誤訳/名訳
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誤訳/名訳
カード名やテキスト、クリーチャー・タイプ、フレイバー・テキストなどの誤訳や名訳を挙げよう。
- 作業工程上、以前は翻訳チームがイラストを目にすることができないまま訳していた、ということもあった模様。
- ただし、逆に目かくし/Bandageのようにイラストから影響を受けたと思われる誤訳もある。
なお、間違っても翻訳チームを誹謗中傷するのが目的ではないので、何の情報源もなしに誤訳と決めつけたりしないように。 誤訳か誤植かは、翻訳チームでない限り判断がつかないのでとりあえずまとめて扱うことにする。
- 明らかな誤訳・誤植(ゲームに支障をきたすもの)
- 明らかな誤訳・誤植(ゲームに支障の無いもの)
- 誤訳の可能性があるもの
- 誤訳とまではいえないが、適切とは言えないもの
- 誤訳ではないが、誤訳と勘違いされる可能性のあるもの
- 定訳・翻訳テンプレートに外れているため、誤訳と勘違いされるもの
- 英語版に起因する誤り
- 名訳
- 迷訳
- 日本語を除く言語で、誤訳と思われるもの
→誤植
明らかな誤訳・誤植(ゲームに支障をきたすもの)
- 生き写し/Dead Ringers|テキスト。ただし、マジック史上最悪に近い難解テキストなので、誤訳もやむなしか。
- 擬態の仮面/Mask of the Mimic|テキスト。
- ケンタウロス/Centaur|幻影のケンタウロス/Phantom Centaur、根づけケンタウロス/Centaur Rootcasterのカード名とクリーチャー・タイプ。他の"Centaur"はケンタウルス。クリーチャー・タイプは修正されたが、カード名はそのままになっている。
- 残忍な詐欺師/Feral Deceiver|カード名重複(誤植)。→残酷な詐欺師/Cruel Deceiver
- 茂みの精霊/Thicket Elemental|テキスト。
- 消耗/Exhaustion|ポータルとカード名が重複するが疲労困憊/Exhaustionと訳されてしまったカード。しかもカード名の訂正が行われることもなく、「同じカードとして扱う」という発表が出たのみだった。
- 真実か詐話か/Truth or Tale|テキスト。
- 新野の火計/Burning of Xinye|カード名重複(勘違い)。→燎原の火/Wildfire
- すさまじき激情/Blood Frenzy|カード名重複。→血の狂乱/Consuming Ferocity
- 総帥の召集/Patriarch's Bidding|テキスト。
- 大竜巻の精霊/Tornado Elemental|カード名重複。→竜巻の精霊/Waterspout Elemental
- 抵抗+救難/Stand+Deliver|カード名(救難)重複。→救出/Rescue
- 動員令/Mobilization|カード名重複。→動員/Mobilize
- 闘技場/Arena|テキスト。
- 冬の抱擁/Winter's Grasp|カード名統一の不備。
- 沼地の王ソルカナー/Sol'kanar the Swamp King|テキスト。
- 狡知/Guile|カード名重複。→狡猾/Cunning
- 敵愾/Hostility|カード名(敵意)重複。→悪意+敵意/Spite+Malice
- 山羊さらい/Goatnapper|テキスト。×「山羊」→○「ヤギ」
- 悪名高き群れ/Notorious Throng|テキスト。
- 放浪者ライズ/Rhys the Exiled|テキスト。
明らかな誤訳・誤植(ゲームに支障の無いもの)
- 穴掘り兵長(Drill Sergeant)|カードではなくクリーチャー・タイプの誤訳。「教練軍曹」
参考:スカークの教練教官/Skirk Drill Sergeant
- イチョリッド/Ichorid|カード名の発音。レキシコンにあるように語源は"ichor"であるから、アイコライドやアイコリッドと訳すべきである。日本語なら「膿すすり」あたりか。
- カーナシド/Carnassid|フレイバー・テキスト。詳細はこちら。
- 開放されたドワーフ/Liberated Dwarf|カード名。「開放」とは扉や窓を文字通り開け放つことである。この場合は「解放」が正しい。
- 樫族の肉裂き/Kashi-Tribe Reaver|カード名。"Reaver"に「肉裂き」の意はない。
