倍増の季節/Doubling Season
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Sumikazu Fushigi (トーク | 投稿記録) (→主な亜種: 亭主の才能の効果範囲が違っているため修正) |
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− | [[緑]]に時々登場する、豪快な「倍出し」[[カード]] | + | [[緑]]に時々登場する、豪快な「倍出し」[[カード]]。[[あなた]]の[[トークン]]が2倍[[生成]]され、[[カウンター (目印)|カウンター]]も2倍の数置かれるようになる。 |
− | 「カウンターが置かれた状態で[[戦場に出る]]」[[パーマネント]]も影響を受けるため、[[消散]]・[[接合]]・[[烈日]] | + | 「カウンターが置かれた状態で[[戦場に出る]]」[[パーマネント]]も影響を受けるため、[[消散]]・[[接合]]・[[烈日]]などのほか、初出の[[ラヴニカ・ブロック]]内では[[狂喜]]、[[移植]]持ちなどのカードとも相性が良い。特に元から高性能なものが多い消散や、継続してカウンターを[[動かす|移し替え]]られる接合などとの組み合わせは強力。[[リミテッド]]では上記2つの他に、トークンを多用する[[セレズニア議事会/The Selesnya Conclave|セレズニア]]や[[オルゾフ組/The Orzhov Syndicate|オルゾフ]]と組んでもよい。 |
− | その他、[[スパイク]]や[[魔力の導管/Power Conduit]]などカウンター自体をやりとりするカード、[[ファンガス]]や[[落とし子の穴/Spawning Pit]]などカウンターとトークンを併用するカードとの[[ギミック]]は面白い。例えば[[はじける子嚢/Saproling Burst]]の場合、[[消散カウンター]]が通常の倍の14個置かれて戦場に出る。1個取り除いて[[苗木]] | + | その他、[[スパイク]]や[[魔力の導管/Power Conduit]]などカウンター自体をやりとりするカード、[[ファンガス]]や[[落とし子の穴/Spawning Pit]]などカウンターとトークンを併用するカードとの[[ギミック]]は面白い。例えば[[はじける子嚢/Saproling Burst]]の場合、[[消散カウンター]]が通常の倍の14個置かれて戦場に出る。1個取り除いて[[苗木]]トークンを生成すると13/13の苗木2体が戦場に出る。7個取り除いて7/7の14体のトークンを生成した場合、[[P/T]]の合計値が最大の98/98となる。[[召喚酔い]]の都合、最大級の力を発揮できないのが残念(そもそも[[オーバーキル]]だが)。 |
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+ | また、後に登場した[[プレインズウォーカー]]全般を強くサポートできる。[[忠誠カウンター]]も2倍置かれた状態で戦場に出るようになるため、耐久力が大幅に増すほか、[[忠誠度能力]]も[[起動]]しやすくなる。特に本来であれば数[[ターン]]かけて地道に忠誠カウンターを増やしてからでなければ使用できない、大マイナス[[能力]](いわゆる「[[奥義]]」)を即座に使用できるようになるプレインズウォーカーも少なくない。自身の効果でカウンター類を利用するプレインズウォーカーであれば更に[[シナジー]]は強くなり、様々なプレインズウォーカーが新たな可能性を見せてくれるだろう。 | ||
一方、[[仕組まれた爆薬/Engineered Explosives]]などのカウンターの個数の調整が必要なカードとは相性があまり良くなく、[[-1/-1カウンター]]や[[経年カウンター]]、[[暗黒の深部/Dark Depths]]などのデメリットとしてカウンターを使うカードとの相性は最悪である。 | 一方、[[仕組まれた爆薬/Engineered Explosives]]などのカウンターの個数の調整が必要なカードとは相性があまり良くなく、[[-1/-1カウンター]]や[[経年カウンター]]、[[暗黒の深部/Dark Depths]]などのデメリットとしてカウンターを使うカードとの相性は最悪である。 | ||
