ヴラスカ/Vraska

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ある日、ヴラスカは[[ニコル・ボーラス/Nicol Bolas (ストーリー)|ニコル・ボーラス/Nicol Bolas]]から仕事の依頼を受ける。成功報酬はギルドマスターの地位。危険な罠にも思えたが、他のギルドによって長年踏みにじられてきたゴルガリの仲間や、彼らを鑑みることのない現ギルドマスターのジャラドのことを考えた末、この仕事を引き受ける。かくしてヴラスカは、黄金の都[[イクサラン/Ixalan#オラーズカ/Orazca|オラーズカ/Orazca]]を探し出し、[[不滅の太陽/The Immortal Sun (ストーリー)|不滅の太陽/The Immortal Sun]]と呼ばれる[[アーティファクト]]をボーラスへ届けるべく、[[イクサラン/Ixalan]]次元へとプレインズウォークした。
 
ある日、ヴラスカは[[ニコル・ボーラス/Nicol Bolas (ストーリー)|ニコル・ボーラス/Nicol Bolas]]から仕事の依頼を受ける。成功報酬はギルドマスターの地位。危険な罠にも思えたが、他のギルドによって長年踏みにじられてきたゴルガリの仲間や、彼らを鑑みることのない現ギルドマスターのジャラドのことを考えた末、この仕事を引き受ける。かくしてヴラスカは、黄金の都[[イクサラン/Ixalan#オラーズカ/Orazca|オラーズカ/Orazca]]を探し出し、[[不滅の太陽/The Immortal Sun (ストーリー)|不滅の太陽/The Immortal Sun]]と呼ばれる[[アーティファクト]]をボーラスへ届けるべく、[[イクサラン/Ixalan]]次元へとプレインズウォークした。
  
しばしの後。ボーラスによって直接脳に刻み込まれた航海や船舶に関する知識と技術を駆使し、ヴラスカは[[海賊]]船「喧嘩腰」号/The Belligerentの船長の地位を手に入れていた。海賊船の乗組員達と過ごす時間は信頼と自由に満ちており、暗殺の道具としてのみ以外ゴルゴンの生きる道が無かったラヴニカとは大違いだった。オラーズカを探し航海を続けるそんなある日、海上に見覚えのある漂流者を発見する。因縁の生きるギルドパクト、ジェイス・ベレレンその人であった。
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しばしの後。ボーラスによって直接脳に刻み込まれた航海や船舶に関する知識と技術を駆使し、ヴラスカは[[海賊]]船[[喧嘩腰号/The Belligerent]]の船長の地位を手に入れていた。海賊船の乗組員達と過ごす時間は信頼と自由に満ちており、暗殺の道具としてのみ以外ゴルゴンの生きる道が無かったラヴニカとは大違いだった。オラーズカを探し航海を続けるそんなある日、海上に見覚えのある漂流者を発見する。因縁の生きるギルドパクト、ジェイス・ベレレンその人であった。
  
 
ジェイスを殺すべく詰め寄ったが、彼は彼自身のことも含め一切の記憶を失っており、ヴラスカの知る因縁の精神魔道士とはかけ離れて無力に見えた。胸中複雑であったが、「死に値しない者は殺さない」という自らの規範に則り、彼を助け上げて乗組員に加え入れる。共に航海を続ける間、二人は信頼と友情を育んだ。ヴラスカの知る「[[多元宇宙/Multiverse]]で二番目に危険な精神魔法使い」とは異なり、ここにいる青年は馬鹿正直で、自分を姉のように慕い、辛い身の上話まで親身になって聞いてくれる、この上ない友人だった。少なくない罪悪感を感じつつも、ヴラスカにとってこの関係はとても心地よく、安らぐものだった。
 
ジェイスを殺すべく詰め寄ったが、彼は彼自身のことも含め一切の記憶を失っており、ヴラスカの知る因縁の精神魔道士とはかけ離れて無力に見えた。胸中複雑であったが、「死に値しない者は殺さない」という自らの規範に則り、彼を助け上げて乗組員に加え入れる。共に航海を続ける間、二人は信頼と友情を育んだ。ヴラスカの知る「[[多元宇宙/Multiverse]]で二番目に危険な精神魔法使い」とは異なり、ここにいる青年は馬鹿正直で、自分を姉のように慕い、辛い身の上話まで親身になって聞いてくれる、この上ない友人だった。少なくない罪悪感を感じつつも、ヴラスカにとってこの関係はとても心地よく、安らぐものだった。
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===[[灯争大戦]]===
 
