メグリムジャー
提供:MTG Wiki
(4人の利用者による、間の6版が非表示) | |||
11行: | 11行: | ||
このデッキが凶悪な点はふたつ。まず、記憶の壺が[[コンボパーツ]]であると同時に、コンボパーツを集めるための[[引く|ドロー]][[カード]]でもあるという点。そしてもうひとつは、記憶の壺と偏頭痛のどちらを先に戦場に出しても、どちらが2枚でどちらが1枚であっても最終的にダメージ期待値が28点に達するという、[[コンボ]]成立条件のゆるさである。 | このデッキが凶悪な点はふたつ。まず、記憶の壺が[[コンボパーツ]]であると同時に、コンボパーツを集めるための[[引く|ドロー]][[カード]]でもあるという点。そしてもうひとつは、記憶の壺と偏頭痛のどちらを先に戦場に出しても、どちらが2枚でどちらが1枚であっても最終的にダメージ期待値が28点に達するという、[[コンボ]]成立条件のゆるさである。 | ||
− | [[ | + | [[タイプ1]](現[[ヴィンテージ]])にて関連カードが制限される前のこのデッキは悪夢であった。[[魔力の墓所/Mana Crypt]]や各種[[教示者]]も制限されていなかったため[[Time Walk]]による[[追加のターン|追加ターン]]を含めた1ターンキル率は90%を超えたという。そのため、初期手札よりも先攻後攻決定のコイントスの結果の方が重要であった。[[MoMa]]や[[ロング・デック]]ですらこの領域には達してなかったと考えると何かがおかしい。その結果、タイプ1では1999年10月1日、一挙に18枚ものカードが[[制限カード]]入りするのである。 |
− | + | ちなみに、このデッキが生まれてしまったことと、記憶の壺自体が[[壊れ]]ていたため、記憶の壺は登場後2週間で[[禁止カード]]リスト入りした。これは後に[[精神の願望/Mind's Desire]]に抜かれるまで史上最速での禁止入りだった。そのおかげで、このデッキももっとも早いスピードでスタンダードから消え去ることになった。 | |
*[[対戦相手]]に偏頭痛を出されると、かなり動きにくくなる大きな欠点がある。 | *[[対戦相手]]に偏頭痛を出されると、かなり動きにくくなる大きな欠点がある。 | ||
65行: | 65行: | ||
|} | |} | ||
− | *使用者や[[サイドボード]]は不明。禁止指定が早すぎて大きな大会で活躍する暇もなかった。[[カード]] | + | *使用者や[[サイドボード]]は不明。禁止指定が早すぎて大きな大会で活躍する暇もなかった。[[カード]]1枚1枚を見ていくと、どれもブッ壊れているほど強力なものばかり。[[土地]]を除く[[カード]]のうちいずれかの[[フォーマット]]で禁止されたことのないカードは[[偏頭痛/Megrim]]3枚と[[直観/Intuition]]4枚しか無い。この当時の環境の歪さがよく分かる。 |
+ | *詳しい1ターンキルについては[[すべての人類を破壊する。それらは再生できない。]]で描写されている。 | ||
==エクステンデッド型== | ==エクステンデッド型== | ||
72行: | 73行: | ||
**使用者:[[Erik Lauer]] | **使用者:[[Erik Lauer]] | ||
*[[フォーマット]] | *[[フォーマット]] | ||
− | **[[エクステンデッド]]([[ | + | **[[エクステンデッド]]([[リバイズド・エディション]]~[[第5版]]、[[ザ・ダーク]]~[[ウルザズ・レガシー]]) |
{| class="wikitable" style="margin:0 auto; text-align:left;" | {| class="wikitable" style="margin:0 auto; text-align:left;" | ||
85行: | 86行: | ||
|1||[[解呪/Disenchant]] | |1||[[解呪/Disenchant]] | ||
|- | |- | ||
− | |4||[[修繕/Tinker]]||4||[[Force of Will]] | + | |4||[[修繕/Tinker]]||4||[[意志の力/Force of Will]] |
|- | |- | ||
|4||[[渦まく知識/Brainstorm]]||1||[[神秘の教示者/Mystical Tutor]] | |4||[[渦まく知識/Brainstorm]]||1||[[神秘の教示者/Mystical Tutor]] | ||
127行: | 128行: | ||
