種類別

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種類別/Layerとは、オブジェクト特性に関する複数の継続的効果の適用順を決定する際の、継続的効果の分類を指すルール用語。分類したあとの適用順のルールも含めてこの用語で表す場合もある。

目次

[編集] 分類

オブジェクト特性に関する継続的効果は、以下の7つの種類別に分類される。

第1種と第7種に関してはさらに細分化されており、以下の種類細別に分類される。

種類別は「こぴ・こん・ぶん・たい・いろ・のう・ぱわー」、第7種の種類細別は「てい・せっと・しゅうせい・いれかわる(定説と習性、入れ替わる)」という語呂合わせで覚えられる。

  • 基本セット2010以前は、第5種と第6種を合わせて「一般の効果」、第7b~第7d(当時の第6b~6d)も「パワーやタフネスを変更する一般の効果」「カウンターによる効果」「パワーやタフネスに修整を与える(特定の値にしない)常在型能力による効果」という区分だった。
    • 当時は第1種から第6種までを「こぴこんぶんたいいっぱんぱわー」、第6種の中は「定位置にカウンター、習性で入れ替わる」という語呂合わせで覚えておけた[1]
  • 基本セット2015より、第7b種に該当し、タイプを変更しない効果には「基本のパワーとタフネス/Base power and toughness」という表記がされるようになった[2]
  • 2020年4月のイコリア:巨獣の棲処発売に伴う総合ルール更新で、第1種がコピー可能な値を変化させる種別と再定義され、さらにカウンターによる修整と継続的効果による修整が同一の種別になった[3]

[編集] 解説

オブジェクト特性は、それそのものの値(それがカードであればカードに印刷されたもの)から始まり、呪文能力等により様々な継続的効果が適用されることで定められる。種類別とは、この継続的効果の適用順を厳密に定めるために存在するルールである。種類別は、その継続的効果が生成された順番に関わらず、第1種から第7d種までがこの順番の通りに適用される。同一の種類別に属する複数の継続的効果に関しては、適用順を定めるためのルールが別途存在する(後述)。

  • 例:ルーン爪の熊/Runeclaw Bear対象巨大化/Giant Growth唱え解決された。この時ルーン爪の熊のパワー・タフネスは、「2/2」というカードに印刷された値から始まり、その後に「+3/+3の修整を受ける」という第7c種の継続的効果を適用することで定められる。すなわち、5/5になる。
  • 例:上記の5/5になったルーン爪の熊がいる状態で突破/Crash Throughを唱え、解決された。この時ルーン爪の熊は、「トランプルを得る(第6種)」と「+3/+3の修整を受ける(第7c種)」の2つの継続的効果が適用され、5/5トランプルになっている。
    • ここで注意したいのは、継続的効果の適用順は必ず種類別の順番に従うということである。この例では、巨大化と突破が唱えられた順番は継続的効果の適用順に関しては関係がない。
  • 例:縮退/Diminishの「基本のパワーとタフネスが1/1になる」という効果は第7b種の「パワーやタフネスを特定の値にする効果」である。
    • +1/+1カウンターが乗っているクリーチャーに縮退の効果が適用されると、カウンターによる効果は第7c種なので、7b(縮退)→7c(カウンター)の順で適用されるため、そのクリーチャーは2/2になる。
    • あなたが栄光の頌歌/Glorious Anthemとクリーチャー1体を戦場に出している状態で、そのクリーチャーに縮退の効果が適用されると、栄光の頌歌の効果は第7c種なので、7b→7cの順で適用されるため、そのクリーチャーは2/2になる。

ある効果が複数の種類別に分類できるなら、それぞれが適切な種類別として扱われる。

  • 以前は、第4種に分類できる効果がある場合はすべて第4種としてまとめられていたが、現在ではこのルールは廃止されている。

ある効果が複数の種類別に分類されていて、いずれかの種類別においてその効果が適用されはじめた場合、この効果を生み出している能力が途中で失われたとしても、その能力からの効果はそれぞれの種類別で適用される。

