青単コントロール
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青単色で組まれたコントロールデッキ。 大抵はパーミッションの形をとる。
環境の青とアーティファクトにカウンター・ドロー・バウンスおよびクリーチャーコントロール、そしてフィニッシャーがしっかり存在しているときにのみトーナメントで見かける。
他の色を混ぜるタイプと比較して、単色なので安定した呪文運用が可能。 また大量にカウンターを搭載できるため、コンボデッキや動きの遅いデッキへの戦力差は拡大する。土地破壊への耐性も多少は上昇。フルバーンにならある程度有利である。
ただし環境にカードが揃ってないと何も出来ないまま負けるようなデッキになる。
- 近年では、フィフス・ドーンと神河物語から優秀なパーツが揃い始め、トーナメントに成績を残した。
- ちなみにその前のオンスロート・ブロック前後は青にとって冬の時代。
またその後の第9版+ラヴニカ・ブロック登場後は多色化傾向が顕著になり、青単色の構成は衰退した。
目次 |
時のらせんブロック+ローウィン・ブロック期
時のらせんブロックの優秀カードに、ローウィンで登場したコントロールカードを追加したタイプが主流。
クリーチャー主体の速い環境であるため、テンポを失わない祖先の幻視/Ancestral Visionが極めて好まれ、4枚積まれる事が多い。
また霊魂放逐/Remove Soulや誘惑蒔き/Sower of Temptation等の対クリーチャーカードもメインデッキから採用される。
その他のカードやフィニッシャーは好みやメタによってまちまち。
狡知/Guileを使ったもの(→*1)、ピクルスコンボを組み込んだもの、またボトルのノーム/Bottle Gnomesや造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savantによる防御を加えたものなど、様々な試行がされている。
2マナの優秀カウンター、ルーンのほつれ/Rune Snagはもとより、3マナの確定カウンターとして妖精の計略/Faerie Trickeryが使用される。
サンプルレシピ
- 備考
- グランプリクラクフ07(参考)
- 使用者:Amiel Tenenbaum
- フォーマット
- 公式サイトで「狡知/Guileデッキ」と呼ばれているタイプ。ドロー・ゴー戦略の色濃い型だ。
- 1ターン目祖先の幻視/Ancestral Visionから始まり、うまくいけば毎ターンカウンターし続けることも可能である。
- 海外では「ソニック・ブーム/Sonic Boom」と呼ばれている。由来は海外でも大人気の格闘ゲーム、ストリートファイターIIの登場人物「ガイル」の必殺技から。
時のらせんブロック構築
優秀なカードが多数存在するため、時のらせんブロック構築でも成立する。
対コントロール・対待機に絶大な効果を発揮するザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfirの存在が特に大きい。
優秀な除去である鋸刃の矢/Serrated Arrowsや柔軟性が高く大型クリーチャーに強いヴェズーヴァの多相の戦士/Vesuvan Shapeshifterの存在により、青単色にもかかわらずクリーチャーへの回答は揃っている。
単色であるが故に砂漠/Desertをフル投入できるのも利点。
基本的な動きは1ターン目祖先の幻視/Ancestral Visionから始まりコツコツとアドバンテージを積み重ねていく。
ただしスライなどを相手にするにはやや速度不足と言わざるを得ず、滅び/Damnationを擁する青黒コントロールのほうが主流である。
未来予知により遅延/Delayや造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savantを得て完成度は高まったが、タルモゴイフ/Tarmogoyfを始めとした優秀な低マナクリーチャーが増え相対的に厳しくなってしまった。
タフネスの高いクリーチャーが増えたため砂漠/Desertが機能しにくくなり、サイドボードを有効に使え、変異クリーチャーとの組み合わせることで砂漠/Desertでクリーチャーを討ち取れるピクルスへ移行した。
サンプルレシピ
- 本人曰く、デッキの整合性、安定性を突き詰め単色にしたとのこと。
- 29枚のマナソースによって毎ターン土地をおくことができ、デッキの要であるザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfirを安定して出すことができる。
蓄積ランドは投入されていない珍しい構成。
- サイドボードにピクルスコンボを備える。
神河ブロック期
呪師の弟子/Jushi Apprenticeや巻物の君、あざみ/Azami, Lady of Scrollsなど、ドローにもクリーチャーを使うタイプ。
フィニッシャーは潮の星、京河/Keiga, the Tide Starや曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirrorが一般的。 曇り鏡のメロクは、巻物の君、あざみでタップしてドロー出来る点も優秀。
元来は神河ブロック構築でメタの中心にあったけちコントロールへの対策として生まれたデッキだが、ラヴニカ:ギルドの都参入後のスタンダードでも闇の腹心/Dark Confidantなどを入れた青黒タイプが活躍している。
ミラディン・ブロック+神河ブロック期