===[[灯争大戦]]===
イクサランへ逃れたヴラスカは「喧嘩腰」号の仲間と飲み明かしていたが、心にはラヴニカを裏切った罪悪感を抱えていた。そんな中、次元間の標が彼女をラヴニカへ導こうとする。もはや自分のような怪物にラヴニカでの居場所はなく、ジェイスに合わせる顔もない……そう思いながらも、彼女はラヴニカへとプレインズウォークした。
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イクサランへ逃れたヴラスカは喧嘩腰号の仲間と飲み明かしていたが、心にはラヴニカを裏切った罪悪感を抱えていた。そんな中、次元間の標が彼女をラヴニカへ導こうとする。もはや自分のような怪物にラヴニカでの居場所はなく、ジェイスに合わせる顔もない……そう思いながらも、彼女はラヴニカへとプレインズウォークした。
  
 
帰還したヴラスカはラルや[[ケイヤ/Kaya]]から殺意を向けられるも、[[永遠衆/Eternal|戦慄衆/Dreadhorde]]の侵略で市民が危機に晒されていることもあり一時休戦となる。彼女は女王としてゴルガリ団を指揮し、地下通路のネットワークを活かして逃げ遅れた人々を避難させた。
 
帰還したヴラスカはラルや[[ケイヤ/Kaya]]から殺意を向けられるも、[[永遠衆/Eternal|戦慄衆/Dreadhorde]]の侵略で市民が危機に晒されていることもあり一時休戦となる。彼女は女王としてゴルガリ団を指揮し、地下通路のネットワークを活かして逃げ遅れた人々を避難させた。
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完成化の予防のため[[光素/Halo]]を摂取したジェイスの脳裏に、ヴラスカの助けを求める声が響いた。仲間の反対を押し切り、彼女を助けに向かうことを決めたジェイスが見たのは、[[シェオルドレッド/Sheoldred (ストーリー)|シェオルドレッド/Sheoldred]]の闘技場でファイレクシアンの軍勢に追い詰められるヴラスカであった。
 
完成化の予防のため[[光素/Halo]]を摂取したジェイスの脳裏に、ヴラスカの助けを求める声が響いた。仲間の反対を押し切り、彼女を助けに向かうことを決めたジェイスが見たのは、[[シェオルドレッド/Sheoldred (ストーリー)|シェオルドレッド/Sheoldred]]の闘技場でファイレクシアンの軍勢に追い詰められるヴラスカであった。
  
[[ファイレクシアの油/Phyrexian oil|油]]の侵蝕が進んでいたヴラスカは、自分が完成化する前に介錯するようジェイスに求める。だがジェイスは仲間を先に活かせ、自分はヴラスカを救おうとした。ラヴニカの街角の幻影を作り出し、彼女の心を癒そうとするジェイス。二人は身体を寄せ合い、唇が触れあった――その刹那、ジェイスが胸を貫く激しい痛みを感じるとともに幻は消え去った。サソリのような尾で油を注入し、ファイレクシアの栄光を唱えるヴラスカを前にし、ジェイスは恐怖のまま逃げ出した。
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[[ファイレクシアの油/Phyrexian oil|油]]の侵蝕が進んでいたヴラスカは、自分が完成化する前に介錯するようジェイスに求める。だがジェイスは仲間を先に行かせ、自分はヴラスカを救おうとした。ラヴニカの街角の幻影を作り出し、彼女の心を癒そうとするジェイス。二人は身体を寄せ合い、唇が触れあった――その刹那、ジェイスの胸を貫く激しい痛みとともに幻は消え去った。サソリのような尾で油を注入し、ファイレクシアの栄光を唱えるヴラスカを前にし、ジェイスは恐怖のまま逃げ出した。
  
