変容

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==定義==
 
==定義==
  
'''変容'''<nowiki>[</nowiki>[[コスト]]<nowiki>]</nowiki>/''Mutate'' [cost]は、「あなたはこの呪文のマナ・コストを支払うのではなく、[コスト]を支払って変容させるクリーチャー・呪文として唱えてもよい。そうした場合、この呪文と同じオーナーであって人間でないクリーチャー1体を対象とし、これをそれの上か下に置く。これらは、一番上のクリーチャーに、その下にある能力すべてを加えたものに変容する。」を意味する。
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'''変容'''<nowiki>[</nowiki>[[コスト]]<nowiki>]</nowiki>/''Mutate'' [cost]は「あなたはこの呪文の[[マナ・コスト]]を支払うのではなく[コスト]を[[支払う|支払って]]もよい。そうしたなら、これは変容させるクリーチャー呪文/mutating creature spellとなり、この呪文と同じ[[オーナー]]であって[[人間]]でない[[クリーチャー]]1体を[[対象]]とする。」を意味する。
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変容させるクリーチャー呪文の[[解決]]が始まるに際し、その対象が[[不正な対象|不適正]]であるなら、変容させるクリーチャー呪文ではなくなり、クリーチャー呪文として解決を続けて、その呪文の[[コントローラー]]の[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]下で[[戦場に出る]]ことになる。
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変容させるクリーチャー・呪文が解決が始まるに際し、その対象が適正であるなら、これは[[戦場]]に出ることはない。これは対象としたクリーチャーと合同/Mergeし、複数の[[カード]]や[[トークン]]によって表される1個の[[オブジェクト]]となる。その呪文のコントローラーは、その呪文がそのクリーチャーの一番上か一番下かどちらに置くかを選ぶ。その結果のパーマネントは、変容したパーマネント/mutated permanentである。
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変容したパーマネントは、それを表しているカードやトークンそれぞれの能力すべてを持つ。それ以外の特性は、一番上のカードやトークンに基づく。
  
 
==解説==
 
==解説==
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==ルール==
 
==ルール==
 
===変容で唱える===
 
===変容で唱える===
クリーチャー呪文をその変容コストで唱えることを選択したとき、それは'''変容させるクリーチャー呪文'''/''Mutating Creature Spell''となり、「その[[カード]]と[[オーナー]]が同じ[[人間]]でないクリーチャー1体」を対象として選ぶクリーチャー呪文となる。
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クリーチャー呪文をその変容コストで唱えることを選択したとき、それは'''変容させるクリーチャー呪文'''/''Mutating Creature Spell''となり、「そのカードとオーナーが同じ人間でないクリーチャー1体」を対象として選ぶクリーチャー呪文となる。
  
 
*変容で唱える場合もクリーチャー呪文である。したがって、クリーチャー呪文を唱えられるタイミングでのみ唱えることができる。あなたがクリーチャー呪文を唱えられるときならいつでも、それをマナ・コストではなく変容で唱えることを選べる。
 
*変容で唱える場合もクリーチャー呪文である。したがって、クリーチャー呪文を唱えられるタイミングでのみ唱えることができる。あなたがクリーチャー呪文を唱えられるときならいつでも、それをマナ・コストではなく変容で唱えることを選べる。
*変容コストは[[代替コスト]]であり、「[[マナ・コストを支払うことなく唱える]]」や[[脱出]]など、他の代替コストと併用することはできない。詳細は[[代替コスト]]も参照。
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*変容コストは代替コストであり、「[[マナ・コストを支払うことなく唱える]]」や[[脱出]]など、他の代替コストと併用することはできない。詳細は[[代替コスト]]も参照。
 
*変容で唱えても、そのクリーチャー呪文の[[点数で見たマナ・コスト]]や[[色]]が変わることはない。
 
*変容で唱えても、そのクリーチャー呪文の[[点数で見たマナ・コスト]]や[[色]]が変わることはない。
 
*対象をとるため、[[対象の変更]]をされうる。もちろん変更先は適正な対象である必要があるため、通常は[[呪文滑り/Spellskite]]の妨害を受けない。
 
*対象をとるため、[[対象の変更]]をされうる。もちろん変更先は適正な対象である必要があるため、通常は[[呪文滑り/Spellskite]]の妨害を受けない。
 
*カードの注釈文には「'''あなたがオーナーであり'''人間でないクリーチャー1体を対象とし」とあるが、上述のように、厳密には対象となりえるのは「'''そのカードとオーナーが同じ'''人間でないクリーチャー」である。注釈文はそれの理解を助けるために設けられるものでルール上の意味を持たない。特殊な状況でしか発生しないためこのような記述になっていると思われる。
 
*カードの注釈文には「'''あなたがオーナーであり'''人間でないクリーチャー1体を対象とし」とあるが、上述のように、厳密には対象となりえるのは「'''そのカードとオーナーが同じ'''人間でないクリーチャー」である。注釈文はそれの理解を助けるために設けられるものでルール上の意味を持たない。特殊な状況でしか発生しないためこのような記述になっていると思われる。
**[[義賊/Robber of the Rich]]などで奪い取った対戦相手がオーナーであるカードを変容コストで唱えるならば、同じ対戦相手がオーナーである人間でないクリーチャーを対象に取る。オーナーさえ一致していれば、それを誰がコントロールしているかは問わない。上下どちらに置くかを選ぶのは変容させるクリーチャー呪文のコントローラーだが、どちらに置いた場合でも、その合同クリーチャーをコントロールするプレイヤーは元々それをコントロールしていたプレイヤーのまま変化しない。
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**[[義賊/Robber of the Rich]]などで奪い取った対戦相手がオーナーであるカードを変容コストで唱えるならば、同じ対戦相手がオーナーである人間でないクリーチャーを対象に取る。オーナーさえ一致していれば、それを誰がコントロールしているかは問わない。上下どちらに置くかを選ぶのは変容させるクリーチャー呪文のコントローラーだが、どちらに置いた場合でも、その合同パーマネントをコントロールするプレイヤーは元々それをコントロールしていたプレイヤーのまま変化しない。
  