- 金切り声の混種/Shrieking Grotesque|カード名。"grotesque"に「混種」の意味はなくカードも純粋なガーゴイル。
- 寄生牙のベヒモス/Wormfang Behemoth|テンプレート統一漏れ。他のBehemothは「ビヒモス」。
- 給食スリヴァー/Victual Sliver|カード名。
- 剣歯ワイヴァーン/Sabertooth Wyvern|フレイバー・テキスト。詳細はこちら。
- ゴブリン斥候隊/Goblin Scouts|フレイバー・テキスト。ドワーフがドリーフになっている(誤植?)。
- サイムーン/Simoon|カード名。外来語由来の単語のため、英語でもこの言葉は「シムーン」と読む。
- 死せざる怒り/Undying Rage|フレイバー・テキスト。"Keldon"を「ケルドン人」と訳しているが、"ケルド/Keld"で地名なのでこれは「ケルド人」となる。「スカルガンの〜」と同じタイプのミスである。
- ダウスィーの精神ドリッパー/Dauthi Mindripper|カード名。これはもはや伝説級。
- 団結のタリスマン/Talisman of Unity|テキストとカード名が整合していない。
- 天羅志の評決/Terashi's Verdict|カード名誤植。天羅至の叫び/Terashi's Cry、天羅至の掌握/Terashi's Graspなどから「天羅至」が正しいが、「天羅志」となっている。
- 憤怒の仮面/Mark of Fury|カード名。イラストを見ても英語カード名でも仮面(マスク/"mask")ではなく印(マーク/"mark")。
- 魔の魅惑/Aluren|フレイバー・テキスト。kidneyとは腎臓の事であるが、肝臓と訳されてしまっている。
- 目かくし/Bandage|カード名。包帯を巻いてるイラストだが、イラストがまずかったのか「目かくし」とやられてしまった。色と効果、英語名を考えて明らかな誤訳。イラストを見て失敗型。
- 闇の天使セレニア/Selenia, Dark Angel|フレイバー・テキスト。詳細はこちら
- よりよい品物/Greater Good|カード名。「より高い利益」といった意味。能力的にも符合し、かつ"good"という単数形では「品物」とは訳せない。
- 包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower|カード名。×「搭」→○「塔」
誤訳の可能性があるもの
- アーグの盗賊団/Erg Raiders|カード名。エルグ(erg)はサハラ砂漠などの広大な砂丘列を意味する。
- 快活な守備兵/Sanguine Guard|カード名。「血の」を意味するラテン語に由来する Sanguine だが、黒いカードということを考えると現代的な「快活な」「陽気な」ではなく、「血まみれの」という意味の古い意味が正しい。ギルドパクトの血なまぐさい法務官/Sanguine Praetor参照。
- 心の管理人/Heart Warden|カード名。設定としてはHeart of Yavimayaの管理人なのであろうと思われる。
- 空飛ぶ怪盗/Ingenious Thief|カード名。「空飛ぶ」という意味の単語はないが、能力とイラストを汲み取った翻訳。誤訳というより訳し過ぎと言うべきか。
- 天使の嗜み/Angel's Grace|カード名。"grace"には優雅や魅力と猶予や恩恵といった異なる意味があり、これはそれらをかけたものである。
- 奈落のしもべ/Liege of the Pit|カード名。詳細はこちら
- ナントゥーコの鞘虫/Nantuko Husk|カード名。"husk"は鞘という意味もあるが、殻という意味もある。どちらがより「らしい」訳だったかはわからないが…
- 憎まれ者の傷弄り/Stabwhisker the Odious|カード名。"whisker"には髭という意味もあり、他の伝説のネズミに名前の系統を合わせるなら「傷髭」とでもすべきか。
- 変幻の大男/Protean Hulk|カード名。詳細はこちら。
- 吠え裂きアヌーリッド/Anurid Barkripper|カード名。"bark"には名詞で「樹皮」の意味がある。
- 四筋の稲妻/Forked Lightning|カード名。「四筋」の訳がどこから出てきたかが興味深い。
- 猛禽|複数のカード名。"raptor"の訳に相当する。"raptor"には猛禽類を指すほかに、小型の肉食恐竜を指すことがある(シヴの猛竜/Shivan Raptor)。「猛禽」は鳥類のみを指す語であるにも関わらず、奈落の猛禽/Pit Raptorからテンプレート化したため、トカゲであるraptorがこのテンプレートによって誤訳となっている可能性がある。
