ストリクスヘイヴン/Strixhaven
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ストリクスヘイヴン/Strixhavenは、アルケヴィオス/Arcaviosに存在する魔法の学院。ストリクスヘイヴン:魔法学院の舞台となった。
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概要
約七百年前、五体のドラゴンの魔法使いによって設立されたストリクスヘイヴンは、アルケヴィオス/Arcaviosにおける魔法学問の中心機関であり、その講堂で学ぶことを求めて若く有望な魔道士が次元/Plane全土から集まる。
ストリクスヘイヴンの使命は、魔法の知識を発見し保存すること、その知識を次の世代に広めること、あらゆる形の自由で開かれた魔法の研究を推し進めること、魔法の利用を通して次元全土の人々の暮らしを豊かにすることだ。
大学
ストリクスヘイヴンは固有のキャンパス、学部、魔法の専攻を持つ、五つの大学に分けられる――すなわちシルバークイル大学/Silverquill College、プリズマリ大学/Prismari College、ウィザーブルーム大学/Witherbloom College、ロアホールド大学/Lorehold College、クアンドリクス大学/Quandrix Collegeだ。各大学は二つのマナの色の対立を中心としている。
シルバークイル大学/Silverquill College
雄弁術/Eloquenceの大学。色は白黒。
文学を研究する者たちで、唱えた詩やインクの文字といった言葉の魔法を用いて、仲間を鼓舞し、敵の精神を攻撃する。マスコットは影魔法から作られた生けるインク、墨獣/Inkling。
詳細はシルバークイル大学/Silverquill Collegeを参照。
プリズマリ大学/Prismari College
精霊術/Elemental Artsの大学。色は青赤。
芸術を研究する者たちで、炎や水や風や土といった自然要素を用いて、自己表現となる芸術作品を作り上げる。マスコットは芸術作品でもある自然の精霊、エレメンタル/Elemental。
詳細はプリズマリ大学/Prismari Collegeを参照。
ウィザーブルーム大学/Witherbloom College
本質学/Essence Studiesの大学。色は黒緑。
生物学を研究する者たちで、生命の本質から引き出したエネルギーを用いて、傷を癒したり、死者を蘇らせたりする。マスコットは魔法の源にもなる便利なペット、害獣/Pest。
詳細はウィザーブルーム大学/Witherbloom Collegeを参照。
ロアホールド大学/Lorehold College
考古術/Archaeomancyの大学。色は赤白。
歴史学を研究する者たちで、世界中を冒険して遺跡を発掘したり、歴史上の人物の霊を召喚したりして過去を学ぶ。マスコットは生前の姿を模した像に宿した、死者の霊魂/Spirit。
詳細はロアホールド大学/Lorehold Collegeを参照。
クアンドリクス大学/Quandrix College
数魔術/Numeromancyの大学。色は緑青。
数学を研究する者たちで、理論から幾何学模様を実体化したり、数を曲げることで自身を巨大化したりする。マスコットは生ける数式たる人工生命体、フラクタル/Fractal。
詳細はクアンドリクス大学/Quandrix Collegeを参照。
大図書棟/The Biblioplex
ストリクスヘイヴンの図書館/The Library of Strixhaven、別名大図書棟/The Biblioplexは、ストリクスヘイヴンの中央に築かれている。扉のない、アーチ形の入口(このデザインは、アルケヴィオス全土で見られる魔法のスターアーチ/The star archに着想を得たものだ)が、図書館を訪れる知識欲に溢れた者たちを迎え入れる。中では、ほぼ全域が床から途方もなく高い天井まで、書物の山で埋め尽くされている。大図書棟の内部は広大で、信じられないほど長い廊下、固有の天気があるほどに高い文書保管庫、さらには舟で渡らなければならない池や濠の通路さえも存在する。
大図書棟内にはミスティカルアーカイブ/The Mystical Archiveが存在する。それは信じられないほど巨大な翼棟で、多元宇宙/Multiverseでこれまでに生まれたすべての呪文の複製が含まれていると言われる。その主張に異を唱えるには定命の者の寿命はあまりに短いが、この保管庫に無数の強力な呪文が眠っていることは確かだ。
大図書棟の中央には神託者の広間/The Hall of Oracles、記念像が並び、畏敬の念を起こさせる部屋がある。広間の中心にあるのはストリクスヘイヴンの交錯/The Strixhaven Snarl、魔法の太陽のようにこの部屋を照らす、純粋なマナの輝く巨大なもつれだ。
