プレインズウォーカー/Planeswalker

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プレインズウォーカー/Planeswalkerは、多元宇宙/Multiverseにおいて、次元/Planeの外に広がる久遠の闇/Blind Eternitiesを通り抜け、別の次元へと渡り歩く力(プレインズウォーク能力[1])を持っている存在のこと。読んで字の如く、「次元を渡り歩く者」の意である。

ほとんどの人々は、この多元宇宙には自分たちが住んでいるのとは別の次元があり、そこに行く力を持つ者がいるなどということは、まったく知らないか、おとぎ話だと思っている。それが事実だと知っているのは、それを自分の体で体験したプレインズウォーカーと、その直接の知り合いだけに限られている。

  • アラーラ/Alaraは5つの断片/Shardに分かれているが、その分かたれた断片がなぜ分かたれたかなどは認識しておらず、したがってこの説明とは矛盾しないと言われている。

プレイヤーとしてのプレインズウォーカー

マジック:ザ・ギャザリングをプレイしているあなた(もしくは他のプレイヤー)は、プレインズウォーカーである。 あなたはさまざまな次元を旅して、そこの土地マナの繋がりを得て、生物魔法呪文書1ページに記して、そのページを集めて呪文書を作成する。不要な生物や魔法はまとめて書庫に保管しておく。 そして、別のプレインズウォーカーと、時には遊戯やちょっとした賭け事として、時には命を賭けた決闘として、呪文書を用いて対決するのである。

マジックが発売されたごく初期ではこういう設定であり、またエレメンタル土地といった意思を思惟するのが難しいような存在も使役できる存在である以上、この呪文書を操れるプレイヤーはまさに神の如き存在だった。だが、あなたが他のプレインズウォーカー、すなわち当時は対戦相手をコントロールすることができないのと同様、どんなに偉大な存在であってもプレインズウォーカーそのものがカード化されることはなかったのである。
言い換えれば、プレイヤーは呪文書を持つプレインズウォーカー達を自分の書庫の呪文書の1ページに押し込めることができなかった。彼らが持つ呪文書に記された呪文(バリンの抹消/Obliterateなど)を模倣して、間接的に呪文書に入れることができる[2]のみだったのである。[3]
このようなプレインズウォーカー同士の入れ子設定は、ラヴニカ・ブロックの次に来た時のらせんブロックにて大修復が発生した際に見直されることになる(後述)。

  • ごく初期でプレインズウォーカーがカード化されなかったのは、もっと単純に、もしプレインズウォーカーがクリーチャーであり、そういう存在を支配できたり恐怖で殺したりしたとき、じゃあその呪文を稲妻/Lightning Boltのようにプレイヤーに直接使えないのはなぜなんだという矛盾が生じるのを防ぐためでもある。後にクリーチャー化したプレインズウォーカー(後述)やそれとは別にカード化されたプレインズウォーカーはそういう矛盾、つまりなぜプレイヤーには使えないんだという矛盾に触れないよう、ルール面・設定面でしっかり保護されている。
  • 余談だが、この大修復以後に精神隷属器/Mindslaverが実装されたことにより、ただの機械が神の如きプレインズウォーカー(プレイヤー)を操作できるという上述の設定上の不文律(あるいは第四の壁)が破られたことになり、さらにソリン・マルコフ/Sorin Markovによってプレイヤーですらないプレインズウォーカーがプレイヤーをコントロールできるという不文律をさらに破る出来事が発生し、とどめに約束された終末、エムラクール/Emrakul, the Promised Endによってプレイヤーはもはや高位エルドラージ/Eldraziにすら左右されるようになった(ついでに空虚への扉/Door to Nothingnessカウント男爵/Baron Von Countによって、プレイヤーを恐怖の対象に取ったかのように破壊/追放することも可能になった)。よって上述の矛盾は操作についてすら形骸化していると言っていいだろう。
    • ただし、最低60ページ以上の呪文書を作り出すことができ、他の様々な次元から特色ある土地を切り出して色マナを抽出し、そこからエルドラージや伝説の存在などを召喚することができ、英雄の破滅/Hero's Downfallの対象に取れないでいるのは、現代に続くプレイヤーたちだけの特権である。

背景ストーリー上の(プレイヤーでない)プレインズウォーカーたち

マジックの物語には多種多様な魔法使いたちが登場するが、プレインズウォーカーはその中でも別格の力を持つ存在である。

いかに優秀な魔法使いがたゆまぬ努力を積んで熟達の域に達しようとも、素質がなければプレインズウォーカーになることはできない。逆に、素質があれば魔法使いでなくともプレインズウォーカーとして覚醒することもままある。その素質は「灯/Spark」と呼ばれており、幸運にも(もしくは不幸にも)それを覚醒させた者だけが、プレインズウォーカーとなる(→プレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Spark参照)。

