黒
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黒/Blackはマジック:ザ・ギャザリングにおける色の1つ。
クリーチャー — ファイレクシアン(Phyrexian) ホラー(Horror)
トランプル
ファイレクシアの抹殺者にダメージが与えられるたび、その点数と同じ数のパーマネントを生け贄に捧げる。
クリーチャー — スペクター(Specter)
飛行
惑乱の死霊が対戦相手にダメージを与えるたび、そのプレイヤーはカードを1枚無作為に選んで捨てる。
色の特徴
死と力の色であり、沼からマナを引き出しゾンビ、吸血鬼やデーモンを召喚する。青と赤を友好色とし、白と緑を対抗色とする。略号はB。
黒が表すものとして、現実主義、利己主義、道徳外、畏怖、悲しみ/抑うつ、苦痛、拷問、闇、疫病、腐敗/衰退、寄生、昆虫/蜘蛛、害獣、汚職、不純/汚染、減少、偽り、操作、マキャベリズム、個人主義、計画的な破壊、自他を含めた犠牲、処刑、自己陶酔などがある。
黒をテーマにしたエキスパンションであるトーメントや、逆に他の色と比べて孤立したジャッジメントやアヴァシンの帰還など、他の色と差別的に扱われることがある。
色の役割
ライフの支払い、クリーチャーの生け贄、手札を捨てるなどのコストを求めたり、敵味方双方にそれらを強いるなどハイリスクなカードが大きな特色。
クリーチャーの得意なキーワード能力は、接死、絆魂、威迫。1番手では無いが、飛行、先制攻撃、速攻、破壊不能なども有している。キーワード以外ではシェイド能力が定番。一方でデメリットとして「タップ状態で戦場に出る」「ブロックできない」などを持つことが多い。クリーチャー・タイプには種族では、ゾンビ、吸血鬼、ホラー、デーモンなど、職業では戦士、ならず者、暗殺者などが象徴的。また、白のものと対になるような騎士やクレリックが少数存在し(白騎士/White Knightに対する黒騎士/Black Knightなど)、それらも黒の象徴の一つと言える。
エンチャントとは、基本的にシナジーを形成しない。また、除去することもできない。
アーティファクトは、墓地から手札に戻したり、リアニメイトが得意。原則的に除去は不可能。
土地は、沼をサーチしたり沼を参照して効果を大きくするカードや、土地を沼にしてしまうカードがある。土地破壊は赤に次ぎ得意。
プレインズウォーカーは、直接的な除去が可能。
クリーチャーの除去に最も長けており、破壊、マイナス修整、生け贄に捧げさせる(布告)と様々な方法を持つ。直接ダメージもドレインという形で存在する。一方でアーティファクトやエンチャントの除去は基本的に不可能。秘宝の破滅/Relic Baneや、工匠の呪詛/Artificer's Hexのような間接的にアーティファクトを妨害するカードや、陰謀団の先手ブレイズ/Braids, Cabal Minionや狂気堕ち/Descent into Madnessのような全員を巻き込むようなタイプのカードは稀に登場する。
ドローやサーチも比較的得意。ドローは夜の囁き/Night's Whisperや祭壇の刈り取り/Altar's Reapなどリソースと引き換えだが軽量なカードが定番。サーチカードは吸血の教示者/Vampiric Tutor、魔性の教示者/Diabolic Tutor、死せる願い/Death Wishなどカード・タイプを問わないものが多い。探すことができるカードに柔軟性があることに加え、探した後にそのカードを公開する必要がない点も黒のカードの強みといえる。
手札破壊は色の役割として寡占している。強力な手札破壊カードがあるかどうかは環境の黒の占有率に大きく影響する。カード名を直接指定し、手札、墓地、ライブラリーから根こそぎ追放する効果も得意。
墓地のカードの扱いに長けており、クリーチャー・カードの回収やリアニメイトできるカードは定番となっている。墓地にあるカードの枚数を参照するカードや、自分の墓地のカードを増やすようなカードも散見される。逆に、相手の墓地のカードを追放することも得意とする。
対戦相手からライフを失わせる効果を持つカードを圧倒的多数保有する。また、対戦相手からライフを奪うことで相手のライフを失わせつつ回復も可能。
マナ加速は沼が生み出すマナを倍化させたり(墓所の怪異/Crypt Ghast)、他の効果と一緒にマナを生み出す(血の儀式文/Liturgy of Blood)タイプのカードが存在する。
最悪の恐怖/Worst Fearsなど他のプレイヤーをコントロールする効果、Word of Commandや豪華の王、ゴンティ/Gonti, Lord of Luxuryなど他のプレイヤーのカードを”奪う”効果も色の役割としてもっている。
色の役割の変更
