時のらせんブロック

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=時のらせんブロック/Time Spiral Block=
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'''時のらせんブロック'''/''Time Spiral Block''は、[[時のらせん]]、[[次元の混乱]]、[[未来予知]]の3つのセットからなる[[ブロック (総称)|ブロック]]。
  
[[ブロック#format|時のらせん]][[次元の混乱]]、[[未来予知]]の3つのセットからなる[[ブロック]]。
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[[スカージ]]以来となる[[ドミナリア/Dominaria]]が舞台で、スカージから数世紀後、[[テフェリー/Teferi]]の帰還した時代の物語。
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テーマは「時間」。ストーリー上で起きている「時間の歪み」による出来事が反映されている。
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==概要==
同時に「[[色の役割]]の混乱」もテーマであり、意図的に現在の色の役割が崩されて(もしくは拡大されて)いる。
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[[スカージ]]以来となる[[ドミナリア/Dominaria]]が舞台で、スカージから数世紀後、[[テフェリー/Teferi]]が帰還した時代の物語。
過去に登場した多くのメカニズムがアレンジされ復活しているほか、過去の色の役割に沿ったカードや、現在の色の役割と比べて強力な機能を持つカードなどが登場。
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また、時のらせんと次元の混乱に関しては、新しい[[キーワード能力]]が時間やタイミングに関係するものとなっている。
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過去の[[キーワード能力]]のオンパレードとなった[[時のらせん]]と、未来のキーワード能力のオンパレードとなった[[未来予知]]により、とんでもない数のキーワード能力が登場している。最近のブロックではキーワード能力の登場数が多くなっていたが、それにしてもこれほど多いのは過去に例を見ない。
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テーマは「時間」。ストーリー上で起きている「時間の歪み」による出来事が反映されている。同時に「[[色の役割]]の混乱」もテーマであり、意図的に現在の色の役割が崩されて(もしくは拡大されて)いる。過去に登場した多くのメカニズムがアレンジされ復活しているほか、過去の色の役割に沿ったカードや、現在の色の役割と比べて強力な機能を持つカードなどが登場。また、時のらせんと次元の混乱に関しては、新しい[[キーワード能力]]が時間やタイミングに関係するものとなっている。
新規のブロック固有キーワードは[[刹那]]、[[待機]]、[[消失]]、[[吸収]]、[[オーラ交換]]、[[探査]]、[[城砦化]]、[[激情]]、[[墓地ストーム]]、[[有毒]]、[[変形]]。
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再登場のブロック固有キーワードは[[側面攻撃]]、[[シャドー]]、[[バイバック]]、[[サイクリング]]、[[エコー]]、[[フラッシュバック]]、[[マッドネス]]、[[変異]]、[[ストーム]]、[[キッカー]]、[[予見]]、[[移植]]、[[狂喜]]、[[召集]]、[[発掘]]、[[変成]]、他に時のらせんの[[タイムシフト]]に[[ランページ]]がある。
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また、[[瞬速]]、[[絆魂]]、[[到達]]、[[接死]]、[[被覆]]のキーワード化がなされ、それに合わせて過去のカードの[[Oracle]]が変更されたのもこのブロック。
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*膨大な数のキーワード能力があり、ルールを覚えるのが一苦労なため、ある意味初心者泣かせのブロックになっている。
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過去の[[キーワード能力]]のオンパレードとなった[[時のらせん]]と、未来のキーワード能力のオンパレードとなった[[未来予知]]により、とんでもない数のキーワード能力が登場している。最近のブロックではキーワード能力の登場数が多くなっていたが、それにしてもこれほど多いのは過去に例を見ない。新規のブロック固有キーワードは[[刹那]]、[[待機]]、[[消失]]、[[吸収]]、[[オーラ交換]]、[[探査]]、[[城砦化]]、[[激情]]、[[墓地ストーム]]、[[有毒]]、[[変形]]。再登場のブロック固有キーワードは[[側面攻撃]]、[[シャドー]]、[[バイバック]]、[[サイクリング]]、[[エコー]]、[[フラッシュバック]]、[[マッドネス]]、[[変異]]、[[ストーム]]、[[キッカー]]、[[予見]]、[[移植]]、[[狂喜]]、[[召集]]、[[発掘]]、[[変成]]、他に時のらせんの[[タイムシフト]]に[[ランページ]]がある。また、[[瞬速]]、[[絆魂]]、[[到達]]、[[接死]]、[[被覆]]のキーワード化がなされ、それに合わせて過去のカードの[[オラクル]]が変更されたのもこのブロック。膨大な数のキーワード能力があり、ルールを覚えるのが一苦労なため、ある意味初心者泣かせのブロックになっている。
  