 
===変容の解決===
 
===変容の解決===
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*解決前に対象としたクリーチャーのコントロールが移動しても、オーナーは変わらないので不正な対象にはならず、そのまま解決される。
 
*解決前に対象としたクリーチャーのコントロールが移動しても、オーナーは変わらないので不正な対象にはならず、そのまま解決される。
  
対象が適正であった場合、変容したクリーチャー呪文は戦場に出ず、対象として選んだクリーチャーと'''合同'''/''Merge''する。この場合、変容したクリーチャー呪文の[[コントローラー]]は、それを対象としたクリーチャーの上に置くのか下に置くのかを選ぶ。既に出ているクリーチャーの特性が変わっただけであり、クリーチャーが戦場に出ることを[[置換]]する効果の影響を受けず、クリーチャーが戦場に出ることによって誘発する能力は誘発しない。その後、クリーチャーが変容したことによる能力が誘発する。
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対象が適正であった場合、変容させるクリーチャー呪文は戦場に出ず、対象として選んだクリーチャーと'''合同'''/''Merge''し、'''合同パーマネント'''/''Merged Permanent''となる。この場合、変容させるクリーチャー呪文の[[コントローラー]]は、それを対象としたクリーチャーの上に置くのか下に置くのかを選ぶ。既に出ているクリーチャーの特性が変わっただけであり、クリーチャーが戦場に出ることを[[置換]]する効果の影響を受けず、クリーチャーが戦場に出ることによって誘発する能力は誘発しない。その後、クリーチャーが変容したことによる能力が誘発する。
  
*対象としたクリーチャーがすでに合同クリーチャーであった場合、変容したクリーチャー呪文はそれの一番上か一番下にのみ置くことができる。途中に置くことはできない。
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*対象としたクリーチャーがすでに合同パーマネントであった場合、変容させるクリーチャー呪文はそれの一番上か一番下にのみ置くことができる。途中に置くことはできない。
*変容したクリーチャー呪文が対象不適正で通常のクリーチャー呪文になって戦場に出たならば、「このクリーチャーが変容するたび」の誘発型能力は誘発しない。
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*変容させるクリーチャー呪文が対象不適正で通常のクリーチャー呪文になって戦場に出たならば、「このクリーチャーが変容するたび」の誘発型能力は誘発しない。
*「このクリーチャーが変容するたび」の誘発型能力は、たった今合同されたカードによって得た能力を含む、合同パーマネントが持つすべての能力が誘発する。誘発する能力が複数あったなら、それのコントローラーが、それらの能力を望む順番で[[スタック]]に積む。  
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*「このクリーチャーが変容するたび」の誘発型能力は、たった今合同させたカードによって得た能力を含む、合同パーマネントが持つすべての能力が誘発する。誘発する能力が複数あったなら、それのコントローラーが、それらの能力を望む順番で[[スタック]]に積む。  
*誘発型能力が合同クリーチャーが変容した総回数を参照するなら、その回数にはその能力を誘発させた変容を含める。
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*誘発型能力が合同パーマネントが変容した総回数を参照するなら、その回数にはその能力を誘発させた変容を含める。
  
===合同クリーチャーの特性===
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===合同パーマネントの特性===
変容させるクリーチャー呪文の解決によって生まれたパーマネントは'''合同パーマネント'''/''Merged Permanent''となる。合同クリーチャーの特性は、1番上に置かれたクリーチャーの特性に、すべての下に置かれたカードの能力を持つ。[[色]]や[[クリーチャー・タイプ]]、[[P/T]]など能力以外は足されることはない。
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変容したパーマネントは、それを表しているカードやトークンそれぞれの能力すべてを持つ。それ以外の特性は、一番上のカードやトークンに基づく。[[色]]や[[クリーチャー・タイプ]]、[[P/T]]など能力以外は足されることはない。
  
変容したクリーチャー呪文を上下のどちらに置いたとしても、それは戦場に元あったクリーチャーと同一の[[オブジェクト]]である。ついているオーラや[[装備品]]、置かれている各種[[カウンター (目印)|カウンター]]、[[タップ状態]]などの[[位相]]、[[召喚酔い]]や[[攻撃]]/[[ブロック (ルール用語)|ブロック]]している状態、そのターンに負った[[ダメージ]]、その他そのクリーチャーに適用されている[[継続的効果]]なども元々戦場に出ていたクリーチャーと変わることはない。
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変容させるクリーチャー呪文を上下のどちらに置いたとしても、合同パーマネントは戦場に元あったクリーチャーと同一の[[オブジェクト]]である。ついているオーラや[[装備品]]、置かれている各種[[カウンター (目印)|カウンター]]、[[タップ状態]]などの[[位相]]、[[召喚酔い]]や[[攻撃]]/[[ブロック (ルール用語)|ブロック]]している状態、そのターンに負った[[ダメージ]]、その他その合同パーマネントに適用されている[[継続的効果]]なども元々戦場に出ていたクリーチャーと変わることはない。
  
合同クリーチャーの組み合わさった特性は[[コピー可能な値]]である。
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下に置かれたカードやトークンが、自身を[[名前]]で参照する能力を持っているなら、その名前は「このクリーチャー」を意味する({{CR|201.4}})。
 
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*例:「(1)(青):微光クラゲをアンタップする。」という能力を持つ[[微光クラゲ/Glimmerbell]]を下に含む合同パーマネントがある。この場合、その能力は「(1)(青):このクリーチャーをアンタップする。」と読み替える。
合同クリーチャーが、自身を[[名前]]で参照する能力を持っているなら、変容によってそれが別の名前を持つようになっても、その名前は「このクリーチャー」を意味する。
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*例:「あなたのライブラリーから《成長室の守護者/Growth-Chamber Guardian》という名前のカード1枚を探し、それを公開してあなたの手札に加える」[[効果]]を持つ[[成長室の守護者/Growth-Chamber Guardian]]を下に含む合同パーマネントがある。この能力に書かれたカード名は自身を参照しているわけでは無いので、合同パーマネントのカード名に関わらず成長室の守護者というカードしか探すことはできない。
 
