クローン/Clone
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昔はこの能力に関して多くのルール上の問題点があったが、コピーに関するルールが整備された現在では問題なく処理できる。 | 昔はこの能力に関して多くのルール上の問題点があったが、コピーに関するルールが整備された現在では問題なく処理できる。 | ||
− | *[[コピー]] | + | *[[コピー]]する[[クリーチャー]]を選んでいない状態のクローンの[[特性]]は、カードにある通りである。[[P/T]]は、未定義値のルールにより0/0として扱う。 |
+ | **[[手札]]や[[墓地]]や[[スタック]]上にあるクローンを参照する際は、こちらのクローン自体の特性を用いる。例えば、[[再活性/Reanimate]]で[[リアニメイト]]した場合、墓地での特性を見るため、なんのクリーチャーをコピーしたかに関わらず[[ライフロス]]の数値はクローンの[[点数で見たマナ・コスト]]に等しい4点である。 | ||
+ | **クローンが戦場に出た際、なにもコピーしないことを選べる。そうした場合、この本来の特性の状態で戦場に出る。通常はそのまま[[状況起因処理]]で墓地に置かれることになる。 | ||
+ | *コピーするクリーチャーを選ぶのは、戦場に出る直前である。[[唱える]]ときではない。 | ||
**[[対象]]を選ぶわけではないので、[[プロテクション]]や[[呪禁]]など能力の対象にならないクリーチャーも選べる。 | **[[対象]]を選ぶわけではないので、[[プロテクション]]や[[呪禁]]など能力の対象にならないクリーチャーも選べる。 | ||
**クローンと同時に戦場に出るクリーチャーは選べない。 | **クローンと同時に戦場に出るクリーチャーは選べない。 | ||
− | *[[コピー可能な値]] | + | **唱える以外の方法で戦場に出る際にも、コピーするクリーチャーを選ぶ。例えば[[明滅]]させて、戦場に出し直してコピーするクリーチャーを変更する[[プレイング]]がある。 |
− | **コピー効果でない[[クリーチャー化]]の[[継続的効果]]はコピー可能でないことに注意。例えば[[搭乗]]でクリーチャー化している[[機体]]を選んだ場合、(クリーチャー化していない)[[アーティファクト]]として戦場に出る。 | + | *[[コピー可能な値]]のみをコピーする。 |
− | * | + | **コピーするクリーチャーが[[タップ状態]]か([[位相]])、[[攻撃]]や[[ブロック (ルール用語)|ブロック]]しているか、[[オーラ]]や[[装備品]]が[[つける|ついて]]いるか、[[カウンター (目印)|カウンター]]が置かれているか、その他コピー[[効果]]でない[[パワー]]/[[タフネス]]の変更などはコピーされない。 |
− | * | + | ***コピー効果でない[[クリーチャー化]]の[[継続的効果]]はコピー可能でないことに注意。例えば[[搭乗]]でクリーチャー化している[[機体]]を選んだ場合、(クリーチャー化していない)[[アーティファクト]]として戦場に出る。 |
− | + | **[[特殊タイプ]]はコピー可能な値である。 | |
− | ** | + | ***[[あなた|自分]]が[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]する[[伝説のクリーチャー]]をコピーした場合、同名の[[伝説のパーマネント]]を2体コントロールしていることなり、[[レジェンド・ルール]]が適用される。 |
− | **「(自身のカード名)がいずれかの[[領域]]から~~」と書かれた能力はCR.603.10aの範疇外。例えば[[引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn]]をコピーしたクローンが死亡したとき、墓地を[[ライブラリー]]に加えて[[切り直す]] | + | *[[戦場に出る]]時点で用いる特性は、コピーするクリーチャーのものである。その際、コピーしたクリーチャーが持つ各種能力はいずれも機能する。 |
+ | **「戦場に出る際、~~する」「~~の状態で戦場に出る」「~~として戦場に出る」などの[[常在型能力]]は機能する。例えば[[解鎖]]で[[+1/+1カウンター]]を置くことを選べるし、[[領域大工/Realmwright]]をコピーすれば[[基本土地タイプ]]を指定できる。 | ||
