霊気の薬瓶/Aether Vial
提供:MTG Wiki
(19人の利用者による、間の31版が非表示) | |||
1行: | 1行: | ||
− | {{#card: | + | {{#card:Aether Vial}} |
− | 強力な擬似[[マナ加速]][[ | + | 強力な擬似[[マナ加速]]を行う[[アーティファクト]]。実際に使える[[マナ]]が増えるわけではないが、1マナの元手で大量の[[クリーチャー]]を[[コスト]]を[[支払う|支払わず]]に出せるようになる。 |
− | + | [[インスタント・タイミング]]かつマナなしで直接[[戦場に出る|戦場に出て]]くるため、応用の幅が非常に広い。[[戦闘]]中に奇襲的に[[ブロッカー]]が登場したり[[ETB]][[能力]]を発揮したり、あるいは[[終了ステップ]]に安全に[[フィニッシャー]]を[[展開]]したりと、[[ビートダウンデッキ]]と[[コントロールデッキ]]のどちらに対してもいやらしい動きができる。 | |
− | + | これ自身が1マナと[[軽い]]ので1[[ターン]]目に[[打ち消す|打ち消し]]をすり抜けて[[戦場に出す]]ことが容易であり、その後は[[起動型能力]]なので一般的な[[呪文]]への打ち消しでは対処できないため、特に[[パーミッション]]に対してはまさしく天敵と言えるだろう。マナを温存しつつフィニッシャーを安全に戦場に出せる性質から、パーミッション側に採用されることもあった。 | |
− | [[ | + | 多芸で強力なカードだが、[[カード・アドバンテージ]]面では得しないのは弱点。[[ウィニー]]型[[デッキ]]での加速力は強烈ではあるが、そのぶん[[手札]]の息切れも早くなりがちで、複数枚引いたり後半に引いたりすると[[腐る|腐り]]やすいため、それらを意識した[[構築]]や[[プレイング]]が必要。 |
− | + | [[スタンダード]]や[[エクステンデッド]]では、主に[[ゴブリン (デッキ)|ゴブリン]]や[[親和 (デッキ)|親和]]([[薬瓶親和]])に投入された。特に親和デッキでは、アーティファクトであるため親和のタネになり、[[アーティファクト・土地]]を多数採用するが故の[[色事故]]の緩和に役立ち、不要な薬瓶は[[電結の荒廃者/Arcbound Ravager]]のエサにでき、と相性抜群。また[[187クリーチャー]]との相性もよさから[[ヴィリジアン・ラッツ]]を成立させたほか、[[ファンデッキ]]レベルでは[[マナ総量]]が揃った[[クリーチャー]]を大量に使う[[執拗なネズミ/Relentless Rats]]デッキや[[ずべら]]デッキを支えた。 | |
− | + | 現在の主戦場は[[レガシー]]であり、[[ゴブリン (デッキ)#レガシー|ゴブリン]]や[[マーフォーク (デッキ)#レガシー|マーフォーク]]、[[カウンタースリヴァー]]などの[[タイプ的デッキ]]、[[フィッシュ#エターナル|フィッシュ]]や[[Death & Taxes#レガシー|Death & Taxes]]などの[[ウィニー]]で幅広く使用されている。 | |
− | + | ||
− | + | [[モダン]]ではフォーマット設立当初はあまり注目されていなかったが、[[ヤソコン#モダン|ヤソコン]]で有効活用された他、[[マーフォーク (デッキ)#モダン|マーフォーク]]や[[ヘイトベアー]]でも使用されている。 | |
− | + | ||
− | * | + | *初出時の英語版[[カード名]]は「Æther Vial」であったが、[[カラデシュ]]発売に伴う[[オラクル]]更新により、合字を用いない表記に変更された。詳細は[[霊気/Aether]]を参照。 |
*クリーチャーを利用した[[コンボデッキ]]でも優秀なカード。上述の通り擬似的なマナ加速になり、カウンターにも強いため。→[[セファリッド・ブレックファースト]] | *クリーチャーを利用した[[コンボデッキ]]でも優秀なカード。上述の通り擬似的なマナ加速になり、カウンターにも強いため。→[[セファリッド・ブレックファースト]] | ||
− | *ひどいカード(弱すぎ)だった[[メルカディアの昇降機/Mercadian Lift]]、[[三畳紀の卵/Triassic Egg]] | + | *ひどいカード(弱すぎ)だった[[メルカディアの昇降機/Mercadian Lift]]、[[三畳紀の卵/Triassic Egg]]の調整版ではあるが([http://web.archive.org/web/20071221161625/http://braingeyser.at.infoseek.co.jp/04/0217c.html#65 参考] )、逆の意味でひどいカードになってしまった気も。 |
