禁止カード

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*[[Magic Online]]や[[Magic: The Gathering Arena|MTGアリーナ]]が十分普及した現在、[[コンピューターゲーム]]内のメタゲームのデータが禁止カードの制定に活用されている。
 
*[[Magic Online]]や[[Magic: The Gathering Arena|MTGアリーナ]]が十分普及した現在、[[コンピューターゲーム]]内のメタゲームのデータが禁止カードの制定に活用されている。
 
**[[アモンケット]]より、スタンダードでは[[紙]]での発売日よりも先行してMagic Onlineでイベントが行われていたが、そこでのメタゲームを受けて最新セットの公式発売日の前に禁止カードが追加されるという、これまでにない指定が行われた。その経緯は、[[守護フェリダー/Felidar Guardian]]の項目を参照。
 
**[[アモンケット]]より、スタンダードでは[[紙]]での発売日よりも先行してMagic Onlineでイベントが行われていたが、そこでのメタゲームを受けて最新セットの公式発売日の前に禁止カードが追加されるという、これまでにない指定が行われた。その経緯は、[[守護フェリダー/Felidar Guardian]]の項目を参照。
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*禁止カード(及び[[制限カード]])に言及したカードとして、[[Unstable]]に[[大会常連、スパイク/Spike, Tournament Grinder]]がある。
  
 
==禁止のスタンスや変遷==
 
==禁止のスタンスや変遷==
 
禁止にされるカードとしては以下のようなものがある。
 
禁止にされるカードとしては以下のようなものがある。
  
*[[メタゲーム]]を不健全にしているカード。つまり特定のデッキを他のデッキと比較してあまりに強力にしているものや、使い勝手が良すぎてある種の[[色]]や[[アーキタイプ]]のデッキなら必ず採用されてしまうようなもの。例えば[[精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor]]や[[密輸人の回転翼機/Smuggler's Copter]]、[[王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns]]などがこれに当たる。禁止後にそれまで2番手だったデッキが支配的になるのを防ぐためにそれらのデッキのカードが一緒に禁止になることもある。
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*[[メタゲーム]]を不健全にしているカード。つまり特定のデッキを他のデッキと比較してあまりに強力にしているものや、使い勝手が良すぎてある種の[[色]]や[[アーキタイプ]]のデッキなら必ず採用されてしまうようなもの。例えば[[精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor]]や[[密輸人の回転翼機/Smuggler's Copter]]、[[王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns]]などがこれに当たる。
*数字的にはメタゲームが適正に見えても、多くのプレイヤーがその環境を面白くないと感じておりマジックを離れてしまっていると調査結果が出た場合も禁止カードが発効される。[[親和 (デッキ)|親和デッキ]]弱体化のための一斉禁止や、[[霊気池の驚異/Aetherworks Marvel]]などがこれに当たる。
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**上記のようなカードが禁止された後に、それまで2番手だったデッキが支配的になるのを防ぐために、それらのデッキのカードが一緒に禁止になることもある。[[ラムナプの遺跡/Ramunap Ruins]]や[[時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler]]などがこれに当たる。
*適正なプレイを行っていても[[トーナメント]]の進行を遅延させる可能性の高いカード。[[師範の占い独楽/Sensei's Divining Top]]([[エクステンデッド]]・[[モダン]]・[[レガシー]])、[[第二の日の出/Second Sunrise]][[クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks]](モダン)、[[Shahrazad]]([[エターナル]])などがこれに当たる。
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*数字的にはメタゲームが適正に見えても、多くのプレイヤーがその環境を面白くないと感じておりマジックを離れてしまっていると調査結果が出た場合も禁止カードが発効される。[[親和 (デッキ)|親和デッキ]]弱体化のための一斉禁止や、[[霊気池の驚異/Aetherworks Marvel]]、[[アールンドの天啓/Alrund's Epiphany]]などがこれに当たる。
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*適正なプレイを行っていても[[トーナメント]]の進行を遅延させる可能性の高いカード。[[師範の占い独楽/Sensei's Divining Top]]([[エクステンデッド]]・[[モダン]]・[[レガシー]])、[[第二の日の出/Second Sunrise]][[クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks]]、[[空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad]](モダン)、[[Shahrazad]]([[エターナル]])などがこれに当たる。
 
*[[コンピューターゲーム]]独自の処理手順から悪用させる可能性の高いカード。[[Magic: The Gathering Arena]]のBO1での[[運命のきずな/Nexus of Fate]]禁止がこれにあたる。
 