+ | **[[ETB]]能力や[[PIG]]能力([[死亡誘発]]能力)などの[[誘発型能力]]も機能する({{CR|603.10a}})。[[領域変更誘発]]も参照。 | ||
+ | ***PIG能力の[[発生源]]は[[墓地]]にあるカードではなく、戦場に存在したクリーチャーであることに注意。例えば[[ゴブリンの付け火屋/Goblin Arsonist]]をコピーしたクローンが[[死亡]]したとき、[[スタック]]に置く能力の発生源の色は[[青]]ではなく[[赤]]である。 | ||
+ | ***「(自身のカード名)がいずれかの[[領域]]から~~」と書かれた能力はCR.603.10aの範疇外。例えば[[引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn]]をコピーしたクローンが死亡したとき、墓地を[[ライブラリー]]に加えて[[切り直す]]能力は[[誘発]]しない({{CR|603.6c}})。 | ||
+ | **コピーするクリーチャーが「この呪文を唱えるために支払ったマナ」を参照する能力を持っている場合([[烈日]]や[[向上呪文]]など)、クローンを唱えるのに支払ったマナを参照する。 | ||
+ | **他の[[カード]]の[[誘発条件]]などをチェックする際にも、コピーしたクリーチャーの特性を用いる。例えば[[灰色熊/Grizzly Bears]]をコピーしたなら、[[青]]ではない[[緑]][[単色]]のクリーチャーとして戦場に出たので、[[キヅタ小径の住人/Ivy Lane Denizen]]の誘発条件を満たす(かつ[[賢者街の住人/Sage's Row Denizen]]は満たさない)。 | ||
*コピーするクリーチャーの[[マナ・コスト]]に[[X]]が含まれる場合、それは0である。 | *コピーするクリーチャーの[[マナ・コスト]]に[[X]]が含まれる場合、それは0である。 | ||
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*クローンを戦場に出す効果がクローンに対して何かを行う場合、それはコピーになっても変わらずに適用される。例えば[[騙し討ち/Sneak Attack]]によって戦場に出したなら、それは速攻を得て、次の終了ステップの開始時に[[生け贄に捧げ]]られる。[[過去耕しのネフィリム/Yore-Tiller Nephilim]]によって戦場に出したなら[[攻撃している状態で戦場に出る]]し、[[墓場からの復活/Rise from the Grave]]によって戦場に出したなら、それはコピーした特性に加えて[[黒]]の[[ゾンビ]]である。 | *クローンを戦場に出す効果がクローンに対して何かを行う場合、それはコピーになっても変わらずに適用される。例えば[[騙し討ち/Sneak Attack]]によって戦場に出したなら、それは速攻を得て、次の終了ステップの開始時に[[生け贄に捧げ]]られる。[[過去耕しのネフィリム/Yore-Tiller Nephilim]]によって戦場に出したなら[[攻撃している状態で戦場に出る]]し、[[墓場からの復活/Rise from the Grave]]によって戦場に出したなら、それはコピーした特性に加えて[[黒]]の[[ゾンビ]]である。 | ||
*[[裏向き]]になっているクリーチャーをコピーした場合、コピー可能な値は裏向きにしたルールや効果によって定められた値となる。多くの場合[[無色]]の2/2でカード名、マナ・コスト、[[クリーチャー・タイプ]]、[[能力]]を持たないクリーチャーである。既に[[表向き]]であるので表向きになることはできない(裏向きであるという[[位相]]はコピーされない)。 | *[[裏向き]]になっているクリーチャーをコピーした場合、コピー可能な値は裏向きにしたルールや効果によって定められた値となる。多くの場合[[無色]]の2/2でカード名、マナ・コスト、[[クリーチャー・タイプ]]、[[能力]]を持たないクリーチャーである。既に[[表向き]]であるので表向きになることはできない(裏向きであるという[[位相]]はコピーされない)。 |
2020年5月31日 (日) 19:00時点における版
戦場の好きなクリーチャーのコピーとして戦場に出るクリーチャー。
対戦相手の一番強いクリーチャーをコピーして戦力にしたり、稀有な能力を持った自陣のクリーチャーをコピーして5枚目として利用したりと、様々な使い方ができる。