  • 例:待ち伏せ司令官/Ambush Commanderの持つ常在型能力からの継続的効果は、「森はエルフ・クリーチャーである。それは土地でもある(第4種)」「森は緑である(第5種)」「森は1/1である(第7b種)」から成る(これらすべて一つの能力からの効果であることに注意)。ここで待ち伏せ司令官にお粗末/Humbleを使用して「能力を失わせる(第6種)」とき、適用順を考えると「森は1/1である」の部分の適用前にこの能力が失われてしまうことになる。しかしこの時点で「森は1/1である」と同じ能力に含まれる「森はエルフ・クリーチャーである。それは土地でもある」「森は緑である」は適用済みであるため、「森は1/1である」の部分もそのまま適用され、最終的に森はP/Tを持たないのではなく1/1になることができる。

[編集] 同一の種類別に属する継続的効果の適用順について

それぞれの種類別(および種類細別)において、まず特性定義能力による効果を最初に適用し、それから他の効果を適用する。

同じ種類別で他の効果に依存する効果があるなら、その依存先すべての効果が適用された直後にそれを適用する。このとき複数の効果が同時に適用されることになったら、それらはタイムスタンプ順に適用される。

  • 特性定義能力の効果は他の効果に依存しないので、その適用が他の効果より後になることはない。
  • 例:ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth血染めの月/Blood Moonが戦場に存在する場合、これらの能力がもたらす継続的効果はいずれも「第4種:カード・タイプ・サブタイプ・特殊タイプ変更効果」である。このとき、血染めの月の効果を適用することでアーボーグの効果の結果が変わってくる(になることでルール文章が失われる)ため、アーボーグは血染めの月に依存していることになる。このため、血染めの月が必ず先に適用され、すなわちアーボーグは「ルール文章を持たない伝説の土地・山」となる。こちらは依存によりいずれかの効果が失われるケース。

複数の効果の依存性がループしているのなら、上記のルールを無視してそれらはタイムスタンプ順に適用される。

  • 例:オパール色の輝き/Opalescence2つ(以下Op1,Op2)と謙虚/Humility(以下Hu)が戦場に出ている。これらの能力は第4種「クリーチャーになる」と第6種「能力を失う」、そして第7b種である「パワーとタフネスがそのマナ総量に等しい」「基本のパワーとタフネスが1/1になる」とに分解できる。したがってまず第4種と第6種を適用し、その後に第7b種である残りの2つを適用する。この2つは独立している(依存関係にない)ので、タイムスタンプ順に適用し、タイムスタンプ順により結果が変化する。
    1. タイムスタンプがOp1→Op2→Huの順の場合
    2. タイムスタンプがOp1→Hu→Op2の順の場合
      • Op2が最後に適用されるが、自身には適用しないので、Op2は1/1、それ以外のオーラでないエンチャントはそのマナ総量に等しいパワー・タフネスを持つ。
    3. タイムスタンプがHu,Op1,Op2の順の場合
      • Opの両方があとに適用されるため、全てのオーラでないエンチャントはそのマナ総量に等しいパワー・タフネスを持つ。
    • 一見するとOpやHuの第7b種の部分は適用前にHuの「能力を失う」で失われるので無効化されそうだが、上記で例としている待ち伏せ司令官とお粗末の関係と同じく、既にOpは「クリーチャーになる」の部分が、Huは「能力を失う」の部分が適用されているため、同じ能力に含まれている第7b種の部分もそのまま適用されることになる。
    • この問題は「Op-Op-Hu問題」と呼ばれることもある有名なものであり、ウルザズ・デスティニー発売当時から議論が行われていた。このルールの存在意義は、まさにこの問題を簡潔かつ明確に処理することである。

[編集] 脚注

  1. 土曜学校総集編 2005年10月前半号(WebArchive)(タカラトミーマジック公式サイト 2005年10月)
  2. MAGIC 2015 CORE SET RELEASE NOTES /『基本セット2015』リリースノート(Daily MTG 2014年7月7日)
  3. 『イコリア:巨獣の住処』更新速報(総合ルール更新、オラクル更新)(Daily MTG 2020年4月13日)

[編集] 参考

引用:総合ルール 20231117.0

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