプレインズウォーカーに与えることができる。)
速攻(このクリーチャーは、あなたのコントロール下になってすぐに攻撃したり(T)したりできる。)
終了ステップの開始時に、ボール・ライトニングを生け贄に捧げる。
板金鎧の土百足/Plated Geopedeやカルガの竜王/Kargan Dragonlordなどの優秀ウィニークリーチャーを主力としたスライの方が優勢であるが、それらを外し歩く火力をメインにしたバーンよりのデッキも存在している。
サンプルレシピ
- 備考
- アメリカ選手権10 準優勝(参考)
- 使用者:Anthony Eason
- フォーマット
Mono-Red [1] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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時のらせんブロック+ローウィン=シャドウムーア・ブロック期
火葬/Incinerate・裂け目の稲妻/Rift Boltをはじめとした優良火力呪文と、モグの狂信者/Mogg Fanaticなどの高性能な歩く火力の存在、それにミシュラランドが加わったことで赤単バーンが復権を果たす。
クリーチャー — ゴブリン(Goblin)
モグの狂信者を生け贄に捧げる:クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。モグの狂信者はそれに1点のダメージを与える。
1/1特にモーニングタイドで変わり谷/Mutavaultが加わったことでデッキの完成度が高まった。これとギトゥの宿営地/Ghitu Encampmentでビートダウンしつつ火力でサポートする。
グランプリ静岡08の直前に話題になり、実際にグランプリ本戦で初日全勝者を輩出している。
だが、シャドウムーア、イーブンタイドでは復讐の亜神/Demigod of Revengeなどのビートダウン向けカードが増え、赤単デッキはスライのほうが主流になった。
- 同時期にはバーンと背骨岩の小山/Spinerock Knollの相性を生かしたバーン系ストーム・コンボデッキも存在した。(→ドラゴンストーム、刈り痕ストーム)
サンプルレシピ
Mono-Red Burn [2] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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神河ブロック+ラヴニカ・ブロック期
同時期にバーンの天敵梅澤の十手/Umezawa's Jitteが存在する逆境の時代。そんな中、ラヴニカ・ブロックの多色推奨の流れに沿い他の色を加えて生き残りを図るデッキが存在した。
白を加え神の怒り/Wrath of Godを搭載した赤白のボロスバーン、黒をタッチし闇の腹心/Dark Confidantで息切れを防ぐ黒赤のラクドスバーンなどが代表例。
火力には炎の印章/Seal of Fireや黒焦げ/Charなどが用いられた。
ミラディン・ブロック期
クリーチャー — ビースト(Beast)
(赤),あなたのライブラリーのカードを上から10枚、追放する:クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。弧炎撒きはそれに2点のダメージを与える。
4/5インスタント
プレイヤー1人かプレインズウォーカー1体を対象とする。溶鉱炉の脈動はそれに4点のダメージを与える。その後そのプレイヤーかそのプレインズウォーカーのコントローラーのライフがあなたより多いなら、溶鉱炉の脈動をオーナーの手札に戻す。
もとはミラディン・ブロック構築で親和対策のアーティファクト破壊を投入しやすい赤に注目が集まったのが始まり。デッキパワーが高く、同時期のスタンダードでも活躍している。
弧炎撒き/Arc-Sloggerや溶鉱炉の脈動/Pulse of the Forgeなど単体のカードパワーが高いのも特徴。
ウルザ・ブロック+マスクス・ブロック期
超強力なテンペスト・ブロックが抜け、火力では対処のしづらいマスティコア/Masticoreなどが跋扈する逆境の時代。しかし、メタゲームの中心にあるトリニティ系デッキに対抗するべく火力を搭載したバーンデッキが存在した。
クリーチャーの枚数を削り、マナ・クリーチャーを殺しやすい弧状の稲妻/Arc Lightningや地震/Earthquakeを採用。略奪/Pillageを入れてマスティコアに対抗する。単色デッキのためリシャーダの港/Rishadan Portももちろんフル投入する。
サンプルレシピ
MonoRed Burn [3] | |||||||||||||||||||
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ミラージュ・ブロック+テンペスト・ブロック期
優秀な赤のカードがこの時期に結集し、バーンは黄金期を迎える。