*[[プロツアーフィラデルフィア11]]の[[ジャッジ褒賞]]として、これの[[プロモーション・カード]]が[[Chuck Lukacs]]による{{Gatherer|id=370387|新規イラスト}}で[[ジャッジ]]に配布された。[[絵|イラスト]]にはカウンターを用いる[[クリーチャー]]の代表格たる[[ハイドラ]]が描かれている。[[Modern Masters]]でもこのイラストが採用されている。 | *[[プロツアーフィラデルフィア11]]の[[ジャッジ褒賞]]として、これの[[プロモーション・カード]]が[[Chuck Lukacs]]による{{Gatherer|id=370387|新規イラスト}}で[[ジャッジ]]に配布された。[[絵|イラスト]]にはカウンターを用いる[[クリーチャー]]の代表格たる[[ハイドラ]]が描かれている。[[Modern Masters]]でもこのイラストが採用されている。 | ||
− | * | + | *[[カジュアルプレイ]]での人気が高く[[再録]]の要望が多いカードだが、プレインズウォーカーとの相互作用が強力すぎることから[[本流のセット]]での再録が難しいとされている。また、後述のように[[ルーリング|ルール]]が難解で、倍になるものとならないものの判別が難しいことも理由として挙げられるだろう。 |
+ | **[[カルドハイム]]にて似た能力を持つ[[巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス/Vorinclex, Monstrous Raider]]が収録されたのは、[[エンチャント]]よりも対処が容易なクリーチャーだからだろうか。こちらは効果以外で乗るカウンターも倍になるためルール面でも理解しやすくなっている。 | ||
==ルール== | ==ルール== | ||
− | *[[呪文]]や[[能力]]の[[解決]] | + | ;全体 |
− | + | *[[呪文]]や[[能力]]の[[解決]]による「[[効果]]」が[[トークン]]を[[生成]]したりパーマネントにカウンターを置いたりする場合に適用される。倍にならないのは、[[献身のドルイド/Devoted Druid]]の能力や[[プレインズウォーカー]]の[[忠誠度能力]]など[[コスト]]によって置かれるカウンター、[[ダメージ]]のルールである[[萎縮]]と[[感染]]によって置かれるカウンター、[[ターン起因処理]]によって[[英雄譚]]に置かれる[[伝承カウンター]]、[[パーマネント呪文]]の[[コピー]]が[[解決]]される際に[[戦場]]に出るパーマネント・トークンである。ただし、効果ではない[[イベント]]もそれらが他の[[置換効果]]によって[[置換]]された場合、倍増の季節の置換効果が適用されるようになる({{CR|614.16}})。 | |
**[[ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghet]]の置換効果によるトークンの生成は、[[クリーチャー]]が[[状況起因処理]]で[[死亡]]する場合であっても倍になる。 | **[[ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghet]]の置換効果によるトークンの生成は、[[クリーチャー]]が[[状況起因処理]]で[[死亡]]する場合であっても倍になる。 | ||
− | * | + | **[[プレイ]]した土地に置かれるカウンター([[鮮烈な草地/Vivid Meadow]]など)も倍になる。土地のプレイは[[特別な処理]]で効果ではないが、[[常在型能力]]の置換効果によってカウンターが置かれるため倍になる。 |
− | **[[ | + | **[[巻きつき蛇/Winding Constrictor]]を[[コントロール]]している状態で[[萎縮]]を持つ発生源からあなたのクリーチャーが1点のダメージを受ける場合、それは巻きつき蛇の置換効果によって[[-1/-1カウンター]]が2個置かれるイベントに置換される。他の置換効果によって影響を受けたイベントなので、倍増の季節によって2倍になりそのクリーチャーには-1/-1カウンターが4つ置かれる。 |
− | + | *[[対戦相手]]のコントロールする能力でも、それらがあなたのコントロール下でトークンを生成したり、あなたのコントロールするパーマネントの上にカウンターを置くなら、それらは倍になる。 | |
+ | *複数枚コントロールしていれば、すべての効果が重複して適用される。例えば、2枚出ていれば2倍のそのまた2倍で4倍、4枚出ていれば16倍、[[エンチャント複製/Copy Enchantment]]なども使って8枚[[コントロール]]すれば256倍となる。 | ||
+ | **もしもこのカードが[[プレイヤー]]全員に影響するものだったならば、倍々ゲームはもう少し簡単に発生する。[[あなた|自分]]にしか影響しないのは、そういった状況の発生を抑えようという意図なのかもしれない。 | ||
+ | ;トークン関連 | ||
+ | *置換された呪文や能力が後でそのトークンに何かしようとする場合、出たトークン全てに対してそれを行う({{CR|701.6b}})。この際、実行不可能な指示は無視する({{CR|614.6}})。 | ||