*こちらは[[エクステンデッド]]バージョン。同大会では[[Randy Buehler]]もメグリムジャーでベスト8に入賞している。 | *こちらは[[エクステンデッド]]バージョン。同大会では[[Randy Buehler]]もメグリムジャーでベスト8に入賞している。 | ||
*デッキの構成は[[スタンダード]]のものとそれほど変わらないが、[[記憶の壺/Memory Jar]]や[[ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will]]と相性のよい[[ライオンの瞳のダイアモンド/Lion's Eye Diamond]]が使用されているのが印象的。 | *デッキの構成は[[スタンダード]]のものとそれほど変わらないが、[[記憶の壺/Memory Jar]]や[[ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will]]と相性のよい[[ライオンの瞳のダイアモンド/Lion's Eye Diamond]]が使用されているのが印象的。 | ||
− | *当時のエクステンデッドの[[メタゲーム]]は[[ハイタイド]]が主流だったため、[[防御の光網/Defense Grid]]が[[メインデッキ]]に4枚採用されている。また、[[サイドボード]]の4枚の[[Force of Will]]は[[ミラーマッチ]]の2ゲーム目以降において、[[先攻]]1ターンキルに対抗できる数少ない手段である。 | + | *当時のエクステンデッドの[[メタゲーム]]は[[ハイタイド]]が主流だったため、[[防御の光網/Defense Grid]]が[[メインデッキ]]に4枚採用されている。また、[[サイドボード]]の4枚の[[意志の力/Force of Will]]は[[ミラーマッチ]]の2ゲーム目以降において、[[先攻]]1ターンキルに対抗できる数少ない手段である。 |
==参考== | ==参考== |
2022年5月16日 (月) 15:08時点における最新版
メグリムジャー(Megrim Jar)は、記憶の壺/Memory Jarと偏頭痛/Megrimをキーカードとするコンボデッキ。基本的に青黒で構成される。
目次 |
[編集] 概要
アーティファクト
(T),記憶の壺を生け贄に捧げる:各プレイヤーは、自分の手札のカードを裏向きのまま追放し、カードを7枚引く。次の終了ステップの開始時に、各プレイヤーは自分の手札のカードをすべて捨て、これにより自分が追放した各カードを自分の手札に戻す。
当時、土地以外のマナ基盤が充実していたため、スタンダードでさえも1ターンキルを可能にしたデッキである。
暗黒の儀式/Dark Ritualや魔力の櫃/Mana Vault、厳かなモノリス/Grim Monolithのバックアップを受けつつ、修繕/Tinkerから記憶の壺/Memory Jarを戦場に出す。偏頭痛/Megrimと記憶の壺を1枚ずつ戦場に出せば14点のダメージが、さらにそのどちらかもう1つあれば28点のダメージが期待できる。
このデッキが凶悪な点はふたつ。まず、記憶の壺がコンボパーツであると同時に、コンボパーツを集めるためのドローカードでもあるという点。そしてもうひとつは、記憶の壺と偏頭痛のどちらを先に戦場に出しても、どちらが2枚でどちらが1枚であっても最終的にダメージ期待値が28点に達するという、コンボ成立条件のゆるさである。
タイプ1(現ヴィンテージ)にて関連カードが制限される前のこのデッキは悪夢であった。魔力の墓所/Mana Cryptや各種教示者も制限されていなかったためTime Walkによる追加ターンを含めた1ターンキル率は90%を超えたという。そのため、初期手札よりも先攻後攻決定のコイントスの結果の方が重要であった。MoMaやロング・デックですらこの領域には達してなかったと考えると何かがおかしい。その結果、タイプ1では1999年10月1日、一挙に18枚ものカードが制限カード入りするのである。
ちなみに、このデッキが生まれてしまったことと、記憶の壺自体が壊れていたため、記憶の壺は登場後2週間で禁止カードリスト入りした。これは後に精神の願望/Mind's Desireに抜かれるまで史上最速での禁止入りだった。そのおかげで、このデッキももっとも早いスピードでスタンダードから消え去ることになった。
- 対戦相手に偏頭痛を出されると、かなり動きにくくなる大きな欠点がある。
- 同じく強力なコンボデッキであるMoMaが流行ったウルザズ・サーガの次にウルザズ・レガシーが発売されたと思ったらこれである。ウルザ・ブロックがいかに強力だったかがわかる。
- もしMoMaのキーカードであるトレイリアのアカデミー/Tolarian Academyや、偏頭痛と相性のよい意外な授かり物/Windfallが禁止になっていなければ、このデッキはさらに強力になっていたのだろう。事実、トーナメント・シーンにこそ出てこなかったものの、類似したコンセプトでメグリム・フォールというデッキが考案されていた。
