状況起因処理

提供:MTG Wiki

(版間での差分)
移動: 案内, 検索
(役割に対応)
 
(21人の利用者による、間の35版が非表示)
1行: 1行:
'''状況起因効果'''/''State Based Effectとは''[[プレイヤー]]が[[優先権]]を得る時に常にチェックされるもので、以下に示すような、特定の条件を満たしたときに自動的に適用される15の[[効果]]のことをいう。
+
'''状況起因処理'''/''State-Based Action''とは、[[プレイヤー]]が[[優先権]]を得るときに常にチェックされるもので、以下に示すような、特定の条件を満たすたびに自動的に適用される処理のこと。
条件を満たしていないときは、この効果は発生しない。
+
  
状況起因効果が発生したら、すべての適用すべき効果を1つの[[イベント]]として[[解決]]し、その後もう一度チェックを行う。
+
==解説==
これを状況起因効果が発生しなくなるまで繰り返す。
+
プレイヤーが優先権を得る前と[[クリンナップ・ステップ]][[ターン起因処理]]終了後に、状況起因処理の有無をチェックする。すべての適用すべき処理を単一の[[イベント]]として処理し、その後もう一度チェックを行う。これを状況起因処理が発生しなくなるまで繰り返す。
  
状況起因効果は、[[スタック]]に乗らずに直ちに処理され、[[クリンナップ・ステップ]]中にもチェックされる。
+
状況起因処理は[[スタック]]に乗らずに直ちに処理される。これは[[効果]]ではなく、どのプレイヤーにも[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]されていない。
これは常に有効であり、どのプレイヤーにも[[コントロール]]されていない。
+
  
*略して「SBE」と表記されることもある。
+
[[アンタップ・ステップ]]中や、呪文や能力を唱えたり起動したりあるいは解決している最中には、状況起因処理はチェックされない。
*スタックに乗らずに処理されるため、ルール理解の1つの山となっている。
+
*[[マナ・バーン]]は状況起因効果ではない。単純に、[[フェイズ]]の終了時に未使用の[[マナ]](と[[ライフ]])を失わせる[[ゲームの行動]]である。
+
  
==状況起因効果一覧==
+
*テキストには書かれない用語だが、ダメージによるクリーチャーの破壊からゲームの勝敗まで、様々な[[イベント]]がこの処理によって実行される。10を超えるチェック項目、スタックに乗らずに処理される等覚えることが多いため、ルール理解の1つの山となっている。
 +
**[[ルール文章]]に「状況起因処理」と明記されているのは[[アン・カード]]の[[ルールの法律家/Rules Lawyer]]だけ。
 +
*以前は'''状況起因効果'''/''State-Based Effect''と呼んでいたが、[[効果]]の定義に反することから、[[基本セット2010]]のルール改正に伴う[[総合ルール]]の更新で現在の名称に変更された。略して「'''SBE'''」と表記されたこともある。
 +
*似て非なる概念として[[状況誘発]]がある。そちらは特殊な[[誘発型能力]]であり、状況起因処理を増やすのではない。詳細は同項目を参照。
  
;[[敗北条件]]
+
==状況起因処理一覧==
:1. [[ライフ]]が0以下のプレイヤーは、[[ゲーム]]に敗北する。
+
'''[[敗北条件]]'''
:2. 10個以上の[[毒カウンター]]を持つプレイヤーは、ゲームに敗北する。
+
*[[ライフ]]が0以下のプレイヤーは、[[ゲーム]]に[[敗北]]する。
:3. [[ライブラリーアウト]]
+
*10個以上の[[毒カウンター]]を持つプレイヤーは、ゲームに敗北する。これは[[双頭巨人戦]]では適用されず、後述の専用ルールを適用する。
:*前回の状況起因効果のチェック以降に、空の[[ライブラリー]]から[[カード]]を引こうとしたプレイヤーは、ゲームに敗北する。
+
*[[ライブラリーアウト]] - 前回の状況起因処理のチェック以降に、[[カード]]が1枚も存在しない[[ライブラリー]]からカードを[[引く|引こ]]うとしたプレイヤーは、ゲームに敗北する。
;[[クリーチャー]]が[[墓地]]に置かれる
+
*[[双頭巨人戦]][[変種ルール]]』:[[チーム]]のライフが0以下である場合、そのチームはゲームに敗北する。
:4. [[タフネス]]が0以下のクリーチャーは[[オーナー]]の墓地に置かれる。([[再生]]不可)
+
*『双頭巨人戦変種ルール』:15個以上の毒カウンターを持つチームは、ゲームに敗北する。
:5. [[致死ダメージ]]を受けた、タフネスが1以上のクリーチャーは[[破壊]]される。(再生可能)
+
*『[[統率者戦]]変種ルール』:ゲーム中を通して単一の[[統率者]]から合計21点以上の[[戦闘ダメージ]]を受けたプレイヤーはゲームに敗北する。(→[[統率者ダメージ]])
;[[プレインズウォーカー]][[墓地]]に置かれる
+
 