+ | **[[フラクタル召喚学/Fractal Summoning]]によるトークンを2体生成したならば、2体の上にそれぞれ[[+1/+1カウンター]]を[[X]]個ずつ置く。(実際には置かれるカウンターも2倍になるので生成された2体のトークンのサイズはそれぞれ2X/2Xになる。) | ||
**[[聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft]]の能力で[[天使]]トークンを2体生成したならば、戦闘終了時に2体とも追放される。 | **[[聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft]]の能力で[[天使]]トークンを2体生成したならば、戦闘終了時に2体とも追放される。 | ||
+ | **[[生体武器]]や[[ミラディンのために!]]を持つ[[装備品]]を戦場に出した場合、トークンを2体生成し、いずれか1体を選んで装備品を[[つける]]。 | ||
+ | *[[パーマネント呪文]]のコピーが解決すると、それはトークンとして戦場に出るが、これは生成ではないため、倍増の季節によって増えることはない。[[生成]]の項も参照。 | ||
+ | ;カウンター関連 | ||
*カウンターを動かす(移動する)場合でも、移動先に2倍の数のカウンターを[[置く]]。これは「動かす」の定義に「カウンターを置く/Put」ことが含まれているため。[[動かす]]も参照。 | *カウンターを動かす(移動する)場合でも、移動先に2倍の数のカウンターを[[置く]]。これは「動かす」の定義に「カウンターを置く/Put」ことが含まれているため。[[動かす]]も参照。 | ||
− | *[[追放]]されているカードはパーマネントではないため、[[アーテイのおせっかい/Ertai's Meddling]]の[[遅延カウンター]]や[[待機]]の[[時間カウンター]]の数に影響はない。 また同様に、プレイヤーはパーマネントではないため[[毒カウンター]] | + | *[[追放]]されているカードはパーマネントではないため、[[アーテイのおせっかい/Ertai's Meddling]]の[[遅延カウンター]]や[[待機]]の[[時間カウンター]]の数に影響はない。 また同様に、プレイヤーはパーマネントではないため[[毒カウンター]]や[[エネルギー・カウンター]]等も2倍にはならない。 |
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===旧ルール=== | ===旧ルール=== | ||
− | [[イクサラン]]での[[総合ルール]] | + | *[[イクサラン]]での[[総合ルール]]更新より前は、元の[[イベント]]が効果でないなら倍になることは無かった。土地のプレイや[[大変異]]によるカウンターは倍にならないし、[[致死ダメージ]]で[[死亡]]するクリーチャーはカリタスで置換されてもトークンが倍にならなかった。 |
− | == | + | ==主な亜種== |
− | + | 「[[倍にする|2倍にする]]カード愛好家」を自称する[[Mark Rosewater]]お気に入りのカードであり、[[リメイク]]的な後継カードがいくつか存在する。 | |
− | + | 特に説明がない場合は緑のエンチャント。トークンの内容を変更したり追加で生成するカードは[[神聖な訪問/Divine Visitation]]の項を、置くカウンターを倍ではなく一定数増やすものは[[硬化した鱗/Hardened Scales]]の項を、トークンやカウンター以外を倍化させるカードは[[倍にする#関連カード]]をそれぞれ参照。 | |
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+ | *[[似通った生命/Parallel Lives]] - 倍増するのがトークンのみになった。(3)(緑)。([[イニストラード]]) | ||
+ | **[[選定された行進/Anointed Procession]] - [[白]]くなった似通った生命。(3)(白)。([[アモンケット]]) | ||
+ | **[[双子唱者、アドリックスとネヴ/Adrix and Nev, Twincasters]] - 似通った生命を[[内蔵]]する(2)(青)(緑)[[伝説のクリーチャー]]。([[統率者2021]]) | ||
+ | **[[霊狩り、ケイヤ/Kaya, Geist Hunter]] - [-2][[忠誠度能力]]でターン終了時までの似通った生命。(1)(白)(黒)[[プレインズウォーカー]]。([[イニストラード:真紅の契り]]) | ||