*[[コンピューターゲーム]]独自の処理手順から悪用させる可能性の高いカード。[[Magic: The Gathering Arena]]のBO1での[[運命のきずな/Nexus of Fate]]禁止がこれにあたる。
 
*[[Chaos Orb]]や[[アンティ]]関係のような現在のマジックのゲーム性からかけ離れていると判断されたカード、[[策略]]カードのように通常のトーナメントで用いることを想定していないカードは環境制定や印刷と同時に禁止カードに指定される。
 
*[[Chaos Orb]]や[[アンティ]]関係のような現在のマジックのゲーム性からかけ離れていると判断されたカード、[[策略]]カードのように通常のトーナメントで用いることを想定していないカードは環境制定や印刷と同時に禁止カードに指定される。
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*[[2019年]]、プレイ・デザイン・チームが完全に機能し始めたはずの[[スタンダードの変遷#ラヴニカのギルド+ラヴニカの献身+灯争大戦+基本セット2020+エルドレインの王権+テーロス還魂記+イコリア:巨獣の棲処+基本セット2021期|エルドレインの王権~基本セット2021期]]に、再びスタンダードで禁止カードを出してしまう。特に[[王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns]]の異常な強さを見落としてしまった事に関しては、プレイ・デザイン・チームが「'''責任は我々にあります'''」と事実上の謝罪文まで掲載する事態になった<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/play-design-lessons-learned-2019-11-18 Play Design Lessons Learned]/[https://mtg-jp.com/reading/pd/0033449/ プレイデザインの教訓](Feature 2019年11月18日 [[Bryan Hawley]]著)</ref>。だがこの後もローテーション落ちまで残り約2ヶ月だったカードの禁止も含めた禁止処置が頻発し、わずか1年の間に10枚ものカードが禁止された<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/august-8-2020-banned-and-restricted-announcement August 3, 2020 Banned and Restricted Announcement]/[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0034244/ 2020年8月3日 禁止制限告知]([[Daily MTG]] 2020年8月3日)</ref>。
 
*[[2019年]]、プレイ・デザイン・チームが完全に機能し始めたはずの[[スタンダードの変遷#ラヴニカのギルド+ラヴニカの献身+灯争大戦+基本セット2020+エルドレインの王権+テーロス還魂記+イコリア:巨獣の棲処+基本セット2021期|エルドレインの王権~基本セット2021期]]に、再びスタンダードで禁止カードを出してしまう。特に[[王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns]]の異常な強さを見落としてしまった事に関しては、プレイ・デザイン・チームが「'''責任は我々にあります'''」と事実上の謝罪文まで掲載する事態になった<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/play-design-lessons-learned-2019-11-18 Play Design Lessons Learned]/[https://mtg-jp.com/reading/pd/0033449/ プレイデザインの教訓](Feature 2019年11月18日 [[Bryan Hawley]]著)</ref>。だがこの後もローテーション落ちまで残り約2ヶ月だったカードの禁止も含めた禁止処置が頻発し、わずか1年の間に10枚ものカードが禁止された<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/august-8-2020-banned-and-restricted-announcement August 3, 2020 Banned and Restricted Announcement]/[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0034244/ 2020年8月3日 禁止制限告知]([[Daily MTG]] 2020年8月3日)</ref>。
 
*[[2020年]]の[[ゼンディカーの夜明け]]発売によるローテーション後も残念ながら禁止処置は止まず、デジタルゲームでは1週間前から環境が始まっているとはいえローテーション3日後の9月28日に[[自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature's Wrath]]が<ref name="banned20200928">[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/september-28-2020-banned-and-restricted-announcement-2020-09-28 September 28, 2020 Banned And Restricted Announcement ]/[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0034409/ 2020年9月28日 禁止制限告知]([[Daily MTG]] 2020年9月28日)</ref>、さらにその2週間後には[[創造の座、オムナス/Omnath, Locus of Creation]]を含む3枚のカードが禁止され<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/october-12-2020-banned-and-restricted-announcement October 12, 2020 Banned and Restricted Announcement]/[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0034476/ 2020年10月12日 禁止制限告知]([[Daily MTG]] News [[2020年]]10月12日 [[Ian Duke]]著)</ref>、前環境から継続の5枚と合わせて8枚ものカードが禁止された。
 