ルール
昔はこの能力に関して多くのルール上の問題点があったが、コピーに関するルールが整備された現在では問題なく処理できる。
- コピーするクリーチャーを選んでいない状態のクローンの特性は、カードにある通りである。P/Tは、未定義値のルールにより0/0として扱う。
- 手札や墓地やスタック上にあるクローンを参照する際は、こちらのクローン自体の特性を用いる。例えば、再活性/Reanimateでリアニメイトした場合、墓地での特性を見るため、なんのクリーチャーをコピーしたかに関わらずライフロスの数値はクローンの点数で見たマナ・コストに等しい4点である。
- クローンが戦場に出た際、なにもコピーしないことを選べる。そうした場合、この本来の特性の状態で戦場に出る。通常はそのまま状況起因処理で墓地に置かれることになる。
- コピーするクリーチャーを選ぶのは、戦場に出る直前である。唱えるときではない。
- コピー可能な値のみをコピーする。
- 戦場に出る時点で用いる特性は、コピーするクリーチャーのものである。その際、コピーしたクリーチャーが持つ各種能力はいずれも機能する。
- 「戦場に出る際、~~する」「~~の状態で戦場に出る」「~~として戦場に出る」などの常在型能力は機能する。例えば解鎖で+1/+1カウンターを置くことを選べるし、領域大工/Realmwrightをコピーすれば基本土地タイプを指定できる。
- ETB能力やPIG能力(死亡誘発能力)などの誘発型能力も機能する(CR:603.10a)。領域変更誘発も参照。
- コピーするクリーチャーが「この呪文を唱えるために支払ったマナ」を参照する能力を持っている場合(烈日や向上呪文など)、クローンを唱えるのに支払ったマナを参照する。
- 他のカードの誘発条件などをチェックする際にも、コピーしたクリーチャーの特性を用いる。例えば灰色熊/Grizzly Bearsをコピーしたなら、青ではない緑単色のクリーチャーとして戦場に出たので、キヅタ小径の住人/Ivy Lane Denizenの誘発条件を満たす(かつ賢者街の住人/Sage's Row Denizenは満たさない)。
- コピーするクリーチャーのマナ・コストにXが含まれる場合、それは0である。
- クローンを戦場に出す効果がクローンに対して何かを行う場合、それはコピーになっても変わらずに適用される。例えば騙し討ち/Sneak Attackによって戦場に出したなら、それは速攻を得て、次の終了ステップの開始時に生け贄に捧げられる。過去耕しのネフィリム/Yore-Tiller Nephilimによって戦場に出したなら攻撃している状態で戦場に出るし、墓場からの復活/Rise from the Graveによって戦場に出したなら、それはコピーした特性に加えて黒のゾンビである。
- 裏向きになっているクリーチャーをコピーした場合、コピー可能な値は裏向きにしたルールや効果によって定められた値となる。多くの場合無色の2/2でカード名、マナ・コスト、クリーチャー・タイプ、能力を持たないクリーチャーである。既に表向きであるので表向きになることはできない(裏向きであるという位相はコピーされない)。
- 反転カードをコピーする場合、反転カードであるという点まで含めてすべての特性をコピーしたうえで、反転前の状態で戦場に出る(反転後のカードをコピーしても、反転後であるという位相はコピーされない)。その後、条件を満たせば反転できる。
- 両面カードをコピーする場合、現在表を向いている側の特性をコピーする。クローン自身は両面カードではないため変身はできない。
関連カード
戦場に出る際に他のオブジェクトのコピーになるカード。トークンを出したり戦場のパーマネントをコピーにするカードはコピーカードの項目を参照。
クリーチャーをコピーする亜種
- Vesuvan Doppelganger - アップキープ毎にコピー対象を選択し直すことができる。(リミテッド・エディション)
- 騙り者、逆嶋/Sakashima the Impostor - カード名と伝説性を保持したままコピーし、加えて自身をバウンスする能力を得る。(神河救済)
- ヴェズーヴァの多相の戦士/Vesuvan Shapeshifter - 表向きになるか戦場に出た際にコピーする。変異と裏向きになれる能力を持つ。(時のらせん)
- 影武者/Body Double - 墓地にあるクリーチャー・カードをコピーする。(次元の混乱)
- ジュワーの多相の戦士/Jwari Shapeshifter - 同盟者・クリーチャーをコピーする。(ワールドウェイク)