誤訳とまではいえないが、適切とは言えないもの
- 稲妻の斧/Lightning Axe|フレイバーテキスト。
アスモラノマルディカダイスティナカルダカール「地獄料理書」 とするのが正しい。
- 言葉遣いの誤り|性別の取り違い。他と整合性を欠くもの。
燭台の大魔術師/Magus of the Candelabraのフレイバー・テキスト。テフェリー/Teferiは男性。 髑髏カタパルト/Skull Catapultのフレイバー・テキスト(第5版、第6版)。ソリーン・レリックベインは男性。 果たし合いの場/Dueling Groundsのフレイバー・テキスト。サーボは女性であるが、一人称を「おれ」と訳されている。 夜と昼の恋歌/Love Song of Night and Day(眩しい光/Blinding Light、フェメレフの騎士/Femeref Knight、治療/Remedy、村の古老/Village Elder、ザルファーの騎士/Zhalfirin Knightのミラージュ・ビジョンズ版のフレイバー・テキスト)。詳細はこちら。 ルアゴイフ/Lhurgoyfのフレイバー・テキスト。サッフィーは女性。
- シラナの岩礁渡り/Silhana Ledgewalker|カード名。
- スカルガンの〜/Skarrgan|カード名。怒りの穴蔵、スカルグ/Skarrg, the Rage Pitsからして、「スカルグの」が正しいと思われる。
後述の「ジャムーラン・ライオン」などと似ているが、こちらはカード名の音写ではない。明らかに「の」が余計。
- ダブナントの射手/D'Avenant Archer|カード名、フレイバー・テキスト。ウェザーライト版の重バリスタ部隊/Heavy Ballistaのフレイバーにあるが、
本来はアブナント(島)が正しい。(フランス語の語形)
- 走り回るスカージ/Skittering Skirge|カード名。能力的にも「跳び回る」の方が適訳か。
- マントル/Mantle(焦熱のマントル/Fiery Mantleなど)|"mantle"は「マント」である。マント=マントルなので実際には誤訳ではないが、マントの方がわかりやすい。
- 巫女/Oracle(刻まれた巫女/Etched Oracle・とぐろ巻きの巫女/Coiling Oracle)|ヴェクの巫女/Oracle en-Vecの訳を拡大して適用している。「神託を受ける者」や「神官」、「助言者」「賢者」などの意味で訳すべきだろう。
巫女の従者/Oracle's Attendantsもこれに該当するかもしれない。
- いななくアーモドン/Trumpeting Armodon|カード名。「いななく(嘶く)」は馬に対して使う語である。
誤訳ではないが、誤訳と勘違いされる可能性のあるもの
- 嵐の運び手/Storm Seeker|カード名。"seek"は『運ぶ』ではなく『求める』『捜す』という意味の為、日本人には間違いであると見られやすいが、英語としてのニュアンスを大事にした意図的なものである。寧ろ、語呂とイメージを大切にした良い訳と評すべきだろう。
- 生ける屍/Living Death|カード名。ファンタジーものの小説等ではしばしば"living death"=「生ける屍」と訳されているので、固有名詞に近い言葉だと考えられる。
- エラダムリーのぶどう園/Eladamri's Vineyard|カード名。「ぶどう園」とフレイバー・テキスト中の「キノコワイン」との関連性。
- 子守り/Cradle Guard|カード名。"cradle"(揺籃)とは揺り籠・幼児期の事なので、意訳の範疇。訳以前に元の英単語の用法が比喩表現の一種、メタファー(暗喩)である事に注意。擬人化表現。
- 祖先の記憶/Ancestral Memories|第7版のフレイバー・テキスト。詳細はこちら。
- 宏/平和なべ|フォントの唐風隷書体の都合でこう見える。初めて導入されたウルザズ・サーガを参照。
- 道を塞ぐ者、黄泉示/Yomiji, Who Bars the Way|カード名。意図的に「路」という漢字を避けている。
- メサ/mesa|メサ・ペガサス/Mesa Pegasus、メサ・ファルコン/Mesa Falcon、聖なるメサ/Sacred Mesaのカード名。詳細はこちら。
定訳・翻訳テンプレートに外れているため、誤訳と勘違いされるもの