*[[2020年]]の[[ゼンディカーの夜明け]]発売によるローテーション後も残念ながら禁止処置は止まず、デジタルゲームでは1週間前から環境が始まっているとはいえローテーション3日後の9月28日に[[自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature's Wrath]]が<ref name="banned20200928">[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/september-28-2020-banned-and-restricted-announcement-2020-09-28 September 28, 2020 Banned And Restricted Announcement ]/[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0034409/ 2020年9月28日 禁止制限告知]([[Daily MTG]] 2020年9月28日)</ref>、さらにその2週間後には[[創造の座、オムナス/Omnath, Locus of Creation]]を含む3枚のカードが禁止され<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/october-12-2020-banned-and-restricted-announcement October 12, 2020 Banned and Restricted Announcement]/[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0034476/ 2020年10月12日 禁止制限告知]([[Daily MTG]] News [[2020年]]10月12日 [[Ian Duke]]著)</ref>、前環境から継続の5枚と合わせて8枚ものカードが禁止された。
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*[[2021年]]は[[2016年]]以来5年ぶりにスタンダードの禁止処置が行われない年となったが、年が明けた[[2022年]]早々の1月25日には、[[アールンドの天啓/Alrund's Epiphany]]を含む3枚のカードが新たに禁止された<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/january-25-2022-banned-and-restricted-announcement January 25, 2022 Banned and Restricted Announcement]</ref>。その後9月のローテーションを経て約3年ぶりにスタンダードの禁止カードは0枚となったが、わずか1か月後の10月10日には[[食肉鉤虐殺事件/The Meathook Massacre]]が新たに禁止された<ref>[https://magic.wizards.com/en/news/announcements/october-10-2022-banned-and-restricted-announcement October 10, 2022 Banned and Restricted Announcement]</ref>。
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*[[2023年]]では5月29日に[[勢団の銀行破り/Reckoner Bankbuster]]、[[鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker]]、[[絶望招来/Invoke Despair]]が禁止された。この時期には[[テーブルトップ]]におけるスタンダードが衰退していたため、復興のため以降の禁止告知の方法が変更されることがアナウンスされた<ref name="banned20230529">[https://magic.wizards.com/en/news/announcements/may-29-2023-banned-and-restricted-announcement May 29, 2023 Banned and Restricted Announcement]/[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0036964/ 2023年5月29日 禁止制限告知]([[Daily MTG]] [[2023年]]5月29日 [[Andrew Brown]]著)</ref>。(内容は後述)
  
 
===その他のフォーマット===
 
===その他のフォーマット===
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===改定タイミングの変遷===
 
===改定タイミングの変遷===
2016年まで、禁止カードの改訂は「[[スタンダード]]・[[カードセット|セット]]の[[プレリリース]]後の月曜日」(年ごと4回)に行われていた。
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;~2016年
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:禁止カードの改訂は「[[本流のセット]]の[[プレリリース]]後の月曜日」(年ごと4回)に行われていた。
  
スタンダード環境に対するスタンスとローテーションが見直された2017年には、当初の改定スケジュールは「スタンダード・セットのプレリリース後と、プロツアーの5週間後の月曜日」(年ごと8回)とされていたが、「改訂回数が多すぎ」と多くのプレイヤーから不評だったため、2017年6月より定期的では無くなり、禁止告知のたびに次回の禁止告知日を指定する形に変更された<ref name="banned20170613" /><ref>[http://mtg-jp.com/publicity/0019441/ 2017年8月28日 禁止制限告知](News 2017年8月28日)</ref>。
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;2017年~2022年
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:スタンダード環境に対するスタンスとローテーションが見直された2017年には、当初の改定スケジュールは「本流のセットのプレリリース後と、プロツアーの5週間後の月曜日」(年ごと8回)とされていたが、「改訂回数が多すぎ」と多くのプレイヤーから不評だったため、2017年6月より定期的では無くなり、禁止告知のたびに次回の禁止告知日を指定する形に変更された<ref name="banned20170613" /><ref>[http://mtg-jp.com/publicity/0019441/ 2017年8月28日 禁止制限告知](News 2017年8月28日)</ref>。
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:更に[[2020年]]より、柔軟で迅速な対応のために変更の間隔は変わらないが告知と変更の日程を確約しない形となった<ref name="banned20191216" />。
  