- 時を経て、時のらせんに動く記憶の壺こと壺の大魔術師/Magus of the Jarが現れ、さらに第9版で偏頭痛が再録されているため、一応真似事は可能となった。しかし、壺の大魔術師はクリーチャーゆえに召喚酔いがある上、際立ったマナ加速がない環境では当時の強さには到底及ばないだろう。
[編集] スタンダード型
メインデッキ (60) | |
---|---|
クリーチャー (0) | |
呪文 (39) | |
4 | モックス・ダイアモンド/Mox Diamond |
4 | 魔力の櫃/Mana Vault |
4 | 厳かなモノリス/Grim Monolith |
4 | 記憶の壺/Memory Jar |
3 | 偏頭痛/Megrim |
4 | ネクロポーテンス/Necropotence |
4 | ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will |
4 | 修繕/Tinker |
4 | 暗黒の儀式/Dark Ritual |
4 | 直観/Intuition |
土地 (21) | |
9 | 沼/Swamp |
4 | 真鍮の都/City of Brass |
4 | 地底の大河/Underground River |
4 | ルートウォーターの深淵/Rootwater Depths |
- 使用者やサイドボードは不明。禁止指定が早すぎて大きな大会で活躍する暇もなかった。カード1枚1枚を見ていくと、どれもブッ壊れているほど強力なものばかり。土地を除くカードのうちいずれかのフォーマットで禁止されたことのないカードは偏頭痛/Megrim3枚と直観/Intuition4枚しか無い。この当時の環境の歪さがよく分かる。
- 詳しい1ターンキルについてはすべての人類を破壊する。それらは再生できない。で描写されている。
[編集] エクステンデッド型
- 備考
- グランプリウィーン99 ベスト4
- 使用者:Erik Lauer
- フォーマット
メインデッキ (60) | サイドボード | ||
---|---|---|---|
クリーチャー (0) | 1 | 中断/Abeyance | |
呪文 (44) | 1 | 解呪/Disenchant | |
4 | 修繕/Tinker | 4 | 意志の力/Force of Will |
4 | 渦まく知識/Brainstorm | 1 | 神秘の教示者/Mystical Tutor |
1 | 神秘の教示者/Mystical Tutor | 1 | 寒け/Chill |
4 | 吸血の教示者/Vampiric Tutor | 1 | ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will |
4 | 暗黒の儀式/Dark Ritual | 1 | 憂鬱/Gloom |
2 | ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will | 1 | 非業の死/Perish |
1 | 偏頭痛/Megrim | 2 | 紅蓮破/Pyroblast |
4 | 魔力の櫃/Mana Vault | 2 | 砂のゴーレム/Sand Golem |
4 | ライオンの瞳のダイアモンド/Lion's Eye Diamond | ||
4 | モックス・ダイアモンド/Mox Diamond | ||
4 | 防御の光網/Defense Grid | ||
4 | 記憶の壺/Memory Jar | ||
4 | 水蓮の花びら/Lotus Petal | ||
土地 (16) | |||
4 | Underground Sea | ||
4 | 真鍮の都/City of Brass | ||
3 | 地底の大河/Underground River | ||
3 | 古えの墳墓/Ancient Tomb | ||
2 | 宝石鉱山/Gemstone Mine |
- こちらはエクステンデッドバージョン。同大会ではRandy Buehlerもメグリムジャーでベスト8に入賞している。
- デッキの構成はスタンダードのものとそれほど変わらないが、記憶の壺/Memory Jarやヨーグモスの意志/Yawgmoth's Willと相性のよいライオンの瞳のダイアモンド/Lion's Eye Diamondが使用されているのが印象的。
- 当時のエクステンデッドのメタゲームはハイタイドが主流だったため、防御の光網/Defense Gridがメインデッキに4枚採用されている。また、サイドボードの4枚の意志の力/Force of Willはミラーマッチの2ゲーム目以降において、先攻1ターンキルに対抗できる数少ない手段である。