PT Junk

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2016年12月4日 (日) 01:31時点における版

PT Junk(Pro Tour-Junk)は、黒緑白の3色で構成されるグッドスタッフ系ビート・コントロールデッキ、またはその総称。元々は、2002年のローテーション以前のエクステンデッドに存在した同様のデッキを指す名称であった。

基本的には、他のジャンクデッキと同様、特にデッキコンセプトというものは存在せず、カードパワーの高いカードを寄せ集めて束にしたようなデッキという位置づけである。

黒緑白というデッキカラーは、黒とその対抗色で構成されている関係上、以前はあまり人気がなかった。しかし、アポカリプスで強力な対抗色のカードが多数追加されたことで、一躍注目を浴びることとなる。異常ともいえる対抗色カードが多数収録されているアポカリプスの中でも、白黒と黒緑のカードパワーが特に高く、総じて人気が高かったためである。

旧エクステンデッドで主に組まれたデッキであるが、その後も黒緑白というデッキカラーは人気があり、このデッキカラーで組まれたグッドスタッフ系のデッキは、総じてPT Junkと呼ばれることが多かった。

ローウィン参入後は黒緑白カラーの強力クリーチャー、包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Towerにちなんでドランデッキと呼ばれていたが、タルキール覇王譚参入後は黒緑白カラーの氏族/Clanであるアブザン家/The Abzan Housesにちなんでアブザンデッキ、アブザンジャンクと呼ばれることが多い。また、The Rockの白を含んだバージョンとの呼称の区別はあいまいである。

エクステンデッド（ローウィン参入後）

デュアルランドの退場でしばらく鳴りを潜めていたが、ラヴニカ・ブロックでショックランドを獲得し、ローウィンでデッキタイプに合致したカードを多数得たことでエクステンデッドに復活を果たす。

グッドスタッフデッキらしく、黒緑白という色でおよそ最上級のカードが集められている。ドローに闇の腹心/Dark Confidant、除去に燻し/Smother・名誉回復/Vindicate、手札破壊に強迫/Duress・思考囲い/Thoughtseizeといったところ。

マナレシオの高いタルモゴイフ/Tarmogoyfや包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Towerの存在によりダメージレースを制しやすい。

おなじみフェッチランド＋ショックランドの組み合わせによりマナ基盤の安定性も高い。

• 包囲の搭、ドランを使用することから海外では「Doran the Explorer」とも呼ばれる。

サンプルレシピ

• 備考
  • グランプリウィーン08 ベスト8 （参考）
  • 使用者： Andras Nagy
• フォーマット
  • エクステンデッド（第７版～第１０版、インベイジョン～モーニングタイド）

エクステンデッド（デュアルランド期）

アポカリプスで強力な対抗色カードが追加されたことにより注目を集める。

基本は、野生の雑種犬/Wild Mongrel・獣群の呼び声/Call of the Herdなどの強力なクリーチャーによるビートダウンを白のパーマネントコントロールと黒の手札破壊・クリーチャー除去でサポートするビート・コントロールデッキである。

白黒からは、ジェラードの評決/Gerrard's Verdict、名誉回復/Vindicate、幽体オオヤマネコ/Spectral Lynxなどが、黒緑からは、魂売り/Spiritmonger、破滅的な行為/Pernicious Deedなどがよく採用される。

3色のマナを必要とするが、デュアルランドとそれを税収/Titheで支えることでマナ基盤を強固にしている。

• デュアルランドがエクステンデッドで落ちた後もペインランドで代用したものがちらほら見られた。
• ゲームぎゃざ誌上でThree Deuceというデッキ名で紹介されていることがあった。
• 亜種に青を加えたPT ジャンブルが存在する。

サンプルレシピ

• 備考
  • グランプリラスベガス01　ベスト8 （参考）
  • 使用者：Kaare Anderson
• フォーマット
  • エクステンデッド（第５版～第７版、アイスエイジ～オデッセイ、デュアルランド）

モダン

モダンにおいてもグッドスタッフ系デッキが存在する。

特に血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elfが禁止カードに指定されたことでジャンドが弱体化して以降、勢力を伸ばしつつある。グランプリサンディエゴ13では、二日目進出者の中では最大勢力となった（参考）。ジャンドと同様に死儀礼のシャーマン/Deathrite Shamanが禁止カードに指定されたことで勢いが落ち着いたが、以降も一定の成果をあげている。

タルキール覇王譚以降はバーンや青赤デルバーといった前のめりなデッキが増加したため、それらに弱い闇の腹心/Dark Confidantを採用せず、代わりに包囲サイ/Siege Rhinoを採用するものが増えた。

運命再編参入後のプロツアー「運命再編」では、青赤デルバーおよび出産の殻が禁止カード改訂によって弱体化または消滅し、黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fangのような新たなパーツも獲得したことで、参加者の30%近くを占めるほどのトップメタとなった。

サンプルレシピ（初期型）

• 備考
  • グランプリサンディエゴ13 ベスト8 （参考）
  • 使用者：Matt Ferrando
• フォーマット
  • モダン（～ギルド門侵犯）

サンプルレシピ（死儀礼のシャーマン禁止後）

• 備考
  • グランプリボストン-ウースター14 優勝 （参考）
  • 使用者：Robin Dolar
• フォーマット
  • モダン（～基本セット2015）

• 死儀礼のシャーマン禁止後のタイプ。

サンプルレシピ（タルキール覇王譚後）

• 備考
  • グランプリマドリード14 ベスト8 （参考）
  • 使用者：Marcio Carvalho
• フォーマット
  • モダン（～タルキール覇王譚）

• タルキール覇王譚参入後のタイプ。

レガシー

レガシーでも、黒緑白のデッキカラーは人気が高い。

カード・プールが広いだけに、多種多様のデッキ構築が為されるが、基本的に以下のような構成になる事が多い。

• マナ・クリーチャー - 極楽鳥/Birds of Paradiseや桜族の長老/Sakura-Tribe Elderが好まれるが、デッキ全体が軽いことが多いため、採用されない事も多い。また、採用される場合は、後述する陰謀団式療法/Cabal Therapyの餌を兼ねている場合が多い。
• 手札破壊 - 強迫/Duressを基本とし、クリーチャーが多い場合は陰謀団式療法/Cabal Therapy、黒マナが強い場合はトーラックへの賛歌/Hymn to Tourachが追加で採用される。ローウィン追加後は、思考囲い/Thoughtseizeも併用して手札破壊に特化する場合も多い。
• クリーチャー - 闇の腹心/Dark Confidantや永遠の証人/Eternal Witnessといったアドバンテージの取れるクリーチャーがまず採用される。戦闘面では、攻守共に活躍できるタルモゴイフ/Tarmogoyfやロクソドンの教主/Loxodon Hierarchなどが採用される事が多い。ローウィンからは、野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker、包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Towerなどが候補に挙がるだろう。
• パーマネント除去 - 剣を鍬に/Swords to Plowsharesは大体採用される。さらに、名誉回復/Vindicateや破滅的な行為/Pernicious Deedといった万能除去も人気が高い。

サンプルレシピ

• 備考
  • 世界選手権07 （参考）
  • 使用者:Conley Woods
• フォーマット
  • レガシー（～ローウィン）

参考

• The Rock
• ジャンク
  • PT ジャンク
  • PT ジャンブル
• デッキ集