自然に仕える者、ニッサ/Nissa, Steward of Elements
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アモンケットで登場した緑青のニッサ。忠誠度能力は占術、ライブラリーの一番上のカードの展開、土地のクリーチャー化。マナ・コストと初期忠誠度にXを含む初のプレインズウォーカーである。
- +2能力
- 占術2を行うだけのシンプルな能力。
- これだけではドローの質を高めるだけで直接的には何のアドバンテージにも繋がらないが、忠誠度の上げ幅が大きい上、±0能力とはライブラリーを操作できる上に戦場に出せる範囲が広がるなど相性抜群で、確実なアドバンテージを得られるようにする準備としての側面が強い。
- 最初に小さなXで唱えたうえで、この能力によって忠誠度を上げつつアドバンテージ確保への布石を打つのが常套手段。
- ±0能力
- ライブラリーの一番上を見て、それが土地であるか自身の忠誠度以下の点数で見たマナ・コストを持つクリーチャーなら戦場に出せる能力。
- このカードの中核とも言える能力で、ドムリ・ラーデ/Domri Radeや卓絶のナーセット/Narset Transcendentの系譜を継ぐものだが、忠誠度が上がらない代わり、条件を満たした場合に手札ではなく戦場に出せる点と土地が範囲内である点で勝る。
- まず戦場に出せる点によって、カード・アドバンテージ以上にテンポ・アドバンテージを得ることができる。土地を出すことでマナ加速にもなるし、充分に忠誠度が高ければ踏み倒しとしても馬鹿にならない性能になる。極端に忠誠度を高くしなくとも、3~4マナのクリーチャーがマナも手札も使わずに毎ターン展開されては対戦相手としてみればたまったものではないだろう。また土地が範囲内である点により、ドムリ・ラーデや卓絶のナーセットが抱えていた「デッキに一定数採用しなければならない『外れ』が存在する」という問題点が解消されている。クリーチャーのマナ域をある程度で抑えておけば、スタンダードでも2枚目以降の自身以外に「外れ」が存在しないデッキを構築することは容易である。忠誠度が3~4程度あるなら、以降はこの能力を連打するだけでも大量のアドバンテージを得ることができるだろう。
- -6能力
- 土地2つをアンタップし、飛行と速攻を持つ5/5のエレメンタル・クリーチャーにする。
- 忠誠度の消費に比して少々派手さに欠けるが、回避能力を持ったパワー10は充分勝負を決め得る上に、このニッサ自体がX呪文であるため出してすぐに奥義を使えるというのは大きな長所。この能力の存在がこのカードを8マナ10点火力相当のエンドカードとして使うことを可能にしている。忠誠度1からでも+2能力を3回使えば辿り着けるため、4ターンに1度この能力を使っていくといった形の運用もできる。
基本的にはX=1か2で唱えつつ+2能力を使って忠誠度を増やしつつ±0能力でアドバンテージを得ていく運用と、X=6以上で奇襲的に奥義で10点を叩き込む運用を使い分ける形になるか。ある程度デッキ構築段階で意識する必要はあるが、Xの値も含めて非常に柔軟な運用ができる。その分、毎ターンどの能力を使うかの選択が重要になってくるため、使い手の腕が問われる一枚。
リミテッドではクリーチャー偏重になりがちであるためいずれの能力も強力で、ライブラリー操作・マナ加速・展開補助・エンドカードと多岐にわたって活躍できるボムである。スタンダードでもティムールエネルギーなどの多色ビートダウンで少数投入される場合があるほか、基本セット2019期ではターボネクサスに採用される場合もある。モダンではドルイド・コンボや緑をタッチしたエターナルブルーなどで、クリーチャーの展開補助やドローの質を高めるために投入されることがある。
- San Diego Comic Con 2017にて、古代エジプト壁画風に描かれたVincent Proceによる新規イラストのSDCCプロモーション・カード・セットが販売された[1]。
ルール
- マナ・コストと忠誠度
- X=0で唱えることもできる。その場合、ギデオンの誓い/Oath of Gideonなどの置換効果が存在しない限り、ニッサは忠誠度が0の状態で戦場に出ることとなり、忠誠度能力を起動できるようになる前に状況起因処理で墓地に置かれる。
