ハルクフラッシュ
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− | '''ハルクフラッシュ'''(''Hulk Flash'')は、[[エターナル]][[環境]]における[[コンボ]][[デッキ]]。2007年4月に行われた、パワーバランス調整用[[エラッタ]]の見直しによって、[[閃光/Flash]] | + | '''ハルクフラッシュ'''(''Hulk Flash'')は、[[エターナル]][[環境]]における[[コンボ]][[デッキ]]。2007年4月に行われた、パワーバランス調整用[[エラッタ]]の見直しによって、[[閃光/Flash]]が印刷時の[[ルール・テキスト]]に戻され、それによってエターナルで誕生した。 |
デッキ名の由来は[[キーカード]]2枚から。また、同環境の[[ハルクスマッシュ]]に引っ掛けている。 | デッキ名の由来は[[キーカード]]2枚から。また、同環境の[[ハルクスマッシュ]]に引っ掛けている。 | ||
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− | [[ | + | 変幻の大男からどのクリーチャーにつなげるかは、いくつかのパターンがある。中には[[0ターンキル]]が可能な方法も存在するが、大抵は最速[[1ターンキル]]、安定2~3ターンキルを行えるように構築されるのが主流である。 |
− | + | [[コンボ]]完成に必要な[[カード]]僅か2枚、通さなくてはならない[[呪文]]に至っては2[[マナ]]の[[インスタント]]1枚と、前代未聞の[[コンボパーツ]]の少なさを誇る。従来のコンボ[[デッキ]]と比べてもその決めやすさ、そして速度が段違いであり、登場するや否や[[環境]]を席巻した。 | |
− | + | [[レガシー]]および[[ヴィンテージ]]においてそれぞれで結果を残した。しかし、環境への影響度があまりにも大きすぎたため、閃光が[[禁止カード]]および[[制限カード]]に指定(ヴィンテージでは[[商人の巻物/Merchant Scroll]]も制限カードに指定)され、消滅あるいは勢いを落とすこととなった。 | |
− | [[ | + | *変幻の大男のPIG能力が誘発しなくなる[[虚空の力線/Leyline of the Void]]が天敵。ハルクフラッシュ自体の影響力と、同環境に虚空の力線を苦手とする有力デッキが他に幾つかある([[レガシー]]なら[[IGGy-POP]]など、[[ヴィンテージ]]なら更に沢山)ことから、これを採用する[[プレイヤー]]は比較的多い。そのためこれを[[除去]]できる[[バウンス]]なども必要となる。 |
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+ | 初めに[[レガシー]]において活躍した。複数のタイプが存在するが、特に結果を残したのは、[[霊体の先達/Karmic Guide]]、[[屍肉喰らい/Carrion Feeder]]、[[鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker]]を使ったタイプの[[デッキ]]。 | ||
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− | ==レガシー版== | + | まず、[[変幻の大男/Protean Hulk]]から霊体の先達と屍肉喰らいへつなげる。その後、霊体の先達の[[CIP]][[能力]]で再度変幻の大男を[[場に出す|場に出し]]、屍肉喰らいで[[生け贄に捧げる|生け贄に捧げ]]たら鏡割りのキキジキを場に出す。最後に、キキジキで霊体の先達を[[コピー]]し、コピー能力に対応してキキジキを生け贄に捧げ、霊体の先達の能力でキキジキを場に[[戻す]]、というサイクルを繰り返す。すると、[[速攻]]を持った大量の霊体の先達が場に残るので、それで[[攻撃]]して[[ゲーム]]を終わらせる。 |
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+ | [[インスタント]][[除去]]、[[真髄の針/Pithing Needle]]などの弱点があるが、[[閃光/Flash]]と変幻の大男以外の[[コンボパーツ]]はそれぞれ1枚しか必要なく、デッキを圧迫しないで済むという強みがある。そのため、空いたスロットに[[Force of Will]]や[[目くらまし/Daze]]などの[[ピッチスペル|ピッチ]][[打ち消す|カウンター]]や[[引く|ドロー]]サポートなどを入れる余裕があり、安定性が高い。 | ||
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+ | レガシーでは[[神秘の教示者/Mystical Tutor]]が4枚使用可能だったこともあり、[[グランプリコロンバス07]]を席巻、ベスト8進出者を3名輩出し、うち[[Steven Sadin]]が優勝を飾った。→[[#レガシー版|*1]] | ||