親和の全盛期、青単色のデッキはなりを潜めていたが、禁止カード指定により親和が消滅し、卑下/Condescendや邪魔/Hinderと言った優秀カウンターも登場したおかげで、再び青単色パーミッションが活躍できるようになった。
一つは、ヴィダルケンの枷/Vedalken Shacklesで相手のクリーチャーを奪い取るヴィダルケンの枷デッキ。
このタイプは大量禁止前の親和全盛期から少数が存在し、好成績を収める事もあった。
もう一つはウルザランドの大量マナにより相手をコントロールする青単トロンである。
神河ブロックで曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirrorや潮の星、京河/Keiga, the Tide Starなどの強力なフィニッシャーを獲得したことも大きい。
マスクス・ブロック+インベイジョン・ブロック期
マスクス・ブロックで復活したピッチスペルや蓄積した知識/Accumulated Knowledge、インベイジョンで登場したアドバンテージカード嘘か真か/Fact or Fictionと、エクステンデッドの青単色パーミッションに比較的近い構造になっている。 かなり土地を切り詰めたオプトブルー型は、パーミッションとしては異色の存在。
フィニッシャーには大気の精霊/Air Elementalが使われた。
ウルザ・ブロック期
変異種/Morphlingや不実/Treacheryなどの強力カードを活用するコントロールデッキがスタンダードやウルザ・ブロック構築で活躍した。
万能パーマネントコントロールの火薬樽/Powder Kegの存在も大きい。
特に、当時の強力なマナ・アーティファクトを利用した青茶単と呼ばれるタイプが主流。 一度に多くのマナを生み出せるアーティファクトにより、マスティコア/Masticoreや天才のひらめき/Stroke of Geniusなど、大量のマナを必要とするカードを最大限に活かせる構成をとっていた。
スタンダード版
aligen="center" | LEFT: | |
メインデッキ (60) | ||
クリーチャー (4) | ||
2 | マスティコア/Masticore | |
2 | 変異種/Morphling | |
インスタント・ソーサリー (25) | ||
4 | 蓄積した知識/Accumulated Knowledge | |
2 | 無効/Annul | |
4 | 対抗呪文/Counterspell | |
2 | 威圧/Dominate | |
4 | 誤算/Miscalculation | |
4 | 巻き直し/Rewind | |
2 | 天才のひらめき/Stroke of Genius | |
3 | 妨害/Thwart | |
エンチャント・アーティファクト (5) | ||
3 | 火薬樽/Powder Keg | |
2 | 不実/Treachery | |
土地 (26) | ||
20 | 島/Island | |
2 | 黄塵地帯/Dust Bowl | |
4 | リシャーダの港/Rishadan Port | |
サイドボード | ||
2 | 無効/Annul | |
3 | 誤った指図/Misdirection | |
2 | 鎮圧/Quash | |
4 | 水没/Submerge | |
4 | 断絶/Snap |
ウルザ・ブロック構築版
- 備考
- グランプリメンフィス99 ベスト8(参考)
- 使用者:Matt Rauseo
- フォーマット
メインデッキ (60) | |
---|---|
クリーチャー (6) | |
1 | 時間の名人/Temporal Adept |
2 | パリンクロン/Palinchron |
3 | マスティコア/Masticore |
呪文 (28) | |
4 | 巻き直し/Rewind |
4 | 魔力消沈/Power Sink |
4 | 誤算/Miscalculation |
4 | 無効/Annul |
1 | 鎮圧/Quash |
4 | 不実/Treachery |
4 | 火薬樽/Powder Keg |
3 | 占いの鏡/Scrying Glass |
土地 (26) | |
3 | 離れ島/Remote Isle |
3 | 枯渇地帯/Blasted Landscape |
4 | フェアリーの集会場/Faerie Conclave |
16 | 島/Island |
サイドボード | |
2 | 鎮圧/Quash |
3 | 冬眠/Hibernation |
4 | エネルギー・フィールド/Energy Field |
3 | ウェザーシード・フェアリー/Weatherseed Faeries |
2 | チクタク・ノーム/Ticking Gnomes |
1 | 時間の名人/Temporal Adept |
テンペスト・ブロック期
優秀なカウンターやドローなどが大量に登場したことにより人気を集める。
一つは、大量のカウンターで相手の動きを封じる古典的なメガパーミッションデッキで、ミラージュ・ブロックのものはユーロブルー(ヨーロピアンブルー)、ウルザ・ブロックのものはドロー・ゴーと特に呼ばれている。
フィニッシャーにはミシュラランドや隠れ石/Stalking Stonesなどが使われた。
また、転覆/Capsizeや貿易風ライダー/Tradewind Riderなどのバウンスで強力にボードコントロールを行うタイプ、いわゆるメダリオンブルーも登場。
ミラージュ・ブロック期
優秀なカードが数多く登場し、スタンダードやミラージュ・ブロック構築で活躍する。
古典的なパーミッションスタイルのものだけでなく、ゼロックス理論を採用したターボ・ゼロックスも現れた。