- カード名指定追放系カードの元祖は青黒多色のロボトミー/Lobotomyだが、神河ブロックの頭蓋の摘出/Cranial Extraction以降黒の色の役割として定着した。
- 初期は暗黒の儀式/Dark Ritualを有し、一時的なマナ加速といえば黒だったが、暗黒の儀式はメルカディアン・マスクスを最後に再録されず、煮えたぎる歌/Seething Songなど赤へ移行。時のらせんブロックで例外的に登場するも一時的マナ加速カードそのものがあまり登場しなくなっていった。だがゼンディカー・ブロックでのニルカーナの亡霊/Nirkana Revenant以降パーマネントが持つ効果として少数登場し、闇の誓願/Dark Petitionなどフリースペル的なマナ加速カードが登場するなど色の役割として復権している。
- 過去、アーティファクトの除去手段(Gate to Phyrexia、ファイレクシアへの貢ぎ物/Phyrexian Tribute、異形の騒霊/Xenic Poltergeist)がごく少数存在していた。
- 恐怖/Terrorや闇への追放/Dark Banishingのような、黒いクリーチャーを対象にできない黒の除去が多かったため、色が黒というだけで1つの除去耐性とされていた(黒以外という制限は、特色である自己中心的思想のためである)。破滅の刃/Doom Bladeが基本セット2014を最後に再録落ちした後はあまりそのタイプの制限を持つ強力な除去は登場していない。
- タフネスよりパワーが高い頭でっかちのクリーチャーが多かったが、色の役割が多く被っている赤との差別化を図るためにドラゴンの迷路、基本セット2013頃からタフネス偏重の方針となった。[1][2]
- 回避能力のキーワード能力として長年畏怖、沼渡りを得意としていたが、それらの能力の廃止に伴い威嚇、そして威迫へと代替わりした。
- 再生も得意としていたが、再生の使用廃止に従ってカラデシュの頃から一時的な破壊不能付与に替わっている。
- 2018年から、瞬速を緑に次いだ第2色とすることが試されている[3][4][5]。
- ドミナリア及びラヴニカのギルドでは、これまではライフロスで扱われてきた効果がダメージを与える形にデザインされている。これはフレーバーと、ルール上ほぼ同じ挙動を示すものに異なる表現を用いる必要があるかというバランスに関する実験的変更であり[6]、今後定着するかはまだ未定である。
その他
- 黒がデッキにタッチされると、ダーク〜という名前が冠せられることが多い(例:ダークファイアーズ、ダークジェスカイ)。
- マジックの色とは関係ないが、コモンカードと基本土地のエキスパンション・シンボルは黒色である。また、エキスパンションや一部の基本セットなどのカードの外枠は黒色である(→黒枠)。
脚注
- ↑ Dragon Along/ドラゴンとともに(Making Magic 2013年4月22日 Mark Rosewater著)
- ↑ M14versing/マルチバース劇場・『基本セット2014』編(Latest Developments 2013年7月19日 Sam Stoddard著)
- ↑ 選択せよ その1(Making Magic 2018年2月5日) - 問15の解説
- ↑ Blogatog(Mark RosewaterのBlog 2018年3月14日)
- ↑ @EthanFleischer(Ethan FleischerのTwitter 2018年6月29日)
- ↑ Blogatog(Mark RosewaterのBlog 2018年9月15日)
参考
- In the Black(Making Magic 2004年2月2日 Mark Rosewater著)
- In the Black ─黒い闇の中で─(Braingeyser、上の記事の和訳)
- Defining Black(Latest Developments 2004年2月6日)
- 黒の定義 −フレーバー、機能、ゲームバランスの調整─(Braingeyser、上の記事の和訳)
- Looking Out For Number One(Making Magic 2008年10月20日 Mark Rosewater著 グリクシスウィーク記事)
- In the Black Revisited/再び訪れた黒の中で(Making Magic 2015年7月27日 Mark Rosewater著 米村薫訳)
- 用語集
色 | |||||||||
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関連項目 | 無色 - 有色 - 単色カード - 多色カード - 色指標 - 固有色 - デッキカラー |