*3つのセットそれぞれに、そのセットのテーマに沿った[[タイムシフト]]と呼ばれるカード群がある。
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*3つのセットそれぞれに、そのセットのテーマに沿った[[タイムシフト]]と呼ばれるカード群がある。詳細は[[タイムシフト]]のページを参照。
詳細は[[タイムシフト]]のページを参照。
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*[[エキスパンション]]名はいずれも過去に登場した[[カード名]]となっている([[時のらせん/Time Spiral]]、[[次元の混乱/Planar Chaos]]、[[未来予知/Future Sight]])。
*[[エキスパンション]]名はいずれも過去に登場した[[カード名]]となっている。
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*各カードセットに1枚ずつ、「[[アクローマ/Akroma]]」が収録されている。
[[時のらせん/Time Spiral]]、[[次元の混乱/Planar Chaos]]、[[未来予知/Future Sight]]
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*[[2021年]]に3つのセットを1つに再編した[[時のらせんリマスター]]が発売された。
*各カードセットに1枚ずつ、「[[アクローマ/Akroma]]」が収録されている。
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==評価==
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古参のプレイヤーに非常に評価が高く、このブロックからマジックに復帰したというプレイヤーはとても多い。その一方で、タイムシフト先となる過去のブロックを知らない新規のプレイヤーにとっては大した思い入れもなく、むしろ覚えなければならない[[メカニズム]]が大量に存在すると言う困ったブロックとなっている。結果的にこのブロックは公式的には問題作として扱われており、たびたび公式コラムで取り上げられている<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/because-salt-makes-mistakes-taste-great-2016-05-09 Because Salt Makes Mistakes Taste Great]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0016961/ 塩が失敗を美味しくするから]([[Making Magic]] [[2016年]]5月9日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。
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また、過去に存在していたが現在のマジックからは除外されている、例えば現在では好ましくないとされている過去の[[色の役割]]やメカニズムを戻してしまい、混乱を招き長くその影響を残してしまったことについても何度か反省点として挙げられている。<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/returning-home-2018-04-02 Returning Home]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0030471/ 懐かしの地に](Making Magic [[2018年]]4月2日 Mark Rosewater著)</ref><ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/constraints-and-defaults-2019-07-15 Constraints and Defaults]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0032706/ 強制と標準](Making Magic [[2019年]]7月15日 Mark Rosewater著)</ref>
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*このブロックと続く[[ローウィン・ブロック]]の反省から、[[新世界秩序]]が作られた<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/new-world-order-2011-12-05 New World Order]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/0004040/ 新世界秩序](Making Magic [[2011年]]12月5日 Mark Rosewater著)</ref>。
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*これを教訓に、過去の「カード」ではなく過去の「舞台」を利用したのが[[ミラディンの傷跡ブロック]]である。その後も過去の舞台を再訪するセットは数多く作られている。
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*新規プレイヤーをターゲットとしていないサプリメント製品においてはこのようなセットを作ってもよいのではないかというアイディアから、後に「時のらせん2」と言える[[モダンホライゾン]]が作られた<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/modern-sensibilities-2019-05-20 Modern Sensibilities]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0032540/ モダンの感受性](Making Magic [[2019年]]5月20日 Mark Rosewater著)</ref><ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/card-preview/magic-set-about-magic-gathering-2019-05-23 A Magic Set about Magic: The Gathering]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/0032554/ マジック:ザ・ギャザリングについてのマジックのセット](Card Preview 2019年5月23日 [[Ethan Fleischer]]著)</ref>。
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==公式特集ページ==
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*[https://mtg-jp.com/reading/mm/0034841/ 『時のらせん』ブロックについて諸君が知らない27のこと]([[Making Magic]] [[2021年]]3月8日)
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==脚注==
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==参考==
 
==参考==
 
*[[時のらせんブロック構築]]
 
*[[時のらせんブロック構築]]
 
*[[カード個別評価:時のらせんブロック]]
 
*[[カード個別評価:時のらせんブロック]]
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**[[カード個別評価:時のらせん]]
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**[[カード個別評価:次元の混乱]]
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**[[カード個別評価:未来予知]]
 
*[[カードセット一覧]]
 
