衝動的ドロー
提供:MTG Wiki
衝動的ドロー(impulsive draw)は、赤のカードが持つ「ライブラリーの一番上のカードを追放し、一定期間だけそれをプレイすることを許可する」能力の俗称。
Abbot of Keral Keep / ケラル砦の修道院長 (1)(赤)
クリーチャー — 人間(Human) モンク(Monk)
クリーチャー — 人間(Human) モンク(Monk)
果敢(あなたがクリーチャーでない呪文を1つ唱えるたび、ターン終了時まで、このクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。)
ケラル砦の修道院長が戦場に出たとき、あなたのライブラリーの一番上のカードを追放する。ターン終了時まで、あなたはそのカードをプレイしてもよい。
目次 |
解説
初めて登場したのはエルキンの壷/Elkin Bottleの能力。その後それを元ネタとして基本セット2014の紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromasterが作られ、以降は赤の能力として継続的にこの能力を持ったカードが作られている。
色の役割における赤の役割の少なさを補うために赤に移行された能力で、本来は赤の役割ではないドローを期間を区切って一時的なものにすることで赤らしさを保ち、カラーパイに反さないようになっている。紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster#開発秘話も参照。
「あなたのライブラリーの一番上からN枚のカードを追放する。ターン終了時まで、あなたはこれにより追放されたカードをプレイしてもよい。」が基本的な効果だが、カードによっては追放したカードをプレイできる期限が違ったり、土地はプレイできないものがある。
- 続唱や反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defianceの1つ目の能力もある意味衝動的ドローの亜種と言えるが、ルール的挙動や使い勝手はかなり異なる。
- 語感から誤解があるかもしれないが、衝動/Impulse風のドローではない。衝動/Impulse風のドロー効果を持つカードについては濾過の項を参照のこと。
- このことについてMark Rosewaterは「(青のカードにこの名前が使われたのは)誤りであり、初期のマジックでは色の哲学への理解が進んでいなかった」と述べている[1]。
ルール
- 「そのカードをプレイしてもよい。」とは、そのカードが土地であればプレイしてもよく、呪文であれば唱えてもよいという意味である。「そのカードを唱えてもよい。」という効果の場合、追放された土地カードをプレイすることはできない。
- 手札からではなく追放領域からプレイできる以外の、土地のプレイと呪文を唱えることに関する手順や制限はすべて従わなければならない。
- 唱えた呪文は、解決されれば通常通りパーマネント呪文は戦場に出て、インスタントかソーサリーならば墓地に置かれる。
- 示された期間が終わってもプレイされていないカードは、追放されたままになる。
主なカード
特記しない限り1枚追放で、使用期限はそのターン終了時まで。太字は使用期限が「次のあなたのターン終了時まで」持続する。マナ・コストを支払うことなく唱えるものは野生の呼び声/Call of the Wildの項を参照。
- 紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster - 4マナプレインズウォーカーの+1忠誠度能力。(基本セット2014)
- 反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance - 4マナプレインズウォーカーの+1忠誠度能力。(カラデシュ)
- 炎の職工、チャンドラ/Chandra, Fire Artisan - 4マナプレインズウォーカーの+1忠誠度能力。(灯争大戦)
- 炎の心、チャンドラ/Chandra, Heart of Fire - 5マナプレインズウォーカーの+1忠誠度能力。手札を全て捨て3枚追放。(基本セット2021)
- 予言の炎語り/Prophetic Flamespeaker - 3マナクリーチャーのサボタージュ能力。(ニクスへの旅)
- 衝動的な行動/Act on Impulse - 3マナソーサリー。3枚追放。(基本セット2015)
- ジェスカの意志/Jeska's Will - 衝動的な行動に別モードが付いた上位互換。(統率者レジェンズ)
- 前哨地の包囲/Outpost Siege - 4マナエンチャント。モードの一つで、アップキープに誘発。(運命再編)
- 溶岩との融和/Commune with Lava - (X)(赤)(赤)のインスタントでX枚追放。(タルキール龍紀伝)
- 激憤の巫師/Ire Shaman - 変異コスト(赤)のクリーチャーの変異誘発型能力。(タルキール龍紀伝)
- ケラル砦の修道院長/Abbot of Keral Keep - 2マナクリーチャーのETB能力。(マジック・オリジン)
- 夢の略奪者/Dream Pillager - 7マナクリーチャーのサボタージュ能力。与えた戦闘ダメージと同枚数追放。呪文のみ。(統率者2015)
- 流城の密教信者/Stromkirk Occultist - 3マナクリーチャーのサボタージュ能力。(異界月)
- 騒乱の発端、グレンゾ/Grenzo, Havoc Raiser - 2マナクリーチャー。自分のクリーチャーがプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーのライブラリーから追放。色マナは無視できる。(コンスピラシー:王位争奪)