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合同クリーチャーは、それの一番上のオブジェクトが[[トークン]]であるならトークンである。それの一番上のオブジェクトがカードであるなら、それの中にトークンが含まれていてもそれはトークンでないクリーチャーである。
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他のクリーチャーの[[コピー]]であるクリーチャーが変容したなら、変容によって特性を得る効果は、コピー効果を適用した後で適用される。 その後さらにそのクリーチャーが別のオブジェクトのコピーになるなら、変容で得た能力も含めてすべてがコピー元の特性で上書きされる。
 
他のクリーチャーの[[コピー]]であるクリーチャーが変容したなら、変容によって特性を得る効果は、コピー効果を適用した後で適用される。 その後さらにそのクリーチャーが別のオブジェクトのコピーになるなら、変容で得た能力も含めてすべてがコピー元の特性で上書きされる。
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合同クリーチャーが能力を失う場合、変容によって加えられている能力もすべて失う。その状態でさらに変容したとしても、能力を失わせている[[継続的効果]が終了するまでは変容によって新たに得るはずの能力も最初から失われている。
 
合同クリーチャーが能力を失う場合、変容によって加えられている能力もすべて失う。その状態でさらに変容したとしても、能力を失わせている[[継続的効果]が終了するまでは変容によって新たに得るはずの能力も最初から失われている。
  
===合同クリーチャーが戦場を離れる===
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合同パーマネントは、それの一番上のオブジェクトが[[トークン]]であるならトークンである。それの一番上のオブジェクトがカードであるなら、それの中にトークンが含まれていてもそれはトークンでないクリーチャーである。
合同クリーチャーは複数のカードで表されているが単一のオブジェクトである。たとえば、クリーチャー1体を[[生け贄に捧げる]]ように指示されたなら、合同クリーチャーの中のクリーチャー・カード1枚を生け贄に捧げるということはできない。あなたはそのクリーチャー全体を生け贄に捧げなければならない。
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合同クリーチャーが戦場を離れる場合は、重なっているカードすべてが該当する領域に置かれる。ただし、何枚重ねられていても、クリーチャーが[[死亡]]したりパーマネントが戦場を離れる[[イベント]]としては、それは1体のクリーチャーが死亡したものとして扱われる。戦場を離れた時点で、変容は終わり重ねられていたカードは別々のオブジェクトとなる。
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===合同パーマネントが戦場を離れる===
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合同パーマネントは複数のカードやトークンで表されているが単一のオブジェクトである。たとえば、クリーチャー1体を[[生け贄に捧げる]]ように指示されたなら、合同クリーチャーの中のクリーチャー・カード1枚を生け贄に捧げるということはできない。あなたはそのクリーチャー全体を生け贄に捧げなければならない。
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合同パーマネントが戦場を離れる場合は、重なっているカードすべてが該当する領域に置かれる。ただし、何枚重ねられていても、クリーチャーが[[死亡]]したりパーマネントが戦場を離れる[[イベント]]としては、それは1体のクリーチャーが死亡したものとして扱われる。戦場を離れた時点で、変容は終わり重ねられていたカードは別々のオブジェクトとなる。
  
 
*例:3枚のカードによる合同クリーチャーが[[死亡]]したとする。「クリーチャーが1体死亡するたび」の[[誘発型能力]]は1回[[誘発]]する。「いずれかの領域からカードが1枚墓地に置かれるたび」の誘発型能力は3回誘発する。
 
*例:3枚のカードによる合同クリーチャーが[[死亡]]したとする。「クリーチャーが1体死亡するたび」の[[誘発型能力]]は1回[[誘発]]する。「いずれかの領域からカードが1枚墓地に置かれるたび」の誘発型能力は3回誘発する。
  
合同クリーチャーが[[オーナー]]の[[墓地]]か[[ライブラリー]]に置かれるなら、そのプレイヤーは、それを表していたカードを望む順番でその領域に置く。それがオーナーのライブラリーに置かれるなら、そのプレイヤーはその順番を公開しない。
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合同パーマネントが[[オーナー]]の[[墓地]]か[[ライブラリー]]に置かれるなら、そのプレイヤーは、それを表していたカードを望む順番でその領域に置く。それがオーナーのライブラリーに置かれるなら、そのプレイヤーはその順番を公開しない。
  
プレイヤーが合同クリーチャーを追放するなら、そのプレイヤーはその時点でそれらのカードの間の[[タイムスタンプ]]順を決める。これは{{CR|613.6j}}の定める手順の例外である。
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合同パーマネントる時点でそれがなる新しいオブジェクトを、ある効果が見つけることができるなら、その効果は重ねられていたすべてのカードを見つける({{CR|400.7}})その効果によりそれらのカードに対して処理を行うなら、その処理はそれらのカードについてそれぞれ行う。
  
*例:[[映し身人形/Duplicant]]は「映し身人形が戦場に出たとき、トークンでないクリーチャー1体を対象とする。あなたはそれを追放してもよい。」と「映し身人形によって追放されたカードがクリーチャー・カードであるかぎり、映し身人形は、映し身人形によって最後に追放されたクリーチャー・カードの[[パワー]]と[[タフネス]]と[[クリーチャー・タイプ]]を持つ。これは多相の戦士でもある。」という能力を持つカードである。《映し身人形》の1つ目の能力によって、変容したクリーチャーを追放する際には、《映し身人形》のコントローラーが、変容していたクリーチャー・カードのうちどれが最後に追放されたクリーチャー・カードなのかを選ぶ。
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合同パーマネントが他の領域に移動するなら、すべてのカードがその領域に移動する。1つの領域変更に2つ以上の置換効果が適用され得るなら、2枚のうちの一方のカードに1つの置換効果を適用すると、両方のカードが影響を受ける。ただし、重ねられているカードに統率者が混ざっているなら、それはこのルールの例外になることがある({{CR|903.9a}} )。
  