:6. [[忠誠度]]が0であるプレインズウォーカーは、オーナーの墓地に置かれる。
+
'''[[パーマネント]]が[[墓地]]に置かれる'''
:7. [[プレインズウォーカー・タイプ]]を共有するプレインズウォーカーが複数場にある場合、それらはすべてオーナーの墓地に置かれる。
+
*[[忠誠度]]が0である[[プレインズウォーカー]]は[[オーナー]]の墓地に置かれる。([[再生]]不可)
;何かについている[[パーマネント]]
+
*[[タフネス]]が0以下である[[クリーチャー]]はオーナーの墓地に置かれる。(再生不可)
:8. 不正な[[オブジェクト]]や[[プレイヤー]]についている[[オーラ]]や、何にもつけられていないオーラは、オーナーの墓地に置かれる。
+
*タフネス以上のダメージ([[致死ダメージ]])を負った、タフネスが正の値であるクリーチャーは[[破壊]]される。(再生可能)
:9. 不正なパーマネントについている[[装備品]]や[[城砦]]は、そのパーマネントからはずれ場に残る。
+
*前回の状況起因処理のチェック以降に[[接死]]を持つ[[発生源]]からダメージを受けた、タフネスが正の値であるクリーチャーは破壊される。(再生可能)
:10. あるパーマネントについている、オーラでも装備品でも城砦でもないパーマネントは、そのパーマネントからはずれ場に残る。
+
*[[英雄譚]]・パーマネントの上にある[[伝承カウンター]]の数がそれの最終章の番号以上であり、かつ[[誘発]]してまだスタックを離れていない章能力の[[発生源]]でない場合、その英雄譚の[[コントローラー]]はそれを[[生け贄に捧げる]]。
;[[コピー]]や[[トークン]]の消滅
+
*[[バトル]]の上に[[守備カウンター]]がなく、[[誘発]]してスタックを離れていない誘発型能力の発生源でないなら、そのバトルはオーナーの墓地に置かれる。
:11. [[]]以外の[[領域]]にあるトークンは消滅する([[ゲームから取り除く|ゲームから取り除かれる]]わけではない)。
+
*バトルを守る者となっているプレイヤーがゲームに存在せず、かつ現在そのバトルを[[攻撃]]している[[攻撃クリーチャー]]がいないなら、バトルのコントローラーはその[[バトル・タイプ]]に依る適正なプレイヤーを守る者として選ぶ。この方法でプレイヤーを選べなかったなら、そのバトルはオーナーの墓地に置かれる。
:12. スタック以外の領域にある[[呪文]]のコピーは消滅する。スタックでも場でもない領域にあるカードのコピーは消滅する。
+
*[[包囲戦]]を守る者となっているプレイヤーがその包囲戦のコントローラーになったなら、そのプレイヤーは守る者となる対戦相手1人を選ぶ。この方法でプレイヤーを選べなかったなら、その包囲戦をオーナーの墓地に置く。
;[[カウンター]]の相殺
+
 
:13. 単一のパーマネントに[[+1/+1カウンター]]と[[-1/-1カウンター]]が乗っている場合、その2つのうちで少ないほうと同数だけ、両方のカウンターを取り除く。
+
'''何かに[[つける|つい]]ている[[パーマネント]]'''
;[[特殊タイプ]]
+
*不正な[[オブジェクト]]や[[プレイヤー]]についている[[オーラ]]や、何にもつけられていないオーラは、オーナーの墓地に置かれる。
:14. [[レジェンド・ルール]]
+
*不正なパーマネントについている[[装備品]]や[[城砦]]は、そのパーマネントから[[はずす|はずれ]][[戦場]]に残る。
:*特殊タイプ「[[伝説の]]」を持つ同名のパーマネントが複数場にある場合、そのすべてがオーナーの墓地に置かれる(同名の2つのパーマネントのうち、片方だけが伝説のパーマネントである場合には適用されない)。
+
*クリーチャーがオブジェクトやプレイヤーについている場合、それははずれて戦場に残る。同様に、オーラでも装備品でも城砦でもないパーマネントが、オブジェクトやプレイヤーについている場合、それははずれて戦場に残る。
:15. [[ワールド・ルール]]
+
*パーマネント1つに同一のプレイヤーがコントロールしている複数の[[役割]]がついている場合、最も新しい[[タイムスタンプ]]を持つ1つ以外のそれらの役割はオーナーの墓地に置かれる。
:*特殊タイプ「[[ワールド]]」を持つパーマネントが複数場にある場合、ワールドを持って場にいた期間がもっとも短いもの以外すべてがオーナーの墓地に置かれる。もっとも短い期間が等しい場合、そのすべてがオーナーの墓地に置かれる。
+
 