 
===[[機械兵団の進軍]]===
 
===[[機械兵団の進軍]]===

2024年10月31日 (木) 11:27時点における最新版

ヴラスカ/Vraskaラヴニカへの回帰ブロック初出のキャラクター。カードとしてはラヴニカへの回帰見えざる者、ヴラスカ/Vraska the Unseenが初出。

目次

[編集] 解説

ラヴニカ/Ravnica出身のゴルゴンプレインズウォーカー/Planeswalkerイラスト)。女性。ファイレクシア:完全なる統一時点で40代前半[1]

彼女は「あらゆる者がそれに値する死を受け入れねばならない(all should receive the death they deserve.)」という危険な思想を持っているが、裏を返せば「死に値しない者は殺さない」という行動規範でもある。信奉者である暗殺者たちを使って殺害を繰り返すことから、アゾリウス評議会/The Azorius Senateからは「見えざる者/The Unseen」と呼ばれている。彼女は多くの時間をラヴニカ以外の次元/Planeで過ごし、経験を積んでは死の魔法を磨いたり収集品を集めたりしている。

[編集] 経歴

ゴルガリ団/The Golgariの一員であるヴラスカの人生はアゾリウス評議会/The Azorius Senateによる地底街の掃討作戦"the Duskend Purges"によって一転した。当時17歳の彼女を始め多くの団員が逮捕されたが、その数は拘置所の許容数を上回りやがて暴動となって一階部分を占拠した。地下に押し込められた囚人たちの一部はヴラスカを武器とするために彼女の猿轡と目隠しを解き放つも、看守は彼女を打据えて鎮圧しようとした。ヴラスカが死に瀕したその時、彼女のプレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Sparkが点り、彼女はラヴニカから消え去った。

ヴラスカは出口のない闇の世界に放り出され、次元を渡る方法を修得するまでそこに留められたが、それは彼女にとっては永遠とも感じられるような時だった。やがてラヴニカに戻った彼女は信奉者を集め、掃討作戦に関係した全ての人間たちをそれぞれ相応しい方法で抹殺した。それにより彼女はアゾリウス評議会にとって重大なお尋ね者の一人となった。

ラヴニカに滞在している間はゴルガリ団のために闇の仕事を請け負っており、その引き換えに誰にも価値が理解できないような風変わりな報酬を要求する。ギルドは彼女を有用な秘密兵器とみなしているが、彼女自身はギルド内部の政治的な駆け引きや内部事情からは距離を置いている。彼女がプレインズウォーカーであるという事実はゴルガリ団にも知られておらず、仲間のゴルゴンたちですら彼女がしばしばどこへ姿を消すのかを察することが出来なかった。

  • The Gathering Stormでは、彼女が最初にプレインズウォークしたのは闇の世界ではなく沼地の次元とされている。

[編集] ジェイスvsヴラスカ、ゴルゴンとギルドパクト/The Gorgon and the Guildpact

己の哲学に基づいて暗殺を続けるヴラスカを、ラヴニカの平和を脅かす可能性のある存在として危険視する者がいた。10のギルドの協調を象徴するギルドパクト/Guildpactそのものとなったプレインズウォーカーのジェイス・ベレレン/Jace Belerenである。

ヴラスカは何らかの情報源によって、ジェイスがプレインズウォーカーであることやいくつかの過去―彼の親友のカリスト/Kallistや共同研究者のカヴィン/Kavinの非業の死やガラク/Garrukとの関わりのことをも知っていた。他所者であるジェイスがギルドパクトの体現者となってラヴニカを管理することは、ヴラスカにとって二重に不自然なことであり我慢ならなかった。彼女は石化させた犠牲者たちの名前と姿によってジェイスへとメッセージを送り、それを読み解いたジェイスは単身で現場に乗り込んで話し合いを持とうとする。