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+ | *初期には、[[大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault]]と[[ファイレクシアの略奪機/Phyrexian Marauder]]または[[変容する壁/Shifting Wall]]を勝ち手段に据えるタイプも存在した([[0ターンキル]]参照)。このタイプでは、インスタント除去や真髄の針によっては妨害されず、コンボが成立したときの決定力は高かった。しかし、必要なコンボパーツの枚数が非常に多いため、カウンターなどのサポートを採用しづらく、[[手札]]にコンボパーツが来てしまった場合に脆かったため、先に挙げたタイプの方が多くの支持を集めた。 | ||
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− | + | **[[サイドボード]]後はこのエンジンを生かして、[[剣を鍬に/Swords to Plowshares]]と[[クウィリーオンのドライアド/Quirion Dryad]]を全力投入、[[ミラクルグロウ|グロウ]]のような[[クロック・パーミッション]]へと変化する[[アグレッシブ・サイドボーディング]]を採用している。これもコンボに割くスロットが少ないこのデッキならではの点といえる。 | |
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*[[キーカード]]が[[手札]]にきてしまった場合のフォローのために[[ボディ・スナッチャー/Body Snatcher]]が入っている。 | *[[キーカード]]が[[手札]]にきてしまった場合のフォローのために[[ボディ・スナッチャー/Body Snatcher]]が入っている。 | ||
*この大会ではベスト8にハルクフラッシュがあと2つあった。1つは初日全勝だったが準々決勝敗退、もう1つは準々決勝で上記の優勝デッキに敗退。 | *この大会ではベスト8にハルクフラッシュがあと2つあった。1つは初日全勝だったが準々決勝敗退、もう1つは準々決勝で上記の優勝デッキに敗退。 | ||
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+ | 未来予知では悪性スリヴァーだけでなく、0[[マナ]]の[[サーチ]]([[召喚士の契約/Summoner's Pact]])と[[打ち消す|カウンター]]([[否定の契約/Pact of Negation]])を得たことで安定性が格段に向上、[[メタゲーム|メタ]]の一角となるまでに強化された。→[[#ヴィンテージ版|*2]] | ||
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+ | 一時期は[[虚空の力線/Leyline of the Void]]の[[メインデッキ]]投入が必須と言われるほどの勢力を築いたが、その強さのゆえに[[閃光/Flash]]とそれを[[サーチ]]する[[商人の巻物/Merchant Scroll]]が2008年6月1日より[[ヴィンテージ]]の[[制限カード]]に指定され、勢いを落とすことになった。 | ||
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*備考 | *備考 | ||
− | **[[インビテーショナル07]] | + | **[[インビテーショナル07]] 優勝 ([http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgevent/mi07/welcome 参考]) |
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− | *フォーマット | + | *[[フォーマット]] |
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*[[ヴィンテージ]]の[[未来予知]]参入後のバージョン。 | *[[ヴィンテージ]]の[[未来予知]]参入後のバージョン。 | ||
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==参考== | ==参考== | ||
*[[0ターンキル]] | *[[0ターンキル]] | ||
*[[デッキ集]] | *[[デッキ集]] |
2009年3月18日 (水) 19:14時点における版
ハルクフラッシュ(Hulk Flash)は、エターナル環境におけるコンボデッキ。2007年4月に行われた、パワーバランス調整用エラッタの見直しによって、閃光/Flashが印刷時のルール・テキストに戻され、それによってエターナルで誕生した。
デッキ名の由来はキーカード2枚から。また、同環境のハルクスマッシュに引っ掛けている。
目次 |