 +
'''[[コピー]]や[[トークン]]の消滅'''
 +
*戦場以外の[[領域]]にあるトークンは消滅する([[追放]]されるわけではない)。
 +
*[[スタック]]以外の領域にある[[呪文]]のコピーは消滅する。スタックでも戦場でもない領域にあるカードのコピーは消滅する。
 +
 
 +
'''[[カウンター (目印)|カウンター]]を取り除く'''
 +
*単一のパーマネントに[[+1/+1カウンター]]と[[-1/-1カウンター]]が乗っている場合、その2つのうちで少ないほうと同数だけ、両方のカウンターを取り除く。
 +
*「N個を超えてある種のカウンターを持つことはできない」という[[能力]]を持つパーマネントに、N個を超えてその種のカウンターが置かれていた場合、その種のカウンターをN個だけ残して残りを取り除く。
 +
 
 +
'''[[特殊タイプ]]'''
 +
*[[レジェンド・ルール]] - プレイヤーが特殊タイプ「[[伝説の]]」を持つ同名のパーマネントを複数コントロールしている場合、そのプレイヤーはその中から1つを選び、残りはオーナーの墓地に置かれる(同名の2つのパーマネントのうち、片方だけが伝説のパーマネントである場合には適用されない)。
 +
*[[ワールド・ルール]] - 特殊タイプ「[[ワールド]]」を持つパーマネントが複数戦場にある場合、ワールドを持って戦場にいた期間がもっとも短いもの以外すべてがオーナーの墓地に置かれる。もっとも短い期間が等しい場合、そのすべてがオーナーの墓地に置かれる。
 +
 
 +
'''その他'''
 +
*『[[統率者戦]]変種ルール』:[[統率者]]が[[墓地]]か[[追放]]領域にあり、最後に状況起因処理をチェックした以降にその[[オブジェクト]]がその領域に置かれたのなら、その[[オーナー]]は統率者を[[統率]]領域に置くことを選んでもよい。
 +
*[[アーチエネミー戦]]変種ルール』:[[持続]]でない[[計略]]カードが[[統率|統率領域]]で[[表向き]]になっており、それが[[誘発]]してからスタックを離れるまでの[[誘発型能力]]の発生源でない場合、その計略カードは[[裏向き]]になり、そのオーナーの計略デッキの一番下に置かれる。
 +
*『[[プレインチェイス戦]]変種ルール』:統率領域で[[現象]]カードが表向きであり、それが誘発してスタックを離れていない誘発型能力の発生源でない場合、[[次元]]コントローラーは[[プレインズウォーク]]する。
 +
 
 +
===[[トーナメント]]のルールによるもの===
 +
[[シングル・エリミネーション]]・ラウンド中に制限時間切れとなった時、「いずれかのプレイヤーが最大のライフ総量を持っていない場合、そのプレイヤーはゲームに敗北する」という状況起因処理を追加してゲームを続行する。この処理は[[総合ルール]]の範囲外であるため、これによる敗北を[[白金の天使/Platinum Angel]]などの敗北を禁止する効果で防ぐことはできない。
  
 
==参考==
 
==参考==
 
*[[敗北条件]]
 
*[[敗北条件]]
 
*[[ルーリング]]
 
*[[ルーリング]]
*{{CR|420}}(総合ルール 420. 状況起因効果)
+
 
 +
{{#cr:704}}

2023年9月1日 (金) 01:44時点における最新版

状況起因処理/State-Based Actionとは、プレイヤー優先権を得るときに常にチェックされるもので、以下に示すような、特定の条件を満たすたびに自動的に適用される処理のこと。

目次

[編集] 解説

プレイヤーが優先権を得る前とクリンナップ・ステップターン起因処理終了後に、状況起因処理の有無をチェックする。すべての適用すべき処理を単一のイベントとして処理し、その後もう一度チェックを行う。これを状況起因処理が発生しなくなるまで繰り返す。