合同クリーチャーが戦場を離れる時点でそれがなる新しいオブジェクトを、ある効果が見つけることができるなら、その効果は重ねられていたすべてのカードを見つける({{CR|400.7}})その効果によりそれらのカードに対して処理を行うなら、その処理はそれらのカードについてそれぞれ行う。
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*例:合同パーマネントを対象として[[霊気の疾風/Aether Gust]]が解決されたなら、合同パーマネントのコントローラーは重なっていたカードすべてを、ライブラリーの一番上か一番下かに望む順番で置く。一番上と一番下に分けて置くことはできない。それらをどの順番で置いたかは公開されない。
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*例:合同パーマネントを対象として[[テフェリーの時間改変/Teferi's Time Twist]]が解決されたなら、重なっていたカードはすべて追放され、次の終了ステップの開始時に、重なっていたカードすべてが、合同していない状態でそれぞれに+1/+1カウンターが1個ずつ置かれた状態で戦場に戻る。
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*例:[[安らかなる眠り/Rest in Peace]]と[[太陽と月の輪/Wheel of Sun and Moon]]が戦場にある場合、変容したクリーチャーが死亡するなら、そのコントローラーはそのイベントに適用する効果を1つ選び、変容していたカードすべてを該当する1つの領域に移動する。
  
*例:[[下僕の復活/Minion's Return]]は「エンチャントされているクリーチャーが死亡したとき、そのカードをあなたのコントロール下で戦場に戻す。」という能力を持つ[[オーラ]]である。《下僕の復活》によってエンチャントされている合同クリーチャーが死亡したとする。その誘発型能力によって重なっていたカードすべてが、合同していない状態で戦場に戻る。
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合同パーマネントが追放されるなら、そのパーマネントを追放するプレイヤーがその時点でそれらのカードの間の[[タイムスタンプ]]順を決める。これは{{CR|613.6j}}の定める手順の例外である。
*例:[[テフェリーの時間改変/Teferi's Time Twist]]は「あなたがコントロールしているパーマネント1つを対象とし、それを追放する。次の終了ステップの開始時に、そのカードをオーナーのコントロール下で戦場に戻す。それがクリーチャーとして戦場に出るなら、それは+1/+1カウンターが追加で1個置かれた状態で戦場に出る。」というインスタントである。あなたが合同クリーチャーを対象として《テフェリーの時間改変》を唱えたなら、次の終了ステップの開始時に、重なっていたカードすべてが、合同していない状態でそれぞれに+1/+1カウンターが1個ずつ置かれた状態で戦場に戻る。
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合同クリーチャーが他の領域に移動するなら、両方のカードがその領域に移動する。1つの領域変更に2つ以上の置換効果が適用され得るなら、2枚のうちの一方のカードに1つの置換効果を適用すると、両方のカードが影響を受ける。ただし、重ねられているカードに統率者が混ざっているなら、それはこのルールの例外になることがある({{CR|903.9a}} )。
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*例:[[映し身人形/Duplicant]]は「映し身人形が戦場に出たとき、トークンでないクリーチャー1体を対象とする。あなたはそれを追放してもよい。」と「映し身人形によって追放されたカードがクリーチャー・カードであるかぎり、映し身人形は、映し身人形によって最後に追放されたクリーチャー・カードの[[パワー]]と[[タフネス]]と[[クリーチャー・タイプ]]を持つ。これは多相の戦士でもある。」という能力を持つカードである。《映し身人形》の1つ目の能力によって、変容したクリーチャーを追放する際には、《映し身人形》のコントローラーが、変容していたクリーチャー・カードのうちどれが最後に追放されたクリーチャー・カードなのかを選ぶ。
  
*例:「いずれかの領域からカードが対戦相手の墓地に置かれるなら、代わりにそれを追放する。」という能力を持つ[[虚空の力線/Leyline of the Void]]と、「いずれかの領域からカードがエンチャントされているプレイヤーの墓地に置かれるなら、代わりに、そのカードを公開してオーナーのライブラリーの一番下に置く。」という能力を持つ[[太陽と月の輪/Wheel of Sun and Moon]]が戦場にある場合、変容したクリーチャーが死亡するなら、そのコントローラーはそのイベントに適用する効果を1つ選び、変容していたカードすべてを該当する1つの領域に移動する。
+
===その他のルール===
 +
合同パーマネントに[[特性定義能力]]があったなら、それは一番上のオブジェクトからの特性を上書きする。たとえば、合同クリーチャーが、[[太陽に祝福されしダクソス/Daxos, Blessed by the Sun]]の能力のように自身のパワーやタフネスの中の「*」の値を定義する能力を持っていたなら、その能力はその合同クリーチャーの一番上のオブジェクトによって定義されるパワーやタフネスを上書きする。
  
オブジェクトがある領域から他の領域に移動することによって誘発する能力は、その誘発型能力が誘発した時に移動した先の領域が公開領域である場合、その領域においてそのオブジェクトから変わった新しいオブジェクトを見つけることができる({{CR|400.7d}}、[[領域変更誘発]])。合同クリーチャーのようにひとつのオブジェクトが複数のカードによって構成されていたなら、能力はそれらすべてを見つける{{CR|721.3c}}
+
変容させるクリーチャー呪文が解決され合同パーマネントとなったならば、後からそれがクリーチャーでなくなったり人間になったとしても合同パーマネントであり続ける。それは一番上のオブジェクトの特性に加え、他のカードの能力をすべて持つ。
 +
*非クリーチャー・パーマネントを[[クリーチャー化]]させる効果は、[[機体]]の[[搭乗]]以外は基本のパワーとタフネスを変更させる[[継続的効果]]も含んでいることに注意。例えば[[世界を揺るがす者、ニッサ/Nissa, Who Shakes the World]]によってクリーチャー化している土地を変容させたなら、変容させたクリーチャー・カードを上にしてもその基本のパワーとタフネスは0/0になる。
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*クリーチャー化した土地の上に変容したクリーチャーを重ねると、下のカードの[[カード・タイプ]]や[[サブタイプ]]は特性に加えられないため、それは[[基本土地タイプ]]に紐づいた[[マナ能力]]を持たない。
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*[[神 (テーロス・ブロック)]]の上にクリーチャーを変容させた状態で「あなたの色への信心がX未満であるかぎり、[このクリーチャー]はクリーチャーではない」能力が機能すると、それは何の[[パーマネント・タイプ]]も持たないパーマネントとなる。この場合でもそれは依然としてパーマネントであり、戦場に残り続ける({{CR|110.4c}})。
  
