閃光/Flash
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インスタント
あなたは、あなたの手札にあるクリーチャー・カード1枚を戦場に出してもよい。そうした場合、あなたがそのマナ・コストを最大(2)まで減らして支払わないかぎり、それを生け贄に捧げる。
手札のクリーチャーを戦場に出すインスタント。キーワード能力の瞬速の命名元になったカード[1]。
本来意図された効果は、いわば「青マナが必要になる代わり、疑似的に瞬速を付与できる」というもの。カード・アドバンテージを失ううえ、不特定マナ・コストが(2)以上含まれているクリーチャーに使わないと結果的に使用するマナまで増えてしまうなど難点が多い。それでもパーミッション・デッキからしてみると、これを通すことはすなわちフィニッシャーを通すのと同義であるため実質的なマストカウンターであり、しかもこれを打ち消しても続く対戦相手のターンに素出しされるので、1枚のフィニッシャーを止めるのに合計2枚(以上)の打ち消し呪文が必要になるという非常にいやらしいカード。特にパーミッション同士のミラーマッチで使用されることが多かった。
しかしそういう利用をされることよりも、「たった2マナで、どんなクリーチャーでもインスタント・タイミングで戦場に出し、またそれを即座に墓地送りにできるカード」として悪用された。ETB・PIG能力との相性は抜群であり、特にPIG能力を任意に誘発できるのは大きな利点で、コンボ用のカードとしては申し分ない性能を誇る。
初期はルフ鳥の卵/Rukh Eggとのコンボがタイプ1(現在のヴィンテージ)でしばしば見受けられた程度だったが、その後にアカデミーの学長/Academy RectorやパンデモノートなどのETB・PIG能力を利用したコンボが開発される。エターナルでも変幻の大男/Protean Hulkと組み合わせたハルクフラッシュという凶悪コンボデッキのキーカードとして活躍し、グランプリコロンバス07を席巻した。そのためエラッタや禁止カード指定を受けており、現在ではヴィンテージの制限カードとしてしか使用できない。
- もっとも近いリメイク版カードに斥候の警告/Scout's Warningがある。ほかに、起動型能力となった七曲がりの峡谷/Winding Canyons(土地)、常在型能力となった春分/Vernal Equinox(エンチャント)やヴィダルケンの宇宙儀/Vedalken Orrery(アーティファクト)など。
- また他の変形版としては、ソーサリーに擬似的に瞬速を与える急かし/Quickenなども。
- マスターズ25thにて新規イラストで再録され、フレイバー・テキストも与えられた。同時に変幻の大男も再録されたため、なんとリミテッドでハルクフラッシュを再現できるようになった。
- なお、日本語版のフレイバー・テキストは誤訳である。正しい訳は「どんな作戦も、タイミング良く現れた肉食獣のようには戦闘を変えることはない。」といったところ。
No tactic transforms a battle like a well-timed carnivore.
作戦のない戦闘は、食肉の好機となる。
エラッタ・禁止・制限の歴史
ウルザズ・デスティニー発売直後にエラッタが出されて「マナを支払わないと直接墓地に置かれる」というルール文章に変更された。これにより、マナを支払わなければ戦場に一瞬たりとも出ないため、ETBもPIGも誘発しないようになっていた。
その後、2007年4月のオラクル変更で元と同機能である現在のテキストに再修整された。これはパワーレベル・エラッタを極力解除していくという方針のほかにも、この時期に「手札から戦場に出す」カード(例えばエルフの笛吹き/Elvish Piperなど)がすべて「戦場に出してもよい」に変更されていたことにも遠因がある。この変更を閃光に適用すると問題があり、それを回避するためにテキストを元に戻したのだった[2]。
しかし再修整の直後にハルクフラッシュが大暴れ。これを受けて2007年6月20日よりレガシーで禁止カード、2007年9月26日よりクラシック(Magic Online)で制限カードに指定。ヴィンテージでも2008年6月20日に、これをサーチできる商人の巻物/Merchant Scrollともども制限カードに指定され、文字通り閃光のような一瞬の活躍を終えた。
脚注
- ↑ Time (Spiral) Is On My Side(Feature Article 2006年9月4日 Rei Nakazawa著)
- ↑ Three Things I Get Mail About(Latest Developments 2007年5月11日 Aaron Forsythe著)