状況起因処理はスタックに乗らずに直ちに処理される。これは効果ではなく、どのプレイヤーにもコントロールされていない。

アンタップ・ステップ中や、呪文や能力を唱えたり起動したりあるいは解決している最中には、状況起因処理はチェックされない。

  • テキストには書かれない用語だが、ダメージによるクリーチャーの破壊からゲームの勝敗まで、様々なイベントがこの処理によって実行される。10を超えるチェック項目、スタックに乗らずに処理される等覚えることが多いため、ルール理解の1つの山となっている。
  • 以前は状況起因効果/State-Based Effectと呼んでいたが、効果の定義に反することから、基本セット2010のルール改正に伴う総合ルールの更新で現在の名称に変更された。略して「SBE」と表記されたこともある。
  • 似て非なる概念として状況誘発がある。そちらは特殊な誘発型能力であり、状況起因処理を増やすのではない。詳細は同項目を参照。

[編集] 状況起因処理一覧

敗北条件

パーマネント墓地に置かれる

  • 忠誠度が0であるプレインズウォーカーオーナーの墓地に置かれる。(再生不可)
  • タフネスが0以下であるクリーチャーはオーナーの墓地に置かれる。(再生不可)
  • タフネス以上のダメージ(致死ダメージ)を負った、タフネスが正の値であるクリーチャーは破壊される。(再生可能)
  • 前回の状況起因処理のチェック以降に接死を持つ発生源からダメージを受けた、タフネスが正の値であるクリーチャーは破壊される。(再生可能)
  • 英雄譚・パーマネントの上にある伝承カウンターの数がそれの最終章の番号以上であり、かつ誘発してまだスタックを離れていない章能力の発生源でない場合、その英雄譚のコントローラーはそれを生け贄に捧げる
  • バトルの上に守備カウンターがなく、誘発してスタックを離れていない誘発型能力の発生源でないなら、そのバトルはオーナーの墓地に置かれる。
  • バトルを守る者となっているプレイヤーがゲームに存在せず、かつ現在そのバトルを攻撃している攻撃クリーチャーがいないなら、バトルのコントローラーはそのバトル・タイプに依る適正なプレイヤーを守る者として選ぶ。この方法でプレイヤーを選べなかったなら、そのバトルはオーナーの墓地に置かれる。
  • 包囲戦を守る者となっているプレイヤーがその包囲戦のコントローラーになったなら、そのプレイヤーは守る者となる対戦相手1人を選ぶ。この方法でプレイヤーを選べなかったなら、その包囲戦をオーナーの墓地に置く。

何かについているパーマネント

  • 不正なオブジェクトプレイヤーについているオーラや、何にもつけられていないオーラは、オーナーの墓地に置かれる。
  • 不正なパーマネントについている装備品城砦は、そのパーマネントからはずれ戦場に残る。
  • クリーチャーがオブジェクトやプレイヤーについている場合、それははずれて戦場に残る。同様に、オーラでも装備品でも城砦でもないパーマネントが、オブジェクトやプレイヤーについている場合、それははずれて戦場に残る。
  • パーマネント1つに同一のプレイヤーがコントロールしている複数の役割がついている場合、最も新しいタイムスタンプを持つ1つ以外のそれらの役割はオーナーの墓地に置かれる。

コピートークンの消滅

  • 戦場以外の領域にあるトークンは消滅する(追放されるわけではない)。
  • スタック以外の領域にある呪文のコピーは消滅する。スタックでも戦場でもない領域にあるカードのコピーは消滅する。

カウンターを取り除く

  • 単一のパーマネントに+1/+1カウンター-1/-1カウンターが乗っている場合、その2つのうちで少ないほうと同数だけ、両方のカウンターを取り除く。
  • 「N個を超えてある種のカウンターを持つことはできない」という能力を持つパーマネントに、N個を超えてその種のカウンターが置かれていた場合、その種のカウンターをN個だけ残して残りを取り除く。

特殊タイプ

  • レジェンド・ルール - プレイヤーが特殊タイプ「伝説の」を持つ同名のパーマネントを複数コントロールしている場合、そのプレイヤーはその中から1つを選び、残りはオーナーの墓地に置かれる(同名の2つのパーマネントのうち、片方だけが伝説のパーマネントである場合には適用されない)。
  • ワールド・ルール - 特殊タイプ「ワールド」を持つパーマネントが複数戦場にある場合、ワールドを持って戦場にいた期間がもっとも短いもの以外すべてがオーナーの墓地に置かれる。もっとも短い期間が等しい場合、そのすべてがオーナーの墓地に置かれる。

その他

[編集] トーナメントのルールによるもの

シングル・エリミネーション・ラウンド中に制限時間切れとなった時、「いずれかのプレイヤーが最大のライフ総量を持っていない場合、そのプレイヤーはゲームに敗北する」という状況起因処理を追加してゲームを続行する。この処理は総合ルールの範囲外であるため、これによる敗北を白金の天使/Platinum Angelなどの敗北を禁止する効果で防ぐことはできない。

[編集] 参考

引用:総合ルール 20231117.0

MOBILE