- 何らかの効果でニッサが唱えられることなく戦場に出る場合、Xの値は未定義値のルール(CR:107.2)により0となる。
- ±0能力
- 見たカードが条件を満たしていないか、もしくはあなたが戦場に出さないことを選んだ場合、それはライブラリーの一番上に残る。
- 忠誠カウンターの数は能力の解決時に数える。一度解決に入ったなら、解決が完了するまで、どのプレイヤーもニッサの忠誠度を変えることはできない。
- 能力の解決前にニッサが戦場を離れた場合、忠誠カウンターの数は戦場における最後の情報を参照する。特に、それが忠誠度以上のダメージを与えられることで墓地に置かれていたのなら、戦場における最後の忠誠カウンターの数は0である。
開発秘話
このカードは、デザイン空間の枯渇を防ぐために何年間も温存されていた「マナ・コストにXを含むプレインズウォーカー」である。大きなXで唱えることに「マイナス能力を使える回数を増やす」以外の意味があるようにしたかったが、起動コストにもXを用いると混乱を招くため、2番目の能力は忠誠カウンターの数を参照するものになった。奥義はニッサのフレイバーに沿った土地のクリーチャー化となり、1番目の能力は2番目の能力とシナジーを持つライブラリー操作となった[2]。
また、奥義は当初5つの土地を2/2にする能力だったが、ローテーションの変更により森の代言者/Sylvan Advocateとスタンダードで共存することになり、この2枚の組み合わせで20点クロックを作れてしまうことが問題視され、2つの土地を5/5にするよう変更された[3]。
関連カード
- ニッサ・レヴェイン/Nissa Revane
- 世界を目覚めさせる者、ニッサ/Nissa, Worldwaker
- 巨森の予見者、ニッサ/Nissa, Vastwood Seer - 精霊信者の賢人、ニッサ/Nissa, Sage Animist
- ゼンディカーの代弁者、ニッサ/Nissa, Voice of Zendikar
- 生命の力、ニッサ/Nissa, Vital Force
- 自然の職工、ニッサ/Nissa, Nature's Artisan
- 自然に仕える者、ニッサ/Nissa, Steward of Elements
- 創造の魔道士、ニッサ/Nissa, Genesis Mage
- 世界を揺るがす者、ニッサ/Nissa, Who Shakes the World
- 影さす太枝のニッサ/Nissa of Shadowed Boughs
- 向上した精霊信者、ニッサ/Nissa, Ascended Animist
- 復活した精霊信者、ニッサ/Nissa, Resurgent Animist
ストーリー
ニコル・ボーラス/Nicol Bolasの陰謀を阻止するため、ゲートウォッチ/The Gatewatchの仲間たちとともにアモンケット/Amonkhetにやって来たニッサ/Nissa。苦しむ次元/Planeの魂との交信、そして壁の象形文字の記述から、ボーラスがこの次元の文化や環境を自らの望む形に作り変えてしまったことを突き止める。
詳細はニッサ・レヴェイン/Nissa Revane (ストーリー)を参照。
- 色に青が加わったのは、カラデシュ/Kaladeshで過ごした日々の中で、内省的な考え方を身につけたため[4]。
脚注
- ↑ The July 10, 2017 Update(Daily Magic Update 2017年6月10日)
- ↑ Amonkhet Talking, Part 3/『アモンケット』語り その3(Making Magic 2017年5月8日 Mark Rosewater著)
- ↑ M-Files: Amonkhet, Part 2/Mファイル『アモンケット』編・パート2(Latest Developments 2017年5月12日 Sam Stoddard著)
- ↑ Twitter(Alison Luhrs)
参考
- X Factor: Planeswalker Edition/Xファクター:プレインズウォーカー編(Feature 2017年4月11日 Luis Scott-Vargas著)
- マナ・コストにXを含むカード一覧
- カード個別評価:アモンケット - 神話レア