ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil
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イニストラードで再び登場したリリアナ。忠誠度能力は手札破壊、クリーチャーの生け贄強制、パーマネントの生け贄強制。
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解説
- +1能力
- 各プレイヤーへの手札破壊。軽さを活かして3ターン目から連発すると地味ながらなかなかの妨害になるが、そのままではアドバンテージを得られない。
- 自分の手札を使い切った状態で使う、もしくは捨てても痛くないカードを選択することで被害を低減するのがよい。候補としてはフラッシュバック持ち、墓地からの回収能力のあるカード、リアニメイト前提で大型クリーチャーなど。対戦相手に手札が無い状態であれば、状況によっては-2能力も相俟ってソフトロック状態を生み出すこともできる。
- もっとも、捨ててもよいカードを捨てる、もしくは早い段階で手札を使い切ることで手札破壊の被害を減らせるのは相手も同様なので、うまく機能しない可能性も低くない。時には手札をコストにして忠誠度を上げる能力と割り切って使う必要もあるだろう。
- -2能力
- 悪魔の布告/Diabolic Edict。初期忠誠度が3なのでそのままでは連続して使えないものの、+1能力を併用して2回以上撃てればボード・アドバンテージを得られるし、これ自身が軽いのでテンポ・アドバンテージも得やすい。プレインズウォーカーの唯一性ルールの変更により、-2能力起動後すぐに2枚目のリリアナを出して-2能力を起動といった動きも取れるようになっており、以前よりも複数のクリーチャーを相手にしやすくなっている。近年は聖トラフトの霊/Geist of Saint Traftや真の名の宿敵/True-Name Nemesisのようなクリーチャーや、装備品によるプロテクション付加などで単体除去に耐性のあるカードや場面が増えてきているので、生贄にさせる能力が複数回使えるこのカードが要となる場面が多くなってきている。
- -6能力
- 行動か死か/Do or Dieに類似した山分け能力。これは山分けの範囲が広いので、対戦相手を問わず相当なアドバンテージを得ることができる。ただし対戦相手に選択権のある山分け能力であることから最も始末したいカードを取りこぼしてしまう恐れがあり、また出してから起動までに最短でも4ターンかかるので、ビートダウン相手には少々悠長だろう。
- プレインズウォーカー全般に言えることだが、通常通り唱えて戦場に出た場合は対戦相手に優先権を渡すことなく即座に忠誠度能力を使うことができるが、続唱で唱えた場合は忠誠度能力を使う機会を得る前に稲妻/Lightning Boltなどで除去されうる点に注意。モダンのジャンド同士のミラーマッチでよく見られたやり取りである。
- ジェイス・ベレレン/Jace Beleren以来となる2枚目の3マナのプレインズウォーカー。能力もプラス能力が全体に影響、小マイナス能力がアドバンテージ獲得など、類似点が多い。
- +1能力は、ソーサリー・タイミングに限られているがマナなしで手札を捨てられるものであり、一種の共鳴者とも言える。スタンダードでは共存していないものの、マッドネスや暴勇などとも相性が良い。
利用
+1能力にやや癖があるものの、軽いプレインズウォーカーであり、ゲームの序盤から攻防に渡って活躍できる性能は持っている。全体的に対コントロール向けの能力が揃っており、フィニッシャーを唱えることを-2能力で牽制しつつ、-6能力に繋げてマナ基盤をズタズタにできればほぼ勝利が確定する。対ビートダウンにおいても除去として使用できるので、汎用性は高い。
3マナというマナ・コストの軽さも幸いして、スタンダードのみならず様々な環境で活躍するパワーカード。
スタンダード
ミラディンの傷跡ブロック+イニストラード・ブロック期
青黒コントロールからゾンビデッキまで、黒を含む様々なデッキで使われる。熟慮/Think Twiceや墓所這い/Gravecrawlerを捨てることでアドバンテージが取れる上、聖トラフトの霊/Geist of Saint Traftや最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Trollへの貴重な除去手段にもなる。ただし同環境には他にも優秀な墓地肥やし手段・布告系除去が多数存在するため、採用が見送られることも少なくない。
イニストラード・ブロック+ラヴニカへの回帰ブロック期
ラヴニカへの回帰ブロック参入後も、ジャンドなどを中心に黒の入ったデッキでよく見受けられる。
モダン
モダンでは、ジャンドやジャンクなど、コンボデッキ以外の黒系のデッキにおいてはほぼ確実に採用されている。単体除去に頼りがちな同デッキにとっては、メインデッキからでも聖トラフトの霊やぬめるボーグル/Slippery Bogleなどの呪禁持ちに自然に対策できる手段という点でも重宝する。このカードの存在により、萎れ葉のしもべ/Wilt-Leaf Liegeや強情なベイロス/Obstinate Balothなどの、いわゆる十二足獣/Dodecapod能力を持ったクリーチャーが対策カードとして使われる程である。
エターナル
エターナルでは死儀礼のシャーマン/Deathrite Shamanが健在なため、しばしば2ターン目に戦場に現れてそのまま相手を封殺する場面も見られる。BUG Delverやジャンドなど、モダン同様にコンボデッキ以外の様々なデッキで採用されている。
関連カード
- リリアナ・ヴェス/Liliana Vess
- ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil
- 闇の領域のリリアナ/Liliana of the Dark Realms
- 異端の癒し手、リリアナ/Liliana, Heretical Healer - 反抗する屍術師、リリアナ/Liliana, Defiant Necromancer
- 最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope
- 死の権威、リリアナ/Liliana, Death's Majesty
- 死の使い手、リリアナ/Liliana, Death Wielder
- 死が触れぬ者、リリアナ/Liliana, Untouched by Death
- 屍術師、リリアナ/Liliana, the Necromancer
- 戦慄衆の将軍、リリアナ/Liliana, Dreadhorde General
- 死者を目覚めさせる者、リリアナ/Liliana, Waker of the Dead
- 死の魔道士、リリアナ/Liliana, Death Mage
- オニキス教授/Professor Onyx
ストーリー
強大なアーティファクトである鎖のヴェール/The Chain Veilの力を手にしたリリアナ/Liliana。魂の契約を結んだ悪魔の1体、グリセルブランド/Griselbrandを滅ぼすべく、イニストラード/Innistradの地を訪れた。
詳細はリリアナ・ヴェス/Liliana Vess (ストーリー)を参照。
- -6能力は、サリア/Thaliaに獄庫/The Helvaultか仲間たちのどちらかを選択させるシーンを再現できる。おそらくは意図的なトップダウン・デザインだろう。
その他
- 2015年のプロツアー地域予選参加者に基本セット2015以降の新枠版のプロモーション・カードが配布された(参考 )。
参考
- Liliana's Mission/リリアナの任務(Daily MTG、Savor the Flavor、文:Doug Beyer、訳:若月繭子)
- 手札破壊カード
- カード個別評価:イニストラード - 神話レア