啓蒙の松明/Torches of Enlightenment
標の塔の五つの並びが、巨大な車輪の輻のようにストリクスヘイヴンの中心から放射状に広がり、周囲の田舎地帯まで百マイル以上も伸びている。この啓蒙の松明/Torches of Enlightenmentは魔法の炎が永遠に燃え続け、学び、無知から逃れる道の象徴となっている。五つの並びは大図書棟で一点に集まる。
魔道生徒/Mage-student
ストリクスヘイヴンの学生は、一般に魔道生徒/Mage-studentとして知られている。
一年生/First-year
新入生は、ストリクスヘイヴンの五つの大学から一つを選択するまで、一年生/First-yearと呼ばれる。一年生は全員、どの大学のものとも異なる規格化された学校制服を着用する。
一般的に、学生は基礎教育課程を一年間受講した後(一年生の名はそのためだ)、五つの神秘的な大学から一つを選択する。その後、その者は選んだ大学に従った服を着用する。
大学選択後
魔道士が大学を選択すると、その大学の二つのマナの色から一人ずつ、計二人の指導教官が割り当てられる。二人の指導教官が、ストリクスヘイヴンにおけるその学生の最善の道について相反する助言を行うこともしばしばだ――例えばクアンドリクスの学生は、緑の指導教官に強大な生物を召喚する技術を鍛えるよう勧められ、一方で青の指導員に抽象、幻影、数学的理論に向かわせられるかもしれない。
最終的に、魔道士は自分の専攻科目を選択する(色で表される)。魔道士の専攻科目は通常、属する大学の二つのマナの色の一方だが、時にはその二つの混合となることもある。
卒業後
ストリクスヘイヴンの卒業生が、学院を去った後に進む道は様々だ。多くの者は、単純に出身の共同体に帰り、魔法を用いて故郷を助ける。魔道士の中には、今まで以上の魔法を求めてアルケヴィオスを旅し、道中で他の魔道士と出会えば魔法の決闘を行う者もいる。愛する人がいる、あるいは独自の神秘的な趣味がある新たな故郷を見つける者もいる。研究を続けるべく、聖域や研究所を作る者もいる。それはいつの日か教授としてストリクスヘイヴンに戻るためかもしれない。選ばれし少数の者は龍護り/The Dragonsguardに加わる。栄誉ある創始ドラゴン/The Founder Dragonsとともに働く魔道士の精鋭部隊だ。
教授/Professor
ストリクスヘイヴンの教授は、他の魔道士たちを教育することに人生を捧げてきた、専門とする魔法分野で卓越した魔道士だ。勤続年数、魔法研究の評価、呪文の知識に応じて、教授はいくつかの階級に分けられる。
- 教官/Instructor - 授業および独自の教育課程を持つが、完全な教授になるための観察と評価の試用期間を終えていない魔道士。
- 教授/Professor - 魔法研究の一分野を専門とする認定教育者。ストリクスヘイヴンの教育者のほとんどはこの階級に属する。
- 筆頭教授/Esteemed Professor - その経歴において名を上げた教授。通常、魔法研究ないしその他の専門的な研究を発表し査読されることでこの階級を得る。ほとんどは二十年以上にわたり教鞭を執っている。
- 学部長/Dean - 五つの大学それぞれの長。各大学は二人の学部長を有しており、それぞれがその大学の半分を率いる。学部長は強大な魔道士にして著名な教授であり、大学の二色の片方に属している。学部長は各大学全体にとっての相反する助言者のようなものだ――彼らは互いに対する深く専門的な対抗意識を持っており、魔法研究の最善の道についての意見は常に分かれている。
- 名誉教授/Mage Emeritus - 名誉職の教授。ストリクスヘイヴンでの地位から去った者がしばしばこの名で呼ばれる。客員講師や講演者として重宝される。
メイジタワー/Mage Tower
メイジタワー/Mage Towerは、ストリクスヘイヴンの魔道生徒が行う団体競技スポーツだ。五つの大学それぞれが自分たちのチームを編成し、得点ルールで用いられるマスコット生物を連れてくる。メイジタワーはストリクスヘイヴンの中心的な観戦スポーツであり、学院内外から大勢のファンが押し寄せる。
メイジタワーのルールは以下の通り。
- 対戦する二つのチームがストリクスヘイヴンの競技場/Strixhaven Stadiumに集まる。各チームは五人の魔道士と一体の小さなマスコット生物で構成される。
- それぞれのチームは競技場の端の高い塔を所有し、その頂上にマスコット生物を置く。
- 目標は、相手チームのマスコットを奪って自チームの塔に運び、ポイントを獲得することである。