ヴラスカの目的は、ジェイスをギルドパクトとしての力を彼女の為に揮う傀儡とすることだった。その思惑をジェイスに拒絶されたヴラスカは、彼を始末しようと首を掴んで締め上げる。ジェイスは自身の幻影を大量に呼び出してはヴラスカを取り囲んで襲わせた。ヴラスカはそれらを次々と石化させることによって、自らを石像の檻に閉じ込めてしまうような格好となった。彼女がジェイスの首を更に締めると、石像たちはジェイスが彼女に協力するということと、その為には彼女の計画を知る必要があると告げる。彼女は意気揚々と全てのギルドの力を奪ってそのリーダーたちを殺すことを宣言する。しかし、それはジェイスの罠だった。彼女の発言はサンホーム/Sunhomeに集まるオレリア/Aureliaたちに遠隔自白として伝達されていた。ヴラスカは怒り狂ってジェイスの喉を握りつぶしたが、それは彼女の信奉者である暗殺者の死体が幻影によって姿を変えていたものだった。石像の群れに襲い掛かられたヴラスカは半狂乱になってそれらを破壊し、そして何処かへと次元渡りした。

しかし、彼女の野心はいまだ燻っている[3]

[編集] ゲートウォッチ奮闘の裏側で

ジェイスがラヴニカを抜け出し、ゲートウォッチ/The Gatewatchの仲間とともにエルドラージ/Eldraziのタイタン三体を討伐していた数か月の間隙を縫って、アゾリウス評議会の議員たちをさらに数名石化させるという惨事を引き起こしている。溜めに溜め込んだ事務書類を「ギルドパクト」として片づけ続けなければならないジェイスに代わり、ギデオン・ジュラ/Gideon Juraが彼女を追撃する任を請けたが、失敗に終わっている。

また、同じくジャラド・フォド・サーヴォ/Jarad vod Savoの体制に不満を持つマジレク/Mazirekと密かに接触し、クロール/Kraulに犠牲を出さずに現状を変える方法――往時軍/The Erstwhileを復活させることによる戦力増強を教えた。

[編集] イクサラン・ブロック

ある日、ヴラスカはニコル・ボーラス/Nicol Bolasから仕事の依頼を受ける。成功報酬はギルドマスターの地位。危険な罠にも思えたが、他のギルドによって長年踏みにじられてきたゴルガリの仲間や、彼らを鑑みることのない現ギルドマスターのジャラドのことを考えた末、この仕事を引き受ける。かくしてヴラスカは、黄金の都オラーズカ/Orazcaを探し出し、不滅の太陽/The Immortal Sunと呼ばれるアーティファクトをボーラスへ届けるべく、イクサラン/Ixalan次元へとプレインズウォークした。

しばしの後。ボーラスによって直接脳に刻み込まれた航海や船舶に関する知識と技術を駆使し、ヴラスカは海賊喧嘩腰号/The Belligerentの船長の地位を手に入れていた。海賊船の乗組員達と過ごす時間は信頼と自由に満ちており、暗殺の道具としてのみ以外ゴルゴンの生きる道が無かったラヴニカとは大違いだった。オラーズカを探し航海を続けるそんなある日、海上に見覚えのある漂流者を発見する。因縁の生きるギルドパクト、ジェイス・ベレレンその人であった。

ジェイスを殺すべく詰め寄ったが、彼は彼自身のことも含め一切の記憶を失っており、ヴラスカの知る因縁の精神魔道士とはかけ離れて無力に見えた。胸中複雑であったが、「死に値しない者は殺さない」という自らの規範に則り、彼を助け上げて乗組員に加え入れる。共に航海を続ける間、二人は信頼と友情を育んだ。ヴラスカの知る「多元宇宙/Multiverseで二番目に危険な精神魔法使い」とは異なり、ここにいる青年は馬鹿正直で、自分を姉のように慕い、辛い身の上話まで親身になって聞いてくれる、この上ない友人だった。少なくない罪悪感を感じつつも、ヴラスカにとってこの関係はとても心地よく、安らぐものだった。

冒険の末、遂に一行は黄金の都オラーズカを発見するが、突然の激流に襲われ、ジェイスは滝の底へ呑まれてしまう。命は無事だったが、そのショックで失われていたジェイスの記憶が溢れ戻り、同時に彼の半生――どこかヴラスカと似た、苛烈な半生――を追体験する。そこには自分を殺そうとした、怪物じみた恐ろしい暗殺者の記憶も含まれていた。ヴラスカは友情の終わりを覚悟したが、お互いの心の中を誰よりも深く知った二人にとって、それは杞憂であった。