更に[[2020年]]より、柔軟で迅速な対応のために変更の間隔は変わらないが告知と変更の日程を確約しない形となった<ref name="banned20191216" />。
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;2023年~
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:2017年以降の方針ではいつ禁止されるかがわからず、デッキを安心して構築できなくなってしまうと、スタンダードを筆頭とした[[テーブルトップ]]プレイヤーに不評であった。そのため、テーブルトップのスタンダード復興施策の一環として2023年5月より再び定期的な変更に戻された。
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:年一回、ローテーションが切り替わるタイミングの本流のセットがプレビューされる前に全フォーマットの告知を一括で行うほか、本流のセット発売から3週間後の月曜日にも変更が行われる。後者は[[スタンダード]]では[[守護フェリダー/Felidar Guardian]]レベルの著しく環境を乱すカードが出た際の緊急対応としてのみ用いられるが<ref name="banned20230529"/>、[[ローテーション]]のないフォーマットでは変更が行われやすいと定めている<ref>[https://magic.wizards.com/en/news/announcements/august-7-2023-banned-and-restricted-announcement August 7, 2023 Banned and Restricted Announcement]/[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0037133/ 2023年8月7日 禁止制限告知]([[Daily MTG]] [[2023年]]8月7日 [[Carmen Handy]], [[Michael Majors]]著)</ref>。
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:*[[パウパー]]の禁止改定は[[パウパー・フォーマット委員会]]により管理されているため、このタイミングとは独立して行われる<ref>[https://twitter.com/emmadpartlow/status/1688559111556714496 @emmadpartlow](パウパー・フォーマット委員会 [[Emma Partlow]]のTwitter 2023年8月7日)</ref>。
  
 
*[[パイオニア]]は導入当初([[2019年]])は始まったばかりのフォーマットということで、通常の禁止改定サイクルとは別のタイミングで禁止カードが発表されていた。
 
*[[パイオニア]]は導入当初([[2019年]])は始まったばかりのフォーマットということで、通常の禁止改定サイクルとは別のタイミングで禁止カードが発表されていた。
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*[[カジュアルプレイ]]の域になるが、[[グランプリ]]の[[サイドイベント]]やカードショップなどで「禁止解除大会」を行っていることがあり、その環境では想像もできないような状況を見ることが出来る<ref>[http://coverage.mtg-jp.com/gpchi15/decklist/014989/ サイドイベント・「禁止解除レガシー」上位入賞者デッキリスト(カジュアル)] (マジック日本公式、グランプリ千葉15)</ref>。
 
*[[カジュアルプレイ]]の域になるが、[[グランプリ]]の[[サイドイベント]]やカードショップなどで「禁止解除大会」を行っていることがあり、その環境では想像もできないような状況を見ることが出来る<ref>[http://coverage.mtg-jp.com/gpchi15/decklist/014989/ サイドイベント・「禁止解除レガシー」上位入賞者デッキリスト(カジュアル)] (マジック日本公式、グランプリ千葉15)</ref>。
 
**見る機会が多いのは「禁止解除モダン」や「禁止解除レガシー」など。また禁止カードの枚数がウルザ・ブロック期以来となった[[基本セット2021]]期のスタンダードでは「禁止解除スタンダード」も複数行われた。
 
**見る機会が多いのは「禁止解除モダン」や「禁止解除レガシー」など。また禁止カードの枚数がウルザ・ブロック期以来となった[[基本セット2021]]期のスタンダードでは「禁止解除スタンダード」も複数行われた。
*MTGアリーナでは、パワーレベルを鑑み[[本流のセット]]でない一部の収録カードが別のカードに置き換えられることがある(→[[Jumpstart]])。これも一種の変則的な禁止指定と言えるだろう。
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*MTGアリーナでは、パワーレベルを鑑み[[本流のセット]]でない一部の収録カードが別のカードに置き換えられることがある(→[[Jumpstart]])。また、アリーナ専用フォーマットにおいてはカードの[[再調整]]が行われることもある。これらも一種の変則的な禁止指定と言えるだろう。
  
 
==脚注==
 
==脚注==

2024年6月15日 (土) 17:45時点における最新版

禁止カードBanned Card)は、構築またはエターナルにおいて、デッキメインデッキおよびサイドボード)に1枚も入れてはいけないカードのこと。

目次

[編集] 解説

マジック:ザ・ギャザリングのプレイの健全化のため開発部が必要と判断した場合、禁止カードが発効される。発効時期は不定期だが、告知する場合月曜日(日本時間同火曜日午前)発表と決まっている[1]

どのようなカードが禁止カードとして指定されるかは、フォーマットやその時の禁止ポリシーによって異なる。禁止カード指定の最終的な目的は、プレイヤーにマジックを楽しんでもらえるようにすることである[2]#禁止のスタンスや変遷も参照。

