続唱

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2011年10月11日 (火) 00:06時点における211.5.109.121 (トーク) - whois による版
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続唱/Cascade
種別 誘発型能力
登場セット アラーラ再誕
CR CR:702.85

続唱/Cascadeは、アラーラ再誕で登場したキーワード能力。この能力を持つ呪文唱えたときに誘発する誘発型能力である。


Captured Sunlight / 捕らえられた陽光 (2)(緑)(白)
ソーサリー

続唱(あなたがこの呪文を唱えたとき、あなたのライブラリーの一番上のカードを、コストがより低い土地でないカードが追放されるまで追放する。あなたはそれをそのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。追放されたカードをあなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。)
あなたは4点のライフを得る。


定義

続唱/Cascadeは、「あなたがこの呪文唱えたとき、あなたのライブラリーの一番上のカードを、点数で見たマナ・コストがその呪文より低い土地でないカードが追放されるまで追放する。あなたはそのカードをそのマナ・コスト支払うことなく唱えてもよい。その後、これにより追放されたすべてのカードを、あなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。」を意味する。

解説

続唱を持つ呪文唱えることで、ライブラリーの一番上のカードを、その呪文より点数で見たマナ・コストが低い土地以外のカードが出るまで追放し、そのカードをマナ・コストなしで唱えることができる能力である。

追放されたカードは、ライブラリーの一番下に無作為の順番で置かれる。これは、条件を満たすカードがライブラリーに存在しない場合、ライブラリーを好きな順番に並び替えることを防ぐためである。

ルール

  • 続唱能力は続唱を持つ呪文を唱えたときに誘発し、その呪文が解決される前に解決される。続唱能力によって唱えられたカードも同様である。続唱を持つ呪文を打ち消しても、続唱能力は打ち消されない。
  • 条件を満たすカードを追放した後、それを唱えないことを選んでもよい。唱えなかった(唱えられなかった)カードは、他のカードと同様にライブラリーの一番下に置かれる。
  • 続唱能力によって唱えられるカードは、ライブラリーではなく、追放領域から唱えられる。
  • 続唱能力によって唱えられるカードのXは0である。また、そのカードの任意の追加コストを支払ってもよく、強制の追加コストは支払わなければいけない。
  • 続唱能力によって唱えられたカードの続唱能力も誘発する。
  • 分割カードが追放された場合、いずれかのカードの点数で見たマナ・コストが続唱を持つ呪文より低ければ、どちらのカードでも唱えられる。
  • マナ・コストの無いカードは続唱能力で唱えられる(点数で見たマナ・コストは未定義値のルールにより0として扱う)。→超起源
  • 条件を満たすカードがライブラリーに存在しなかった場合、結果としてライブラリーが無作為に並べ替えられるだけだが、これは「ライブラリーのシャッフル」ではない。そのため、「ライブラリーを切り直すたび」に誘発する誘発型能力心因検査器/Psychogenic Probe)は誘発しない。

特徴

追加で1枚のカードを得るという事で一種のキャントリップ系の能力と言え、カード・アドバンテージ面で貢献してくれる。ドローでは無く、「唱えてもよい」であるため、支払うはずだった分のマナは得するが、適切な対象が存在しなかったり唱えると不利になったりするなどの理由で、唱えられない(唱えるべきでない)状況になり得るというリスクも孕んでいる。唱えられなかった場合、続唱を持つ呪文はコストが割り増し気味のため、テンポ面で損をすることになる。

デッキの構築である程度結果を制御することも可能。例えばパーマネントカードの含有率が高ければ不発に終わるリスクを抑えることもできるし、続唱のマナ域より下のカードを除去等特定の効果を発揮するカードに偏らせれば、めくれるカードは高確率で(もしくは確実に)その効果となる。

唱えたときに誘発して呪文を追加するという意味では、ストーム複製波及共謀などに類似しており、特にライブラリーから公開した条件付のカードをタダで唱えられると言う点で波及との類似性は高い。それらにも共通して言えることだが、元の呪文を打ち消されても追加の呪文には影響しないため、パーミッションに対する耐性がある。

続唱呪文は、同じ効果の続唱を持たない呪文に比べて大幅に重い。 これは、例えば現実の否定/Deny Realityを例に挙げると、最大4マナまでの呪文にブーメラン/Boomerangを付加したものと考えられるためである。全ての続唱呪文(の単体効果)は、最低1マナ相当で唱えることが可能という表現もできる。 もし効果そのものもそのマナ域相当であった場合、あまりにカードパワーが高くなってしまうだろう。

