森の知恵/Sylvan Library
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カード・アドバンテージを稼げるエンチャント。毎ターンのドローが「3枚引いて2枚戻す」になる(正確には少し違う) が、4点ライフを支払うごとに戻す枚数を減らせる。
4点というライフの支払いはかなりきつく、そう易々と手札は増やせないが、こちらのライフを積極的に攻めてこないコントロールデッキが相手ならば、比較的楽な気持ちで引き増せる。また、手札の枚数を増やさなくても毎ターンのドローが渦まく知識/Brainstormになるようなものなので、フェッチランドなどのシャッフル手段があれば優秀なライブラリー操作になる。黎明期のThe Deckなどのコントロールデッキやカウンターオースなどで1枚挿しされていた。
一時期のレガシーではZooのミラーマッチが頻発したため、消耗戦を制するために投入されることがあった。また、食物連鎖などの緑を含むコンボデッキで採用されることもある。
現在のレガシーでは4色レオヴォルド等の緑を含むコントロールデッキや、土地単やダーク・デプス系デッキのようなデッキで採用されている。
- ドローを置換する効果との相性は非常によい。「引いたカードは、ライフを支払わなければライブラリーに戻す」のがこのカードの基本的な動作なので、ドローが置換されて戻すべきカードがなくなると、カードを戻す&ライフを支払う必要がなくなってしまう。つまり、2枚分以上のドローを置換すれば丸儲けになるということ。豊穣/Abundanceや各種言葉などとのシナジーが有名。
- ライブラリー操作を併用するのも有効。各種フェッチランドで切り直してもよいし、発掘なども相性がよいだろう。
- ライフと引き換えのハンド・アドバンテージ獲得というのは、現代の色の役割で言えば、黒のカードであるべきような性能。黎明期の混沌さがうかがえる。
- 統率者戦では緑の貴重なドロー操作カード。4点のライフ支払いも初期ライフが40点であるため利用しやすい。Commander's ArsenalやCommander Collection: Greenにも収録されている。
- 統率者戦が行われるようになってから需要が高まり、シングルカード価格が高騰したカードでもある。
- ライフを支払ってカードを引くのは緑のフレイバーではないうえカードパワーが高すぎる、というこのカードの問題点を意識して作り直されたリメイク版がミリーの悪知恵/Mirri's Guileである[1]。
[編集] ルール
普通に使うと「3枚引いて2枚戻す」だが、正確な効果はもっと複雑なため注意。手順は以下のようになる。
- ドロー・ステップが開始し、森の知恵の能力が誘発する。能力はこの時点ではスタックには置かれない。
- ドロー・ステップのターン起因処理として通常のドローをする。
- 誘発していた森の知恵の能力がスタックに乗る。これの解決前に対応して何かすることができる。
- 森の知恵の解決に入る。あなたはカードを2枚引いてもよい。引いたなら、あなたの手札にあり「このターンに引いたカード」であるカードを2枚選ぶ。
- 選んだカードのそれぞれについて、4点ライフを支払って手札に残すか、それをライブラリーの一番上に置く。
- カード1枚ごとに別々の選択をしてもよい。
- 4の手順で選んだカードについてのみ処理を行う。4でカードを2枚選べなかった場合、選べなかったぶんについては何もしない。
- あくまで「2枚選んで戻す」であり、「1枚選んで残りを戻す」ではないことに注意。森の知恵の2枚ドローを両方とも置換しても、このターンに通常ドローなどで引いたカードが手札にまだあるならそれを戻さなくてはならない。
- 黒のカードでよくある「~~しないかぎりN点のライフを失う」とは違い、カードを戻せなくてもライフを失うことはない。
- 複数の森の知恵をコントロールしている場合、それぞれの能力が誘発して順番に解決する。インスタント・タイミングで切り直す手段がない場合、一つ目の森の知恵でライフを支払ってカードを戻さないことを選択しないと、二つ目の森の知恵では戻したカードをそのまま引き直すことになるため手札内容の面では意味が無い。
- 「このターンに引いたカード」を参照する特殊な能力であるため、テーブルトップでの使用には注意が必要。森の知恵を使用するプレイヤーは、この能力が解決されるまでは直前のターンまでの手札とこのターン引いたカードを物理的に分離し対戦相手から区別できるようにしなければならない。
- 総合ルールではフォローされていないが、手札に混ぜてしまったカードは、全ての対戦相手にこのターン引いたと明確に分からないため、戻すことはできない。各種教示者でサーチしたカードを公開し、「適正なカードをサーチした」ことを証明するのと同じである。
- ジャッジなどの第三者に「このターン引いたカード」を覚えておいてもらえばよさそうに思えるが、ジャッジは対応しないだろう。ジャッジの役割はカードを覚えることではなく、起こった誤りを処理することであるからである。何か問題が起こったとき、例えば「このターン引いたカード」を手札と混ぜてからカードを戻そうとしたときになって、初めてジャッジの出番になるのである。
- 混ぜてしまった場合の処理は、ルール適用度やイベントの性質、実際の状況によって異なる。何かと厄介なカードであるので、とにかく少しでも問題が起これば、ジャッジの判断を仰ぐのが望ましいだろう。
[編集] 参考
- ↑ In a Teapot(Making Magic 2002年12月16日)