概要
閃光/Flashから変幻の大男/Protean Hulkを場に出し、マナを支払わずに即座に墓地に送ってPIG能力を誘発させる。そこからいろいろなクリーチャーに繋げて相手を倒すのが基本的な動き。
変幻の大男からどのクリーチャーにつなげるかは、いくつかのパターンがある。中には0ターンキルが可能な方法も存在するが、大抵は最速1ターンキル、安定2~3ターンキルを行えるように構築されるのが主流である。
コンボ完成に必要なカード僅か2枚、通さなくてはならない呪文に至っては2マナのインスタント1枚と、前代未聞のコンボパーツの少なさを誇る。従来のコンボデッキと比べてもその決めやすさ、そして速度が段違いであり、登場するや否や環境を席巻した。
レガシーおよびヴィンテージにおいてそれぞれで結果を残した。しかし、環境への影響度があまりにも大きすぎたため、閃光が禁止カードおよび制限カードに指定(ヴィンテージでは商人の巻物/Merchant Scrollも制限カードに指定)され、消滅あるいは勢いを落とすこととなった。
- 変幻の大男のPIG能力が誘発しなくなる虚空の力線/Leyline of the Voidが天敵。ハルクフラッシュ自体の影響力と、同環境に虚空の力線を苦手とする有力デッキが他に幾つかある(レガシーならIGGy-POPなど、ヴィンテージなら更に沢山)ことから、これを採用するプレイヤーは比較的多い。そのためこれを除去できるバウンスなども必要となる。
レガシー
初めにレガシーにおいて活躍した。複数のタイプが存在するが、特に結果を残したのは、霊体の先達/Karmic Guide、屍肉喰らい/Carrion Feeder、鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breakerを使ったタイプのデッキ。
まず、変幻の大男/Protean Hulkから霊体の先達と屍肉喰らいへつなげる。その後、霊体の先達のCIP能力で再度変幻の大男を場に出し、屍肉喰らいで生け贄に捧げたら鏡割りのキキジキを場に出す。最後に、キキジキで霊体の先達をコピーし、コピー能力に対応してキキジキを生け贄に捧げ、霊体の先達の能力でキキジキを場に戻す、というサイクルを繰り返す。すると、速攻を持った大量の霊体の先達が場に残るので、それで攻撃してゲームを終わらせる。
インスタント除去、真髄の針/Pithing Needleなどの弱点があるが、閃光/Flashと変幻の大男以外のコンボパーツはそれぞれ1枚しか必要なく、デッキを圧迫しないで済むという強みがある。そのため、空いたスロットにForce of Willや目くらまし/Dazeなどのピッチカウンターやドローサポートなどを入れる余裕があり、安定性が高い。
レガシーでは神秘の教示者/Mystical Tutorが4枚使用可能だったこともあり、グランプリコロンバス07を席巻、ベスト8進出者を3名輩出し、うちSteven Sadinが優勝を飾った。→*1
2007年6月20日付けで閃光がレガシーの禁止カードに指定されたことで姿を消すことになった。
- 初期には、大霊堂の信奉者/Disciple of the Vaultとファイレクシアの略奪機/Phyrexian Marauderまたは変容する壁/Shifting Wallを勝ち手段に据えるタイプも存在した(0ターンキル参照)。このタイプでは、インスタント除去や真髄の針によっては妨害されず、コンボが成立したときの決定力は高かった。しかし、必要なコンボパーツの枚数が非常に多いため、カウンターなどのサポートを採用しづらく、手札にコンボパーツが来てしまった場合に脆かったため、先に挙げたタイプの方が多くの支持を集めた。
レガシー版
- 備考
- グランプリコロンバス07 優勝 (参考)
- 使用者:Steven Sadin
- フォーマット
メインデッキ (60) | |
---|---|
クリーチャー (12) | |
4 | 変幻の大男/Protean Hulk |
4 | 闇の腹心/Dark Confidant |
1 | 屍肉喰らい/Carrion Feeder |
1 | 霊体の先達/Karmic Guide |
1 | ボディ・スナッチャー/Body Snatcher |
1 | 鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker |
インスタント・ソーサリー (22) | |
4 | Force of Will |
4 | 目くらまし/Daze |
4 | 渦まく知識/Brainstorm |
4 | 神秘の教示者/Mystical Tutor |
4 | 閃光/Flash |
1 | 虐殺/Massacre |
1 | 残響する真実/Echoing Truth |
エンチャント・アーティファクト (12) | |
4 | 師範の占い独楽/Sensei's Divining Top |
4 | 金属モックス/Chrome Mox |
4 | 相殺/Counterbalance |
土地 (14) | |
3 | 溢れかえる岸辺/Flooded Strand |