禁止カードはフォーマットごとに定められている。あるフォーマットで禁止でも、別のフォーマットでは問題なく4枚使えたりする。その完全なリストは各フォーマットの項を参照のこと。リミテッドでは、禁止カードリストが存在しない。

  • フォーマット別の禁止カード他、アンティに関係したカードなど、法律上の問題があったなど理由から「全ての認定イベントで禁止されているカード」もいくつかある。
  • 他のカードゲームの中には併用禁止といった種別の禁止方法もあるが、マジックの禁止カードは上記の特例を除く「メインデッキおよびサイドボードに入れてはいけない」という単純な禁止のみである。
    • 霊気池の驚異/Aetherworks Marvelがスタンダードで禁止された当時、「併用禁止」など禁止以外の規制形式も検討されたが、混乱を招く懸念があり見送られた[4]

[編集] 禁止のスタンスや変遷

禁止にされるカードとしては以下のようなものがある。

[編集] スタンダード

開発部はスタンダードで禁止カードをできるだけ発効しないことを目標としている[2][5]が、マジックのデジタルプレイが発展する中でトーナメントレベルでの環境の分析速度が高速化し、メタゲームが早期に固まってしまうことへの介入を示唆している[6]

[編集] その他のフォーマット

スタンダード以外の環境では、かつてのエクステンデッドを除きカードプールは増えていくしか無いこともあり、発効しないことを目標とはしていない[5]。ただし本流のセットにおいてもモダンやエターナルへの影響が考慮されていないわけではなく、過度なインフレは起こさないように調整されている[18]。環境のバランスを取るために禁止解除が行われることもある。

  • コンボデッキに関して、モダンでは3ターン以内で、レガシーでは2ターン以内で勝利を決めてしまうデッキを禁止の基準としている[19]

[編集] 改定タイミングの変遷

~2016年
禁止カードの改訂は「本流のセットプレリリース後の月曜日」(年ごと4回)に行われていた。
2017年~2022年
スタンダード環境に対するスタンスとローテーションが見直された2017年には、当初の改定スケジュールは「本流のセットのプレリリース後と、プロツアーの5週間後の月曜日」(年ごと8回)とされていたが、「改訂回数が多すぎ」と多くのプレイヤーから不評だったため、2017年6月より定期的では無くなり、禁止告知のたびに次回の禁止告知日を指定する形に変更された[4][20]
更に2020年より、柔軟で迅速な対応のために変更の間隔は変わらないが告知と変更の日程を確約しない形となった[1]
2023年~
2017年以降の方針ではいつ禁止されるかがわからず、デッキを安心して構築できなくなってしまうと、スタンダードを筆頭としたテーブルトッププレイヤーに不評であった。そのため、テーブルトップのスタンダード復興施策の一環として2023年5月より再び定期的な変更に戻された。
年一回、ローテーションが切り替わるタイミングの本流のセットがプレビューされる前に全フォーマットの告知を一括で行うほか、本流のセット発売から3週間後の月曜日にも変更が行われる。後者はスタンダードでは守護フェリダー/Felidar Guardianレベルの著しく環境を乱すカードが出た際の緊急対応としてのみ用いられるが[17]ローテーションのないフォーマットでは変更が行われやすいと定めている[21]

[編集] その他

  • 最初に日本語版が発売された第4版には非常に多くの禁止カードが含まれていた。これらは反則的なほど強いが、トーナメントで使えないので本当に紙くず扱いだった。当時のカードショップやデュエルスペースの「カード捨て箱」(不要なカードを初心者などに提供する目的で設置されていた)にはチャネル/Channel露天鉱床/Strip Mine黒の万力/Black Viseが山のように捨ててあったものである。
  • スタンダードがブロック制に移行した後はしばらく禁止カード発効は無くプレイヤーも「まさかスタンダードで禁止カードは出ないだろう」とたかをくくっていたが、ウルザ・ブロック発売後の1999年は連続で発効され、中には波動機/Fluctuatorのように「そんなに強いか?」というカードまで禁止されたために、「スタンダード環境でも、いつどんなカードが禁止になるのかわからない」という疑心暗鬼が広がった。これによってトレードなどで「このカードはもうすぐ禁止になるらしいよ」などと言って価値を暴落させて有利に駆け引きをしようとするシャークが後を絶たなかった。
  • 禁止カードを連発してしまったウルザ・ブロックの件で、開発スタッフが社長室に呼ばれて叱られたという逸話がある[23]
  • アメリカ国内ではスタンダードの禁止カードをブースターパックから引き当てた場合、そのカードをウィザーズ社に郵送することでブースターパック1つと交換してもらえるサービスが実施されていたことがある[24][25]。「使えないカードを引いても仕方が無い。パック代を返せ」という合理主義の国民らしいクレームに応えた形である。
  • カジュアルプレイの域になるが、グランプリサイドイベントやカードショップなどで「禁止解除大会」を行っていることがあり、その環境では想像もできないような状況を見ることが出来る[27]
    • 見る機会が多いのは「禁止解除モダン」や「禁止解除レガシー」など。また禁止カードの枚数がウルザ・ブロック期以来となった基本セット2021期のスタンダードでは「禁止解除スタンダード」も複数行われた。
  • MTGアリーナでは、パワーレベルを鑑み本流のセットでない一部の収録カードが別のカードに置き換えられることがある(→Jumpstart)。また、アリーナ専用フォーマットにおいてはカードの再調整が行われることもある。これらも一種の変則的な禁止指定と言えるだろう。