- プレイヤー、マスコット、観客に危害を加える、または競技場ないしゲームの基本ルールを何らかの形で損なわせる魔法は、すべて無効化される。
- それ以外の魔法はすべて認められる。ただしメイジタワー審判協議会/The Mage Tower Referee Councilの評価を仰ぐ。
- ゲームは三つのフェイズに分かれる。各フェイズはメイジタワーの砂時計が空になるまで続き、その時間は約二十分である(時に、最後の数粒の砂がたっぷりと時間をかけて下に落ちることもある)。
- 第三フェイズの終了時に、最もポイントの多いチームが勝利する。
キャラクター
- シルバークイル大学
- シャドリクス・シルバークイル/Shadrix Silverquill - 創始ドラゴンの一体で、シルバークイルの創設者。
- シャイル・タロンルーク/Shaile Talonrook - 学部長を務めるオーリン/Owlin。女性。世界をより良くするすべを教える。
- エムブローズ・ルー/Embrose Lu - 学部長を務める人間。男性。自らに相応しいものを得るすべを教える。
- キリアン・ルー/Killian Lu - 人間の魔道生徒。厳しい父エムブローズの監視に耐えながら、密かに訓練を重ね、人前ではプロの技だけを見せる。
- ブリーナ/Breena - 教授を務めるオーリン。女性。言葉に長けたカリスマで、説得された者は自分の意思で行動したのだと思い込むほど。
- フェリーサ・ファング/Felisa Fang - 吸血鬼/Vampireの魔道生徒。女性。シルバークイルの学園女王で、その不興を買えば潰されることになる。
- ニルス/Nils - 教員を務める人間。男性。学生の可能性を信じているがゆえに、彼らの間違った選択に絶えず失望している。
- フェイン/Fain - ブローカーとして働く人間。男性。学院内外の人脈を駆使し、金に糸目をつけなければ何でも調達してくれる。
- プリズマリ大学
- ガラゼス・プリズマリ/Galazeth Prismari - 創始ドラゴンの一体で、プリズマリの創設者。
- ユヴィルダ/Uvilda - 学部長を務めるジン。女性。優れた芸術は頭脳から生まれると信じている。
- ナサーリ/Nassari - 学部長を務めるイフリート。真の表現は心から生まれると考えている。
- ローアン・ケンリス/Rowan Kenrith - 人間のプレインズウォーカー/Planeswalker。女性。稲妻の魔法を操る。双子のウィルとともに入学する。
- ウィル・ケンリス/Will Kenrith - 人間のプレインズウォーカー。男性。氷の魔法を操る。双子のローアンとともに入学する。
- ルーサ・スコールハート/Rootha Squallheart - オークの魔道生徒。女性。繊細な魔法を使うよう育てられたが、本来は野生的な魔法が得意。
- ザファイ/Zaffai - 教授を務める人間。男性。優れた音楽家で、学生の課外活動であるオーケストラの指揮者。
- ヴェイラン/Veyran - 教師を務めるイフリート。女性。熟達した精霊術士で、精神的に参っている新入生がいれば、エレメンタルを呼び出して元気づける。
- オクタヴィア/Octavia - タコの姿をしたエレメンタル。とある学生の卒業制作として作り出され、自らを真の芸術と主張してキャンパスに棲みついた。
- リオーニャ/Rionya - 人間の魔道生徒。女性。その振りつけに完璧に従う共同制作者、「自分自身」と一緒に踊る。
- ウィザーブルーム大学
- ベレドロス・ウィザーブルーム/Beledros Witherbloom - 創始ドラゴンの一体で、ウィザーブルームの創設者。
- ヴァレンティン/Valentin - 学部長を務める吸血鬼。男性。個人の利益のために生物を搾取することを厭わない。
- リセッテ/Lisette - 学部長を務める人間。女性。自然を守り生命を広げることを信念とする。
- セラフィナ・オニキス/Serafina Onyx - 新任の教授。正体はプレインズウォーカーのリリアナ・ヴェス/Liliana Vess。
- ダイナ/Dina - ドライアドの魔道生徒。女性。病で失われた家族と故郷を取り戻したいと考えており、あらゆる種類の薬草茶を煎じることに長ける。
- ブレックス/Blex - 飼われていた害獣。雄。害獣らしからぬ知性を持ち、脱走計画を企て、成功させた。
- ウィロウダスク/Willowdusk - 教授を務めるドライアド。女性。居残り沼にいたが、迷子の学生に行った薬草の講義が効果的だったためスカウトされた。
- ギヨーム/Gyome - 料理長を務めるトロール/Troll。男性。日々更新される御馳走のメニューには、すべての大学の学生が大挙して押し寄せる。
- ティヴァシュ/Tivash - 教授を務める人間。男性。「邪悪」とも言われる闇の軍勢を操るが、力の善悪はその使い方次第だと主張している。