*[[カードセット一覧]]
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**[[第9版]]
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**[[ラヴニカ・ブロック]]([[ラヴニカ:ギルドの都]] - [[ギルドパクト]] - [[ディセンション]])
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**[[コールドスナップ]] - [[時のらせんブロック]]([[時のらせん]] - [[次元の混乱]] - [[未来予知]])
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**[[第10版]]
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**[[ローウィン=シャドウムーア・ブロック]]([[ローウィン]] - [[モーニングタイド]] - [[シャドウムーア]] - [[イーブンタイド]])

2021年12月21日 (火) 19:10時点における最新版

時のらせんブロック/Time Spiral Blockは、時のらせん次元の混乱未来予知の3つのセットからなるブロック

セット名 略号 発売日 セット枚数 製品情報(WotC) カードリスト(Wisdom Guild)
時のらせん/Time Spiral TSP 2006年10月6日 301枚+121枚 製品情報 カードリスト
次元の混乱/Planar Chaos PLC 2007年2月2日 165枚 製品情報 カードリスト
未来予知/Future Sight FUT 2007年5月4日 180枚 製品情報 カードリスト

目次

[編集] 概要

スカージ以来となるドミナリア/Dominariaが舞台で、スカージから数世紀後、テフェリー/Teferiが帰還した時代の物語。

テーマは「時間」。ストーリー上で起きている「時間の歪み」による出来事が反映されている。同時に「色の役割の混乱」もテーマであり、意図的に現在の色の役割が崩されて(もしくは拡大されて)いる。過去に登場した多くのメカニズムがアレンジされ復活しているほか、過去の色の役割に沿ったカードや、現在の色の役割と比べて強力な機能を持つカードなどが登場。また、時のらせんと次元の混乱に関しては、新しいキーワード能力が時間やタイミングに関係するものとなっている。

過去のキーワード能力のオンパレードとなった時のらせんと、未来のキーワード能力のオンパレードとなった未来予知により、とんでもない数のキーワード能力が登場している。最近のブロックではキーワード能力の登場数が多くなっていたが、それにしてもこれほど多いのは過去に例を見ない。新規のブロック固有キーワードは刹那待機消失吸収オーラ交換探査城砦化激情墓地ストーム有毒変形。再登場のブロック固有キーワードは側面攻撃シャドーバイバックサイクリングエコーフラッシュバックマッドネス変異ストームキッカー予見移植狂喜召集発掘変成、他に時のらせんのタイムシフトランページがある。また、瞬速絆魂到達接死被覆のキーワード化がなされ、それに合わせて過去のカードのオラクルが変更されたのもこのブロック。膨大な数のキーワード能力があり、ルールを覚えるのが一苦労なため、ある意味初心者泣かせのブロックになっている。

[編集] 評価

古参のプレイヤーに非常に評価が高く、このブロックからマジックに復帰したというプレイヤーはとても多い。その一方で、タイムシフト先となる過去のブロックを知らない新規のプレイヤーにとっては大した思い入れもなく、むしろ覚えなければならないメカニズムが大量に存在すると言う困ったブロックとなっている。結果的にこのブロックは公式的には問題作として扱われており、たびたび公式コラムで取り上げられている[1]

また、過去に存在していたが現在のマジックからは除外されている、例えば現在では好ましくないとされている過去の色の役割やメカニズムを戻してしまい、混乱を招き長くその影響を残してしまったことについても何度か反省点として挙げられている。[2][3]

  • このブロックと続くローウィン・ブロックの反省から、新世界秩序が作られた[4]
  • これを教訓に、過去の「カード」ではなく過去の「舞台」を利用したのがミラディンの傷跡ブロックである。その後も過去の舞台を再訪するセットは数多く作られている。
  • 新規プレイヤーをターゲットとしていないサプリメント製品においてはこのようなセットを作ってもよいのではないかというアイディアから、後に「時のらせん2」と言えるモダンホライゾンが作られた[5][6]

[編集] 公式特集ページ

[編集] 脚注

  1. Because Salt Makes Mistakes Taste Great/塩が失敗を美味しくするからMaking Magic 2016年5月9日 Mark Rosewater著)
  2. Returning Home/懐かしの地に(Making Magic 2018年4月2日 Mark Rosewater著)
  3. Constraints and Defaults/強制と標準(Making Magic 2019年7月15日 Mark Rosewater著)
  4. New World Order/新世界秩序(Making Magic 2011年12月5日 Mark Rosewater著)
  5. Modern Sensibilities/モダンの感受性(Making Magic 2019年5月20日 Mark Rosewater著)
  6. A Magic Set about Magic: The Gathering/マジック:ザ・ギャザリングについてのマジックのセット(Card Preview 2019年5月23日 Ethan Fleischer著)

[編集] 参考

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