開発秘話

スピンとシャッフル

Mark Gottliebがこのキーワード能力を提案したときの名称は「スピン/Spin」で、「ライブラリーから最初のコストがN(そのカードの点数で見たマナ・コストと同値)以下の土地でないカードを見つけ、それをこの呪文の代わりに唱えてもよい。」という能力であった。要するに、スピン呪文の代わりに別の呪文を唱えられる選択肢を与える能力である。

Mike Turianは、スピン呪文は「いらだつような決定が生じる」欠点を持つと指摘した。スピン呪文はそうでない同じコストの呪文より弱くしなくてはならないが、そうすると見つけた別の呪文を選択する方が多くなり、これでは単に効果が不確定な呪文に過ぎなくなってしまう。さらに、公開されたのが元より低いコストの呪文であったら、どちらを選択しても支払ったコストに見合った効果が得られない。これを解決するため、両方の呪文を唱えるように提案し、「この呪文の代わりに唱える」が「コストを支払わずに唱えてもよい」に変更された。

その後、すべての呪文カードがスピン持ちで同じ点数で見たマナ・コストの場合、スピン呪文を1回唱えるだけで、すべてのスピン呪文が唱えられしまう問題が発生したため、スピン能力の連発を防ぐため、誘発条件が「手札から唱えられたとき」に変更された。だが、スピン能力の連発は問題ではないと多くの主張があったことから、唱えられるカードの条件が「この呪文の点数で見たマナ・コストより低い土地でないカード」に変更され、「手札から唱えられたとき」の誘発条件は削除された。

開発の終盤で、多くのテストプレイヤーが続唱で毎回ライブラリーの切り直しを強制されることに不満を述べたことから、「公開する」が「追放してからライブラリーの一番下戻す」に変更された。しかし、先述の「好きな順番に並び替えられる」ことは好まれないため、「追放したカードを無作為の順番で戻す」という少し奇怪なテキストとなった。基本的に追放したカードの束を切り直すことになるが、ライブラリーを切り直すよりは悪くないという考えである。

(→Information Cascade(邦訳:情報続々)参照)

マナ・コストの調整

公式記事Getting to Know Cascadeでは、2マナの続唱カードがなぜ作成されなかったのかを解説するために「Waterfall」という架空のカードを提示して解説している。


非公式/非実在カード

Waterfall (白)(青)
ソーサリー

続唱(あなたがこの呪文をプレイしたとき、あなたのライブラリーの一番上のカードを、コストがより低い土地でないカードが取り除かれるまでゲームから取り除く。あなたはそれをそのマナ・コストを支払うことなくプレイしてもよい。取り除かれたカードを一番下に無作為の順番で置く。)


例えば、特定の1マナ以下のカード1種類しかデッキに採用していなかった場合には、Waterfallを唱えると必ずそのカードが唱えられることになる。続唱は無作為性・不確実性を特徴に織り込んでいるため、軽過ぎる続唱カードはデザイン意図に反することになる。

また、時のらせんマナ・コストの無い待機呪文は待機という制約が課せられているために非常に強力な効果を持たされている。しかし、Waterfallを経由すれば祖先の幻視/Ancestral Vision超起源/Hypergenesisといったカードが(白)(青)で即座に唱えることができてしまう。2マナでEurekaの効果が確実に得られるのは明らかに問題であった。

調整の結果、続唱のマナ・コストは3以上に定められた。超起源デッキは依然としてポテンシャルを秘めているものの、1~2マナのカードなしにデッキ構築するにはリスクが高く、問題ないとされた(結局、超起源/Hypergenesisエクステンデッドモダン禁止カードとなったのだが)。

その他

  • 「Cascade」とは「滝」あるいは「(滝のように)繋がったもの・流れるもの」のこと。「続唱」は呪文の詠唱が連なり続いていくような様からの命名だろう。
  • 掌編The Day a Vedalken Explodedでは、「続唱」は荒れ狂うむき出しのマナの流れである大渦/Maelstromによって、魔法が影響を受けた現象として描かれている。このことから、「続唱」は大渦の一面を表現したメカニズムの1つであることが分かる。

参考

引用:総合ルール 20231117.0

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