- 水銀のガルガンチュアン/Quicksilver Gargantuan - 7/7であることを除いてコピーする。(ミラディンの傷跡)
- ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph - アーティファクトもコピーできる。戦場に出た際に、アーティファクトであることを加えてコピーする。(新たなるファイレクシア)
- 擬態の原形質/The Mimeoplasm - 緑青黒の多色カード。墓地のクリーチャーカードを2枚追放し、一方のパワー分の+1/+1カウンターを置いて、もう一方のコピーとして戦場に出る。(統率者)
- 幻影の像/Phantasmal Image - 対象になった時に生け贄に捧げる能力とイリュージョンのクリーチャー・タイプを加えてコピーする。(基本セット2012)
- 邪悪な双子/Evil Twin - 青黒の多色カード。同じカード名のクリーチャーを破壊する起動型能力を加えてコピーする。(イニストラード)
- 逆嶋の学徒/Sakashima's Student - 忍者のクリーチャー・タイプを加えてコピーする。忍術を持つ。(プレインチェイス2012)
- 前駆ミミック/Progenitor Mimic - 青緑の多色カード。「アップキープ毎に、そのクリーチャーのコピーであるトークンを出す」誘発型能力を加えてコピーする。(ドラゴンの迷路)
- ダクの複製/Dack's Duplicate - 青赤の多色カード。速攻と廃位を加えてコピーする。(コンスピラシー)
- 気紛れな詐称者/Mercurial Pretender - コピー先は自分のコントロールするクリーチャー限定。自身をバウンスする能力を加えてコピーする。(基本セット2015)
- 鏡像/Mirror Image - コピー先は自分のコントロールするクリーチャー限定。(基本セット2019)
- 灯の分身/Spark Double - コピー先は自分のコントロールするクリーチャーかプレインズウォーカー限定。前者の場合+1/+1カウンターを1個置いた状態で、後者の場合忠誠カウンターを1個追加で置いた状態で、そしてどちらの場合も伝説ではない状態でコピーする。(灯争大戦)
- 賢いなりすまし/Clever Impersonator - 土地でないパーマネントをコピーする。(タルキール覇王譚)
- 巨体原形質/Gigantoplasm - P/T変更能力を加えてコピーする。クローンの上位互換。(統率者2015)
- もう一人の自分/Altered Ego - 青緑の多色カード。打ち消されず、X個の+1/+1カウンターが置かれた状態でコピーする。(イニストラードを覆う影)
- 替え玉/Stunt Double - 瞬速を持つ上位互換。(コンスピラシー:王位争奪)
- 多面相の侍臣/Vizier of Many Faces - 不朽を持つ。不朽で出たトークンも不朽と同じように特性が変化する。(アモンケット)
- 変幻の襲撃者/Protean Raider - 青赤の多色カード。強襲を達成しているときのみコピーする。そのため2/2のP/Tを持つ。(イクサランの相克)
- なりすましの壁/Wall of Stolen Identity - 防衛が付いた状態でコピーしてしまうが、これをコントロールしている限りコピー元はタップされアンタップ制限がかけられる。(統率者2019)
クリーチャー以外をコピーする亜種
- Copy Artifact - アーティファクトをコピーするエンチャント。(リミテッド・エディション)
- 彫り込み鋼/Sculpting Steel - アーティファクトをコピーするアーティファクト。(ミラディン)
- エンチャント複製/Copy Enchantment - エンチャントをコピーするエンチャント。(ラヴニカ:ギルドの都)
- ヴェズーヴァ/Vesuva - 土地をコピーする土地。(時のらせん)
- 創意工夫の傑作/Masterwork of Ingenuity - 装備品をコピーするアーティファクト。(統率者2014)
その他
- かつては再録禁止カードであったが、2002年7月19日に再録禁止リストから除外された。直後のオンスロートで再録されている。
- かつてはクローン/Cloneというカード名と同名のクリーチャー・タイプを持っていたが、第9版再録に際し多相の戦士へと変更された(クリーチャー・タイプのクローンは廃止)。
- 中国語版のカード名は「仿生妖」(生き物に化ける生物)と意訳となっている。本来の意味の「clone」は音訳で「克隆」と書く。