白
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白/Whiteは、マジック:ザ・ギャザリングにおける色の1つ。
色の特徴
防御と軍勢の色であり、平地からマナを引き出し人間や天使を召喚する。青と緑を友好色とし、黒と赤を対抗色とする。略号はW。
優秀なクリーチャーとそれを補佐するコンバット・トリックカード、単体全体ともに豊富な除去とライフ回復手段によって、アグロ、ミッドレンジ、コントロールのどのスピードのデッキにも対応する。
再び大いなる白の道をによれば、白は平和と全体利益を求める色である。世界には皆が分かち合うに十分な資源が存在するが、個々人が必要量よりも多くを求めるが故に資源が不足し、不必要な争いと苦しみが生じる。白はこうした争いを防ぐために、共同体を作り法を広めることで、個々人を自己利益ではなく全体利益のために行動させたいと考えている。
このことから、白は宗教、軍隊、法、法廷、政治、統治、共同体、名誉、騎士道、自己犠牲、協力、光、純粋、慈善、戦略、組織などを現す色とされる。 ゲーム的には、軍隊的に小型クリーチャーを並べて攻撃するアグロ戦略に適しており、また共同体を害する個人を法に基づいて破壊・束縛する除去カードがデザインされることが多い。
利己的な黒や衝動的な赤は法を無視し、ひいては全体利益を損ねるため、白の対抗色となる。
一方、完璧を求める青は社会の完全化を目指すという点で白と共通するため白の友好色とされる。ただし青は個人の完全化を求める性質もあるため、その点では個人利益よりも全体利益を重視する白と対立する。
緑は共同体を重視すると言う点で白と共通するため白の友好色とされる。ただし、白が共同体を維持するために法を重視するのに対し、緑は野生を重視して法による支配を嫌うため、その点では白と対立する。
色の役割
- クリーチャー
- 1マナ2/1を代表とする、優秀な小型クリーチャー群を擁する。得意なキーワード能力は飛行、先制攻撃、二段攻撃、破壊不能、絆魂、警戒。常磐木ではなくなったがプロテクションも1番手。パワーよりもタフネスが高いクリーチャーが圧倒的に多く、クリーチャー1体あたりの生存率は比較的高い。クリーチャー・タイプは、種族では人間、鳥(エイヴン)、猫(レオニン)、象(ロクソドン)、天使、ドワーフなど、職業では兵士、騎士、クレリックなど。大型クリーチャーの性能は他の色に比べて控えめな傾向が強いが、各種能力によりサイズ以上の力を発揮する大型クリーチャーもいる。
- 集団の色であることから、クリーチャー・トークンの生成を得意とする。特に1/1のトークンを2体以上生成するのは定番(急報/Raise the Alarm)また、一時的、永続的な全体強化に長けており、トークン生成と合わせることで量・質ともに相手を上回ることができる(鼓舞する突撃/Inspired Charge、栄光の頌歌/Glorious Anthem)。
- クリーチャーの単体除去に関しては、黒と違い一方的に殺害するようなことはできない。好戦的な相手への迎撃=戦闘に参加しているクリーチャーを狙う(正義の一撃/Righteous Blowや叱責/Rebukeといった各種レンジストライク系呪文)、もしくは攻撃した証としてタップされたクリーチャーを狙う(復讐/Vengeanceなど)、何らかの代価を渡す(剣を鍬に/Swords to Plowsharesや流刑への道/Path to Exileなど)、平等の強制=パワーやタフネスの大きなクリーチャーを狙う(大物潰し/Smite the Monstrousなど)、一時的な拘留(払拭の光/Banishing Light、光明の縛め/Luminous Bonds、タッパー)などが多い。一方で「平等な」クリーチャー全体除去は得意技であり、定期的に収録される定番である(審判の日/Day of Judgment)。
- 奇跡による復活として、リアニメイトを行うことができる。ただし、黒と違い小型クリーチャーに限定されることが多い。
- エンチャント
- 信仰や法律を扱う白は、エンチャントのエキスパートである。サーチ、回収、リアニメイト、参照したりと様々なシナジーがあり、白だけでほとんどのことができる。逆にエンチャントを除去することに関しても一流で、白は「エンチャントの色」と呼ばれており、対抗色の赤と黒がエンチャントの対応を苦手とすることとは対照的である。
- プレインズウォーカー
- 協力や集団戦を得意とする白は、サーチや忠誠度の増加など、プレインズウォーカーの直接的な支援ができる色である。
- 土地
- コントロールしている土地の数が相手より少ない場合などに限り、条件付きのサーチができる(税収/Tithe、白蘭の騎士/Knight of the White Orchid)。また、土地を守るカードも散見される。
利他主義を信念とするところから、パーマネント・タイプを問わず、自分のコントロールするパーマネントを明滅・バウンスすることで「救出」する役割も持つ。