4 | 汚染された三角州/Polluted Delta |
3 | 島/Island |
1 | 沼/Swamp |
1 | Underground Sea |
1 | Tropical Island |
1 | Tundra |
サイドボード | |
4 | 虚空の力線/Leyline of the Void |
3 | 虐殺/Massacre |
1 | 恭しき沈黙/Reverent Silence |
3 | 剣を鍬に/Swords to Plowshares |
4 | クウィリーオンのドライアド/Quirion Dryad |
- レガシーの未来予知参入前のバージョン。
- 相殺/Counterbalanceと師範の占い独楽/Sensei's Divining Topのエンジンが搭載され、コンボ成立の確実性が向上している。また、闇の腹心/Dark Confidantとのシナジーも存在する。
- サイドボード後はこのエンジンを生かして、剣を鍬に/Swords to Plowsharesとクウィリーオンのドライアド/Quirion Dryadを全力投入、グロウのようなクロック・パーミッションへと変化するアグレッシブ・サイドボーディングを採用している。これもコンボに割くスロットが少ないこのデッキならではの点といえる。
- キーカードが手札にきてしまった場合のフォローのためにボディ・スナッチャー/Body Snatcherが入っている。
- この大会ではベスト8にハルクフラッシュがあと2つあった。1つは初日全勝だったが準々決勝敗退、もう1つは準々決勝で上記の優勝デッキに敗退。
ヴィンテージ
ヴィンテージでは依然使用可能であり、未来予知参入で大幅な強化を受ける。
変幻の大男/Protean Hulkでハートのスリヴァー/Heart Sliverと悪性スリヴァー/Virulent Sliver4体を出し、有毒4と速攻付きスリヴァー5体で殴り、毒カウンターで勝利する。この方法は、素出しも容易なためドローした場合や除去を受けた場合のリスクが小さい、真髄の針/Pithing Needleが効かない、といった利点があった。Moxなどのマナ加速を組み合わせれば1ターンキルさえ珍しくはない。
未来予知では悪性スリヴァーだけでなく、0マナのサーチ(召喚士の契約/Summoner's Pact)とカウンター(否定の契約/Pact of Negation)を得たことで安定性が格段に向上、メタの一角となるまでに強化された。→*2
一時期は虚空の力線/Leyline of the Voidのメインデッキ投入が必須と言われるほどの勢力を築いたが、その強さのゆえに閃光/Flashとそれをサーチする商人の巻物/Merchant Scrollが2008年6月1日よりヴィンテージの制限カードに指定され、勢いを落とすことになった。
ヴィンテージ版
- 備考
- インビテーショナル07 優勝 (参考)
- 使用者:Tiago Chan
- フォーマット
メインデッキ (60) | |
---|---|
クリーチャー (10) | |
1 | Elvish Spirit Guide |
1 | ハートのスリヴァー/Heart Sliver |
4 | 変幻の大男/Protean Hulk |
4 | 悪性スリヴァー/Virulent Sliver |
インスタント・ソーサリー (31) | |
1 | Ancestral Recall |
4 | 渦まく知識/Brainstorm |
1 | 蒸気の連鎖/Chain of Vapor |
1 | Demonic Tutor |
4 | 閃光/Flash |
4 | Force of Will |
1 | 伝国の玉璽/Imperial Seal |
4 | 商人の巻物/Merchant Scroll |
1 | 誤った指図/Misdirection |
1 | 神秘の教示者/Mystical Tutor |
4 | 否定の契約/Pact of Negation |
4 | 召喚士の契約/Summoner's Pact |
1 | 吸血の教示者/Vampiric Tutor |
エンチャント・アーティファクト (7) | |
1 | Black Lotus |
1 | 水蓮の花びら/Lotus Petal |
1 | Mox Emerald |
1 | Mox Jet |
1 | Mox Pearl |
1 | Mox Ruby |
1 | Mox Sapphire |
土地 (12) | |
3 | 溢れかえる岸辺/Flooded Strand |
1 | 島/Island |
4 | 汚染された三角州/Polluted Delta |
2 | Tropical Island |
2 | Underground Sea |
サイドボード | |
4 | 闇の腹心/Dark Confidant |
4 | 強迫/Duress |
4 | 虚空の力線/Leyline of the Void |
1 | 蒸気の連鎖/Chain of Vapor |
1 | 残響する真実/Echoing Truth |
1 | 再建/Rebuild |