ヴラスカとジェイスはオラーズカへ至り、目的の不滅の太陽を手に入れた。しかし、ジェイスが思い出したボーラスの真の目的を聞かされた今、不滅の太陽をボーラスの手に渡すことは故郷ラヴニカの破滅を意味していた。同時に、ジェイスと関わったことも精神魔法で看破され、どちらも殺されてしまうだろう。かといってこのままでは、不滅の太陽によってプレインズウォークできず、イクサランに囚われ続けてしまう。そこでヴラスカは、ジェイスに自身の記憶を一時的に預かるように依頼する。次に出会ったときは以前のような敵同士になってしまうが、自身とラヴニカを守るため、いずれ絶好の機会が訪れた時に記憶を戻し、ボーラスを裏切るために。全てが終わった後に二人でブリキ通りの市場/Tin Street Marketの本屋に行き、コーヒーを飲み交わす約束を交わしながら、ジェイスへ記憶を預けた

気がつくとヴラスカは無人の部屋に立っており、眼前には不滅の太陽があった。雇い主から数ヶ月前に教えられた複雑な呪文を唱えると、不滅の太陽は他の次元へと運ばれていき、ヴラスカもまた、プレインズウォークでイクサランを後にした。

[編集] ラヴニカのギルド/ラヴニカの献身

ラヴニカへ帰還したヴラスカは同士達と共にクーデターを起こし、ジャラドの玉座に攻め込んだ。護衛を倒されたジャラドは往時軍に助けを求めるも、彼らはヴラスカを新たな王として認めるだけであった――ボーラスの裏工作の賜物だ。こうして暴君ジャラドを始末し、念願のギルドマスターの座を奪い取ったヴラスカであったが、その心にはえも言われぬ空虚さがあった。

テレパスXeddickは、ヴラスカが何者かの協力により自発的に記憶を封印してもらったことに気づく。彼の助けを借り、イクサランでの記憶を取り戻したヴラスカはボーラスの野望を思い出し、ラル・ザレック/Ral Zarek達と共にギルドの垣根を越えボーラスに立ち向かっていこうとする。

だがボーラスの脅威を実感していても、かつてアゾリウスとの間に生じた遺恨は消えなかった。加えてボーラスにゴルガリの民を人質に取られたことにより、彼女はギルド会談/Guild Summitの夜にイスペリア/Isperiaを殺害し、ギルド間の団結を水泡に帰してしまう。それは全ギルド承認のもとニヴ=ミゼット/Niv-Mizzetに力を与え、ボーラスへの対抗策とする計画が崩れたことを意味していた。

ボーラスが用済みになった自分達を殺すであろうことは、ヴラスカも承知の上であった。それでもゴルガリの民が生き残れるわずかな可能性に賭け、彼に服従する道を選ぼうとする。ラルがニヴ=ミゼットに力を与える計画の予備案を実行しようとする中、彼女はGrek'ospenにてこれを迎え撃つ。だがその結果Grek'ospenは崩壊し、Xeddickも死亡してしまう。民をこれ以上死なせたくないヴラスカは、自分を邪魔するラルを直接始末するため次元間の標/Interplanar Beaconで待ち伏せするも、激昂したラルの攻撃を前に敗走を余儀なくされた。

[編集] 灯争大戦

イクサランへ逃れたヴラスカは喧嘩腰号の仲間と飲み明かしていたが、心にはラヴニカを裏切った罪悪感を抱えていた。そんな中、次元間の標が彼女をラヴニカへ導こうとする。もはや自分のような怪物にラヴニカでの居場所はなく、ジェイスに合わせる顔もない……そう思いながらも、彼女はラヴニカへとプレインズウォークした。

帰還したヴラスカはラルやケイヤ/Kayaから殺意を向けられるも、戦慄衆/Dreadhordeの侵略で市民が危機に晒されていることもあり一時休戦となる。彼女は女王としてゴルガリ団を指揮し、地下通路のネットワークを活かして逃げ遅れた人々を避難させた。

[編集] War of the Spark: Forsaken

灯争大戦の中で再会したジェイスとヴラスカは、改めて深く結ばれた。ボーラスが打ち破られた後、彼女はジェイスからヴリン/Vrynへと旅に行かないかと誘われる。だが一方で、彼女は贖罪としてドビン・バーン/Dovin Baanを秘密裏に暗殺するようニヴ=ミゼットから求められており、またゴルガリ内にもアイゾーニ/Izoniらによる反乱の兆しがあるため、ラヴニカを離れづらい状況であった。