- いかづち頭/Thunderheads|カード名。定訳は「入道雲」。詳細はこちら。
- 雄鹿クワガタ/Stag Beetle|カード名。定訳は「クワガタムシ」。詳細はこちら。
- 殺人鯨/Killer Whale|カード名。定訳は「シャチ」。詳細はこちら。
- 疾風のデルヴィッシュ/Whirling Dervish|カード名。定訳は「旋舞教団」。詳細はこちら。
- ジャムーラン/Jamuraan|ジャムーラン・ライオン/Jamuraan Lionのカード名。定訳は「ジャムーラの〜、ジャムーラ人」。
カード名を音写したために、他の和訳と違和感が生じてしまっている。
- 大地のしもべ/Gaea's Liege|カード名。「Gaea」はギリシア神話の大地の女神。また、大地そのものも意味する語。
マジックの背景世界でも大地の女神の名前と設定され、以後のカードでは「ガイア」が定訳となる。
- 動物の魅了/Animal Magnetism|カード名。定訳「動物磁気」。詳細はこちら。
- 慰めの防御円/Circle of Solace|カード名。防御円と言うのは「Circle of Protection」までセットでの訳であるためいささか不適切。
「Circle(Circle of)」単体の訳としては物語の円/Story Circleに習って「円」、もしくは虹色の魔法円/Prismatic Circleのように「魔法円」であろう。「円」を成すもののイメージからして、「魔法円」の方が妥当か。
- ファイレクシアン/Phyrexian|ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnoughtのカード名。定訳は「ファイレクシアの〜、ファイレクシア人」。
カード名を音写したために、他の和訳と違和感が生じてしまっている。
英語版に起因する誤り[#english]
- 手甲/Shuko|カード名。手甲と言ったら「てこう」「てっこう」と読むのだが、元の英語版が"Shuko"だから振り仮名もやむを得ず「しゅこう」と振られている。
名訳
- 開(あ)きし野に蟋蟀(こおろぎ)鳴くや落つ葉陰(Cold, the wind-worn leaves Fall dead; and from autumn fields The sound of crickets)|
[[1]]の掌編「蟋蟀鳴くや」冒頭。 訳文のみに用いられている修辞法に気づいただろうか?
- 今を生きる/Seize the Day|同名の映画の邦題から。
- 逢魔が辻/Haunted Crossroads|「逢魔が時」からの連想による。この訳は草の根翻訳家からも評価が高かった。
- 最後の賭け/Final Fortune|通常、"fortune"は幸運などを示す言葉だが、カードの効果を汲んで日本語にした名訳。
- 最後の審判/Doomsday|かなりテンプレートから外れているが雰囲気に合っている。
- 屍賊/Nim|造語を完全な造語で返した訳。
(例えば凍血鬼/Bloodcurdlerも造語訳だが、「吸血鬼」という先例あってこそ。このような訳とは一線を劃す。)
- 闘争か逃亡か/Fight or Flight|FightとFlightの語感が残された名訳である。
- 不吉の月/Bad Moon|"bad"を単に悪いなどと訳さずに不吉と訳し、イラストの雰囲気をそのまま訳にも表現した名訳。
- 暴虐の覇王アスマディ/Vaevictis Asmadi|カード名。これを名訳といわずして何をか名訳といわんや。
- 芽ぐみ/Burgeoning|シャレの領域。
- めった切り/Slice and Dice|スライスして、さいの目にして、このイメージを一言で現した名訳。
- 羊術師/Ovinomancer|要はシャレの領域。たまたまはまったんじゃないかとも思うがいい訳。
- Now I Know My ABC's|フレイバー・テキスト。アルファベット26字の入った印刷でおなじみの文章をもじったテキストを、日本語版ではなんと五十音全部を一字ダブらずに訳してのけた。
- 帰ってきた刃の翼/Bladewing the Risen|かつての少年の心のふるさと、ウルトラマンに敬意を表した。
迷訳
日本語を除く言語で、誤訳と思われるもの &aname(foreign);
- アクロンの軍団兵/Akron Legionnaire(中:阿克隆的退役軍人)
- 大喰らいのワーム/Craw Wurm(中:巨爪亞龍)
- 吠えたける鉱山/Howling Mine(独:Verborgenes Wissen)