*例:[[永遠神オケチラ/God-Eternal Oketra]]は「永遠神オケチラが死亡するか戦場から追放領域に置かれたとき、あなたはこれをオーナーのライブラリーの一番上から3枚目に置いてもよい。」という能力を持つ。オケチラにクリーチャーを変容させ、それが死亡するか追放されたとき、あなたはオケチラと重なっていたすべてのカードをライブラリーの1番上から3枚目に、好きな順番で置いてもよい。変容していたカードの一部だけを置くことはできない。
+
合同パーマネントが[[表向き]]か[[裏向き]]であるかは、合同パーマネント内にしていても、その一番上のカードによって決定される。裏向きのパーマネントが、オブジェクトがそれと合同した結果として表向きのパーマネントになった場合、他の効果はそれが表向きになったとしては扱わない。
  
===その他===
+
合同パーマネントが裏向きになった場合、それを表している表向きの部品はそれぞれ裏向きになる。裏向きの合同パーマネントが表向きになった場合、それを表している裏向きの部品はそれぞれ表向きになる。[[両面カード]]や[[合体カード]]が混じっている合同パーマネントは、裏向きになれない。表面が[[インスタント]]や[[ソーサリー]]の裏向きのカードが混じっている合同パーマネントは、表向きになれず、それが表向きになろうとする場合、そのコントローラーはそれを公開し、裏向きのままにする。パーマネントが表向きになったときに誘発する能力は誘発しない。
合同パーマネントに[[特性定義能力]]があったなら、それは一番上のオブジェクトからの特性を上書きする。たとえば、合同クリーチャーが、[[太陽に祝福されしダクソス/Daxos, Blessed by the Sun]]の能力のように自身のパワーやタフネスの中の「*」の値を定義する能力を持っていたなら、その能力はその合同クリーチャーの一番上のオブジェクトによって定義されるパワーやタフネスを上書きする。
+
*[[変異]]で裏向きになっている[[枝折りロリアン/Branchsnap Lorian]]に[[雲貫き/Cloudpiercer]]を変容した。
 +
**裏向きの枝折りロリアンを一番上にした場合、それは裏向きの合同パーマネントである。その特性は[[無色]]で[[カード名]]、[[マナ・コスト]]、[[能力]]を持たない2/2のクリーチャーである。これは変容による能力獲得の後に適用されるので、雲貫きによる変容[[誘発型能力]]も持たない。それは枝折りロリアンの変異能力により表向きになることができ、そうしたなら雲貫きによる[[到達]]も得る。
 +
**雲貫きを一番上にした場合、それは表向きの合同パーマネントである。下にあるカードは裏向きで何の特性もないので、雲貫きに能力が追加されることはない。それは既に表剥きなので、枝折りロリアンの変異能力でカードを表向きにすることはできない。
  
変容させるクリーチャー・呪文が解決され合同クリーチャーとなったならば、後からそれがクリーチャーでなくなったり人間になったとしても合同パーマネントであり続ける。それは一番上のオブジェクトの特性をすべて持ち、それによってクリーチャーであったりクリーチャーでなかったりする可能性があり、さらにそれの他のカードの能力をすべて持つ。
+
合同パーマネントが[[反転カード]]を含む場合、合同パーマネントが[[反転]]しているなら、その部品の通常の特性ではなく代替の特性を用いる。
*変容の登場時点で、戦場を離れること以外によって合同パーマネントを構成しているカード全体または一部の合同している状態が解除されることは起こりえない。
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合同クリーチャーは、一番上のオブジェクトが[[表向き]]であるなら表向きである。一番上のオブジェクトが[[裏向き]]であるなら、表向きのカードを含んでいても裏向きのクリーチャーである。
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合同パーマネントが[[両面カード]]を含む場合、そのパーマネントが[[変身]]したらそれらの両面カードも他の面が表になるようにそれぞれ回転する。
 
+
*[[クリーチャー化]]した土地の上に変容したクリーチャーを重ねると、[[土地タイプ]]は失われる。それが[[基本土地タイプ]]に紐づいた[[マナ能力]]を持っていたならば、それも失ってしまう。
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*[[神 (テーロス・ブロック)]]の上にクリーチャーを変容させた状態で「あなたの色への信心がX未満であるかぎり、[このクリーチャー]はクリーチャーではない」能力が機能すると、それは何の[[パーマネント・タイプ]]も持たないパーマネントとなる。この場合でもそれは依然としてパーマネントであり、戦場に残り続ける({{CR|110.4c}})。
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==開発秘話==
 
==開発秘話==
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*[[ルーリング]]
 
*[[ルーリング]]
 
{{#CR:702.139}}
 
{{#CR:702.139}}
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{{#CR:721}}
 
[[Category:キーワード能力|へんよう]]
 
[[Category:キーワード能力|へんよう]]
 
__NOTOC__
 
__NOTOC__

2020年4月21日 (火) 18:40時点における版

変容/Mutate
種別 常在型能力
登場セット イコリア:巨獣の棲処
統率者2020
CR CR:702.140

変容(へんよう)/Mutateは、イコリア:巨獣の棲処統率者2020で初登場したキーワード能力。これを持つ呪文スタックにある間に機能する常在型能力である。


Cloudpiercer / 雲貫き (4)(赤)
クリーチャー — 恐竜(Dinosaur)