ヴラスカはドビンがラヴニカに潜伏していることを突き止めるが、彼はゴルガリの内部分裂を防ぐ案と引き換えに助命を懇願した。彼の策を元にアイゾーニの反乱を未然に防ぐことはできたが、ドビンの死をニヴ=ミゼットに報告しなければゴルガリは他のギルドから潰されかねない。そこで彼女はチャンドラ・ナラー/Chandra Nalaarを証人に利用してドビンの死を偽装し、切り落とされたドビンの右腕をニヴの前に提示した。

任務を達成し他ギルドからの信頼を取り戻したヴラスカであったが、ドビンの隠れ家に戻った彼女は、左腕をも失った彼の遺体を発見してしまう。それは何者かに自分達の策略が見抜かれていたこと、その者の手にゴルガリを揺るがしかねないスキャンダルが渡ってしまったことを意味していた。彼女は早急にドビンの遺体を処理すると、ジェイスに事の全てを明かし、ゴルガリを守るためラヴニカを留守にできなくなったことを告げた。

[編集] ファイレクシア:完全なる統一

ケイヤ達は新ファイレクシア/New Phyrexiaの野望を打ち砕くべく、敵地に乗り込み次元壊し/Realmbreakerを破壊する仲間を招集した。その中にはジェイスとヴラスカの姿もあった。しかし次元に仕掛けられた障壁により、チームは離れ離れとなってしまった。

完成化の予防のため光素/Haloを摂取したジェイスの脳裏に、ヴラスカの助けを求める声が響いた。仲間の反対を押し切り、彼女を助けに向かうことを決めたジェイスが見たのは、シェオルドレッド/Sheoldredの闘技場でファイレクシアンの軍勢に追い詰められるヴラスカであった。

の侵蝕が進んでいたヴラスカは、自分が完成化する前に介錯するようジェイスに求める。だがジェイスは仲間を先に行かせ、自分はヴラスカを救おうとした。ラヴニカの街角の幻影を作り出し、彼女の心を癒そうとするジェイス。二人は身体を寄せ合い、唇が触れあった――その刹那、ジェイスの胸を貫く激しい痛みとともに幻は消え去った。サソリのような尾で油を注入し、ファイレクシアの栄光を唱えるヴラスカを前にし、ジェイスは恐怖のまま逃げ出した。

[編集] 機械兵団の進軍

完成化したヴラスカは次元壊しの枝を導き、ラヴニカの地底街を地上へと持ち上げた。油に侵されたゴルガリ団が中から這い出し、彼女の意のままに侵略の手を広げていった。油の囁きに心を引き裂かれる中、彼女はファイレクシアを止めに来たラル・ザレックと対峙する。石化の視線を躱し続け疲弊したラルに、ヴラスカは鉤爪を構えて迫った……だがラルはその好機を逃さず、血液電衝スイッチ/The haemalectric switchをヴラスカに埋め込み起動した。うめき声と共に体内の油を放出し、彼女の視界は崩れ落ちた――

ヴラスカは、自らの心の片隅に作られた空間でジェイスと再会した。ファイレクシアの手先となり、無辜の者たちを殺した自分は死んで当然だと自嘲する彼女に、ジェイスは赦しを与えた。彼女はジェイスと口づけを交わしながら、お互いの愛を改めて告白した。そして、ヴラスカの心と視界は白く弾けた。

侵略をはねのけてから二日後、ラルは戦後処理の中で耳を疑う報告を聞いた――ヴラスカの遺体がどこにも見当たらないのだと。

  • 彼女の視点で語られる掌編「ひとつにして同一」は、ヴラスカ本来の意志が黒文字、ファイレクシアンとしての意志が赤文字で表記されているという演出がある。

[編集] カルロフ邸殺人事件

当人が行方不明の中、アイゾーニはヴラスカの侵略行為を糾弾し、彼女をギルドマスターの座から放逐した。

[編集] サンダー・ジャンクションの無法者

彼女は油から解放され生き延びていたが、戦争後の多元宇宙の変化によりプレインズウォーカーの灯を失ってしまった。

アショク/Ashiokの計画のもとオーコ/Okoサンダー・ジャンクション/Thunder Junctionのマーグ・タラナウ/Maag Taranauを攻略しようとすると、彼女はオーコの副官として迎え入れられた。その傍らにはイクサランでの仲間、マルコムとブリーチェスの姿もあった。

