ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought
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アーティファクト クリーチャー — ファイレクシアン(Phyrexian) ドレッドノート(Dreadnought)
トランプル
ファイレクシアン・ドレッドノートが戦場に出たとき、パワーの合計が12以上になるように好きな数のクリーチャーを生け贄に捧げないかぎり、これを生け贄に捧げる。
非常に巨大なアーティファクト・クリーチャー。レギオンでクローサの雲掻き獣/Krosan Cloudscraperが出るまでは、登場以来長らく、マジックで最大のパワーとタフネスを誇るクリーチャーだった。
戦場に出すこと自体は簡単なものの、膨大な生け贄を捧げない限りそのまますぐに墓地へと直行してしまう。そのため、通常の戦闘要員としてはまず扱えない。それだけのクリーチャーが戦場にいるのであれば、それらで殴ればいいだけだからだ。苦労して戦場に出しても、能力としては単なるトランプルを持つファッティに過ぎないため、制圧力も初見の印象ほど高いわけでもない。ましてや、解呪/Disenchantなどで軽く除去された日にはそれこそ目も当てられない。以上の点から、登場当初は見かけ倒しのカスレア的存在とされていた。
しかしエクソダスで伏魔殿/Pandemoniumが登場したことにより評価が一変。他のクリーチャーを生け贄に捧げなくてもとりあえず「戦場に出る」ことは可能であるため、わずか1マナで12点火力を飛ばすコンボが成り立つのである。これを軸にしたパンデモノートというコンボデッキが生まれ、アジア太平洋選手権98で準優勝を果たすまでに至った。その強さゆえにエラッタが出され、2007年7月に撤回されるまでの長い間このコンボは封じられていた(詳しくは#エラッタ参照)。
第6版ルール施行後には、これが戦場に出た後幻視の魔除け/Vision Charmなどでフェイズ・アウトさせるというコンボも生まれた。これは、フェイズ・アウトしてしまえば、これを生け贄に捧げることを無視できるためである。また、もみ消し/StifleなどでCIP能力を打ち消してもよい。これらの方法でCIP能力を踏み倒すデッキはスタイフルノートと呼ばれている。これらのコンボも、前述のエラッタにより長い間封じられていた。
まっとうな利用法としては、強化呪文や歩く火力などの一時的なパワー増大を食って登場、自然の反乱/Nature's Revoltでクリーチャー化した土地を食って登場、などが挙げられる。後者の方法で、ペンドレルリボルトにおいて、相手がロックから抜け出す前に決着をつけるフィニッシャーとなった実績がある。
- イラストではほとんど判別がつかないが、ファイレクシアン・ドレッドノートに立ち向かうウィザードが右下に描かれている。そこから、こいつがどれだけでかいのかがよく分かるだろう。
- しかしB.F.M.と比べたらこいつですらイモ虫同然である(B.F.M.のイラストでは右角に引っかかっている)。上には上がいる。
- Magic Onlineでのミラージュのリリースに伴う2005年9月のオラクル更新でドレッドノートのクリーチャー・タイプを獲得した。ミラディン包囲戦現在、これ専用のクリーチャー・タイプである。
主な悪用手段・デッキ
- 伏魔殿/Pandemoniumで対戦相手にダメージ。→パンデモノート
- もみ消し/StifleでCIP能力打ち消し。または幻視の魔除け/Vision Charmでフェイズ・アウト。→スタイフルノート・ドレッドスティル
- Illusionary Maskで裏向きにして戦場に出す。→マスク・ドレッド
- 墓地送りにし、高パワーを活かして縫合グール/Sutured Ghoulのエサに。
- 苔汁の橋/Mosswort Bridgeの条件を容易に満たす。→Show and Tell
エラッタ
前述のように、パンデモノートのコンボがあまりにも簡単に決まってしまうことから1999年7月にエラッタが適用され、戦場に出る前に生け贄に捧げるようになってしまった。その時のルール文章は以下の通り。
旧オラクル
ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought (1)アーティファクト クリーチャー
トランプル
ファイレクシアン・ドレッドノートが場に出るとき、代わりにパワーの合計が12以上になるような、任意の数のクリーチャーを生け贄に捧げる。生け贄に捧げた場合、ファイレクシアン・ドレッドノートを場に出す。生け贄に捧げなかった場合、ファイレクシアン・ドレッドノートをそのオーナーの墓地に置く。
このテキストであっても、Illusionary Maskを使って戦場に出す場合はクリーチャーを生け贄に捧げる必要が無い。そのため、レガシーでIllusionary Maskは禁止カードに指定され、ヴィンテージにおいては、このシナジーを前提として使用され続けていた実績がある(→マスク・ドレッド)。
その後、2007年7月のオラクル更新により、元々のテキストに戻った。これによりパンデモノートコンボが再び可能になった。
参考
- Art Close-Up: Phyrexian Dreadnought (拡大されたイラスト。WotC, 英語)
- ファイレクシア/Phyrexia(背景世界/ストーリー用語)
- 再録禁止カード一覧(再録禁止カード)
- カード個別評価:ミラージュ - レア