[編集] 脚注

  1. 1.0 1.1 2019年12月16日 禁止制限告知(Daily MTG 2019年12月16日)
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 Standard Bannings Explained/スタンダードの禁止に関する声明Daily MTG Feature 2011年6月20日 Aaron Forsythe著)
  3. Challenger Decks 2022/『チャレンジャーデッキ2022』(Feature 2022年2月8日 Wizards of the Coast著)
  4. 4.0 4.1 2017年6月13日 禁止制限告知Daily MTG News 2017年6月13日)
  5. 5.0 5.1 Development Risks in Modern/モダンにおけるデベロップのリスク (Latest Developments、Sam Stoddard、2015年5月22日)
  6. 6.0 6.1 September 28, 2020 Banned And Restricted Announcement /2020年9月28日 禁止制限告知(Daily MTG 2020年9月28日)
  7. Skullclamp, We Hardly Knew Ye(Daily MTG 2004年6月4日)
  8. Eight Plus One(Daily MTG 2005年3月4日)
  9. January 9, 2017 Banned and Restricted Announcement/2017年1月9日 禁止制限告知(Daily MTG 2017年1月9日)
  10. Standard/スタンダード (Latest Developments、Sam Stoddard、2017年1月13日)
  11. Addendum to April 24, 2017 Banned and Restricted Announcement/2017年4月24日 禁止制限告知への追加(Daily MTG 2017年4月24日)
  12. Play Design Lessons Learned/プレイデザインの教訓(Feature 2019年11月18日 Bryan Hawley著)
  13. August 3, 2020 Banned and Restricted Announcement/2020年8月3日 禁止制限告知(Daily MTG 2020年8月3日)
  14. October 12, 2020 Banned and Restricted Announcement/2020年10月12日 禁止制限告知Daily MTG News 2020年10月12日 Ian Duke著)
  15. January 25, 2022 Banned and Restricted Announcement
  16. October 10, 2022 Banned and Restricted Announcement
  17. 17.0 17.1 May 29, 2023 Banned and Restricted Announcement/2023年5月29日 禁止制限告知Daily MTG 2023年5月29日 Andrew Brown著)
  18. PLAY DESIGN Q&A/プレイ・デザインQ&A (Play Design、Melissa DeTora、2019年6月14日 益山拓也米村薫訳)
  19. Welcome to the Modern World/モダンの世界へようこそ (Latest Developments、Tom LaPille、2011年8月12日 米村薫訳)
  20. 2017年8月28日 禁止制限告知(News 2017年8月28日)
  21. August 7, 2023 Banned and Restricted Announcement/2023年8月7日 禁止制限告知Daily MTG 2023年8月7日 Carmen Handy, Michael Majors著)
  22. @emmadpartlow(パウパー・フォーマット委員会 Emma PartlowのTwitter 2023年8月7日)
  23. Eighteen YearsDaily MTGMaking Magic、英語)
  24. DCI Banned and Restricted List Announcement(WebArchive)WotC、1999年3月1日告知、同年4月1日発行の禁止・制限リスト改定告知)
  25. 上記ページの邦訳(MjMJ.info)
  26. 渡辺雄也のTwitter (2012年6月18日)
  27. サイドイベント・「禁止解除レガシー」上位入賞者デッキリスト(カジュアル) (マジック日本公式、グランプリ千葉15)

[編集] 参考

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