[編集] 登場

[編集] 登場カード

[編集] カード名に登場

イクサラン
ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt
イクサランの相克 プレインズウォーカーデッキ
ヴラスカの征服者/Vraska's Conquistadorヴラスカの嘲笑/Vraska's Scorn
ラヴニカのギルド プレインズウォーカーデッキ
ヴラスカの従者/Attendant of Vraskaヴラスカの石睨/Vraska's Stoneglare
灯争大戦
ヴラスカの懐刀/Vraska's Finisher
ファイレクシア:完全なる統一
ヴラスカの堕落/Vraska's Fall

[編集] フレイバー・テキストに登場

ジェイスvsヴラスカ
力の消耗/Consume Strengthネクラタル/Nekrataal夜の囁き/Night's Whisper朽ちゆくヒル/Putrid Leech鼓動の追跡者/Pulse Tracker
ラヴニカへの回帰
爆発の衝撃/Explosive Impact
イクサラン
危険な航海/Perilous Voyage川の叱責/River's Rebuke高くつく略奪/Costly Plunder
ラヴニカのギルド
暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy往時軍の強兵/Erstwhile Trooper地底街の反乱/Undercity Uprisingゴルガリのギルド門/Golgari Guildgateコレクター番号248)、草むした墓/Overgrown Tomb(「女王」として)
ラヴニカのギルド プレインズウォーカーデッキ
クロールの略奪者/Kraul Raider、ヴラスカの従者/Attendant of Vraska
ラヴニカの献身
ドビンの鋭感/Dovin's Acuity的中/Get the Point
灯争大戦
死の芽吹き/Deathsprout
モダンホライゾン
反発のタリスマン/Talisman of Resilience
ダブルマスターズ2022
暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy(通常版・ボーダーレス版)
ファイレクシア:完全なる統一
滅殺の眼差し/Annihilating Glareヴラスカの堕落/Vraska's Fallファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena

[編集] イラストに登場

ジェイスvsヴラスカ
夜の囁き/Night's Whisper
ギルド門侵犯
殺意の凝視/Killing Glare
イクサラン
危険な航海/Perilous Voyage、高くつく略奪/Costly Plunder、ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt
イクサランの相克 プレインズウォーカーデッキ
ヴラスカの嘲笑/Vraska's Scorn
イクサランの相克
誘導記憶喪失/Induced Amnesia黄金の死/Golden Demise首謀者の収得/Mastermind's Acquisition
ラヴニカのギルド
地底街の反乱/Undercity Uprising、最終/Finality
ラヴニカのギルド プレインズウォーカーデッキ
ヴラスカの石睨/Vraska's Stoneglare
灯争大戦
論議を呼ぶ計画/Contentious Plan
ダブルマスターズ2022
暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy(ボーダーレス版)
アルケミー:兄弟戦争
チーム結成/Assemble the Team
ファイレクシア:完全なる統一
滅殺の眼差し/Annihilating Glare、ヴラスカの堕落/Vraska's Fall、ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena
ファイレクシア:完全なる統一統率者デッキ
ノーンの命令/Norn's Decree

[編集] 登場デッキ

デュエルデッキ
プレインズウォーカーデッキ

[編集] 登場作品・登場記事

ラヴニカへの回帰ブロック
イクサラン・ブロック
ラヴニカのギルド灯争大戦
Magic (BOOM!)
ゼンディカーの夜明け
兄弟戦争
ファイレクシア:完全なる統一
機械兵団の進軍
機械兵団の進軍:決戦の後に
イクサラン:失われし洞窟
カルロフ邸殺人事件
サンダー・ジャンクションの無法者

[編集] 脚注

  1. Magic The Gathering The Visual Guide(公式書籍)
  2. Twitter(Alison Luhrs)
  3. Checking in on the Planeswalkers/プレインズウォーカー達の現状

[編集] 参考

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