+ | **[[栄光のドミヌス、モンドラク/Mondrak, Glory Dominus]] - 似通った生命を内蔵する(2)(白)(白)伝説のクリーチャー。([[ファイレクシア:完全なる統一]]) | ||
+ | **[[最深の基盤、オヘル・タク/Ojer Taq, Deepest Foundation]] - 生成量が3倍になった似通った生命を内蔵する(4)(白)(白)伝説のクリーチャー。([[イクサラン:失われし洞窟]]) | ||
*[[セレズニアの屋根庭/Selesnya Loft Gardens (次元カード)|セレズニアの屋根庭/Selesnya Loft Gardens]] - [[次元]]カード。すべてのプレイヤーに影響する。([[プレインチェイス2012]]) | *[[セレズニアの屋根庭/Selesnya Loft Gardens (次元カード)|セレズニアの屋根庭/Selesnya Loft Gardens]] - [[次元]]カード。すべてのプレイヤーに影響する。([[プレインチェイス2012]]) | ||
+ | *[[屍体屋の脅威/Corpsejack Menace]] - 倍増するのが[[+1/+1カウンター]]に限定された。(2)(黒)(緑)クリーチャー。([[ラヴニカへの回帰]]) | ||
+ | **[[枝分かれの進化/Branching Evolution]] - 倍増するのが+1/+1カウンターに限定された。(2)(緑)。([[Jumpstart]]) | ||
+ | **[[巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス/Vorinclex, Monstrous Raider]] - あなたが置くあらゆるカウンターを倍増し、[[対戦相手]]の置くあらゆるカウンターを半減する(4)(緑)(緑)伝説のクリーチャー。([[カルドハイム]]) | ||
+ | **[[亭主の才能/Innkeeper's Talent]] - あなたが置くあらゆるカウンターを倍増する。(1)(緑)[[クラス]]のレベル3能力。([[ブルームバロウ]]) | ||
+ | *[[野生の活力/Primal Vigor]] - トークン倍増は同様だが、倍増するカウンターは+1/+1カウンターに限定された。また、すべてのプレイヤーに影響する。(4)(緑)。([[統率者2013]]) | ||
+ | *[[霊気の精錬所/Aether Refinery]] - 倍増するのが[[エネルギー・カウンター]]に限定された。(4)(赤)(赤)アーティファクト。([[モダンホライゾン3統率者デッキ]]) | ||
==参考== | ==参考== | ||
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*[[カード個別評価:ラヴニカ:ギルドの都]] - [[レア]] | *[[カード個別評価:ラヴニカ:ギルドの都]] - [[レア]] | ||
*[[カード個別評価:バトルボンド]] - [[神話レア]] | *[[カード個別評価:バトルボンド]] - [[神話レア]] | ||
+ | *[[カード個別評価:統率者マスターズ]] - [[神話レア]] | ||
*[[カード個別評価:ダブルマスターズ]] - [[神話レア]] | *[[カード個別評価:ダブルマスターズ]] - [[神話レア]] | ||
*[[カード個別評価:Modern Masters]] - [[レア]] | *[[カード個別評価:Modern Masters]] - [[レア]] | ||
+ | *[[カード個別評価:おとぎ話]] - [[神話レア]] | ||
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2024年9月4日 (水) 10:32時点における最新版
エンチャント
いずれかの効果があなたのコントロール下で1個以上のトークンを生成する場合、代わりにそれはその2倍の数を生成する。
いずれかの効果があなたがコントロールするパーマネントの上に1個以上のカウンターを置く場合、代わりにそれはその2倍の数をそのパーマネントの上に置く。
緑に時々登場する、豪快な「倍出し」カード。あなたのトークンが2倍生成され、カウンターも2倍の数置かれるようになる。
「カウンターが置かれた状態で戦場に出る」パーマネントも影響を受けるため、消散・接合・烈日などのほか、初出のラヴニカ・ブロック内では狂喜、移植持ちなどのカードとも相性が良い。特に元から高性能なものが多い消散や、継続してカウンターを移し替えられる接合などとの組み合わせは強力。リミテッドでは上記2つの他に、トークンを多用するセレズニアやオルゾフと組んでもよい。
