ナシ/Nashi

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ナシ/Nashiカラデシュ・ブロック初出のキャラクター。カードとしては神河:輝ける世界月の賢者の養子、ナシ/Nashi, Moon Sage's Scionが初出。

目次

[編集] 解説

神河/Kamigawaに住む鼠人/Nezumi。男性。白地に灰色の斑がある毛に覆われ、黒い革のジャケットを纏う(イラスト)。

ナシは神河の田舎の沼地にある鼠人の村に生まれた。だが鼠人たちが価値あるアーティファクトを所有していると信じるテゼレット/Tezzeretという名の邪悪なプレインズウォーカー/Planeswalkerによって、故郷の村を焼き払われ、両親も殺された。彼はプレインズウォーカーのタミヨウ/Tamiyoに養子に迎えられ、表向きには死んだものとして、大田原/Otawaraに匿われている。

その後、ナシの体毛は再び生えてきたが、火傷した場所の毛は白くなり、鼠人の中でも独特な模様を持つようになった。新たな家族は愛情深く協力的だが、それでも彼は、自分は小さく余所者であるという気持ちと向き合っている。しかしながら、彼は技術への関心を通して、悲しみに対処するすべを学び、新たな友を作るすべさえも学んだ。彼はまた、母タミヨウが多元宇宙/Multiverseで収集した物語の数々に大きな慰めを見出しており、いつの日か自分自身の目でそれを見ることだけを望んでいる。

  • 公式記事の日本語版では、鼠人の村で暮らしていたときは「那至(なし)」、タミヨウの養子となってからは「ナシ」と表記されている。これは彼が、カタカナの名を持つムーンフォークの一員となったことを示すものだろう。なお、英語原文では一貫して「Nashi」である。

[編集] 経歴

[編集] 解放/Release

ムーンフォークの子供たちとかくれんぼをしていた那至は、タミヨウを訪ねてきた大柄な猫人アジャニ/Ajaniと出くわした。他の子供たちはアジャニとの再会に盛り上がったが、那至は初めて見るアジャニの牙や鉤爪に怯え、挨拶すらできなかった。

タミヨウはアジャニに那至のことを説明した。彼は鼠人であり、テゼレットというプレインズウォーカーの命令で村を焼き払われたのだと。盗み聞きしていた那至の脳裏にあの日の記憶が蘇った――燃え盛る小屋の中、父は逃げるよう叫び、母は自分を外に投げ、自分は言われるがままに走り、だが悲鳴に振り返ると母は炎のエレメンタルに焼かれ――タミヨウは那至に声をかけ、部屋に招き入れた。那至はタミヨウに抱き締められ、止めどなく涙を流した。

それから数週間が経ち、アジャニの出発の時が来た。アジャニは那至に語った。君の家族を殺した男を見つけるべく、カラデシュ/Kaladeshという場所に行くのだと。那至はもはや泣かず、むしろ白い外套に悲しそうな様子を見せるアジャニを気遣った。そして自分が両親を失ったように、アジャニもまた、エルズペス/Elspethという名の大切な者を失ったのだと知った。

[編集] 予期せぬ協調/An Unexpected Alliance

皇/The emperorの失踪に関わるテゼレットという名の男を探していた漆月魁渡/Kaito Shizukiは、五年前にテゼレットが起こした事件の生き残りである「那至」が大田原にいることを突き止めた。タミヨウは息子を守るべく魁渡と戦ったが、最終的に彼を信じることにし、家に案内した。

魁渡はタミヨウに、「那至」こと「ナシ」を紹介された。機械好きのナシは魁渡の仮面に興奮して彼を質問攻めにし、魁渡がその仮面を折り紙の狸に変えるとさらに喜んだ。テレパシーでタミヨウから、ナシにはテゼレットのことを尋ねないよう頼まれた魁渡は、データチップを買いに中古屋へ向かうと言うナシを見送った。