クリーチャー — エレメンタル(Elemental)
トランプル(攻撃しているこのクリーチャーは余剰の戦闘ダメージを、それが攻撃しているプレイヤーかプレインズウォーカーに与えることができる。)
速攻(このクリーチャーは、あなたのコントロール下になってすぐに攻撃したり(T)したりできる。)
終了ステップの開始時に、ボール・ライトニングを生け贄に捧げる。
アーティファクト
(3),(T):クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。カード名を1つ選ぶ。その後、あなたの手札からカードを1枚、無作為に公開する。そのカードが選ばれた名前を持つ場合、呪われた巻物はそれに2点のダメージを与える。
火葬/Incinerate、火炎破/Fireblast、音波の炸裂/Sonic Burstなどの粒揃いの火力。クリーチャーには、歩く火力のモグの狂信者/Mogg Fanaticとボール・ライトニング/Ball Lightning。それに再利用可能な無色ダメージ源である呪われた巻物/Cursed Scrollまで加わり、バーンは一大勢力を築くに至った。
サンプルレシピ
- 備考
- The Finals97 ベスト4
- 使用者:松元篤志
- フォーマット
メインデッキ (60) | |
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クリーチャー (14) | |
3 | モグの狂信者/Mogg Fanatic |
4 | スークアタの槍騎兵/Suq'Ata Lancer |
2 | ヴィーアシーノの砂漠の狩人/Viashino Sandstalker |
3 | タールルーム・ミノタウルス/Talruum Minotaur |
2 | オーグ/Orgg |
呪文 (23) | |
4 | 火葬/Incinerate |
4 | 焚きつけ/Kindle |
4 | 火炎破/Fireblast |
2 | ケアヴェクの火吹き/Kaervek's Torch |
2 | 地震/Earthquake |
4 | ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk |
3 | ルビーの大メダル/Ruby Medallion |
土地 (23) | |
19 | 山/Mountain |
3 | 流砂/Quicksand |
1 | 不毛の大地/Wasteland |
サイドボード | |
3 | 解呪/Disenchant |
2 | 孤独の都/City of Solitude |
3 | 上天の閃光/AEther Flash |
3 | 紅蓮破/Pyroblast |
4 | 真鍮の都/City of Brass |
- スークアタの槍騎兵/Suq'Ata Lancerやタールルーム・ミノタウルス/Talruum Minotaurなどの速攻持ちを主力にした、ややクリーチャーが多いタイプである。また、サイドボードに解呪/Disenchantと孤独の都/City of Solitudeをタッチした構成になっている。
黎明期
稲妻/Lightning Bolt・火の玉/Fireball・火葬/Incinerateの火力三枚看板を擁し、バーンは黎明期から人気が高かった。
インスタント
クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。火葬はそれに3点のダメージを与える。これによりダメージを与えられたクリーチャーは、このターン再生できない。
アーティファクト
黒の万力が戦場に出るに際し、対戦相手を1人選ぶ。
選ばれたプレイヤーのアップキープの開始時に、黒の万力はそのプレイヤーにX点のダメージを与える。Xは、そのプレイヤーの手札のカードの枚数引く4である。
驚異的なダメージ効率を誇る黒の万力/Black Viseも大きい。
サンプルレシピ
- 備考
- 世界選手権95 ベスト8
- 使用者:Andrea Redi
- フォーマット
メインデッキ (60) | |
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クリーチャー (11) | |
2 | オークのスパイ/Orcish Spy |
4 | ウスデン・トロール/Uthden Troll |
2 | ゴブリン気球部隊/Goblin Balloon Brigade |
1 | ゴブリンの突然変異/Goblin Mutant |
2 | オーグ/Orgg |
呪文 (27) | |
4 | 稲妻/Lightning Bolt |
4 | 石の雨/Stone Rain |
1 | 石臼/Millstone |
1 | 道化の帽子/Jester's Cap |
1 | 氷の干渉器/Icy Manipulator |