その他、スパイクや魔力の導管/Power Conduitなどカウンター自体をやりとりするカード、ファンガスや落とし子の穴/Spawning Pitなどカウンターとトークンを併用するカードとのギミックは面白い。例えばはじける子嚢/Saproling Burstの場合、消散カウンターが通常の倍の14個置かれて戦場に出る。1個取り除いて苗木トークンを生成すると13/13の苗木2体が戦場に出る。7個取り除いて7/7の14体のトークンを生成した場合、P/Tの合計値が最大の98/98となる。召喚酔いの都合、最大級の力を発揮できないのが残念(そもそもオーバーキルだが)。
また、後に登場したプレインズウォーカー全般を強くサポートできる。忠誠カウンターも2倍置かれた状態で戦場に出るようになるため、耐久力が大幅に増すほか、忠誠度能力も起動しやすくなる。特に本来であれば数ターンかけて地道に忠誠カウンターを増やしてからでなければ使用できない、大マイナス能力(いわゆる「奥義」)を即座に使用できるようになるプレインズウォーカーも少なくない。自身の効果でカウンター類を利用するプレインズウォーカーであれば更にシナジーは強くなり、様々なプレインズウォーカーが新たな可能性を見せてくれるだろう。
一方、仕組まれた爆薬/Engineered Explosivesなどのカウンターの個数の調整が必要なカードとは相性があまり良くなく、-1/-1カウンターや経年カウンター、暗黒の深部/Dark Depthsなどのデメリットとしてカウンターを使うカードとの相性は最悪である。
- プロツアーフィラデルフィア11のジャッジ褒賞として、これのプロモーション・カードがChuck Lukacsによる新規イラストでジャッジに配布された。イラストにはカウンターを用いるクリーチャーの代表格たるハイドラが描かれている。Modern Mastersでもこのイラストが採用されている。
- カジュアルプレイでの人気が高く再録の要望が多いカードだが、プレインズウォーカーとの相互作用が強力すぎることから本流のセットでの再録が難しいとされている。また、後述のようにルールが難解で、倍になるものとならないものの判別が難しいことも理由として挙げられるだろう。
- カルドハイムにて似た能力を持つ巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス/Vorinclex, Monstrous Raiderが収録されたのは、エンチャントよりも対処が容易なクリーチャーだからだろうか。こちらは効果以外で乗るカウンターも倍になるためルール面でも理解しやすくなっている。
[編集] ルール
- 全体
- 呪文や能力の解決による「効果」がトークンを生成したりパーマネントにカウンターを置いたりする場合に適用される。倍にならないのは、献身のドルイド/Devoted Druidの能力やプレインズウォーカーの忠誠度能力などコストによって置かれるカウンター、ダメージのルールである萎縮と感染によって置かれるカウンター、ターン起因処理によって英雄譚に置かれる伝承カウンター、パーマネント呪文のコピーが解決される際に戦場に出るパーマネント・トークンである。ただし、効果ではないイベントもそれらが他の置換効果によって置換された場合、倍増の季節の置換効果が適用されるようになる(CR:614.16)。
- ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghetの置換効果によるトークンの生成は、クリーチャーが状況起因処理で死亡する場合であっても倍になる。
- プレイした土地に置かれるカウンター(鮮烈な草地/Vivid Meadowなど)も倍になる。土地のプレイは特別な処理で効果ではないが、常在型能力の置換効果によってカウンターが置かれるため倍になる。
- 巻きつき蛇/Winding Constrictorをコントロールしている状態で萎縮を持つ発生源からあなたのクリーチャーが1点のダメージを受ける場合、それは巻きつき蛇の置換効果によって-1/-1カウンターが2個置かれるイベントに置換される。他の置換効果によって影響を受けたイベントなので、倍増の季節によって2倍になりそのクリーチャーには-1/-1カウンターが4つ置かれる。
- 対戦相手のコントロールする能力でも、それらがあなたのコントロール下でトークンを生成したり、あなたのコントロールするパーマネントの上にカウンターを置くなら、それらは倍になる。
- 複数枚コントロールしていれば、すべての効果が重複して適用される。例えば、2枚出ていれば2倍のそのまた2倍で4倍、4枚出ていれば16倍、エンチャント複製/Copy Enchantmentなども使って8枚コントロールすれば256倍となる。
- トークン関連
- 置換された呪文や能力が後でそのトークンに何かしようとする場合、出たトークン全てに対してそれを行う(CR:701.6b)。この際、実行不可能な指示は無視する(CR:614.6)。