癒しも白の役割であり、ライフの回復やダメージの軽減は最も得意。
法と政治の色であり、相手の行動を制限・禁止する効果を得意とする。
- 攻撃やブロックの禁止・制限(平和な心/Pacifism、亡霊の牢獄/Ghostly Prison)
- 呪文を唱えることや起動型能力の起動の禁止・コスト増加(沈黙/Silence、石のような静寂/Stony Silence、スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben)
- 相手のパーマネントをタップインさせる(宿命/Kismet、異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar)
平等の色であり、積極的にアドバンテージを得るのは苦手。
- クリーチャー除去に関して、全体除去は得意でも相手だけ除去できるものはなく、単体除去も前述のような制限がかかっている。
- まとまった枚数のドローができない。一応、キャントリップは認められており、小型クリーチャーや装備品といった得意分野とかかわる場合には複数回のキャントリップという形でドローすることができる[1]。
- ライフゲインは得意だがライフロスはできない。そのためライフ操作で勝利を狙うには特殊なカード(忍耐の試練/Test of Enduranceなど)が必要になる。
- 一時的、永続的を問わずマナ加速ができない。
色の役割の変更
- かつてハルマゲドン/Armageddonを有し、土地の全体除去といえば白というイメージであったが、第7版でハルマゲドンの代わりに燎原の火/Wildfireが収録され色の役割として赤へと移っていった。その後は土地破壊というシステム自体が衰退し、パーマネント大量破壊系カードも土地は除外されるようになっていった。
- 第8版で解呪/Disenchantの代わりに帰化/Naturalizeが収録され、アーティファクト/エンチャント汎用破壊の1番手の座を緑に奪われたが、依然として優秀な汎用除去持ちである。
- 第8版以降、「ゲームのルールに制限を科す効果は白」と規定され、弱者の石/Meekstone→厳密なる執行/Crackdownや秘儀の研究室/Arcane Laboratory→法の定め/Rule of Lawなど互換品が作られ、古い方のカードは基本セットから外されたりしている[2]。
- アンタップ制限を有していたが、ゼンディカーのコーの鉤の達人/Kor Hookmaster以降は青に譲ったのか登場していない。
- 破壊不能が常盤木入りするにあたり、白が一種色となった。再生とプロテクションが常盤木から落ちると白の代表的な除去耐性としてさらに使用頻度が増えた。
その他
- マジックの色とは関係ないが、第9版以前のほとんどの基本セットや構築済みギフトボックスなどのカードの外枠は白色である。→白枠
- 実際に色として表現される場合、純白ではなく象牙色が用いられることが多い。
参考
- The Great White Way(Making Magic 2003年2月3日 Mark Rosewater著)
- 偉大なる白の業 〜白は「善い」色か?〜(Braingeyser、上の記事の和訳)
- The Past and Future of White (2003年2月7日 色の役割の変化について 和訳 Braingeyser)
- Peace, Love and Understanding(Making Magic 2008年10月6日 Mark Rosewater著 バント/Bantウィーク記事)
- The Great White Way Revisited/再び大いなる白の道を(Making Magic 2015年7月13日 Mark Rosewater著 米村薫訳)
- ↑ Dark Shadows, Part 1/暗き影 その1(Making Magic 2016年3月28日 Mark Rosewater著)
- ↑ Card of the Day - June, 2005(28日の記事)/←の記事の邦訳(Abominable Empire)
色 | |||||||||
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単色 | 白 - 青 - 黒 - 赤 - 緑 | ||||||||
多色 (金) |
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アン・ゲーム専用 | ピンク - 金 - 目の色 | ||||||||
色の関係 | 色の組み合わせ - 友好色 - 対抗色 - カラーパイ - 色の役割 | ||||||||
関連項目 | 無色 - 有色 - 単色カード - 多色カード - 色指標 - 固有色 - デッキカラー |