[編集] 次なる戦いへ/Threads of War

魁渡はテゼレットを神河から撃退したが、タミヨウを攫われてしまった。責任を感じた魁渡はタミヨウの家族に何があったのかを説明し、彼女を必ず見つけ出すと誓った。もっと大きくなったらすぐにタミヨウを探す手伝いをすると、ナシは魁渡に約束した。魁渡は言わなかった――それがどれほど危険なことか、そもそも他の次元/Planeに行くことがどれほど困難かを。代わりに言ったのは、いつかまた会える時を楽しみにしているという言葉だった。

[編集] 働きもの/A Man of Parts

新ファイレクシア/New Phyrexiaに切り捨てられたテゼレットは、数々の次元を逃亡した末に無限連合/Infinite Consortiumの隠れ家を求めて都和市/Towashiの下層街/The Undercityへと辿りつく。だが何者かの声がした直後、ドローンの電撃と一本の刃が彼を襲う。それはナシによるものだった。故郷の村を、新たな家族をも奪った仇に対し、ナシは母の居場所を教えなければもう一度お前は死ぬと脅す。

覚悟を決めたテゼレットに対し、ナシの手は震えていた。その惨めさにテゼレットは激昂し、復讐の機会を得られることがどれだけ貴重かを説く。そこにバイクに跨った鼠人の勢団/The Reckonersが現れ、同じ鼠人のよしみとしてナシを助けようとする。しかしテゼレットの金属を操る力に対し、彼らの機械は無力だった。屍の山を前に横たわるナシに対しテゼレットは、タミヨウが生きていることを告げる。そしてもうじきナシの元に来るだろうこと、殺されていた方がまだ良かったと思うだろうことも。

[編集] 母、息子、そして物語/Mother, Son, and Story

完成化されたタミヨウは新ファイレクシアの神河侵略を指揮していた。彼女を討とうとする魁渡に対し、ナシは声をかけた。母は自分を失っているだけで、僕が声をかけたらきっと話を聞いてもらえるだろうと。魁渡はわずかな可能性に賭け、彼を連れていくことにした。もしタミヨウではなく英子が完成化されていたなら、きっと自分は同じことをしていただろうと考えたからだ。

ナシは震えながらもタミヨウに声をかけたが、その瞬間、彼女の全身が不自然に回転し無数の金属片を放った。彼女はただ、よじれた声でファイレクシアの素晴らしさを説き続けていた。もはやナシの母はそこにいない。そう悟った魁渡はナシを遠ざけた――母の形をしたそれを傷つける様子を、彼に見せたくはなかったからだ。

タミヨウとの戦いで窮地に陥った魁渡の元に、香醍/Kyodaiに乗った神河の皇が飛来した。迫りくる金属片を切り裂きながら皇が突き進むと、彼女は後ずさった。そして怯えたナシのすぐ隣で立ち止まり、彼の頭に手をやると鉄の輪の巻物の封を解いた。何が起ころうとしているかを理解したナシが離れた直後、皇の刃がタミヨウを切り裂いた。

悲嘆に暮れるナシの肩に、奇妙な手が置かれた。そしてタミヨウ本来の温かい声が聞こえた――横たわるファイレクシア人の躯からではなく、魁渡達の中から。彼らが目にしたものはタミヨウを象った文字の集合体、彼女が自身の死を見越して作り出した物語であった。その言葉が信じられぬ魁渡は、文字の塊に近づこうとするナシを止めようとするが、皇がそれをさえぎった。曰く、タミヨウの最後の攻撃は自分達を傷つけないようになっていた、タミヨウは自分のできる唯一の方法でファイレクシアに抵抗していたのだと。ナシはタミヨウの残滓、終わりのない物語に抱きかかえられていた。彼はきっと、タミヨウの仕事を引き継いでいくのだろう。

[編集] 登場

[編集] 登場カード

[編集] 登場作品・登場記事

カラデシュ・ブロック
神河:輝ける世界
ファイレクシア:完全なる統一
機械兵団の進軍

[編集] 参考

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