変容(3)(赤)(あなたがこの呪文をこれの変容コストで唱えるなら、あなたがオーナーであり人間(Human)でないクリーチャー1体を対象とし、これをそれの上か下に置く。これらは、一番上のクリーチャーにその下にある能力すべてを加えたものに変容する。)
到達
このクリーチャーが変容するたび、あなたはカード1枚を捨ててもよい。そうしたなら、カードを1枚引く。

5/4


Brokkos, Apex of Forever / 永遠の頂点、ブロコス (2)(黒)(緑)(青)
伝説のクリーチャー — ナイトメア(Nightmare) ビースト(Beast) エレメンタル(Elemental)

変容(2)(青/黒)(緑)(緑)(あなたがこの呪文をこれの変容コストで唱えるなら、あなたがオーナーであり人間(Human)でないクリーチャー1体を対象とし、これをそれの上か下に置く。これらは、一番上のクリーチャーにその下にある能力すべてを加えたものに変容する。)
トランプル
あなたは、あなたの墓地から永遠の頂点、ブロコスを、これの変容能力を使って唱えてもよい。

6/6

定義

変容[コスト]/Mutate [cost]は「あなたはこの呪文のマナ・コストを支払うのではなく[コスト]を支払ってもよい。そうしたなら、これは変容させるクリーチャー呪文/mutating creature spellとなり、この呪文と同じオーナーであって人間でないクリーチャー1体を対象とする。」を意味する。

変容させるクリーチャー呪文の解決が始まるに際し、その対象が不適正であるなら、変容させるクリーチャー呪文ではなくなり、クリーチャー呪文として解決を続けて、その呪文のコントローラーコントロール下で戦場に出ることになる。

変容させるクリーチャー・呪文が解決が始まるに際し、その対象が適正であるなら、これは戦場に出ることはない。これは対象としたクリーチャーと合同/Mergeし、複数のカードトークンによって表される1個のオブジェクトとなる。その呪文のコントローラーは、その呪文がそのクリーチャーの一番上か一番下かどちらに置くかを選ぶ。その結果のパーマネントは、変容したパーマネント/mutated permanentである。

変容したパーマネントは、それを表しているカードやトークンそれぞれの能力すべてを持つ。それ以外の特性は、一番上のカードやトークンに基づく。

解説

イコリア/Ikoriaに生息する怪獣たちが、瞬く間に新しい能力や形態を獲得することを表したメカニズムクリーチャーカード戦場のクリーチャーに重ねることで、一番上のクリーチャーの特性に加え下に置かれたカードすべての能力を得ることができる。イコリア:巨獣の棲処では全色に存在する。多くの変容クリーチャーは「このクリーチャーが変容するたび」誘発する能力を持っている。自身は変容を持たないが変容誘発型能力を持つクリーチャーも存在する。

使い勝手はオーラに近い。多くのカードの変容コストは本来のマナ・コストよりも軽かったり色拘束が弱く設定されており、普通に唱えるより早期に出せて疑似的に速攻も得られるが、除去されるとカード・アドバンテージを失ってしまう。ただしオーラと違って対象としたクリーチャーが解決前に除去されても、変容で唱えたクリーチャーは通常のクリーチャーとして戦場に出る。相手にする場合、強力な変容誘発型能力を持つクリーチャーが変容しようとしているなら、戦場に出た後に除去するか変容先のクリーチャーを除去して誘発型能力を阻止するかが考えどころとなる。

ルール

変容で唱える

クリーチャー呪文をその変容コストで唱えることを選択したとき、それは変容させるクリーチャー呪文/Mutating Creature Spellとなり、「そのカードとオーナーが同じ人間でないクリーチャー1体」を対象として選ぶクリーチャー呪文となる。

  • 変容で唱える場合もクリーチャー呪文である。したがって、クリーチャー呪文を唱えられるタイミングでのみ唱えることができる。あなたがクリーチャー呪文を唱えられるときならいつでも、それをマナ・コストではなく変容で唱えることを選べる。
  • 変容コストは代替コストであり、「マナ・コストを支払うことなく唱える」や脱出など、他の代替コストと併用することはできない。詳細は代替コストも参照。
  • 変容で唱えても、そのクリーチャー呪文の点数で見たマナ・コストが変わることはない。
  • 対象をとるため、対象の変更をされうる。もちろん変更先は適正な対象である必要があるため、通常は呪文滑り/Spellskiteの妨害を受けない。
  • カードの注釈文には「あなたがオーナーであり人間でないクリーチャー1体を対象とし」とあるが、上述のように、厳密には対象となりえるのは「そのカードとオーナーが同じ人間でないクリーチャー」である。注釈文はそれの理解を助けるために設けられるものでルール上の意味を持たない。特殊な状況でしか発生しないためこのような記述になっていると思われる。
    • 義賊/Robber of the Richなどで奪い取った対戦相手がオーナーであるカードを変容コストで唱えるならば、同じ対戦相手がオーナーである人間でないクリーチャーを対象に取る。オーナーさえ一致していれば、それを誰がコントロールしているかは問わない。上下どちらに置くかを選ぶのは変容させるクリーチャー呪文のコントローラーだが、どちらに置いた場合でも、その合同パーマネントをコントロールするプレイヤーは元々それをコントロールしていたプレイヤーのまま変化しない。

変容の解決

変容させるクリーチャー呪文が解決されようとする際、対象がまだ適正であるかチェックする。対象が不正な対象になっていた場合、その呪文は変容させるクリーチャー呪文ではなくなり、通常のクリーチャー呪文として解決される。通常の対象をとる呪文のように立ち消えすることはない。

  • これは解決時に不正になっていた場合の処理である。はじめから適正な対象を取ることができないならば、変容で唱えはじめることはできない。
  • 解決前に対象としたクリーチャーのコントロールが移動しても、オーナーは変わらないので不正な対象にはならず、そのまま解決される。

