フェアリーの黒幕/Faerie Mastermind
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クリーチャー — フェアリー(Faerie) ならず者(Rogue)
瞬速
飛行
対戦相手1人が各ターン内の自分の2枚目のカードを引くたび、あなたはカード1枚を引く。
(3)(青):各プレイヤーはそれぞれカード1枚を引く。
瞬速と飛行に加え、対戦相手の2枚目のドローに便乗する能力も持ったフェアリー・ならず者。
起動型能力で各プレイヤーにカードを引かせることが出来るので、能動的に誘発させることが可能。起動コストはやや重いが誘発型能力も含めれば金言/Words of Wisdomのように機能し、必要とあらば1ターンに2回以上起動させることも(当然、3枚目のカードを引いても能力は誘発しないが)可能。多人数戦の場合、2回目の起動でターン・プレイヤー以外の対戦相手が2枚目のカードを引くことになり、更に強力。もちろんこれ自身の能力以外で引いた場合もしっかり機能する。瞬速により、相手が何らかのドロー手段を使用するのに対応して出せば、その時点から便乗できるのも強みといえる。
スタンダードではエスパー・レジェンズや青単テンポなどに採用されたものの、プロツアー・機械兵団の進軍ではラクドス・ミッドレンジ一強により目立った活躍は無かった。鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker等の禁止後はラクドスの代わりにトップメタへ上り詰めたディミーア・ミッドレンジに確定で4枚入るカードとなる。序盤に除去や打ち消しを構えながら展開することができ、黙示録、シェオルドレッド/Sheoldred, the Apocalypseとのコンボで最後のライフ数点を削り切る場合も多い。
- 同様の、2枚目のドローを咎めるカードについてはChains of Mephistophelesを参照。
[編集] 開発秘話
このカードは世界選手権21で優勝した高橋優太のプレイヤー・スポットライト・カードであり、彼がイラストのモデルになると共にデザインにも関わっている。
彼は既存のプレイヤー・スポットライトやインビテーショナルカードのうち現在も下のフォーマットで使われるものは「軽い」「シングルシンボル」であることに着目し、その2点を必須条件としてマナ・コストを考え始めた。そこから意志の力/Force of Will・否定の力/Force of Negationのピッチコストに利用可能とするために青になり、さらにヴィンテージでもMoxを絡めて1ターン目に出せるよう、マナ・コストは(1)(青)に決定した。
次に能力については、高橋の好むインスタント・タイミングの動きを可能とするため瞬速を持つことがまず決まった。開発部から送られてきた瞬速クリーチャーの候補を見た彼は、次の能力を気に入った。
非公式/非実在カード
(候補その1) (1)(青)クリーチャー
瞬速
飛行
このカードが戦場に出た時、呪文1つか土地でないパーマネント1つを対象とする。それをオーナーの手札に戻す。それのコントローラーは、宝物(Treasure)トークン1つを生成する。
宝物を与える代わりに軽い造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savantといったデザインであったが、テストプレイの結果あまりにも強力すぎたため3マナ以下のみを対象にできるよう変更された。しかし、これでは高橋の求めるモダン以下での活躍は難しいと判断され、改めて能力の候補を選び直すことになった。そうして協議の結果決まったのが次の内容である。
非公式/非実在カード
(候補その2) (1)(青)クリーチャー
瞬速
飛行
対戦相手1人が各ターン内の自分の2枚目のカードを引くたび、あなたはカード1枚を引く。
(2)(青):各プレイヤーはそれぞれカード1枚を引く。
敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilfererやスレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thrabenを瞬速でブロックして討ち取れ、相手のBazaar of Baghdadにドローで対抗でき、レンと六番/Wrenn and Sixにも焼かれないことを目指したデザインである。また、多人数戦である統率者戦で強くなるようにも作られている。
しかし、このデザインではスタンダードでアグロデッキを強く抑制してしまうため、サイズは2/1に変更された。また、2ターン目に唱えて3ターン目に能力を起動する流れが強力すぎたため、起動コストは1引き上げられた。
クリーチャー・タイプは高橋の好む青黒フェアリーやディミーア・ローグで使えるようにするためフェアリー・ならず者に決定された。カード名は英語名で「フェアリーマスター」を含むように命名され、日本語訳も高橋によって決定された[1]。
[編集] 脚注
- ↑ MTG │ コラム │ 高橋優太【《フェアリーの黒幕》ができるまで】(ラッシュメディア 2023年2月27日 高橋優太著)