大修復以前/pre-Mending

かつてのプレインズウォーカーたちは、まさに「神」のような存在であった。強大な魔力は、彼らの肉体を不老不死とし、その姿を自由に変化させ(シェイプシフター/Shapeshifterとしての能力)、世界を創るも滅ぼすも自由にできるほどであった。しかしそれゆえに、あるいは多くの異なる次元を観ることができるがゆえに、その正気の度合いは判断が難しい。その能力を利用して欲望の赴くままに振舞う者(テイザー/Taysirガイヤドローン・ディーハダ/Geyadrone Dihadaレシュラック/Leshracなど)、肉親の死による絶望から世界の破滅を願う者(テヴェシュ・ザット/Tevesh Szat)、孤独から復讐に駆り立てられる者(Ravidel(ラヴィデル))、永遠の寿命のため狂気に陥りそうになった者(フレイアリーズ/Freyalise)、数千年に渡る戦争計画のため様々な非人道的実験を行った者(ウルザ/Urza)など、枚挙に暇がない。

大修復以後/post-Mending

時のらせんブロックの物語において時の裂け目/Time Riftが修復された際(大修復/The Mending)、多元宇宙全体に影響が生じ、プレインズウォーカーといえども無限の魔力や不死の力を得ることができなくなった。それでもまだ、一般の魔道士とは比較にならない大きな魔力や知識を持ち、次元の移動なども依然として可能。そして以前ほどではないが、力を持て余しどこか常識では図りがたい精神を持つに至る例がある点も同様である。詳しくはコラム「You Are a Planeswalker/あなたはプレインズウォーカーだ」を参照。また、大修復による影響については大修復/The Mendingの項を参照。

  • このストーリーを受け、次のローウィン・ブロックでは初めて現役プレインズウォーカーがカード化している。また、それらのカードはルール上でもクリーチャーと扱いが異なっており、どちらかと言えば「プレイヤーと共に戦う」という存在になっている。→プレインズウォーカー (カード・タイプ)
  • ニコル・ボーラス/Nicol Bolasのように、かつての神のごとき力を取り戻そうと暗躍している者もいる。
  • 大修復以降はポータル/Portalウェザーライト/Weatherlightなどプレインズウォーカーが関わらない生物の次元間移動が軒並み不可能になっており、次元間移動はプレインズウォーカーの特権になっている。またプレインズウォーカーであっても他の生物を次元間移動させることは困難であり、可能であったとしてもそれには強い制約を伴う。
    • これらはプレインズウォーカーの独自性を損なわないようにするための設定である[5]

備考

  • ポケットプレイヤーズガイド日本語版に掲載されたJohn Tynesによる「ドミニアの本質」の「プレインズウォーカーは通常の魔法使いに比べて神のごとき存在である」という文脈において「プレインズウォーカーのみがマナのなんたるかを知っており、通常の魔法使いは5種類のマナについても、次元移動法についても、召喚についても知らないに等しい」と述べている。
  • 綴りが似ているが、平地渡り(Plainswalk)は関係ない。プレインズウォーカーは「次元(Plane)を渡り歩くもの」である。

ストーリーに登場したプレインズウォーカーの一覧

以下は、登場した時期のみで判別した区分である。ローウィン以降の新世代プレインズウォーカー時代に初登場した者であっても、設定上は時のらせん以前の旧時代からプレインズウォーカーであった例は少なくない。また逆に、時のらせんにおける大変動を生き延び、新時代まで生存しつづけている古参プレインズウォーカーも少数だが存在する。詳細はそれぞれのページを参照。

ローウィン以降に登場したプレインズウォーカー

ローウィン以前に登場したプレインズウォーカー

脚注

  1. プレインチェイスでの次元カードとプレインズウォーク能力はこれを端的に表したものである。まさに次元をダイス1つのきまぐれさで渡り歩けるのがプレインズウォーカーである証明なのである。
  2. この設定はダンジョンズ&ドラゴンズにおけるスペルの設定に影響されている。D&Dにおいてスペルのうちいくらかは、既存の高位魔術師が開発したものをプレイヤーが習得するようになっていたのである。
  3. つまり、「土地からマナを抽出する」という概念を持たないバリンやケルドの将官が足りないマナを文字通り捨て身で補った大魔術を、プレイヤーが模倣し呪文書の1ページに納め土地からマナを抽出して捨て身でなくても使えるようにしたのが「抹消/Obliterateというカードまたは呪文書の1ページ」である。よってプレイヤーが抹消を一度に4回使っても、フレイバーテキストのように別次元のバリンが4回もトレイリアをまきの山にしたりケルド人の宮殿が4回も爆発したりすることはないということになる。
  4. Fate-ful Stories, Part 2/運命的な話 その2Making Magic 2015年1月19日 Mark Rosewater著)
  5. Constraints and Defaults/強制と標準Making Magic 2019年7月15日 Mark Rosewater著)

参考

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