対象が適正であった場合、変容させるクリーチャー呪文は戦場に出ず、対象として選んだクリーチャーと合同/Mergeし、合同パーマネント/Merged Permanentとなる。この場合、変容させるクリーチャー呪文のコントローラーは、それを対象としたクリーチャーの上に置くのか下に置くのかを選ぶ。既に出ているクリーチャーの特性が変わっただけであり、クリーチャーが戦場に出ることを置換する効果の影響を受けず、クリーチャーが戦場に出ることによって誘発する能力は誘発しない。その後、クリーチャーが変容したことによる能力が誘発する。

  • 対象としたクリーチャーがすでに合同パーマネントであった場合、変容させるクリーチャー呪文はそれの一番上か一番下にのみ置くことができる。途中に置くことはできない。
  • 変容させるクリーチャー呪文が対象不適正で通常のクリーチャー呪文になって戦場に出たならば、「このクリーチャーが変容するたび」の誘発型能力は誘発しない。
  • 「このクリーチャーが変容するたび」の誘発型能力は、たった今合同させたカードによって得た能力を含む、合同パーマネントが持つすべての能力が誘発する。誘発する能力が複数あったなら、それのコントローラーが、それらの能力を望む順番でスタックに積む。
  • 誘発型能力が合同パーマネントが変容した総回数を参照するなら、その回数にはその能力を誘発させた変容を含める。

合同パーマネントの特性

変容したパーマネントは、それを表しているカードやトークンそれぞれの能力すべてを持つ。それ以外の特性は、一番上のカードやトークンに基づく。クリーチャー・タイプP/Tなど能力以外は足されることはない。

変容させるクリーチャー呪文を上下のどちらに置いたとしても、合同パーマネントは戦場に元あったクリーチャーと同一のオブジェクトである。ついているオーラや装備品、置かれている各種カウンタータップ状態などの位相召喚酔い攻撃/ブロックしている状態、そのターンに負ったダメージ、その他その合同パーマネントに適用されている継続的効果なども元々戦場に出ていたクリーチャーと変わることはない。

下に置かれたカードやトークンが、自身を名前で参照する能力を持っているなら、その名前は「このクリーチャー」を意味する(CR:201.4)。

  • 例:「(1)(青):微光クラゲをアンタップする。」という能力を持つ微光クラゲ/Glimmerbellを下に含む合同パーマネントがある。この場合、その能力は「(1)(青):このクリーチャーをアンタップする。」と読み替える。
  • 例:「あなたのライブラリーから《成長室の守護者/Growth-Chamber Guardian》という名前のカード1枚を探し、それを公開してあなたの手札に加える」効果を持つ成長室の守護者/Growth-Chamber Guardianを下に含む合同パーマネントがある。この能力に書かれたカード名は自身を参照しているわけでは無いので、合同パーマネントのカード名に関わらず成長室の守護者というカードしか探すことはできない。

他のクリーチャーのコピーであるクリーチャーが変容したなら、変容によって特性を得る効果は、コピー効果を適用した後で適用される。 その後さらにそのクリーチャーが別のオブジェクトのコピーになるなら、変容で得た能力も含めてすべてがコピー元の特性で上書きされる。

合同クリーチャーが能力を失う場合、変容によって加えられている能力もすべて失う。その状態でさらに変容したとしても、能力を失わせている[[継続的効果]が終了するまでは変容によって新たに得るはずの能力も最初から失われている。

合同パーマネントは、それの一番上のオブジェクトがトークンであるならトークンである。それの一番上のオブジェクトがカードであるなら、それの中にトークンが含まれていてもそれはトークンでないクリーチャーである。

合同パーマネントが戦場を離れる

合同パーマネントは複数のカードやトークンで表されているが単一のオブジェクトである。たとえば、クリーチャー1体を生け贄に捧げるように指示されたなら、合同クリーチャーの中のクリーチャー・カード1枚を生け贄に捧げるということはできない。あなたはそのクリーチャー全体を生け贄に捧げなければならない。

合同パーマネントが戦場を離れる場合は、重なっているカードすべてが該当する領域に置かれる。ただし、何枚重ねられていても、クリーチャーが死亡したりパーマネントが戦場を離れるイベントとしては、それは1体のクリーチャーが死亡したものとして扱われる。戦場を離れた時点で、変容は終わり重ねられていたカードは別々のオブジェクトとなる。

  • 例:3枚のカードによる合同クリーチャーが死亡したとする。「クリーチャーが1体死亡するたび」の誘発型能力は1回誘発する。「いずれかの領域からカードが1枚墓地に置かれるたび」の誘発型能力は3回誘発する。

合同パーマネントがオーナー墓地ライブラリーに置かれるなら、そのプレイヤーは、それを表していたカードを望む順番でその領域に置く。それがオーナーのライブラリーに置かれるなら、そのプレイヤーはその順番を公開しない。

合同パーマネントる時点でそれがなる新しいオブジェクトを、ある効果が見つけることができるなら、その効果は重ねられていたすべてのカードを見つける(CR:400.7)その効果によりそれらのカードに対して処理を行うなら、その処理はそれらのカードについてそれぞれ行う。

合同パーマネントが他の領域に移動するなら、すべてのカードがその領域に移動する。1つの領域変更に2つ以上の置換効果が適用され得るなら、2枚のうちの一方のカードに1つの置換効果を適用すると、両方のカードが影響を受ける。ただし、重ねられているカードに統率者が混ざっているなら、それはこのルールの例外になることがある(CR:903.9a )。