− | *[[From the Vault:Relics]]に{{Gatherer|id=212630|新規イラスト}} | + | *[[From the Vault:Relics]]に{{Gatherer|id=212630|新規イラスト}}で収録された。このイラストは[[Modern Masters]]や[[アイコニックマスターズ]]に[[再録]]された際にも使用されている。 |
+ | **イラストに描かれているのは[[メムナーク/Memnarch]]({{Gatherer|id=220532}})である。 | ||
+ | *[[ダークスティール]]初出時には[[アンコモン]]だったが、Modern Masters再録時に[[レア]]に変更された。 | ||
+ | |||
+ | [[2005年]]9月20日より[[エクステンデッド]]で[[禁止カード]]に指定される。さらに[[2006年]]3月20日より[[ミラディン・ブロック構築]]でも禁止カードに指定される。 | ||
+ | |||
+ | ==ルール== | ||
+ | この能力はクリーチャー・カードを直接[[戦場に出す]]ものであり、[[唱える]]([[プレイ]]する)わけではない。 | ||
+ | |||
+ | *[[変異]][[カード]]を[[裏向き]]に出したり、[[キッカー]]などの[[追加コスト]]を[[支払う|支払っ]]たりなどの、唱える際に機能する能力を使用することはできない。 | ||
+ | *唱えることができないクリーチャー・カードでも戦場に出すことができる。例えば[[翻弄する魔道士/Meddling Mage]]に[[名前|指名]]されたカードを出したり、すでに[[土地]]を[[プレイ]]している[[ターン]]に[[ドライアドの東屋/Dryad Arbor]]を出したりしてよい。 | ||
+ | *[[触れられざる者フェイジ/Phage the Untouchable]]を出した場合は、[[敗北]]する能力が[[誘発]]してしまう。 | ||
+ | |||
+ | どのクリーチャーを戦場に出すか(または何も出さないか)を決定するタイミングは能力の[[解決]]時のみである。[[起動]]時に何を出すかを[[公開する]]必要はない。 | ||
− | + | *[[蓄積カウンター]]の数は起動時ではなく解決時に参照する。解決時に[[戦場を離れる|戦場を離れて]]いる場合は、[[最後の情報]]を参照する。 | |
+ | *手札に適正なクリーチャー・カードがない状況で起動してもよい。意味はないが、ちょっとした[[ブラフ]]になるかもしれない。 | ||
+ | *適正なクリーチャー・カードがあっても、戦場に出さないことを選んでもよい。例えば[[対応して]][[対戦相手]]が[[封じ込める僧侶/Containment Priest]]を戦場に出した場合、霊気の薬瓶の解決時に何も出さないことは適正である。 | ||
==参考== | ==参考== | ||
− | *[[The Top 50 Artifacts of All Time]] | + | *[[The Top 50 Artifacts of All Time]]第19位([[WotC]]、文:[[Zvi Mowshowitz]]、英語) |
+ | *[[霊気/Aether]]([[背景世界/ストーリー用語]]) | ||
*[[カード個別評価:ダークスティール]] - [[アンコモン]] | *[[カード個別評価:ダークスティール]] - [[アンコモン]] | ||
+ | *[[カード個別評価:ダブルマスターズ2022]] - [[レア]] | ||
+ | *[[カード個別評価:アイコニックマスターズ]] - [[レア]] | ||
+ | *[[カード個別評価:Modern Masters]] - [[レア]] | ||
+ | *[[Secret Lair Drop Series/2024年#Artist Series: Rovina Cai|Secret Lair Drop Series: Artist Series: Rovina Cai]] | ||
*[[From the Vault:Relics]] | *[[From the Vault:Relics]] | ||
+ | *[[Kaladesh Inventions]] |
2024年6月15日 (土) 16:50時点における最新版
アーティファクト
あなたのアップキープの開始時に、あなたは霊気の薬瓶の上に蓄積(charge)カウンターを1個置いてもよい。
(T):あなたの手札にある、マナ総量が霊気の薬瓶の上に置かれている蓄積カウンターの数に等しいクリーチャー・カード1枚を戦場に出してもよい。