3 | ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk |
1 | ジェイムデー秘本/Jayemdae Tome |
4 | 火葬/Incinerate |
1 | 爆破/Detonate |
1 | 火の玉/Fireball |
2 | 分解/Disintegrate |
4 | 黒の万力/Black Vise |
土地 (22) | |
17 | 山/Mountain |
4 | 露天鉱床/Strip Mine |
1 | ドワーフ都市の廃墟/Dwarven Ruins |
サイドボード | |
1 | ドワーフの砦/Dwarven Hold |
1 | Zuran Orb |
2 | 鉄の星/Iron Star |
1 | 紅蓮地獄/Pyroclasm |
2 | Anarchy |
2 | 野火/Flashfires |
2 | 粉砕/Shatter |
4 | 赤霊破/Red Elemental Blast |
エクステンデッド(デュアルランド期)
初期のエクステンデッドでは、ネクロやPoxに対抗しやすいフルバーンデッキが存在した。
ソーサリー
あなたの手札にある赤のカードを望む枚数だけ公開する。クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。燃えがらの匂いはそれにX点のダメージを与える。Xは、これにより公開されたカードの数に等しい。
特に、燃えがらの匂い/Scent of Cinderまで投入したタイプは匂いバーンと呼ばれる。
レガシー
過去の優良火力が自由に使えるレガシーではそれなりの勢力を誇る。主力火力に禁止や制限がかけられていないのも重要。
インスタント
あなたは、この呪文のマナ・コストを支払うのではなく、山(Mountain)を2つ生け贄に捧げることを選んでもよい。
クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。火炎破はそれに4点のダメージを与える。
稲妻/Lightning Bolt、Chain Lightning、溶岩の撃ち込み/Lava Spike、裂け目の稲妻/Rift Boltによる1マナ3点火力16枚がよく用いられるが、虚空の杯/Chalice of the Voidの存在によりフル投入しないデッキも存在する。他には火炎の裂け目/Flame Rift、火炎破/Fireblastなどがメインで、マグマの噴流/Magma Jetも安定性を増すために好んで採用される。いかにバーンと言えど、ただ早く勝つ事だけを考えていてはエターナルでは生き残れないということである。
デュアルランドの蔓延するレガシーを強烈にメタる発展の代価/Price of Progressをためらいなく採用できる点も大きい。これの存在が、レガシーの単色デッキとして一定の地位を獲得せしめているといえる。
デュアルランド同様に、フェッチランドの蔓延する環境をメタるミシュラのアンク/Ankh of Mishraが採用される場合があり、アンク・バーンとも呼ばれる。このようなアーティファクトを多めに投入し、爆片破/Shrapnel Blastを使えるようにする場合もある。
息切れ対策としては、怒鳴りつけ/Browbeatや、渋面の溶岩使い/Grim Lavamancerや呪われた巻物/Cursed Scrollなど恒久火力を投入している事が多い。
また、軽くて強力な呪文が横行するエターナル環境に対する紅蓮光電の柱/Pyrostatic Pillar、コントロールデッキに対しての硫黄の渦/Sulfuric Vortexなど、エンチャントからのダメージ源が採用されることも多い。
レガシーにしては比較的安い資産で構築可能であることも有名である。そのため、レガシーの「貧乏デッキ」といえばバーンがイメージされることも多い。「貧乏デッキ」とはいえ、一瞬で焼き殺すことのできる爆発力を持つため油断は禁物である。
サンプルレシピ
Burn [4] | |||||||||||||
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Pauper
Pauperでも有力なアーキタイプとして成立している。
稲妻/Lightning Boltに代表される優良火力はほとんどがコモンであるため、レガシー版とほぼ変わらない質のバーンデッキを組むことが可能である。
ただし、レガシーにおける紅蓮光電の柱/Pyrostatic Pillarや硫黄の渦/Sulfuric Vortexなどの相手に対するメタカードや全体火力のほとんどがアンコモン以上であり、相手のデッキに対しての対策をほとんど講じることができないという点では脆さもあるといえる。
参考
- Premium Deck Series: Fire & Lightning
- デッキタイムトラベル!:赤単編(文:浅原晃)
- 開幕三点!(ReConstructed、文:Gavin Verhey)
- フルバーン
- デッキ集