またウェザーライト以降は、知恵の蛇/Ophidianをアドバンテージの中核に据えたOphidianも登場した。
サンプルレシピ
- 備考
- プロツアーパリ97 ベスト4 (参考)
- 使用者:Jason Gordon
- フォーマット
aligen="center" | LEFT: | |
メインデッキ (60) | ||
クリーチャー (15) | ||
4 | 大クラゲ/Man-o'-War | |
4 | 雲の精霊/Cloud Elemental | |
3 | 水門/Floodgate | |
4 | 竜巻のジン/Waterspout Djinn | |
呪文 (20) | ||
4 | 記憶の欠落/Memory Lapse | |
4 | 雲散霧消/Dissipate | |
4 | ブーメラン/Boomerang | |
2 | 奪取/Desertion | |
3 | 衝動/Impulse | |
1 | 海嘯/Flooded Shoreline | |
2 | 蛇かご/Snake Basket | |
土地 (25) | ||
16 | 島/Island | |
1 | 平地/Plains | |
4 | 流砂/Quicksand | |
4 | 氾濫原/Flood Plain |
- ミラージュ・ブロック構築で、ビッグ・ブルーと呼ばれるタイプのデッキ。
初期
強力なフライヤーを展開して、カウンターやバウンスでバックアップする。→ビッグ・ブルー
フィニッシャーには大気の精霊やマハモティ・ジン/Mahamoti Djinnが使われた。
エクステンデッド(ローウィン後)
ローウィン参入後のエクステンデッド環境ではNext Level Blueというデッキが存在する。
不忠の糸/Threads of Disloyaltyやヴィダルケンの枷/Vedalken Shacklesによる相手クリーチャーのコントロール奪取を特徴とする。
詳細はNext Level Blueを参照のこと。
- タルモゴイフ/Tarmogoyfなどのために緑を足した青緑タイプも多い。
旧エクステンデッド(ローテーション前)
古いエクステンデッドでも時折見かけられた。
豊富なカウンターと除去の火薬樽/Powder Keg、特殊地形対策の基本に帰れ/Back to Basicsあたりが定番。 フィニッシャーもウルザ・ブロック時代からお馴染みの変異種/Morphlingが据えられることが多い。
その他の部分は時期と環境によって様々で、軽いドローを多数採用するオプトブルー、知恵の蛇/Ophidianをドローエンジンに搭載したフォービディアンなども存在する。
多数採用された打ち消し呪文(特にForce of Will)によりコンボデッキに対処がしやすいのも大きい。
ただ、ローテーションでForce of Willが落ち、サイカトグ/Psychatogなど別の色に強力なフィニッシャーが登場したことで、単色で組む必要性が薄れこのデッキタイプは鳴りを潜めた。
サンプルレシピ
aligen="center" | LEFT: | |
メインデッキ (60) | ||
クリーチャー (5) | ||
3 | マスティコア/Masticore | |
2 | 変異種/Morphling | |
呪文 (30) | ||
3 | ミューズの囁き/Whispers of the Muse | |
4 | Force of Will | |
3 | 無効/Annul | |
4 | 衝動/Impulse | |
4 | 対抗呪文/Counterspell | |
1 | マナ漏出/Mana Leak | |
3 | 禁止/Forbid | |
1 | 放逐/Dismiss | |
4 | 火薬樽/Powder Keg | |
2 | ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk | |
2 | 基本に帰れ/Back to Basics | |
土地 (25) | ||
17 | 島/Island | |
2 | 流砂/Quicksand | |
4 | 不毛の大地/Wasteland | |
2 | Thawing Glaciers | |
サイドボード | ||
1 | ミューズの囁き/Whispers of the Muse | |
2 | 誤った指図/Misdirection | |
4 | シュモクザメ/Hammerhead Shark | |
1 | 枯渇/Mana Short | |
4 | 水流破/Hydroblast | |
1 | ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk | |
1 | 無効/Annul | |
1 | 基本に帰れ/Back to Basics |
エターナル
エターナル環境にも存在するデッキタイプである。 レガシー・ヴィンテージともに少数存在する。
特に、デュアルランドなど環境に蔓延する強力な特殊地形への対策カードとして基本に帰れ/Back to Basicsを採用可能なのが重要な点。 「青単BtB」などと呼ばれる場合もある。
その他のバリエーションはさまざまで、伝統的なパーミッションスタイルのものから、オプトブルーのように軽量ドローを採用し土地を切り詰めたもの、青茶単のようにマナ・アーティファクトを入れたタイプ、知恵の蛇/Ophidianをドローエンジンに据えたOphidianなどが存在する。
ヴィンテージでは超強力カウンター・Mana Drainを活用しやすいのも大きな魅力である。