強力な擬似マナ加速を行うアーティファクト。実際に使えるマナが増えるわけではないが、1マナの元手で大量のクリーチャーをコストを支払わずに出せるようになる。
インスタント・タイミングかつマナなしで直接戦場に出てくるため、応用の幅が非常に広い。戦闘中に奇襲的にブロッカーが登場したりETB能力を発揮したり、あるいは終了ステップに安全にフィニッシャーを展開したりと、ビートダウンデッキとコントロールデッキのどちらに対してもいやらしい動きができる。
これ自身が1マナと軽いので1ターン目に打ち消しをすり抜けて戦場に出すことが容易であり、その後は起動型能力なので一般的な呪文への打ち消しでは対処できないため、特にパーミッションに対してはまさしく天敵と言えるだろう。マナを温存しつつフィニッシャーを安全に戦場に出せる性質から、パーミッション側に採用されることもあった。
多芸で強力なカードだが、カード・アドバンテージ面では得しないのは弱点。ウィニー型デッキでの加速力は強烈ではあるが、そのぶん手札の息切れも早くなりがちで、複数枚引いたり後半に引いたりすると腐りやすいため、それらを意識した構築やプレイングが必要。
スタンダードやエクステンデッドでは、主にゴブリンや親和(薬瓶親和)に投入された。特に親和デッキでは、アーティファクトであるため親和のタネになり、アーティファクト・土地を多数採用するが故の色事故の緩和に役立ち、不要な薬瓶は電結の荒廃者/Arcbound Ravagerのエサにでき、と相性抜群。また187クリーチャーとの相性もよさからヴィリジアン・ラッツを成立させたほか、ファンデッキレベルではマナ総量が揃ったクリーチャーを大量に使う執拗なネズミ/Relentless Ratsデッキやずべらデッキを支えた。
現在の主戦場はレガシーであり、ゴブリンやマーフォーク、カウンタースリヴァーなどのタイプ的デッキ、フィッシュやDeath & Taxesなどのウィニーで幅広く使用されている。
モダンではフォーマット設立当初はあまり注目されていなかったが、ヤソコンで有効活用された他、マーフォークやヘイトベアーでも使用されている。
- 初出時の英語版カード名は「Æther Vial」であったが、カラデシュ発売に伴うオラクル更新により、合字を用いない表記に変更された。詳細は霊気/Aetherを参照。
- クリーチャーを利用したコンボデッキでも優秀なカード。上述の通り擬似的なマナ加速になり、カウンターにも強いため。→セファリッド・ブレックファースト
- ひどいカード(弱すぎ)だったメルカディアの昇降機/Mercadian Lift、三畳紀の卵/Triassic Eggの調整版ではあるが(参考 )、逆の意味でひどいカードになってしまった気も。
- From the Vault:Relicsに新規イラストで収録された。このイラストはModern Mastersやアイコニックマスターズに再録された際にも使用されている。
- イラストに描かれているのはメムナーク/Memnarch(イラスト)である。
- ダークスティール初出時にはアンコモンだったが、Modern Masters再録時にレアに変更された。
2005年9月20日よりエクステンデッドで禁止カードに指定される。さらに2006年3月20日よりミラディン・ブロック構築でも禁止カードに指定される。
[編集] ルール
この能力はクリーチャー・カードを直接戦場に出すものであり、唱える(プレイする)わけではない。
- 変異カードを裏向きに出したり、キッカーなどの追加コストを支払ったりなどの、唱える際に機能する能力を使用することはできない。
- 唱えることができないクリーチャー・カードでも戦場に出すことができる。例えば翻弄する魔道士/Meddling Mageに指名されたカードを出したり、すでに土地をプレイしているターンにドライアドの東屋/Dryad Arborを出したりしてよい。
- 触れられざる者フェイジ/Phage the Untouchableを出した場合は、敗北する能力が誘発してしまう。
どのクリーチャーを戦場に出すか(または何も出さないか)を決定するタイミングは能力の解決時のみである。起動時に何を出すかを公開する必要はない。
- 蓄積カウンターの数は起動時ではなく解決時に参照する。解決時に戦場を離れている場合は、最後の情報を参照する。
- 手札に適正なクリーチャー・カードがない状況で起動してもよい。意味はないが、ちょっとしたブラフになるかもしれない。
- 適正なクリーチャー・カードがあっても、戦場に出さないことを選んでもよい。例えば対応して対戦相手が封じ込める僧侶/Containment Priestを戦場に出した場合、霊気の薬瓶の解決時に何も出さないことは適正である。