  • 例:合同パーマネントを対象として霊気の疾風/Aether Gustが解決されたなら、合同パーマネントのコントローラーは重なっていたカードすべてを、ライブラリーの一番上か一番下かに望む順番で置く。一番上と一番下に分けて置くことはできない。それらをどの順番で置いたかは公開されない。
  • 例:合同パーマネントを対象としてテフェリーの時間改変/Teferi's Time Twistが解決されたなら、重なっていたカードはすべて追放され、次の終了ステップの開始時に、重なっていたカードすべてが、合同していない状態でそれぞれに+1/+1カウンターが1個ずつ置かれた状態で戦場に戻る。
  • 例:安らかなる眠り/Rest in Peace太陽と月の輪/Wheel of Sun and Moonが戦場にある場合、変容したクリーチャーが死亡するなら、そのコントローラーはそのイベントに適用する効果を1つ選び、変容していたカードすべてを該当する1つの領域に移動する。

合同パーマネントが追放されるなら、そのパーマネントを追放するプレイヤーがその時点でそれらのカードの間のタイムスタンプ順を決める。これはCR:613.6jの定める手順の例外である。

  • 例:映し身人形/Duplicantは「映し身人形が戦場に出たとき、トークンでないクリーチャー1体を対象とする。あなたはそれを追放してもよい。」と「映し身人形によって追放されたカードがクリーチャー・カードであるかぎり、映し身人形は、映し身人形によって最後に追放されたクリーチャー・カードのパワータフネスクリーチャー・タイプを持つ。これは多相の戦士でもある。」という能力を持つカードである。《映し身人形》の1つ目の能力によって、変容したクリーチャーを追放する際には、《映し身人形》のコントローラーが、変容していたクリーチャー・カードのうちどれが最後に追放されたクリーチャー・カードなのかを選ぶ。

その他のルール

合同パーマネントに特性定義能力があったなら、それは一番上のオブジェクトからの特性を上書きする。たとえば、合同クリーチャーが、太陽に祝福されしダクソス/Daxos, Blessed by the Sunの能力のように自身のパワーやタフネスの中の「*」の値を定義する能力を持っていたなら、その能力はその合同クリーチャーの一番上のオブジェクトによって定義されるパワーやタフネスを上書きする。

変容させるクリーチャー呪文が解決され合同パーマネントとなったならば、後からそれがクリーチャーでなくなったり人間になったとしても合同パーマネントであり続ける。それは一番上のオブジェクトの特性に加え、他のカードの能力をすべて持つ。

合同パーマネントが表向き裏向きであるかは、合同パーマネント内にしていても、その一番上のカードによって決定される。裏向きのパーマネントが、オブジェクトがそれと合同した結果として表向きのパーマネントになった場合、他の効果はそれが表向きになったとしては扱わない。

合同パーマネントが裏向きになった場合、それを表している表向きの部品はそれぞれ裏向きになる。裏向きの合同パーマネントが表向きになった場合、それを表している裏向きの部品はそれぞれ表向きになる。両面カード合体カードが混じっている合同パーマネントは、裏向きになれない。表面がインスタントソーサリーの裏向きのカードが混じっている合同パーマネントは、表向きになれず、それが表向きになろうとする場合、そのコントローラーはそれを公開し、裏向きのままにする。パーマネントが表向きになったときに誘発する能力は誘発しない。

  • 変異で裏向きになっている枝折りロリアン/Branchsnap Lorian雲貫き/Cloudpiercerを変容した。
    • 裏向きの枝折りロリアンを一番上にした場合、それは裏向きの合同パーマネントである。その特性は無色カード名マナ・コスト能力を持たない2/2のクリーチャーである。これは変容による能力獲得の後に適用されるので、雲貫きによる変容誘発型能力も持たない。それは枝折りロリアンの変異能力により表向きになることができ、そうしたなら雲貫きによる到達も得る。
    • 雲貫きを一番上にした場合、それは表向きの合同パーマネントである。下にあるカードは裏向きで何の特性もないので、雲貫きに能力が追加されることはない。それは既に表剥きなので、枝折りロリアンの変異能力でカードを表向きにすることはできない。

合同パーマネントが反転カードを含む場合、合同パーマネントが反転しているなら、その部品の通常の特性ではなく代替の特性を用いる。

合同パーマネントが両面カードを含む場合、そのパーマネントが変身したらそれらの両面カードも他の面が表になるようにそれぞれ回転する。

開発秘話

怪獣映画をトップダウンとしたセットとして巨大クリーチャーをテーマとして据えることは決まっていたが、過去同じテーマを据えたエルドラージ覚醒リミテッドは、重いエルドラージを唱えることができるように通常のマナカーブを無視してデッキを組み立てる必要がある特殊な環境であり、一部のプレイヤーには好評だったが改善点は多かった。多様なタイプのデッキを組むことが可能な環境を目指すために、怪獣映画の要素の1つである最初は小さく可愛らしい怪獣が巨大な脅威に変貌するモチーフや、覇権にヒントを得て変容はデザインされた[1]

初期の変容はクリーチャー・タイプかキーワード能力を共有するクリーチャーに対して変容を持つクリーチャーを重ねることができ、変容前のクリーチャーが持っていたキーワード能力はキーワード・カウンターとして変容後のクリーチャーに引き継がれるというものだったが、セット・デザイン・チームによりキーワード・カウンターは独立し、変容の制限も「人間でない」だけになった。灯争大戦幸運な野良猫/Charmed Stray戦慄猫/Dreadmalkin樹上の草食獣/Arboreal Grazerはこの頃の変容のデザインの名残で後のセットの助けになるように収録されたものである[2]

またデザイン中は除去によるカード・アドバンテージの損失を減らすため、変容したクリーチャーが戦場を離れる場合1番上に置かれたカードのみが戦場を離れることになっていた。Mark Rosewaterはこの頃のルールで記事を書いてしまい、訂正が入るという一幕もあった[3]

脚注

  1. 『イコリア』に出会う以上に(Making Magic 2020年4月6日)
  2. セットデザインの怪物(Daily MTG 2020年4月7日)
  3. Blogatog(Mark RosewaterのTumblr 2020年4月6日)

参考

引用:総合ルール 20231117.0

引用:総合ルール 20231117.0

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