- 義賊/Robber of the Rich - 2マナならず者。ならず者の攻撃時に防御プレイヤーの手札があなたより多ければそのプレイヤーのライブラリーから追放。色マナは無視できる。(エルドレインの王権)
- 鉄面連合の略取者、ブリーチェス/Breeches, Brazen Plunderer - 4マナ海賊。あなたの海賊が1体以上プレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーのライブラリーから追放。色マナは無視できる。(統率者レジェンズ)
- 表現の学部長、ナサーリ/Nassari, Dean of Expression - 5マナクリーチャー。あなたのアップキープに誘発。各対戦相手のライブラリーの上から1枚ずつ追放。(ストリクスヘイヴン:魔法学院)
- 独創の火花/Spark of Creativity - 1マナのソーサリー。1枚追放し、そのカードのマナ総量分のダメージを対象のクリーチャーに与えるか、そうしないならプレイしてもよい。(カラデシュ)
- 神託者の大聖堂/Oracle's Vault - 4マナアーティファクトのタップ能力。通常はマナ・コストを支払う必要があるが、条件を満たせばマナ・コストを支払うことなくプレイできる。(アモンケット)
- ヴァンスの爆破砲/Vance's Blasting Cannons - 4マナ伝説のエンチャント。アップキープに誘発。呪文のみ。(イクサラン)
- 闇住まいの神託者/Dark-Dweller Oracle - 2マナクリーチャーの起動型能力。1マナとクリーチャー1体の生け贄が起動コスト。(基本セット2019)
- 力の頂点/Apex of Power - 10マナのソーサリー。7枚追放。フリースペル。呪文のみ。(基本セット2019)
- 舞台照らし/Light Up the Stage - 3マナ絢爛コスト(赤)のソーサリー。2枚追放。(ラヴニカの献身)
- 未来を点火/Ignite the Future - 4マナフラッシュバック(6)(赤)のソーサリー。3枚追放。墓地から唱えるとマナ・コストを支払うことなくプレイできる。(統率者2019)
- 僻境への脱出/Escape to the Wilds - 赤緑5マナソーサリー。5枚追放。このターン、土地を1つ追加でプレイできる。(エルドレインの王権)
- 猛然たる顕現/Furious Rise - 3マナエンチャント。あなたの終了ステップに、パワーが4以上のクリーチャーをコントロールしている場合に1枚追放。期限はこの方法で別のカードが追放されるまで。(テーロス還魂記)
- 地盤の巨人/Tectonic Giant - 4マナクリーチャーの誘発型能力。攻撃時か対戦相手の呪文の対象となった時。ライブラリーの上2枚から1枚を追放。(テーロス還魂記)
- グロータグの夜走り/Grotag Night-Runner - 3マナクリーチャーのサボタージュ能力。(ゼンディカーの夜明け)
- マグマの媒介者/Magmatic Channeler - 2マナクリーチャーのタップ能力。手札を1枚捨てライブラリーの上2枚から1枚を追放。(ゼンディカーの夜明け)
- ヴァラクートの探検/Valakut Exploration - 3マナエンチャント。上陸で誘発。(ゼンディカーの夜明け)
- 魂火の噴火/Soulfire Eruption - 9マナのソーサリー。好きな数の任意の対象ごとに1枚ずつ追放。対象にはそれぞれその追放したカードのマナ総量分ダメージ。(統率者レジェンズ)
- 幽体の兵長、ベル・ボルカ/Bell Borca, Spectral Sergeant - 白赤4マナクリーチャー。アップキープに誘発。これのパワーはこのターン追放されたカード中最大のマナ総量に等しい。(統率者レジェンズ)
- タスケーリの火歩き/Tuskeri Firewalker - 3マナクリーチャー。起動コスト(1)でこれが攻撃したターンに1回のみ起動可。(カルドハイム)
- 豊潤の角杯、ハーンフェル/Harnfel, Horn of Bounty - 5マナの有色伝説のアーティファクト。起動コストとして手札1枚を捨て、2枚を追放。(カルドハイム)
- スカルドの決戦/Showdown of the Skalds - 白赤4マナの英雄譚エンチャント。第Ⅰ章で4枚追放。(カルドハイム)
- 炎巨人の憤怒/Fire Giant's Fury - 2マナソーサリー。対象の巨人に+2/+2修整とトランプルに加え、与えたダメージ枚数分追放するサボタージュ能力を付与。(カルドハイム)
- 表現の反復/Expressive Iteration - 青赤2マナのソーサリー。ライブラリーの上3枚から1枚を追放、さらに1枚は手札、1枚をライブラリーの下に送る。(ストリクスヘイヴン:魔法学院)
- 再鍛の刃、ラエリア/Laelia, the Blade Reforged - 3マナ速攻クリーチャーの誘発型能力。これが攻撃するたび。(統率者2021)
脚注
参考
- Working Your Core/『基本』的な働き(Making Magc 2013年7月8日 Mark Rosewater著)
- Every Fire Begins with a Spark/どんな大火も灯から(Making Magic 2013年7月11日 Dave Guskin著)
- Hooked on Draconics, Part 1/龍詞に魅せられて その1(Making Magc 2015年3月16日 Mark Rosewater著)
- 色の役割
- 用語集