- フラクタル召喚学/Fractal Summoningによるトークンを2体生成したならば、2体の上にそれぞれ+1/+1カウンターをX個ずつ置く。(実際には置かれるカウンターも2倍になるので生成された2体のトークンのサイズはそれぞれ2X/2Xになる。)
- 聖トラフトの霊/Geist of Saint Traftの能力で天使トークンを2体生成したならば、戦闘終了時に2体とも追放される。
- 生体武器やミラディンのために!を持つ装備品を戦場に出した場合、トークンを2体生成し、いずれか1体を選んで装備品をつける。
- パーマネント呪文のコピーが解決すると、それはトークンとして戦場に出るが、これは生成ではないため、倍増の季節によって増えることはない。生成の項も参照。
- カウンター関連
- カウンターを動かす(移動する)場合でも、移動先に2倍の数のカウンターを置く。これは「動かす」の定義に「カウンターを置く/Put」ことが含まれているため。動かすも参照。
- 追放されているカードはパーマネントではないため、アーテイのおせっかい/Ertai's Meddlingの遅延カウンターや待機の時間カウンターの数に影響はない。 また同様に、プレイヤーはパーマネントではないため毒カウンターやエネルギー・カウンター等も2倍にはならない。
[編集] 旧ルール
- イクサランでの総合ルール更新より前は、元のイベントが効果でないなら倍になることは無かった。土地のプレイや大変異によるカウンターは倍にならないし、致死ダメージで死亡するクリーチャーはカリタスで置換されてもトークンが倍にならなかった。
[編集] 主な亜種
「2倍にするカード愛好家」を自称するMark Rosewaterお気に入りのカードであり、リメイク的な後継カードがいくつか存在する。
特に説明がない場合は緑のエンチャント。トークンの内容を変更したり追加で生成するカードは神聖な訪問/Divine Visitationの項を、置くカウンターを倍ではなく一定数増やすものは硬化した鱗/Hardened Scalesの項を、トークンやカウンター以外を倍化させるカードは倍にする#関連カードをそれぞれ参照。
- 似通った生命/Parallel Lives - 倍増するのがトークンのみになった。(3)(緑)。(イニストラード)
- 選定された行進/Anointed Procession - 白くなった似通った生命。(3)(白)。(アモンケット)
- 双子唱者、アドリックスとネヴ/Adrix and Nev, Twincasters - 似通った生命を内蔵する(2)(青)(緑)伝説のクリーチャー。(統率者2021)
- 霊狩り、ケイヤ/Kaya, Geist Hunter - [-2]忠誠度能力でターン終了時までの似通った生命。(1)(白)(黒)プレインズウォーカー。(イニストラード:真紅の契り)
- 栄光のドミヌス、モンドラク/Mondrak, Glory Dominus - 似通った生命を内蔵する(2)(白)(白)伝説のクリーチャー。(ファイレクシア:完全なる統一)
- 最深の基盤、オヘル・タク/Ojer Taq, Deepest Foundation - 生成量が3倍になった似通った生命を内蔵する(4)(白)(白)伝説のクリーチャー。(イクサラン:失われし洞窟)
- セレズニアの屋根庭/Selesnya Loft Gardens - 次元カード。すべてのプレイヤーに影響する。(プレインチェイス2012)
- 屍体屋の脅威/Corpsejack Menace - 倍増するのが+1/+1カウンターに限定された。(2)(黒)(緑)クリーチャー。(ラヴニカへの回帰)
- 枝分かれの進化/Branching Evolution - 倍増するのが+1/+1カウンターに限定された。(2)(緑)。(Jumpstart)
- 巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス/Vorinclex, Monstrous Raider - あなたが置くあらゆるカウンターを倍増し、対戦相手の置くあらゆるカウンターを半減する(4)(緑)(緑)伝説のクリーチャー。(カルドハイム)
- 亭主の才能/Innkeeper's Talent - あなたが置くあらゆるカウンターを倍増する。(1)(緑)クラスのレベル3能力。(ブルームバロウ)
- 野生の活力/Primal Vigor - トークン倍増は同様だが、倍増するカウンターは+1/+1カウンターに限定された。また、すべてのプレイヤーに影響する。(4)(緑)。(統率者2013)
- 霊気の精錬所/Aether Refinery - 倍増するのがエネルギー・カウンターに限定された。(4)(赤)(赤)アーティファクト。(モダンホライゾン3統率者デッキ)