- イェドラ/Yedora - 用地管理人の長を務めるツリーフォーク。女性。非公認の葬儀屋で、愛する学院で死後を過ごしたいという学生や卒業生の願いを叶える。
- ロアホールド大学
- ヴェロマカス・ロアホールド/Velomachus Lorehold - 創始ドラゴンの一体で、ロアホールドの創設者。
- プラーグ/Plargg - 学部長を務めるオーク。男性。歴史とは予測不可能で混沌に満ちていると信じている。
- オーガスタ/Augusta - 学部長を務める人間。女性。歴史とは理想に向かう秩序ある前進だと信じている。
- クイントリウス・カンド/Quintorius Kand - ロクソドン/Loxodonの魔道生徒。男性。軍学校を除名された後、歴史の研究に真の情熱を見出した。
- ホフリ/Hofri - 教授を務めるドワーフ/Dwarf。男性。プリズマリで培った芸術的技巧と生来の霊感により、霊魂の生前の姿を可視化して彫像を構築する。
- オスギル/Osgir - 教授を務める巨人/Giant。男性。魔法で出土品を修復するとともに複製し、個人コレクションに加える。
- アリボー/Alibou - 発掘された古の戦闘用ゴーレム。暴力よりも会話を好むが、必要とあらば学院を守ると誓っている。
- ラエリア/Laelia - 決闘クラブを運営する霊魂。女性。生前の復讐はもはや果たせず、代わりに魔法の戦闘技術で学生たちを訓練している。
- ロシール/Losheel - ロクソドン。女性。将来できるだけ怠けるため、機械の助手を構築することにその頭脳を向けている。
- クアンドリクス大学
- ターナジール・クアンドリクス/Tanazir Quandrix - 創始ドラゴンの一体で、クアンドリクスの創設者。
- キアン/Kianne - 学部長を務めるエルフ/Elf。女性。計算を通して日常生活を向上させる実用的な魔法を重視する。
- イムブラハム/Imbraham - 学部長を務めるオーリン。男性。理論を通してアルケヴィオスの謎を解き明かすことを望んでいる。
- ジモーン・ウォーラ/Zimone Wola - 人間の魔道生徒。女性。早い年齢で入学を果たした神童で、その才能には秘密結社オリーク/The Oriqも目をつけている。
- アドリックス/Adrixとネヴ/Nev - 教授を務めるマーフォーク/Merfolkの双子。二人一組で教壇に立ち、緑と青のマナそれぞれへの熟達を混ぜ合わせて教える。
- エシックス/Esix - 学生が誤って作り出した、無限に取り憑かれたフラクタル。停止させようという試みは必ずゼロ除算に陥り、失敗してしまう。
- ラクサ/Ruxa - 教授を務める熊の人型種族。男性。基本を理解していなければ新しい理論には何の価値もないと考えている。
- ディーカ/Deekah - 教授を務める人間。女性。世界を一列の方程式群と見なし、新たな定理に物理的な形を与えることでそれを探求している。
- その他
- マビンダ・シャープビーク/Mavinda Sharpbeak - 指導相談員を務めるオーリン。女性。対人関係や大学の選択に悩む学生を、強力な共感の魔法で助ける。
- コーディ/Codie - 生ける書物。何世紀も前の秘本で、不機嫌に構内を徘徊しながら自分自身の文章を絶えず大声で読み上げている。
- アルケヴィオスのその他のキャラクター
登場
登場作品・登場記事
- Planeswalker's Guide to Strixhaven/プレインズウォーカーのためのストリクスヘイヴン案内(Feature 2021年4月1日 Doug Beyer and Ari Zirulnik著)
- その他の作品・記事については背景世界/読み物/ストリクスヘイヴン:魔法学院を参照。
その他
- 英語でstrixは「フクロウ属」、havenは「安息所、避難所」を意味する。
- 一つの学院の中に複数の「大学」があるのは不思議に思えるかもしれないが、アメリカにおいてuniversityとは「複数の学部から成る大きな大学」、collegeとは「複数の学部を持たない小さな大学」を意味し、またuniversityの「学部」のこともcollegeと呼ぶ場合がある。日本語の公式記事では、ストリクスヘイヴンを指すuniversityとシルバークイルなどを指すcollegeをどちらも「大学」と訳し、さらにcollegeの長deanを「学部長」と訳しているため、ややこしくなってしまっている。
- モチーフは魔法学校を舞台とするファンタジージャンル。ただし、一般的な魔法学校ものが学生に魔法を教えるのに対し、ストリクスヘイヴンは実在する学問分野を魔法を用いて学ぶ(例えば、歴史上の人物の霊に話を聞いて歴史を学ぶ)という点で大きな違いがある[1]。